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短信:高機能の膝関節再建を目指す

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  国内初、再生医療による腰痛症治療の治験を開始

  東海大学、傷んだ椎間板の修復・再生を目指す根治的治療法の開発

  医療経済の改善にも貢献へ

 

 東海大学医学部付属病院(神奈川・伊勢原市)では、来る5月7日より同医学部外科系整形外科・同再生医学センター・同総合医学研究所 酒井大輔准教授を治験調整医師とし、細胞治療製品を用いた、腰痛症に対する再生医療の治験を開始すると発表した。

 日本発の試みとなる。

 今回開始する治験は、米国ディスクジェニックス社(ユタ州ソルトレイク市、CEO:Flagg Flanagan)からの委託を受け、腰椎椎間板変性症患者(有症状)を対象に、臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験及び継続観察試験を実施するもの。同社が開発中の細胞治療製品「IDCT-001」の安全性・有効性の評価などが主な目的。

 

 腰痛症の主な原因の1つ、椎間板障害は脊椎のさまざまな疾患を引き起こし、患者のQOLの著しい低下を招く。また、その診療にかかる医療費は年間1700億円超とされ、医療経済に及ぼす影響は少なくない。好発年齢は働き盛りの壮年期男性に多いため、労働生産性の低下も大きいようだ。

 

 現状の椎間板障害治療では、痛みに対する対症療法や椎間板切除術のほか、椎間板の機能を奪い人工的に脊柱を固定する脊柱固定術などが行われているがいずれも根本的な予防や椎間板の修復・再生を促すものではない。このため、傷み始めた椎間板を早期に発見し、生物学的に修復する手法として、細胞治療が注目されてきた。

 酒井准教授の研究グループは、椎間板変性症に対する細胞移植治療を実用化すべく基礎研究を重ねた上で、厚労省「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の承認(2008年1月24日大臣意見)を受け、日本初の自家細胞を用いた臨床研究を実施した。これらの経験や専門性が評価され、このたびの治験実施に至ったもの。

 なお、治験実施施設は東海大学病院のほかに、千葉大付属病院、山梨大付属病院、名古屋大医学部附属病院、三重大医学部附属病院、阪大医学部附属病院。

(東海大学付属病院19/4/18)