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短信:認知症初期集中支援サービスのモデル的取組み

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 厚労省は、オレンジプランのもとに13年度から「認知症初期集中支援サービスモデル事業」を全国14市町村で開始したが、これに先立ち全国3か所の試行施設で研究事業をおこなった。
 その一つに選ばれた世田谷区の桜新町アーバンクリニックのナースステーションでは、地域包括支援センターと連携してはやくから、この事業に取り組んだ。
 認知症初期集中支援チームは、複数の専門家が家族の依頼などによって、認知症が疑われる人や認知症の人、その家族を訪問してアセスメントや、家族支援など初期の支援を包括的、集中的(約6か月)に行い、自立生活のサポートを行うものである。
 メンバーは専門医、保健師、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士など、医療・介護の専門家。活動の拠点、在宅医療部のオフィスには、医師8名、看護師9名はじめ、約30名の多職種のスタッフがいる。

 支援の対象となるのは、40歳以上で、在宅で、認知症が疑われる人。

または医療サービス、介護サービスを受けていない人で、
*認知症疾患の臨床診断を受けていない人
*継続的な医療サービスを受けていない人
*適切な介護保険サービスに結びついていない人
*診断されたが介護サービスが中断している人
*医療・介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため
対応に苦慮している例など。

 こうした認知症初期集中支援サービスによる認知症の在宅サポートの新しい流れは、従来のやり方を変える画期的なケアだという評価がある。

 これまでは、精神症状が重篤化し病院に入院する以外に選択肢がないほどの、危機的な状況に陥るまで、適切な支援が受けられないことが多かった。このため、入院の長期化や在宅復帰が困難な状況に追い込まれる悪循環に陥りがちである。その反省に立って、厚労省の認知症施策プロジェクトチームは、認知症ケアの流れを変える必要性を指摘。在宅・地域での自立生活の継続をサポートする、新たな多職種チームによる初期集中支援チームが実現した。これは、「早期支援」の中核として機能し、「早期診断」につなげて「危機回避」を行う糸口にもなるものである。

 

 この取組みの具体的プロセスはこうだ。

 1)初期アセスメント訪問
 2)チーム員会議の開催
 3)主治医を通じた認知症疾患医療センターなどへの審査、診察照会
 4)チーム員による本人家族への説明と、ケア方針の作成
 5)在宅初期集中支援の実施
 6)家族支援
 7)急性増悪期のアウトリーチ(訪問)や電話相談

等。

  ナースケアステーションの看護所長、介護支援専門員の片山智栄さんは「適切な評価のためには、対象者をよく知る身近な人からのヒアリングが欠かせないため、初回は特に家族などの同席が不可欠です。しかし、最近は核家族化が進み、独居高齢者や老々世帯が増えており、日程の調節が困難になっています。訪問で大事なことは、私達は対象者にとって味方であり、支援者であることを理解してもらうことです。

 家族は介護ストレスを抱え、認知症の周辺症状に悩む人も多いので、支援者や同じ悩みの人と話し合う場もあることを伝えます。」と語っている。

 

 

 

 

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