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短信:魚をほとんどたべない人、大動脈疾患死亡リスクが約2倍に。国がん、筑波大の研究で

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 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 井上真奈美部長、国立大学法人筑波大学医学医療系 山岸良匡准教授らの研究グループは、魚をほとんど食べない人で大動脈疾患(大動脈解離、大動脈瘤)による死亡が増加することを世界で初めて明らかにした。

 日本の8つの大規模コホート研究から36万人以上を統合した解析を行い、質問紙によって調査した魚摂取頻度と大動脈疾患死亡リスクとの関連を検討した。魚摂取が週に1~2回の群と比べ、魚をほとんど食べない群の、大動脈疾患死亡多変量調整ハザード比は1.93であり、統計学的にも有意な関連が認められまた。これは、魚をほとんど食べない人では、大動脈疾患死亡が約2倍となることを意味している。

 この研究は、国立がん研究センターが実施する「国内外研究連携基盤の積極的活用によるがんリスク評価及び予防ガイドライン提言に関する研究(研究代表者 井上真奈美部長)の一環として実施したもの。本研究の成果は、欧州専門誌「Clinical Nutrition」オンライン版に2018年8月14日付で公開された。

 

 大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離)は、かつては日本での死亡率は多くはなかったが、高齢化に伴って近年やや増加している。大動脈瘤が破裂したり、大動脈が裂けたりすると、医療が進んだ現代でも、急速に死に至ることが多いことから、その予防が重要だ。

 この病気は、主に動脈硬化を基盤として生じることから、心筋梗塞と同様に魚がその予防に働く可能性が考えられていたが、その科学的エビデンスはほとんどない状況であった。

 大動脈疾患は、増加しているとはいえ、がんや脳卒中などに比べると少なく、このために大規模コホート研究であっても単独での検討が困難であった。

 今回、日本の8つの大規模コホート研究から36万人以上を統合したプール解析を行い、日本人における魚摂取頻度と大動脈疾患死亡リスクの関連を分析し、その研究成果を国際専門誌(Clinical Nutrition2018年WEB先行公開)に発表した。魚摂取と大動脈疾患死亡との関連を疫学的に示したのは世界で初めて。

 なお、本研究において、魚をほとんど食べないような非常に魚の摂取頻度が少ない場合に、大動脈疾患で死亡するリスクが上がり、魚を少なくとも月に1~2回摂取していれば、大動脈疾患による死亡リスクは高くならないことが分かった。つまり、魚の摂取が極端に少なくならないことが、大動脈疾患による死亡を予防するために重要だと考えられる。また、魚の高頻度摂取は心筋梗塞のリスクを低下させることが分かっているので、より多く摂取していくことが循環器疾患の予防につながると考えられる。