ワタキューメディカルニュース

ワタキューメディカルニュース詳細

短信:お酒に強い人は痛風リスクが2倍高い!? ~ 遺伝子レベルで違い ~

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

 お酒に強い体質の人は、痛風になりやすいとする遺伝子レベルのリスクの裏付けとなる研究結果を、防衛医科大学校 松尾洋孝講師と崎山真幸医官らの研究グループがまとめ、英総合科学誌Scientific Reportsに発表した。(掲載は16年5月16日)

 

 痛風は、体内の尿酸値が高い状態が続き、結晶化して関節などに付着すると発症、“風が吹いても痛い”と言われるほどの激しい関節炎発作を引き起こす疾患。関節痛だけでなく、高血圧症や腎疾患、心疾患、脳血管障害などのリスクにもなる。中高年の男性に多く、国内患者は約100万人、予備軍の高尿酸結晶は約1千万人にのぼるといわれている。

 

 リスク要因として、食生活の欧米化や、肥満などが考えられていたが、同じような生活習慣にもかかわらず、痛風を発症する人としない人があり、遺伝的要因も指摘されていた。全容はまだ解明されていないものの、同研究グループはアルコールの代謝・分解過程で重要な役割りを果たす酵素「2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」が痛風の発症に関わっていることを突き止めた。つまりALDH2がほとんど機能しない(お酒に弱い)遺伝子配列の人は、痛風を発症しにくい。一方、ALDH2が機能する(お酒に強い)人は痛風発症リスクがその2.27倍になることを明らかにした。

 

 「今回の成果は、痛風を発症するリスクの高い人を見つけ出して、遺伝子の個人差に応じた予防や医療により“生活の質”(QOL, Quality of Life)の維持・向上に活かされることを期待しています」。(研究者)

 

以上