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短信:全国老施協、「ポケットセラピスト」による腰痛予防実証を開始。アプリで介護の“腰”を守る

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 全国の特別養護老人ホームを始めとする高齢者福祉施設・事業所が加盟する

 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会(東京都千代田区)と神戸大学大学院保健学研究科(兵庫県神戸市。研究代表者 小野玲准教授)及び株式会社バックテック(東京都渋谷区)は、介護職員の離職理由のうち14.3%を占める腰痛の予防に向けて、“ポケットセラピスト”というウェブアプリケーションの実証協力について、全国老施協会員施設に対し公募を開始した。

 

 介護業界では他産業以上に人材不足が問題となっており、介護で働く人材確保はもとより、長く働き続けられるよう様々な工夫を凝らし、対策を進めている。

 なかでも、日本の人口全体が高齢化していくことを考えれば、腰痛予防については喫緊の課題のひとつである。

 

 対策として天井走行リフトや介護ロボット等の導入を積極的に行っている施設もあるが、別途工事が必要となることや、運用まで時間がかかるなどの問題がある。また、体調不良の際に無理をしてしまうことで腰痛になる場合もあれば、介護ロボット等を活用していたとしても使い方を誤ると痛みが出てきてしまうといったことはあった。

 

 今回、全国老施協は、会員の特養で働く職員を公募し、株式会社バックテックが開発した「ポケットセラピスト」というウェブアプリを活用することによって、新しい腰痛予防の取り組みの実証協力に乗り出した。

 

 ポケットセラピストにはいくつかの機能が搭載されている。登録時には、いくつかの情報を入力することで、腰痛の慢性化リスクの可視化や、腰痛のタイプ判定がなされる。この結果をもとに、理学療法士等の医療専門職がユーザーに合ったプログラムをオーダーメイドで立案する。

 

 それ以降も、担当セラピストによるマンツーマンでのチャットサポートをいつでもどこでも受けることができる。その他、腰痛や、腰痛と関連の深い活動量を可視化できる機能があり、その結果から腰痛解決の糸口を発見できる。

 小規模での予備的な効果検証の結果、利用後3カ月時点において、ポケットセラピストを利用した介護職員は、何もしなかった介護職員と比較して、腰痛の程度が有意に改善していた。

 

 また、運動療法や認知行動療法をベースとしたアプローチを展開しているため、生活習慣是正やメンタルヘルス向上の効果も期待できる。

 

 腰痛リスクを可視化する機能も搭載しており、病院受診の必要性が高いユーザーには、受診勧奨も可能であることから、早い段階で深刻な腰痛を防ぎ、ひいては腰痛による離職を予防することができると見込まれる。

 

 全国老施協では、こうしたアプリケーション等の利用者を公募し、より信頼性の高いソフトウエア開発に寄与することで介護職員の働きやすい環境づくり

<全国労施協事業部>