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-あらゆる抗生物質が効かない-「スーパー耐性菌」、米国で初の感染例

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  米疾病管理予防センター(CDC)は5月26日、あらゆる抗生物質に耐性のある

 細菌の国内初の感染例を報告。この「スーパー耐性菌」が広がれば深刻な危険をも

 たらしかねないと、重大な懸念を表明した。

  CDCのトーマス・フリーデン所長は、ワシントンのナショナル・プレスクラブの

 講演で、「早急に行動しない限り、抗生物質の時代は終わるかも知れない」と語った。

 感染が確認されたのは、ペンシルバニア州に住む49歳の尿路感染症の女性患者で、

 全ての抗生物質の中でも最強の「コリスチン」でも制御出来なかったという。

 女性には発症前の5か月間に、海外旅行歴はなく感染経路はわかっていない。

 

 (コリスチンは1950年代に日本人の研究者が発見した物質で、緑膿菌や赤痢にも

 有効だとして、1970年代に海外にも広がったが、強い毒性のために副作用も大きく、

 日本では長い間、使用されていなかったという)。

 

  このスーパー耐性菌に関しては、ウォルター・リード陸軍病院の研究結果として報告され、

 米国微生物学会の医学誌に掲載された。それによると、プラスミドと呼ばれるDNAの

 小片を媒介して、コリスチンへの耐性を示す「MCR-1」遺伝子がとりこまれたという。

 MCR-1遺伝子は、英国や中国の研究者によって昨年11月に報告されたのち、欧州や

 アフリカ、南米、カナダで発見されているという。

  研究チームは、「我々の知る限り、MCR-1が米国で見つかった最初の例だ」とし、

 「真に幅広い薬剤耐性菌の登場を告げるものだ」と指摘した。

 

(Newsweek 日本版/ロイター)