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No.635 医療機関の怒りの矛先はどこに向ければ良いのか?! 厚労省の消費税対応改定の補てん率調査に誤り「損税」問題

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■病院全体の補てん率は102.36%が、実際は85.0%と補てん不足に

 厚労省は7月25日開かれた中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で、消費税増税(5%→8%)に対応するため実施された2014年度(平成26年度)診療報酬改定に関する2014年度「控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況」調査結果について再調査し、病院の補てん率に誤りがあったことを明らかにした。2015年11月公表データでは、病院全体の補てん率は102.36%だったが、2016年度の新たな調査では85.0%と補てん不足に転じた。原因は、DPC病院の調査において、不正確な点があったため。さらに、病院、診療所、歯科診療所、薬局を含めた全体の補てん率は、102.07%ではなく92.5%で、全体でも補てん不足だった。

 

 新たに実施した2016年度調査では、特定機能病院ではわずか61.7%にとどまり、こども病院71.6%、一般病院85.4%でいずれも100%を下回った一方で、精神科病院129.0%となり、病院種別でより補てん率に大きなバラツキが見られた(図1 平成28年度補てん状況把握結果②-1 【病院】)。急性期病院では診療報酬による補填が十分なされていない実態が明らかになり、来年10月の消費税増税を控え医療界に衝撃が広がっている。

 

 

 1989年度の消費税導入時、また、1997年度の消費税率の3%から5%へのアップ時は、いずれも一部の個別の診療報酬に上乗せする形で、補てんが行われた。これらとは異なり、2014年度改定時は、初再診料や入院基本料などの基本料に上乗せする形で、幅広い補てんがなされた。

2014年度調査のデータが誤っていたのは、DPC病院の包括部分の補てんの把握に誤りがあったため。レセプトなどのNDBデータによる入院日数に、非DPC病院の補てん点数(例えば、7対1入院基本料の場合は25点など)を乗じて推計。しかし、NDBデータ抽出の際、複数月にまたがる入院の日数について、重複してデータを抽出し、その結果、収入が多くなるケースがあり、補てん率が高くなっていた

 

■2019年10月消費税増税に向け、補てん率のバラツキを補正できるかを検証

 この日の分科会で日本医師会の中川俊男副会長は、①消費税増税に対応した2014年度診療報酬改定での補てん不足、②2014年度調査で誤りがあったこと、③もっと早く調査結果が出ていれば、補てん不足の状態が4年以上も放置されずに2018年度改定等で対応できたことを指摘し、「厚労省の二重、三重の不手際。猛省を求めたい」と厳しく批判した。

 

 これに対して、担当の保険局医療課保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長は、「同様の補てん不足が起きないよう2019年10月の消費税増税に向けて対応したい」「誤りが生じた原因は、DPC病院の包括部分の補てんの把握にミスがあり、さらに補てん率が100%近かったことで、誤りに気づかなかった」などと説明。今後の対応として、「なぜそうなったのか要因分析を行い、どうすれば補てん率のバラツキを補正できるかを検証し、消費税増税に向けて準備をしていきたい」と答えた(図2 今後の検討の進め方)。

関係者のコメント

 

 

<横倉日医会長:「大変な怒りを覚える」>

 8月1日の定例記者会見で横倉日本医師会長は、消費税率8%への引き上げに伴う診療報酬の補てん状況調査結果に誤りがあった問題について、「大変な怒りを感じている。2014年度改定時で『消費税引き上げについて対応する』と示され、そしてわれわれには医療機関ごとに対応ができたと報告をしてきたにもかかわらず、実際的には全くなかった」と批判し、「会内で経緯を検証し、補てん不足で経営が上手くいっていないところにどうやって補てんするかは再検討して強く申し入れる」などと述べた。

<公明・自民の厚生労働部会、厚労省の責任求める意見>

 公明党厚生労働部会は8月7日、厚労省が月末に財務省へ提出する2019年度予算概算要求に関して重点政策提言をまとめ、加藤勝信厚生労働大臣に提出した。控除対象外消費税の診療報酬による補填状況について、2015年11月に報告された調査の結果に不正確な点があったことが判明していると指摘し、2019年10月の消費増税に向け、医療に係る消費税の抜本的な解決のため、医療機関の種別ごとの適切な補てん状況の把握を行うことを求めた。また、8月29日の自民党厚生労働部会でも、補てん状況修正問題で厚労省の責任は重大とし、十分な対応を求める声が出た。

<保険局医療課長:「原因究明について事務局で分析を進めている段階」>

 8月22日の中医協総会で、補てん率調査を巡る消費税分科会への報告はいつ頃になるかとの診療側の質問に対して、7月の厚労省人事異動で就任したばかりの保険局医療課の森光敬子課長は、「修正に至った原因究明を早急に行うよう指摘をいただき、事務局で分析を進めている段階である。その結果が出たら、分科会に対応策を合わせて報告させていただきたい」と答えた。

 

<三師会と四病協、控除対象外消費税問題解消の新たな税制上の仕組みを提言>

 医療界が一丸となって消費税問題の解決を図るため、三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)は8月29日、合同記者会見を開き、①現在の「特別の診療報酬プラス改定による補てん」を維持した上で、②個別の医療機関等ごとに診療報酬本体に含まれる消費税補てん相当額と実際に負担した控除対象外仕入れ税額(医薬品、特定保険医療材料を除く)を比較して、補てんの過不足を申告して対応する「控除対象外消費税問題解消のための新たな税制上の仕組みについての提言~消費税率10%への引き上げに向けて」を発表した。

<中川日医副会長:「医療機関は過去4年にわたって、機会損失を被った」と厚労省に抗議>

 日本医師会の中川俊男副会長は8月30日、厚労省の樽見秀樹保険局長に面談し、「控除対象外消費税補てん状況の集計ミスに対して厳重に抗議する」との文書を提出。「各医療機関は過去4年にわたって、機会損失を被り、経営難にあえぐことになった重大事案である」と厳重に抗議した。

事務局のひとりごと

 

「ゆかりちゃん」(と筆者は呼んでいた)に初めて出会ったのは何年前のことだっただろうか?遠い記憶を辿ってみる。ゆかりちゃんに会いたい・・・。どれだけ恋焦がれたことだろう。会いたくても会えないのはとても寂しいものだ。念のため付け加えておくが、筆者のゆかりちゃんへの想いは一応家内の公認である(多少あきれられてはいるのであるが・・・)。

だが別れてしまったのも突然だが、運命的な出会いは忘れてしまった頃に唐突に訪れる。ある出張先で、筆者は何年ぶりかにゆかりちゃんに会うことができた。懐かしくて涙が出そうになった。肌の色は褐色。触るとヤケドをしそうなほど芯の熱いゆかりちゃんである。

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 漢字では「縁」とかいて「ゆかり」と読む。筆者の住む地方都市には、今から6~7年前まではその店が存在していた。毎週休みの日に足しげく通ったものである。同府県では今も酒どころとして名高い場所の商店街に1店存在しているはずだ。筆者が何らかの公共交通機関を通じてゆかりちゃんに会えるのは今ではこの店舗しかない。でも時間がかかるので滅多にいくこともかなわない。関東には結構存在していると聞く。

 筆者の大好物の一つ、「から揚げ」には不思議な魅力がある。筆者は片栗粉を使った竜田揚げ風が好きなのだが、「縁」には、店にもよるのだろうが、“カリッとタイプ”と“ジューシータイプ”の二つの衣を選ぶことができる。筆者はジューシータイプの方が俄然好きだ(再会したゆかりちゃんはカリッとタイプだったので少し残念)。極めつけ(と筆者が思っている)のはそのから揚げにかけるタレである。恐らく、にんにくとたまねぎとゴマをベースにしたそのたれは、「極ダレ(ごくだれ)」といわれており、これをかけて食べるから揚げは最高だ。

そのから揚げを定食で出すお店に、出張先の繁華街で出会ったのである。とてもラッキーな経験だった。

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 忘れた頃にやってくるのだろうか。医療機関の「損税」問題は来年の消費税10%増税までの間に、対策を講じていくことになっていたはずだ。こともあろうに議論の前提となったデータが間違っていた、しかも過大に計上されていたのだという(※1)。

中央省庁の長年にわたる障害者雇用水増しの問題も、驚愕のニュースであった。中央省庁は雇用率を守れない場合の罰金が発生しないとはいえ、認識の時代錯誤もはなはだしいと感じた読者も多いのではないだろうか。たまたまこれを書いている当日、ある官公庁に提出しなければならない文章を目にした。曰く、

 

 「1.貴社は、『障害者の雇用の促進等に関する法律』第43条第1項に規定する法廷雇用障害者数以上の障害者を雇用していますか。」

☐はい

☐いいえ

☐雇用義務がない(従業員が一定数(50人)未満)

 

 この官公庁が水増しされていたかどうかは分からないが、我々には法律の遵守を求めておきながら・・・と、若干の矛盾を感じたりした。

 

 とかく痛いところをつついて非難をする、辞任や謹慎などに追い込む、という類のニュースが最近多いような気がするが、話を「損税」に戻す。

 

 バックナンバー W・M・N 571号 医療機関の消費税問題は「2017年度税制改正で結論」与党「2016年度税制改正大綱」が決定(http://www.watakyu.jp/archives/3259) も参照いただきたいが、大枠としていえば、損税の財源を全て補填しようとすれば、年間約8,000億円の財源が必要なのだ。財務省が「分かった」などというはずもないだろう。

日本医師会の中川副会長は、8月30日に厚労省の樽見英樹保険局長に抗議文を手渡したそうだ。曰く「多くの医療機関が多大な不利益を被ったことについて、貴職に対し厳重に抗議する。貴職においては医療機関に十分償うべく、速やかに対策を講じられたい」とのこと。樽見局長も「言い訳できない。今後このようなことがないよう指導していく」と陳謝し、三帥会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師協会)と四病院団体協議会が8月29日に発表した新たな提言(※2)が実現するよう、厚労省で全力を挙げて努力する姿勢を示したという。<メディファクス7861号 平成30年8月31日(金) 3/12頁を参照>

 

 コメントを紹介したい。

 

○民間病院院長:「消費増税で高額医療機器の資金回収に不安。公的病院と違い、民間病院には財政的な補てんはない」

 MRIなど最新高額医療機器を整備していなければ、患者さんは来院しない。周囲の病院との競争で昨年MRIを導入したばかりだ。設備投資資金を回収できるのかどうか心配になっていたところに、今回の中医協調査で急性期病院の「損税」が明らかになり、今後の経営に不安を抱えている。同じ医療圏にある公的病院は、いざとなれば、自治体からの財政面の「補てん」が期待されるが、我々民間病院には「補てんはない」。

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 自治体病院と民間病院の違いの象徴的な例の一つであるが、“8%”となると(来年にはさらに“10%”が目前であるが)、経営に与える影響度合いはかなり大きいものになるだろう。

 

 民間病院と公立病院の医師・看護師からはこんなコメントをいただいた。

 

○民間病院の幹部医師:「消費増税にあおりを食って、給与が1割カットされた」

 大手民間病院の幹部医師。当院では2014年の8%への消費増税の際、コスト削減として人件費削減に踏み切った。院長ら幹部の給与を1割以上カットしたほか、すべての正規職員の定期昇給額を通常の半分以下に抑え込んだ。これらの厳しい状況を招いた原因が消費税増税にあると思う。また、現場の医師から高性能の放射線治療機器導入の要望が出されたが、コスト削減を理由に却下された。このまま、来年10月の10%消費増税を迎えるのかと暗澹たる思いだ。

 

○公立病院の看護師長:「消費増税でコスト削減。古いベッドを使い続けている」

 8%の消費税率になった時に、事務長から院内各部門のコスト削減の通知が出された。その影響は患者さんにまで及び、ベッドの買い替えができず、患者の寝た姿が残るような古いベッド(マットレス?:事務局注)を使い続けている。また、ガーゼの枚数までぎりぎりで抑えている。患者さんには申し訳なく思っている。

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 民間病院と公立病院の差はあれども、あくまで主観的な意見としては、現場では消費増税のあおりを受けて色々な影響を受けている、という内容のコメントである。

 

 専門家からはこんなコメントをいただいた。

 

○診療報酬請求業務に詳しいコンサルタント:「増税に備え、消費税が上乗せされる医 療事務などの派遣社員を減らすべき」

 消費税増税に備えて、医療事務や窓口業務を行う派遣社員を減らすべきだ。派遣料には、消費税が上乗せされる。派遣会社も消費税を納めるため、病院が消費税増税に伴う損税を考慮して、その分を値引きすることはしない。例えば、年間500万円の派遣社員2人(合計1000万円)と契約すると、1年間で80万円の消費税を上乗せして支払うことになる。消費税が10%になれば、1年間に100万円にもなる。

 「医院や病院で従業員を雇ったら、社会保険料の半分を負担しなければいけないので、割高では?」と発言する院長先生もいるが、間違っている。というのも、派遣会社が派遣社員の社会保険料の半分を負担しているから。派遣料の中に社会保険料の負担分も含まれている。だからこそ、派遣料は割高だ。保険診療が中心の医院経営や病院経営の場合には、従業員やパートを雇った方が「損税」はない。年間100万円もの消費税を、派遣会社を通じて支払うぐらいならば、従業員の給料をその分上げて、よい人材を確保すべきである。

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 このコメントはある意味、もっともらしく聞こえてしまい、損税問題で税金を損しないように議論を突き詰めていくと「全て自営が良い」、という考え方につながりかねない。

 これについては、WMN事務局としてはもの申したい。先のコンサルタントの主張は、社会保険料だけを問題の争点としているものだ。直接雇用となれば、求人費、交通費の負担、面接に要する人事担当の時間的負担、教育(「派遣」という記載なので、指揮命令権は病院側にあるという前提なのかもしれないが)に要する費用、被服費、福利厚生費用(食事補助・もしかすると今の時代なら保育の援助も?)、など、直接人件費以外の間接経費も当然増加することになるだろう(そこにだって消費税はかかるものが多い)。さらにはそれが、院内組織の肥大化にもつながっていくことだろう。第一、病院で直接雇用ならばこの人手不足の時代でも人が集まってくるという確証はどこにもない。病院内に何らかの契約で人を送り込んでいる事業者は、直接的に病院が支払わなければならない負担に加え、金銭的にも人的資源にも、相応の負担・労力を払っているのだ。であるからこそ、このご時勢においても、人を集めてくることができているのではないか?

 もう一点、自営という考え方自体に異を唱えるものではないが、医者・看護師・薬剤師・臨床検査技師・PT・OT・ST等、ただでさえ病院には資格を持った職員が多く、アウトソーシング等を通じて、病院運営の人的面の合理的なスリム化を、協力業者のサポートも得ながら、一緒にこれまで歩んでこられたのではないのか?コンサルタントのコメントは、人を送り込んでいる事業者が「派遣契約」に基づいているという解釈であり、また派遣契約は医療事務が多い、という立場でのコメントであるのだが、消費税が請求されるのは、それ以外、例えば「請負契約」でも同様である。

 少なくとも、病院側が何らかの業務のアウトソーシングを選択された段階で、直接雇用の時よりも、その職種の給与ベースは下がった筈である。今度はそれを自営にするというのが正しいという。給与ベースも元のベースに戻してあげようとするものなのだろうか?

 これについてはおかれている立場により、色々な意見があるのだろうと思うので、一方的に何が正しい、とは言い切れるものではないが、少し文字数が増えてしまって恐縮である。

 

○TKC会員のコンサルタント:「消費税問題は、患者の受診抑制など医療崩壊をはらむ」

 控除対象外諸費税の解決策として課税取引に改めた場合、課税される患者側の負担増から、受診抑制が起こる可能性が高くなると思う。また医師・看護師不足に起因する地域医療提供体制の混乱など、医療崩壊要因を助長するリスクを内包している。患者は経済的負担が大きくなると、医療機関の「選別」がさらに厳しくなり、さらなる競争の荒波にさらされることも予想される。加えて医療訴訟やクレーマー、モンスター・ペーシェントと呼ばれる人達とのトラブルを、多発させる要素も多分に含んでいる。消費税問題は医療機関経営を「激震」させる要因を数多く抱えており、課税扱いで問題が全て解決するわけではない。

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 もう、何をどうしたとしても、単純にことが解決するわけではないのだろう。

 

 今のところ、この議論は“炎上”しているので、何らかの補填が行われそうな機運である。筆者も、厚労省が非を認めているわけなので、速やかにその補填がなされることを望んでいるのだが、しかしである。

 以下、2016年1月号の ひとりごと の一部を再掲する。

 

 診療報酬改定では数百億円の攻防が行われているかたわらで、医療機関への損税の対応を、どんな形であれ面倒を見るとなれば、年間約8,000億円近い財源が必要になってしまうのだ。「そんな財源あるわけない」という財務省のお役人の声が聞こえてきそうだ。であるから、財務省からすればゼロ税率であろうが還付であろうが、医療機関における社会保障に関わる収入に関しての何らかの補填をすべて認めることなど、到底容認できるものではないだろう。加えて、何らかの補填をするにしても、会計システムの改善が必須である。この投資に対する補填さえ議論になりかねない。とんでもなく大きな問題だ。

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 そういえば財務省関連でもいろいろと引き摺り下ろそうというニュースがあったことも記憶に新しいが、このままの話の流れで、消費税の補填はなされる、としよう。しかし財源がないのは変わらないので、その代わり、財務省の主張は、例えば診療報酬本体の改定率は「当然マイナス」などという議論につながりはしないか。

 何にしても何らかの補填がなされるまでは、病床種別によって異なるものの、医療機関のキャッシュ・フロー上の不利な状況は続いていく。純利益が出た時の納税とは異なり、預かり消費税は損益に関わらず納付義務が発生するからだ。本気で努力するというのならば、即座に対応するというくらいの気概を、厚労省に期待したいところである。

 

 最後にこんなコメントで締め括りとしたい。

 

 ○スーパーの経営者:「診療報酬という公定価格に守られている病院の消費税問題。小売業者から見れば、別世界の議論だ」

 消費税は、小売価格に上乗せし、最終消費者が負担するのが原則だが、我々小売業者は日々競争にさらされており、例えば目玉商品である卵1パック100円を108円で売ったら、周りの店と競争はできないのが現実。一方で、2年に1度改定が行われる診療報酬という公定価格に守られている病院の消費税問題について、我々小売業者から見れば、まるで別世界の議論と感じざるをえない。

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 ものごとはさまざまな視点から見ていく必要がある。秋の足音もどんどん近づいてきた。秋の夜長の今宵、から揚げをアテに、少し物思いに耽ってみようか・・・。

 

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 (※1)・・・仮に、であるが、もしもデータが過少に間違っていたとしたらどうなったであろうか?つまり、消費税増税の補填は多すぎたので何らかの対策が必要だ、という論調で進んでいた場合のことである。「間違いだった」ということなので本来なら間違いは過大にも過少にもなるのだろうが、その場合は、今度はすぐに点数を下げる、次回改定時には据え置く、などの議論が起こってしまうのだろうなと、少し意地悪に思った。

 また、炎上すると分かっていて、しかしよく自ら公表するという選択を、厚労省はしたものだと思う。決断したのはどの階層なのか?気付いた人も勇気をもっての報告だったのだろうか?これが製造メーカーや自動車メーカーであれば、即座に「データ改ざん」、「リコール」などに発展しかねない、重大な問題である。黙っておいたほうが良いかも、という思いがよぎったかもしれない。隠蔽しなかったことに対してだけは、「天晴(あっぱれ)!!」といいたい。但し、これが役職級のミスによる問題だったらどうだったか?誰が犯したミスでも発表したのだろうか?昨今の政治・行政の動きを思うにつけ、僅かな疑問も残った。

 ・・・ここまで書いてきてふと思った。今度は補填が過大だった場合、診療側に逃げ道を作らせないための、これは布石なのかもしれない(考えすぎか?)。

<筆者>

 

 (※2)・・・診療報酬を補填する手法を維持した上で、個別の医療機関ごとに「診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額」と、「負担した控除対象外仕入税額(医薬品・特定保険医療材料を除く)を比較し、申告により補填の過不足に対応しようという趣旨。

<WMN事務局>