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No.630 医療広告ガイドラインが6月から施行。“日本一の病院”、患者の体験談などはNG。

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医療機関ホームページなども「広告」と扱い、規制の対象に

 「医療広告ガイドライン」が6月1日から施行され、WEBサイト(ホームページなど)も広告規制の対象となり、「日本一の病院」などいった虚偽・誇大な内容の掲載はもちろん、「医療内容や効果に関する体験談」「十分な説明のない術前・術後の写真」などの掲載も禁止される。

 厚生労働省は5月8日、通知「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)等について」を発出した。規制の対象となる「広告」として、「患者の受診等を誘引する意図のある」「医業・歯科医業を提供する者の氏名・名称、または病院・診療所の名称が特定可能」のいずれも満たすものと規定。病院等が自院のWebサイト等に掲載する治療等の内容や効果に関する体験談については、広告に該当するとした。

 

 広告として禁止される内容は、(1)広告が可能とされていない事項の広告、(2)内容が虚偽にわたる広告、(3)比較優良広告、(4)誇大広告、(5)患者その他の者の主観または伝聞に基づく、治療等の内容または効果に関する体験談の広告、(6)治療等の内容または効果について患者等を誤認させる恐れがある治療等の前または後の写真等の広告(いわゆるビフォー・アフター写真など)、(7)公序良俗に反する内容の広告、(8)その他(図3 医療に関する広告規制の見直し)。

 

 

 医療機関のホームページ(Webサイト)は、「患者自らが検索しなければ、閲覧できない」ため、広告規制の対象から除外されてきた。しかし、美容医療サービスなどの中には、ホームページ掲載内容に問題があることも多く、消費者トラブルが絶えないことから、2017年6月に医療法が改正され、「医療機関ホームページも広告に含める」などの見直しが行われた今回、具体的な広告規制見直しに関する告示・通知が発出されたもの。

 

患者の体験談、ビフォーアフター写真などは広告禁止

 医療広告の規制は、「広告可能な事項を定め、これ以外を広告することは認められない」(広告可能事項の限定)の考え方に基づいている。

 (1)の広告が可能とされていない事項の広告としては、医療機能情報提供制度で報告が義務づけられている事項(手術件数など)以外に当たる死亡率・術後生存率などが該当する。(2)の内容が虚偽にわたる広告とは、「絶対安全な手術です」「どんなに難しい症例でも必ず成功します」といった表現の他、「あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等」など。(3)比較優良広告では、「日本一」「№1」「最高」といった最上級の表現のほか、「著名人も〇〇医師を推薦しています」「著名人も当院で治療を受けております」など、著名人との関連性を強調する表現も禁止となる。

 また、(5)の体験談の広告では、「個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ、第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しない」との見解を示している(図4 広告禁止事項の規定について(1)体験談)。さらに、「他者に金銭を授受して自院の紹介をしてもらう」ことなども規制の対象となる可能性がある。例えば、マスコミや広告代理店、さらにWebの「アフィリエーター」と呼ばれる報酬を得てブログなどで広告を行う者なども規制の対象となる。

 通知では都道府県に対して、①不適切な医療広告の実施者に対し、その是正に向け必要な行政指導等を実施、②医療広告に関する苦情は、当該地域を所管する消費生活センター等の消費生活相談窓口に寄せられる場合があるため、苦情・相談の状況について、定期的に情報交換する等、消費者行政担当部局等との連携に努めること-などを求めている。

 

関係者のコメント

 

 

<厚労省医政局長:「ネットの世界にあるさまざまな情報を把握し、不適切なものに対し危機感を持って対応したい」>

 厚労省の社会保障審議会医療部会の論議の中で、厚労省の武田俊彦医政局長は、「医療広告ガイドラインが施行される6月以降は、一般的な衛生上の規制に則り、医療機関への監視の一環として取り組んでいく。医療機関のウェブサイトか、個人のSNSかを区別せず、ネットの世界にあるさまざまな情報を個々に把握し、不適切なものに対し、危機感を持って対応したい」と、厚労省が医療広告に望む姿勢を示した。

 

<日医副会長:「美容医療、自由診療で行うがんの民間療法に『ネットパトロール』の強化を」>

 医療部会の論議で日本医師会の中川俊男副会長は、美容医療、自由診療で行われているがんの民間療法などにターゲットを絞り、厚労省が外部委託で実施している「ネットパトロール」を実施するよう強く要望。「厚労省として危機感が足りない。アリバイ的にやっているように映る。ネットパトロールの事業者だけではなく、国民がすぐに思い付く都道府県や行政なども、不適切な表示の通報先とすべき」などと求めた。

 

事務局のひとりごと

 

 「不味かった」

 これが筆者の率直な感想である。毎年の健康診断で、必ずといってよいほど、「要精密検査」という項目がチェックされる身になってしまった現在、好きなものを好きなだけ食べる、というのは、色々な面で抵抗を感じる。したがって、一応は炭水化物の過剰摂取などを意識的に避けよう、という行動をとってしまう。ただ、アルコールが入ってしまうと、これがなかなか難しく、ついフラフラっと暖簾をくぐってしまうことがままある。

 ある晩、出張先の繁華街。できれば静かな喫茶店に入りたいと思っていたのだが、目に入ってくるのは「からあげ」、「スパゲティ」、「カレー」、「ラーメン」など、食欲をそそるようなものばかりである。結局は食欲に負け、意を決してからあげ屋に入る。食券制だ。券売機にお金を入れようとしたとたん、お店の女性が遠くから声をかける。「すみませーん。ただ今結構お待ちいただいておりまして、20分くらい並んでいただくことになるんですがよろしかったでしょうか?よろしければこちらが最後尾ですので。」と、7~8人並んでいる列の後ろを指さす。後のクレームを抑えんがための、ある意味良かれと思っての声がけなのだろうが、わざわざそんなことをいわなければよいだろうに。黙って並ぶさ。ただ、食券を買ってからなら並んだのだろうが、それだけ美味しい店なのかもしれないが、なんとなく興ざめだ。むしろ「帰られたほうがよいのでは?」と聞こえてしまう。「じゃあ、またにします。」といって店を出る。

 いったん何か食べよう、と思うと、何か食べないと収まらなくなるものだ。街中歩き回り、色々眺めて歩いたが、「油そば」が目に入った。外から店内を覗くとすぐ座れそうである。「家系ラーメン(※4)」の看板だったので、安心して早速入った。食券と生ビールを購入すると、「こちらのカウンターへどうぞ」と店員の声。

「?」

 若干の違和感。そうか。外国人のスタッフがホールスタッフなのか。これだけ景気が良い、といわれている現在、労働力として力を発揮してくださっている外国人の方々と、この街のあちこちで楽しそうに飲んだくれている(自分もその一人なのだが)日本人や欧米人をみて、一瞬、なんともいえない気持ちになった。そうはいっても今は油そばに集中だ。カウンターの中から「茹で上がるまで7~8分かかりますがよろしいですか?」との声。また要らぬ声がけだ。また店側のリスクヘッジか。外国人の思考パターンに、こんな声がけなどあろうはずもない。これは日本の行き過ぎた気配りゆえの、もはやマニュアル的な声がけなのだ。ふう。「はい」と返事をする。油そばは麺が太いので茹で上げるのに時間がかかるので当たり前だが、少しいらいらする。もしよろしくなかったらどうするというのだ?また、「またにします。」といって店を出るのか?今日はなかなかありつけないなあ。生ビールも冷たくない。

「?」

 ここでまたもや違和感。おいおい、ラーメン作る人も外国人か?あれれ。よく見渡したら店のスタッフ、キッチン(カウンター越し)も含めて全員外国人だ。別に外国人の方が作るからといって何も思わないのだが、逆輸入の結果、進化した結果であるはずの日本の誇る日本食「ラーメン」、しかも「家系」で、作る人も日本人でないとはいかがなものか?それほどまでに都会の労働力不足は深刻なのか?などど考えているうちに、器を持ったスタッフが出てきた。筆者を通り越して、筆者より後から来た客のラーメンを出す。はいはい。油そばは時間がかかるのね・・・。

 

 ようやくお待ち兼ねの「赤辛油そば」しかも(大)が来た。辛いもの好きなので後先考えず頼んでみたが、大丈夫だろうか?色々な違和感を経て、楽しみだった気持ちから不安の足音が忍び寄ってくる。

 「こちらのマヨネーズと黒酢をお好みでお使いください」と片言っぽい日本語でいわれたが、少し理解できなかった。ただ、これはみれば分かるので問題なし。

 さあ、っと一口ほおばる。なんという辛さ!!、思わずむせそうになった。というか、辛さだけ際立ち、油そばの風味など吹っ飛んでいる。意識までも吹っ飛びそうだ。くらくらする。残すのはラーメンに対して失礼なのですべて平らげたが、しかしもう勘弁してほしい。この「家系」の店で筆者が食べることはもうないだろう・・・(※5)。

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 賢明なる読者におかれては、こんなしょうもない経験などされたことがないことと思う。

 今回のテーマは「医療広告ガイドライン」についてである。これまでホームページ上の医療機関による情報提供は、ある意味マーケティングのツールの有力な手段として考えられていた。ホームページの巧拙が患者増(減:他院に患者を奪われる)に影響を及ぼすことも大いにある。特に美容系の医療機関はその傾向が強かった。

 ネットではないが、郵便受けに近隣の美容クリニックのチラシが入り、ビフォーアフターが掲載されているが、本当かどうか実に疑わしい。だが、「結果にコミットする」会社のCMでは、ゆるゆるした体系の女優(ビフォア)が、ここまで変わるのか?と思えるほどにシェイプアップした姿で登場(アフター)する。さすがに有名人をCMに起用するとなると、その結果を疑いようがない。何らかのシェイプアップに成功する人は、100%ではないにしろ、存在するのだ、ということは認めざるを得ない。

 

 コメントをいただいた。

○美容外科医院経営者:「患者への詳細な説明など情報開示に努めていく」

 患者の体験談や術前術後の「ビフォー」「アフター」写真を掲載することを規制する新ガイドラインによる規制について、都内で美容外科医院を経営する美容医療関連協会役員の一人は、「術前術後の写真をホームページ上に掲載することは、患者にとって情報を得る上でメリットが大きい。新ガイドラインでは、術前術後の写真に治療内容や費用など詳細な説明を付ければ規制対象に当たらないことから、今後は患者・消費者に対する詳細な説明など一層情報開示に努めていきたい」などと述べている。

 

○広告代理店:「医療法(広告)コンプライアンスチェックサービスを開始」

 ホームページが「広告」扱いとなると、今まで大丈夫だった表現が大幅に使用できなくなる。都内の広告代理店では、医療機関のホームページの「抵触箇所」の洗い出しから修正作業までを一貫してサポートする『医療法(広告)コンプライアンスチェックサービス』を開始した。自費診療に特化したホームページ・広告を多数運用している経験値から法改正に関する情報を収集し、媒体毎の最新の審査基準をデータベース化する。医療法を考慮しながら攻めの広告提案が可能であり、また、医療法・医事関連訴訟に精通した弁護士による指導、教育を受けたコンサルタントが対応するという。

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 利用者(患者)事実誤認をせぬよう、過度な表現は当然されるべきではない。しかし、色々と難しい世の中になったものである。めまぐるしく変化する環境に対応する広告代理店のしなやかさには恐れ入る。

 

 筆者はネットもみず、看板だけで件のラーメン店を選び、少し残念な結果に終わったのだが、こんなコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

○「美容整形をしても、人生は変わらなかった。高い授業料だった」

 週刊誌やテレビ番組で、美容整形をすれば、「前向きになる」「人生が変わる」など一般の方のコメントが紹介されるが、鼻の整形を受けたが、かえって人前に出るのが怖くなり、「人生は変わらなかった」。「前向きになる」「人生が変わる」は、その人物の内面的問題であることを改めて知ることになった。高い授業料だった。

 

○「美容整形施療の内容を調べ、最後は自分の判断で」

 美容整形を受けるか、どの医院で受けるかは、最後は個人の判断である。自らの「審美眼」を磨くべきだと思う。今後は、医療広告ガイドラインで広告規制が厳しくなり、美容整形業界の自浄作用を期待している。

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 どんなに情報が氾濫していようとも、結局のところ、最後は自分なのだ。そのために利用者が得る情報に、せめてフェイクがないように規制しようという動きは、まあ、正しいのだろう。

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 赤辛油そばのあまりの辛さゆえ、食べ終わって街を歩いている中、汗が噴き出して、コンビニで何度もウーロン茶を買って飲んだが舌のしびれも収まらず、さらに翌日の小職のおなかの具合は、整腸剤を飲まなければならないほどの調子の悪さであった。普段、辛さには自信があるのだが、めったに食べないようにしている楽しみなラーメンに、満足感すら得ることも出来ず、過剰カロリー摂取であった。こと食べ物に関しては鼻が利くつもりでいたのだが、今回はひたすら反省である。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※4)・・・ 少し前に、深夜のテレビ欄をみていたら、「ラーメン」と「小池さん」という文字が目に入った。番組もみてみた。するとどうだ、可愛らしい、というより美しい女子高生がひたすらラーメンを食べ歩くアニメが放映されていた。最初は「小池さん」、ああ、パーマン(藤子f不二雄)に出てきた、ラーメンばかり食べているちりちり頭の男性か。などと思っていたものだが、よくよくみれば「小泉さん」ではないか。ふざけたネーミングだな、などと思ってみていると、紹介されるラーメンは、現実に存在するラーメン店(一蘭、天下一品などの有名チェーン店も実名で出てきてびっくり!!)のもので、かなり本格的な内容である。さらに番組内で自分がこれまで試したこともないような食べ方まで紹介され、大変参考になった。それまでよく「家系ラーメン」という言葉を耳にはしていたものの、意味が分からなかった。が、この番組でようやく理解できた。「○○家」と名のつくラーメン店がどうやらそう呼ばれるらしい。

 

<筆者>

 

(※5)・・・お店の名誉のためにいっておくが、あまりにも辛すぎるものをオーダーした筆者の自己責任である。ベーシックなラーメンは、やはり「家系」だけに根強いファンもおられることだろう。食べ終わりかけに、東南アジアの言葉をスタッフたちにかけるリーダーぽい人がどこかから現れた。なんとリーダーも外国人か?と思ったら、こちらは日本人スタッフで、どうも外国人スタッフの方々に「休憩してくれ」と声がけしている様子であった。飲食店のオペレーションを回す上で、もはや外国人労働者は必要不可欠な存在のようだ。

 

<筆者>