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短信:最新鋭の膝手術ロボット導入 近畿大が国内初、人工関節で

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 近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)は10日、損傷した膝関節を人工関節に置き換える手術を支援する最新鋭の海外製ロボットを、国内で初めて導入したと発表した。9日、50代の男性患者に支援ロボを使って手術をした。

 

 加齢に伴う関節症、リウマチによる膝の変形、スポーツ外傷などで人工関節を入れる手術が対象。

 高精度な手術が可能で、早期の社会復帰につなげたいとしている。

 

 ロボットが患者の膝関節の形や曲げ延ばした時のバランスを3次元で計測。医師が人工関節を入れる位置や角度を決めると、画面上に骨を削る範囲や深さが示され、ドリルを範囲に近づけると作動、定められた深さに達すると止まる。

<共同>

 以下、近大ニュースリリースより関連補足

〔本件のポイントとしては〕

*膝関節機能の改善による患者健康寿命の延伸が期待

*高精度・低侵襲(身体への負担をできるだけ少なくした治療)手術の実現により、術後リハビリ期間や在院日数の短縮、早期社会復帰を実現

*オーダーメード手術によりフィーリングの良い膝関節を取り戻し、術後のスポーツ活動参加を促進

〔本件の内容について〕

 我が国では毎年約15万例の患者さんが人工関節手術を受けている。また、人口の高齢化に伴い高齢者を対象とする人工関節手術件数は年々増加しており、手術件数はこの10年間で2倍に増加している。近畿大学病院では平成29年(2017年)4月に人工関節センターを設立し、術後早期回復に向けた診療技術開発などを通じた患者満足度の高い診療の実施を目指している。このたび導入した最新鋭の赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボットNAVIO TMは主に変形性膝関節症、関節リウマチ、スポーツや外傷による後遺症などに対する関節置換術で使用される。

 通常の手術では、切除してしまう膝十字靭帯を温存し、高機能の膝関節を再建するには、インプラント設置に髙い精度が求められる。また、術後の早期回復、社会復帰を目指すには、手術の低侵襲化が重要。

 この両者を同時に実現するのがロボット支援手術である。手術中に赤外線カメラにより膝の軟部組織や関節、靭帯などがどのように曲がるかといったことが分かるため、これらの情報をもとにどのように骨をけずりインプラントを設置するか、オーダーメイドで計画をたて、誤差1mm・1度以下の高精度で手術を実施する。ロボットは骨を掘削するドリルバーの回転・停止を高速でナビゲーション制御するため、術者は画面を見ながらドリルバーの先端を掘削部位に接触させるのみで計画通りに骨を切除することができる。

 術後膝機能を最大化することを目的とした手術技術であり、ロボット手術で精度の高いインプラント設置が可能となるため、オリジナルの膝と変わらない曲がりやすさなどを取り戻せる可能性が高まる。

 

 担当医師:近畿大学医学部整形外科教室 主任教授 赤木 將男(アカギ マサオ)