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No.603 2053年に人口1億人切れ、厚労省人口問題研が推計。人口減が日本にもたらすものとは?

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■2050年には1.2人で高齢者1人を支える「肩車型」社会に

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は4月10日、1人の女性が生む子供の数が変わらない場合、2053年に人口が1億人を切るという長期的な日本の人口を予測した「日本の将来推計人口(平成29年推計)」を公表した。2065年の人口は8808万人と推計され、2015年から50年間で3割減となる。また、15~64歳の生産年齢人口は、2015年の7728万人から50年後には4529万人と約4割減少。一方で、65歳以上の高齢者人口は3387万人から50年後に3381万人とほぼ横ばいとなり、人口の5人に2人が高齢者となると推計される。2012年時点で日本は20~64歳までの人々2.4人で1人の高齢者を支える「騎馬戦型」社会。少子高齢化の進展により2050年には1.2人で高齢者1人を支える「肩車型」社会になると推計される(図1「肩車型」社会へ)。生産年齢人口の減少は、社会保障制度を維持する上で深刻な問題となる。

 

■外国人の純流入は13.6万人、人手不足の日本で存在感を増す外国人

 また、総務省が4月14日に公表した2016年10月時点の人口推計では、外国人を含む総人口は1億2693万3000人で、前年から16万2000人減少し、マイナスは6年連続となった。日本人は過去最大となる29万9000人の減少を記録したが、「純流入」13万6000人となった外国人の増加が総人口をやや補った。人口減少は40道府県で、一方増加したのは、東京、沖縄、埼玉、愛知など7都県。増加率トップは、4年連続の東京0.80%で、東京一極集中がさらに強まっている。安倍政権は地方創生を看板政策に掲げているが、東京一極集中に歯止めがかからない実態が明らかになった。

 そのような中、2015年10月~2016年9月に日本に3カ月を超えて滞在した外国人は約240万人に達し、この5年間で50万人も増加し、外国人の純流入は4年連続となった。安倍政権は「日本再興戦略2016」で高度外国人材(専門的・技術的分野の外国人材)の受入促進として、2017年末までに5000人の高度人材認定を目指し、①世界最速級の「日本版高度外国人材グリーンカード」の創設、②我が国への貢献が大きい外国人材の永住許可申請の在り方の検討-など工程表を示し、優れた技術等を備えた高度外国人材の定着を後押しする施策を進めている。

 生産年齢人口の減少により、深刻な人手不足に悩む介護分野での人材確保について、いかに外国人労働者で補うか大きな課題となっている。既に、日・インドネシア経済連携協定に基づき2008年度から、日・フィリピン経済連携協定に基づき2009年度から、日・ベトナム経済連携協定に基づく交換公文に基づき2014年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護福祉士候補者(外国人候補者)の受入れを実施してきており、累計受入れ人数は3国併せて3800人を超えている(2016年9月1日時点)。高度外国人材の受入促進はさることながら、生産年齢人口の減少を見据えた介護分野の人材確保対策は、喫緊の課題と言える。

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関係者のコメント

 

<菅官房長官:「高齢化・人口減少を踏まえ、給付やサービスの質を維持しながら社会保障制度の重点化・効率化を」>

 菅義偉官房長官は4月10日の閣議後の記者会見で、高齢化・人口減少が進む「日本の将来推計人口」について、「給付やサービスの質を維持しながら社会保障制度の重点化、効率化を図っていくことが重要である」と指摘した。

 

<人口減少進む地方の公立病院長:「2025年には二次医療圏の病床が640床削減の見込み。関係者の危機感が高まり公立病院の再編を断行」>

 少子高齢化に伴う人口減少は、地域医療に大きな影響を及ぼす。山形県酒田市では、人口がピークだった昭和30年(1955年)の37万6000人から、昭和25年(2013年)には28万4845人と約9万人減少。これは、市町村合併時に酒田市に編入した旧3町がほぼ消えたことになる。山形県地域医療構想によると、2025年には酒田市が位置する庄内二次医療圏2715床のうち640床が削減すると見込まれる。「人口減少と病床削減に危機感を抱いた地域の医療関係者は、公立病院の再編を決意。2008年に酒田市内の県立病院と市立病院の経営統合・再編を断行した」と、再編に係わった病院長は述べている。

 

<本省から地方に出向の厚労官僚:「4人の子供に恵まれ、少子高齢化対策に寄与している自負。公務員は福利厚生が恵まれている」>

 幸い、4人の子供に恵まれ、担当省庁とは言え、少子高齢化対策に寄与していると自負している。周りの同僚にも「2人以上の子持ち」が多いような気がする。かつて厚生事務次官を務め、1996年に特別養護老人ホーム汚職事件で事務次官経験者として戦後初めて実刑が確定した岡光序治氏も5人の子沢山だったと聞く。一般企業に比べて公務員は、福利厚生制度が恵まれていると思う。現在は地方勤務だが、公務員は都内でも民間に比べ格安の家賃で公務員宿舎に入居でき、余裕を持って子供を育てる環境にあると思う。

 

<保育所担当部署(厚労省):「育児休業終了後の職場復帰の環境整備が、少子化対策の大きな柱に」>

 育児休業終了後の職場復帰の環境整備が、少子化対策の大きな柱となると考えている。平成29年度保育対策関係予算では、多様な保育の充実として32億9500万円(新規)を計上。0歳児期の育児休業後終了後の「入園予約制」の導入、保育園を拠点とする3歳未満対象の「サテライト型小規模保育事業所」の設置、医療的ケア児保育支援モデル事業を展開することにした。

 

<ある中小食品メーカーの企業経営者:「人手不足よりもより深刻なのが、顧客不足」>

 人手不足も顧客不足も、企業経営にとってみれば重要な制約だが、どちらがより深刻かと考えると、圧倒的に顧客不足だ。わが国では食料消費も酒類消費も、数量的には1996年度がピークとなってその後は傾向的に減少してきた。これには不景気による節約や健康志向の高まりなども影響していたが、より基本的には、1990年代後半から始まった生産年齢人口の減少が、国民の胃袋を小さくさせていると思う。

 

<65歳定年後の高齢者:「定年後も働きたいが、なかなか希望の仕事が見つからない。国が仕事のマッチングの場を設けるべき」>

「オレンジ世代」といわれる夕刊フジや日刊ゲンダイの主力読者の多くは、今定年を迎え、第二の人生を考える時期にさしかかっている。その1人で今年65歳となり、高齢者の仲間入りした千葉県に住む男性は、「オレンジ世代の生きがいは、一生働くこと」と意気込んでいる。しかし、現実は厳しく、2、3年前から定年後を見越して、自分のキャリアを生かした仕事を探しているが、自分の望む「第二の仕事」は見つからず、65歳定年を迎えてしまった。その男性、「65歳だと、仕事は限られ、自分のキャリアは無視されるのが現実。生産年齢人口の減少対策として、もっと高齢者を活用すべきだ。企業と若者のための就職のマッチングの場を、高齢者に対して国が責任もって設けるべきだ」と訴える。

 

事務局のひとりごと

 

 社会保障は日本の大きな問題で、少子高齢化、人口減少問題、待機児童問題、財源論など、最近報道でよく見かける話題である。「人口減少」についても、センセーショナルな数字に目が惹かれるが、子育て支援対策や高齢者の定義を見直す動きなど、なりふりを構わず「1億総活躍社会」実現に向けた安倍政権の「本気度」はうかがえるものとなっている。

 ただ、どれだけ施策をうっても、現実はなかなかシビアで、毎年生まれる新生児の数は、どちらかといえば「右肩下がり」の状態である。故に「人口1億人切れ」が現実のものとなってしまう可能性が高くなってしまうわけだ。現在の日本の人口は約1億2千万人。2053年には1億人切れ。その差2千万人。筆者ごときの浅学菲才の身では、この人口減少問題の根本的な解決方法など出せるものでもないので、今回のひとりごとでは、2千万という数字に因んで色々調べてみた

 

<国の人口>(2015年)

・ガーナ 約 2,400万人

・北朝鮮 約2,400万人

・イエメン 約2,400万人

・中華民国 約2,300万人

・モザンビーク 約2,300万人

・オーストラリア 約2,200万人

・ルーマニア 約2,100万人

・スリランカ 約2,000万人

・マダガスカル 約2,000万人

・シリア 約2,000万人

・コートジボワール約2,000万人

・カメルーン約2,000万人

・アンゴラ 約1,900万人

 

<都市の人口>(2014年)

・北京 (中国) 2,100万人

・ニューヨーク(アメリカ) 2,063万人

・広州=仏山(中国) 2,063万人

・サンパウロ(ブラジル) 2,036 万人

・メキシコシティ(メキシコ) 2,006万人

※・・・東京(日本)は3,784万人で世界一の人口を誇る。

 

<商品等販売数>

・『濃厚焼きチーズタルト』・・・2015年、サークルKサンクス。累計2,000万個以上

・たまごっちプラス・・・累計世界販売個数で2,000万個超え

・トップバリュのギリシャヨーグルト・・・発売開始1年5ケ月で2,000万個突破

・ロッテ「乳酸菌ショコラシリーズ」・・・累計販売2,000万個突破

・AKB48…最速7年でシングル総売上2,000万枚突破

・嵐・・・シングル39枚目で2,000万枚突破

・ソフィーの世界(ヨースタイン・ゴルデル著) 2,300万冊

・はらぺこあおむし(エリック・カール著) 2,200万冊

・英文法(リンドレー・マレー著) 2,000万冊

・預言者(カーリル・ジブラン著) 2,000万冊

・ダイアネティックス( L・ロン・ハバード著) 2,000万冊

・7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著) 2,000万冊

 

<医療関係(患者数)(参考)

・月間入院患者数 約3,800万人(約125万人/日×30.4日)

・月間外来患者数 約3,250万人(約130万人/日×約25日)

 

 最初に2千万に因んで調べようと思ったのは、「世界の人口が72億人を超え、増えすぎる人口で地球が危機に瀕しているという説もあるくらいの中、その約0.28%に過ぎない2千万人が減ることばかりに目を向けてもしょうがないじゃないか、大したことない」くらいに思った方が良いんじゃないの?という、単純な思いからだった。ただ、いろいろ調べて見ると、2千万という数字は確かに凄いインパクトであると感じた。と同時に調べていてわくわくしてきた

 とにかく、「人口減」と危機感が煽られ、殆どの国民にそれが浸透しているにも拘らず、人口増に向けた見通しが立たないのは、「政治が悪い」などと人のせいにしてなんだかんだと言っても、やはりこれは日本国民の選択した結果なのだろう。増やそうとする努力はもちろん大事だが、2,000万の数字でこれだけのインパクトがあるのだから、その5倍の1億人はもっと凄いんだぞ、というくらいの気概をもって、日本人が歩んでいくべきではないか、束の間であるが、筆者はそう感じた。

 

 労働力不足が叫ばれている中、AIを活用していろんな業務を代替させようという動きが本格化してきている。そこでジャーナリストからコメントを頂いたので紹介したい。

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○AI社会の到来で、人口減社会の働き方改革はどうなるか

 人口減少対策として国は、「働き方改革」を進めているものの、社会の至る所で人材不足が深刻化している。

 一方で、今や人工知能(AI)など新しい技術革新の大きな波が世界的に襲ってきている。このAIの発達が経済構造や人々の働き方に変化をもたらすことは間違いないだろう。AIの導入により、仕事が奪われるのではないかとの懸念がある。しかしAIの効率的な活用で、より低コストで生産性を高めることによって、企業競争力の強化に繋がる可能性も高い

 人間の強み、AIにはできないであろうコミュニケーション能力を活かして、AIとうまく協調して相乗効果で新ルネッサンスの働き方改革が進められるような方向になれば、もしかして当面の閉塞感、危機感は解消されるのではないか、とふと思った。

 ちなみに野村総研等の研究によると、今後 日本の労働人口の49%がAIやロボットなどで、代替が可能になると予測している。

 AIなどによる代替が難しい傾向にあり、将来とも人が担うと予測しているのは、創造性協調性が必要な業務や、非定型業務だという。

 一方、特別な知識やスキルが求められない職業、データ分析や秩序的・体系的操作が求められる職業は、AI等で代替できる可能性が高い傾向が確認できたという。

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 AIの研究は日進月歩で、ビッグデータとAIの組み合わせで、これまで人間が行ってきた業務が代替できるようになるのは素晴らしいことなのかもしれない。SFの映画ではよくそんな光景が描かれている。

 すでに、アメリカの証券会社では、コンピュータが高速売買を行うため、証券ディーラーが大量に解雇されている、という話を耳にした。弁護士も定型業務を行う人の収入はとても低いのだという。単純でパターン化した仕事はAIに取って代わられるというわけだ。

 さて、そうすると我々人間は、「稼ごう」と思うと、常にAIよりも先を行くような創造性のある仕事を行う必要があるのだろう。

 

「1億人みんなが創造性をもった仕事で活躍する社会」

 

 現在、殆どの労働者の業務は定型業務が主体であるだろう。そのように大企業を中心として、誰でも効率よく仕事ができるようにオペレーションを組んできたからだ。これからの人類は、創造性を磨いていくしかあるまい。AIより自分が評価されるために・・・。

 果たしてみんながかのスティーブ・ジョブズや、タレント性の高いミュージシャンや芸術家、芸能人のようになれるのだろうか?

 AI社会にはAI社会なりの問題が潜んでいそうだ。

<ワタキューメディカルニュース事務局>