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短信:おたふくかぜ感染の仕組み解明 ‐抗ウィルス薬開発へ期待 九大・筑波大などの研究グループ

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 九州大や筑波大などの研究グループは9月27日、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の

原因となるムンプスウィルスがヒトの細胞に侵入し、感染する仕組みを解明したと発表した。

 おたふくかぜは、小児を中心に年間数10万~100万人以上の患者がでている。耳の近くの腫れや発熱が主な症状だが、重症の場合には髄膜炎や精巣炎、難聴などの合併症を引き起こすことがある。感染力が強く、学校保健安全法では、出席停止の対象となる。

 現在まだ有効な治療薬はなく、対症療法を行っている。

 研究グループは、エックス線を使った解析でムンプスウィルス表面にある「糖たんぱく質」の構造を明らかにした。一方、コンピューター計算などからヒト細胞表面の「受容体」が、3種類の糖からなることを突き止めた。

 糖たんぱく質と受容体は「鍵」と「鍵穴」の関係に例えられ、結合により感染する。

 構造が明らかになれば、ウィルスに先回りして「鍵穴」をふさぐ抗ウィルス薬の開発に道が開ける。

 おたふくかぜは、ワクチンを接種した人や過去にかかった人でも、複数回感染する場合があることが知られている。一度感染すれば、体内にウィルスを排除しようとする抗体ができる。しかし、ムンプスウィルスには複数の遺伝子型があり、場合によっては抗体が作用する部位のアミノ酸の配列が異なるため、一度できた抗体が役立たないケースがあり、これが再感染を防げない理由の一つとみられることも分かった。

 今回の成果は、ワクチンの改良や抗ウィルス薬の開発につながるものとされ、米国科学アカデミー紀要(電子版)に近く掲載される見通しである。