ワタキューメディカルニュース

ワタキューメディカルニュース詳細

短信:訪問看護師、半数が心身の暴力やセクハラを経験。利用者・家族から事業者団体が初の全国調査。

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

 訪問看護師が利用者や家族から受ける暴力などのトラブルについて、看護師を派遣する訪問看護ステーション事業者の団体「全国訪問看護事業者協会」(東京)が初の大規模な全国調査をした結果、回答者の約半数が訪問先で心身の暴力やセクハラを受けた経験があることが6月21日分かった。

 

 超高齢社会への移行が進み、住み慣れた自宅での看護や介護を希望する人が増える中、訪問看護師の役割は拡大している。しかし、複数の職員がいる病院内と異なり、訪問看護は一人で利用者宅に行くリスクがあり、専門家は「安全対策が必要」と指摘。協会は予防策や対応をまとめた本を作るなど、取り組みを進める。

 

 2~3月に、協会に加盟する事業者の看護師と、管理者にそれぞれアンケートを送って調査を行った。看護師は1万1千160人のうち約3割が回答した。それによると、これまでのトラブルの有無を項目別にそれぞれ尋ねたところ「精神的な暴力」は約53%、「身体的な暴力」は約45%、セクハラは約48%が経験があると答えた。過去1年間ではいずれも3割前後が経験していた。

 

 特に影響が大きかったのは精神的な暴力で「大声で怒鳴られた」「能力がないと言われ、傷ついた」「脅された」の順に多かった。身体的な暴力では「殴られた」や「刃物を見せられた」といった回答があり、セクハラでは「体を触られた」や「アダルトビデオを流されたり、ポルノ雑誌を見えるように置かれたりされた」が例として挙がった。暴力を受けた看護師は約97%が上司や同僚に相談していた。 

 

 管理者は5千580人のうち、4割弱が回答。全体的に対策を講じる必要があるという認識が明確で、約7割は暴力のリスクが高い場合には2人以上で訪問したり、管理者が職員と面談する体制を整えたりしていた。     

 

(東京新聞)