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短信:「がん患者は“専業患者”ではない ‐患者の就労と治療を社会で支える‐」

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 2人に1人ががんにかかるといわれている時代。
がんと診断された人のその後の生活は、多くの課題に直面している。
特に就労問題は、患者本人だけでなく、家族や職場関係者、医療者、地域コミュニティ、行政にまで関わる大きな問題だ。

 企業にとっては、がん患者の就労は人材活用面からも大きな課題だ。
治療により、一時的に労働パフォーマンスが下がっても、多くの場合回復する。そのあたりの理解を深めた上で、職場にも無理のないよう患者の就労と治療の両立を図ることが求められている。

 多くの人にとって働くことは生きがいであり、非常に重要だ。がんになったからといって特別な存在ではない。がん患者は「専業患者」ではなく、社会のなかで生きているのである。
がん対策推進基本計画には、就労支援の必要性が明記されている。しかし、実際にはその進捗はいまひとつだった。昨今働くがん患者と家族を社会全体で支える必要性が強調され、そのための取組みが始められた。

 国立がん研究センター「がんサイバーシップ支援研究部」では、就労問題以外にも「周囲との人間関係」、「ライフスタイルと健康増進」、「がん患者と性」の問題にも取り組んでいる。がんと就労研究班では、「『がん就業者』支援マニュアル」、「がんと仕事のQ&A」「産業看護職向けガイドブック」等、各種の実用的な支援ツールを開発し、紹介している。

 「多くの人がどう対応したら良いか困っています。早い時期により多くの人に支援リソースとつながっていただき、がん患者の生活の充実と、可能性のヒントにしていただきたいと思います」(同研究部長)

 支援ツールは研究班サイト(http://www.cancer-work.jp/)から、全てダウンロードできる。

 このサイバーシップに関する研究は、さらなる知見の蓄積、支援や政策への寄与、発展に向けて今後は、医療領域以外の実務者や研究者との連携を強めていく。