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No.624 2018年度改定で変わる回復期リハビリ病棟入院料。ADL維持・改善効果の高いリハビリは報酬引き上げ

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回復期リハ病棟1、リハビリ実績指数は37と厳しいが、報酬は2085点に引き上げ

 2018年度診療報酬改定では、入院医療の新しい報酬体系について、①急性期医療、②急性期医療~長期療養、③長期療養-の3つのカテゴリーに整理され、各入院料は「基本的な評価」と「診療実績に応じた評価」を組み合わせたものとなる。

 

 このうち、急性期医療~長期療養のカテゴリーにある「回復期リハビリ病棟入院料」では、ADLの維持・改善度合いを評価する「リハビリテーション実績指数」などを新たに「診療実績を評価する指標」として導入し、3区分から6区分の入院料に再編され、リハビリ実績指数は「27」から「37」・「30」の2段階となった。これにより、ADLの維持・改善効果の高いリハビリを提供している病棟で、報酬は1日につき2085点(新入院料1)に引き上げられるなど、回復期リハビリ病棟を巡る点数が大きく変わった(図2 回復期リハビリテーション病棟入院料の再編・統合のイメージ)。

 

 

 基本部分となる「医師、看護師、リハビリ専門職などの配置」や重症患者割合などは大きな見直しはなかったが、「回復期リハビリ病棟入院料1では、常勤管理栄養士1名以上の配置を努力義務とし、管理栄養士のリハビリ実施計画等への参画、栄養状態の定期的な評価・見直しの実施の要件化」「回復期リハビリ病棟入院料1~4では、データ提出を義務化する」などの見直しが行われた。

 こうした見直しに伴い、現行の患者に手厚いリハビリ(1日6単位以上)を行っている病棟を評価する「リハビリ充実加算」(40点)は廃止された。

 

■大きなウエイト占めるアウトカム評価の指標「リハビリ実績指数」

 回復期リハ病棟の入院料の再編で注目されるのが、アウトカム評価の指標である「リハビリテーション実績指数」。ADLの維持・改善度合いを評価する「リハビリ実績指数」などを新たに「診療実績を評価する指標」として導入し、ADL維持・改善効果の高いリハビリを提供している病棟で、報酬が引き上げられることになった。

 

 現行の入院料1相当の体制として看護職員配置13対1以上となる回復期リハビリ病棟の新入院料1と2とでは、自宅等に退院する割合が7割以上、データ提出加算の届出などの要件を求める。リハビリ実績指数37以上が要件となる新入院料1では2085点、要件化されていない新入院料2は2025点と60点の差がある。

また、新入院料3は1861点で現行入院料2の1851点を上回るが、リハビリ実績指数30以上を満たせなければ、1806点。新入院料5・6とも同様でリハビリ実績指数を満たせば1702点で現行の入院料3の1697点を上回るが、満たせなければ1647点になるなど、回復期リハビリ病棟の新評価体系では、アウトカム評価の指標であるリハビリ実績指数が、これまで以上に大きなウエイトを占めることなる。

 

関係者のコメント

 

<三師会と四病協:「入院医療の新体系を評価」>

 2月7日の診療報酬改定答申を受け、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会の三師会と、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神病院協会の四病協は共同記者会見を開き、入院医療の新体系で基本料と10対1入院基本料の報酬の差に配慮した中間的評価が設けられたことについて、「従来は落差が大きかったことから、良い方向である。地域包括ケア病棟入院料の見直しも、自宅からの入院や介護との連携を評価する仕組みである」などと評価した。

 

<武久日慢協会長:「摂食や排泄リハビリなどADLを高めるべきとの厚労省のメッセージ」>

 回復期リハビリ病棟の入院料が再編・統合されたことに関して、2月8日の定例記者会見で日本慢性期医療協会の武久会長は、「摂食や排泄リハビリなど日常生活機能(ADL)を高めて欲しいという厚労省のメッセージだ」と前向きに評価した。

 

事務局のひとりごと

 

♪ 葉っぱが一枚あったとさ

 葉っぱの下に目玉焼き・・・

♪ 丸描いてチョン、丸描いてチョン

 お豆に芽が出て植木鉢~・・・

 

 筆者には絵心が全くない。子どもに「絵を描いて」とせがまれても、大した絵がかけないので、昔覚えていた絵描き歌を思い出して、大して似てもいない“オバQ”や“ドラえもん”を描いてやる。ドラえもんはそこそこの反応をいただけるのだが、オバQなんて、そもそも子どもの世代では知るはずがない。そんなわけで、スマートフォンで画像を呼び出し、これがオバQだよ、などと子どもに見せる。

 

「ふうん。」

 

 反応はたったそれだけ。全く興味を示さない。絵描き歌を歌うにしても、もう少し現代的なものも覚えたほうがよさそうである。それでも調べてみて驚いたのは、永遠に謎かと思われていたオバQの中身が判明したことだった。オバQのあの姿は、謎の中身が服を着た格好、という設定で、犬などにかまれたりすると、黒い足だけが描かれ、一体中身はどうなっているのだろう?と思ったものだ(※4)。

 

 前置きが長くなってしまった。2018年診療報酬同時改定では、「同時改定」であるだけに、“短冊”という外身にばかり目が行きがちだが、オバQではないが、肝心のその中身(要件・実際に自院などで算定が可能か?)などを、2年に一度、引っ張りだこの人気講師による診療報酬改定説明会で、その内容の仔細を知れば知るほど医療・介護・在宅が如何に密接に関係し、片方の点数表に出てきた要件は、もう一方の用件にも密接にリンクするような意識的な作りになっていることが分かる(診療報酬点数説明会は、経験上、厚労省のお役人、しかも若手による説明は、申し訳ないが面白くない:“敢えて”なのかもしれないが、抑揚がなさ過ぎるので)。厚労省が唱える、医療・介護・在宅の“シームレスな連携”に誘導せんがための、練りに練った点数表だ。

 

 回復期リハビリテーション病棟入院料は、2000年にお目見えした。調べによると、全国平成27年時点で、全国に約1,700病棟(約77,000床)の届出があるそうだ。2016年には、リハビリテーション充実加算の要件である、リハビリ実績指数が導入(27以上)、そして今改定ではそのリハビリ実績指数は30以上、37以上で算定できる入院料に差が生まれる。実績指数として使用されるFIM(Functional Independence Measure:1983年にGrangerらによって開発されたADL評価法)については、下記参考図をご参照されたい。

 

 

 説明会などで随所にちりばめられる“点数誕生裏話”によれば、回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準である、「1日当たり2単位以上のリハビリテーションが行われていること」は、いずれ包括化(マルメ)されるそうだ。また、最も高い点数である「入院料1(2085点:現行2071点)」の算定要件には、実績指数37以上の他、専任の常勤管理栄養士が1名以上配置されていることが望ましい、とされた。

 

 

厚労省のコメントだ。

○医療課長:「生活視点こそがリハビリの要」

 日本リハビリテーション医学会が発行する雑誌の中で、厚労省保険局の迫井医療課長は、回復期リハビリ病棟へのアウトカム評価導入について、「生活機能を的確に捉え、“生活者の視点”から必要なリハビリが提供されているのか疑問に応えようとする大きな一歩」と述べていた。今回の改定において回復期リハビリ病棟でADL維持・改善効果の高いリハビリについて報酬を引き上げた背景には、迫井氏の「生活視点こそがリハビリの要」という考え方が反映されたものかもしれない。

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 回復期リハビリ病棟をもつ医療機関からはこんなコメントをいただいた。

○全床回復期リハ病棟に転換した民間病院:「急性期病院から『選ばれる病院』に」

 関西の大都市圏60床の民間病院。「以前は二次救急を担っていたが、都市部で近隣に急性期病院が多く急性期を担うのに限界を感じ、思い切って2008年に全床を回復期リハビリ病棟に転換した。急な入院依頼にも、絶対断らない病院として常日頃から急性期病院との連絡体制を欠かせないようにしている。不足と言われてきた回復期リハビリ病院も“競争の時代”に入るかもしれない。急性期病院から『選ばれる病院』として連携を深めていきたい」。

 

○リハビリ専門病院:「リハビリのアウトカム評価を意識し、摂食、排泄の機能改善を強化」

 中国地方のリハビリテーション専門病院。「今回の改定では、回復期リハビリ病棟入院料1に、リハビリ実績指数が37以上という高いハードルの要件が設定されたが、既に、当院では、リハビリのアウトカム評価を意識して、生活期リハビリまで一貫して行う体制を敷いてきた。今後は、摂食、排泄の機能改善の強化に取り組んでいきたい」。

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 厚労省としては、患者を在宅に誘導する、というのは大前提であるが、それは、貴重な医療資源である医療病床が、真に医療を必要としている患者のために供されるべき、という視点があるということが、もっと大前提である。医療を必要としない患者には在宅に復帰して生活していただき、医療が必要な患者には病院で療養し、在宅復帰を図っていただく。「寝たきり」を増やさないための施策が満載な改定である。

 

 

 在宅復帰を果たした患者(患者でなくなったが)よりコメントをいただいた。

○「回復期リハ病棟に入院して、早期に在宅復帰できた」

 心不全の治療を終えて大学病院を退院することになった75歳の父親は、当初、在宅での療養を勧められた。しかし、インシュリン注射やカテーテル管理などの医療ケアを在宅でできるか不安だった。そこで紹介されたのが、「在宅復帰率は93%」を唱っている回復期リハビリテーション病棟をもつ地元の民間病院だった。リハビリスタッフによる手厚いリハビリによって、大学病院入院中に低下していた日常生活機能も回復。半年もかからずに在宅復帰でき、今では朝夕3㎞の散歩を欠かさず行うほどまで回復した。

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 リハビリは、科学的に、また適切に実施されれば、患者の日常生活機能が回復する、という根拠が明らかになりつつあるのだろう。診療報酬、介護報酬におけるリハビリに関する項目の評価(点数になる)はつとに多く感じるし、それを考えさせられたテーマであった

 

 最後にこんなコメントを紹介して締め括りとしたい。

○医業経営コンサルタント:「アメニティの充実求められる回復期リハ病院」

 「近年、急性期病院ではケアが充実し、早期に適切なリハビリが行われることなどにより、重症度の高い患者が少なくなってきたことが指摘される。今回の改定を契機に、回復期リハを行う病院の淘汰が始まったとも言える。最近は、初台リハビリテーション病院千里リハビリテーション病院といった、入院患者へのアメニティとリハビリテーションの強化を図る病院も登場している。急性期病院よりも、平均在院日数が平均2カ月に及ぶ回復期リハビリテーション病院の方が、よりアメニティの充実が求められている」。

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 おっしゃるとおりだ。約60日間の療養環境向上のために、医療関連サービス提供事業者である当グループも、アメニティ充実・向上に役立つサービスの提供につとめたい。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※4)・・・ 興味のある方は、下記リンク先をご参照。マンガなので可愛らしい外見だが、やはりおばけなので、中身は恐ろしいものを想像していたのだが、事実を知るとあっけないものである。むしろ知らないでいた方がミステリアスで良かったのかもしれない。

 

オバQ の中身 

 

 他にも「謎」といえば、「キン肉マン」の素顔や、千年女王の正体なども中学生時代の謎であった。「メーテルなのか?」と噂されていたが、違う、ということだけは中学生の時に知っていたのだが、結局その先が全く分からなかった。ついにそれが分かったのも、子どものレンタルDVDを探していた時、レンタルビデオ店でふと松本零士の作品のレーベルをみて懐かしいな、と思って見たら、あっけなく判明したのだ。40才も後半になろうとした頃にだ。いまさら知ったところで嬉しくもない。しかしあっけない結末だが、30年越しの気の長い話である。因みに「キン肉マン」の素顔は公式発表されていないそうだ

 

<筆者>