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No.679 新型コロナの影響で全国の3分の2の病院が赤字転落、都内のコロナ受入れ病院では9割が赤字に

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■新型コロナ受入れ病院、全国で3分の2、東京都で9割が赤字に転落

 新型コロナウイルス感染症の影響で病院経営が悪化し、全国の3分の2の病院が赤字に転落。とりわけ、東京都に所在する病院では非常に厳しい状況にあり、新型コロナ患者を受入れた病院の約9割が赤字に陥っていることが、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が6月5日公表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」追加報告から明らかになった(図1 コロナ患者受入状況における医業収支の比較)。

 

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体は、新型コロナウイルス感染症の影響が本格化した2020年2~4月の状況を、前年度月(2019年2~4月)と比較分析するための調査を実施した。最終的に3病院団体の会員1307施設(速報時点では1141施設)から有効回答が寄せられた。5月18日に発表された速報では、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院や病棟を閉鎖せざるを得なかった病院では2020年4月の医業利益率は2ケタのマイナスに陥っていることが明らかになった。

 

■厳しい経営環境にある東京都の病院、手術件数がマイナス35.8%、救急受入件数マイナス46.5%

 その後5月27日の最終報告では、とりわけ東京都に所在する病院は非常に厳しい状況にあり、2020年4月の医業利益率は全体でマイナス22.5%(全国に比べて13.9ポイント厳しい)新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない病院でもマイナス15.8%(同10.3ポイント厳しい)新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている病院でマイナス24.2%(同13.4ポイント厳しい)一時的に病棟を閉鎖している病院でマイナス29.4%(同15.0ポイント厳しい)と、非常に厳しい経営環境となっている(図2 コロナ患者受入状況における経営指標の比較_東京都)。

 さらに、有効回答をした全病院について、外来患者延数、初診患者数、入院患者延数、病床利用率、手術件数、救急受入件数の各指標について、今年(2020年)4月と前年同月(2019年4月)との比較を見ると、外来患者延数がマイナス19.7%、初診患者数がマイナス41.6%、入院患者延数がマイナス10.4%、病床利用率がマイナス6.6ポイント、手術件数がマイナス17.6%、救急受入件数がマイナス34.9%だった。

 

 新型コロナウイルス感染症患者を受入れた東京都に所在する病院について4月と前年同月(2019年4月)との比較は、外来患者延数がマイナス29.7%(全体に比べて10ポイント厳しい)、初診患者数がマイナス63.5%(全体に比べて21.9ポイント厳しい)、入院患者延数がマイナス16.4%(全体に比べて6.0ポイント厳しい)、病床利用率がマイナス9.6ポイント(病床利用率73.5%)(全体に比べて1.7ポイント厳しい)、手術件数がマイナス35.8%(全体に比べて18.2ポイント厳しい)、救急受入件数がマイナス46.5%(全体に比べて11.6ポイント厳しい)と、東京都では患者減、手術減が目立っている。病院経営にとって手術や救急の受入は収入面における寄与が大きいことから、東京都の病院経営は急速に悪化していることが明らかになった。

 

■診療所の経営も悪化、診療所の9割以上で入院外総点数が低下

 日本医師会は6月10日の定例記者会見で、日医が5月7日から6月5日にかけて実施した「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」の結果を公表した。3月、4月の経営状況を調査したもので、3月に比べ4月の経営状況が悪化していることが明らかになった。総回答数は655機関(120病院、533診療所、不詳が2)。調査は、3月末までの状況を尋ねた前回調査に続き2回目となる。

 調査では、初診料の算定回数は、4月の前年対比で病院は38.3%、診療所は40.0%減少し、3月の前年対比と比べると、病院は18.7ポイント、診療所は10.9ポイントそれぞれ減少幅が増加した。入院外総点数を診療所の診療科別に見ると、4月の前年対比の悪化率が最も高かったのは小児科の39.2%減(3月の前年対比から14.7ポイント増)で、耳鼻咽喉科の36.6%減(同11.6ポイント増)、整形外科の23.3%減(同13.5ポイント増)が続いた。

 また、診療所の9割以上が、4月の入院外総点数が前年同月比で低下したと回答。20%超の減少と答えた診療所が41.3%に上り、3月の前年同月比と比べると、20%超の減少の回答率が22.5ポイント増えた。いずれの結果からも、3月から4月にかけて経営状況の悪化がうかがえる。

【事務局のひとりごと】

 

 仕事以外、不要不急の外出以外のステイホームを遵守している間、家族との交流は間違いなく深まった。中でも最も印象に残っているのは、夕食時に、同じ材料を使い、家内と焼きそばを同時に作り、(自分たちも含めて)子どもたちにどちらの焼きそばが美味しいかを競う、目隠し勝負だった。筆者も自分が作った焼きそばがどちらかは分からなかったので、美味しいと思える皿に一票を入れたのだが、意外な結果が…(※1)。平日に家族揃って(特に筆者が)同時に食卓を囲むなど、およそ考えられないことだったが、新常態では、これまで考えもしなかったことがどんどん起こっていった。

 緊急事態宣言の解除を受け、世の中の動き、特に経済や学校は、これまでと同じように見えていて、だがしかし何かが異なる形で、徐々に新常態としての流れを作りつつある。果たして今現在、TVで何度も流れる‶ステイホーム″という言葉は、一般市民が道徳として守るべき行為なのだろうか。それとも人混みの中に身を置いて、経済や観光に財を投じる行為の方が美徳とされるのだろうか。人それぞれなのだろうが、正直よく分からないというのが本音である。

 

 ステイホームの間、多くの経済活動がストップした。医療機関にかかる患者も、不要不急の外来を受診することも控えた。不要不急とされる診療科の手術や入院もストップした。「金は天下の回り物」というが、この半年間、お金はこれまでのような形では回らなかった。お金の回り方を、仮に〝売掛金″と表現しよう。売掛金が入ってくる、支払われる、コロナ禍真っ最中から2か月程度経過した2020年の夏医療機関の台所事情間違いなくダメージを負った

 7月3日(金)メディファクスによると(8297号 6頁/12頁 4月診療分の確定件数が前年比2割超減、確定金額は1割減)、支払基金(社会保険)の4月の確定件数は総計7432万件で前年同月比22.9%減確定金額9460億円で前年同月比10.2%減であったとのこと。

 件数と金額の差に10%の開きがあるのは、つまり「不要不急」と形容されるような入院や外来(必然的に平均単価は低い)が件数的には2割以上も減ったが、金額的には平均単価の高い件数(非常時においても必要な医療)は減らなかったことによっておこるギャップなのだろうか

少し明るくない今回のテーマである。

 

 今回のコロナ禍で多くの飲食店をはじめ、多くの“客商売”、しかも飲食系の業態は大きなダメージを受けた。もしかすると、コロナ禍収束の間違いない未来が待っていたとしても、寂しいことだがそこまで耐えきれない業態も出てくるだろう。エコノミストはそれを「変化に対応できないものが淘汰される摂理」というような言葉で片付けるのだろうか。あまりに口惜しいではないか。

 

〇待合室はガラガラ。新型コロナで医療経営が大変だと肌で分かった

 緊急事態宣言が発せられた5月初め、薬がなくなり近所の内科かかりつけ医を受診した。「今日も待合室はガラガラでしょう。コロナのせいですよ。患者さんが来ても、いつもの薬、3カ月分出しといてくださいという方が多い」と院長がぼやいていた。新型コロナで医療経営が大変だと肌で分かった。

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 ある患者のコメントである。

 

 看護師について、また医師からいただいたコメントを紹介したい。

 

〇看護師や臨床検査技師らの夏のボーナスは、感染拡大前の3分の1

 新型コロナ感染で病院経営の悪化に伴い、看護師らの給料や一時金が下がるケースが続出している。日本医療労働組合連合会(医労連)がまとめた調査では、愛知県の病院が医師を除く職員の夏の一時金を、前年実績の2カ月分から半減させることを検討。神奈川県の病院では夏の一時金カットに加え、定期昇給の見送りや来年3月までの役職手当の2割カットなどを検討しているという。埼玉県の済生会栗橋病院では看護師や臨床検査技師ら職員の夏のボーナスについて、感染拡大前に想定した額の3分の1にまで減らさざるを得ないという。

 

〇新型コロナ対応を契機に医院の運用方法を試行錯誤している

 耳鼻科開業医。新型コロナでは診療所で耳鼻科、眼科の経営悪化が指摘されるが、当院ではそれほどではなかった。今後、季節性インフルエンザ流行の時にも新型コロナの感染対策を流用できると思うので、そのつもりで運用方法を試行錯誤している。新型コロナ感染対策でのマスク・フェイスシールドなど緊急の備品確保は、医院経営面でもシミュレーションになる。

 

〇医師は診療報酬で収入が保証されている

 勤務医。この3カ月余りは新型コロナ対応で休日はなかった。我々医師、勤務医は診療報酬によって収入の原資が保証されるが、非常事態宣言で日銭を稼がなければならない一般の方は大変だと思う。

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 開業医と勤務医という、お立場によってやや趣の異なるコメントであるが、看護師に関する記載医療機関の経営悪化と直結するコメントだ。

 

 続いて医師会、病院会関連のコメントを紹介したい。

 

〇日医常任理事:無床診療所は4月単月100万円の赤字。それでも大胆な経費削減で対応

 6月10日の日医定例記者会見で、3月分の「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」の続報(4月分)を報告した松本吉郎日医常任理事は、無床診療所の経営への影響の試算で4月単月100万円の赤字になるほどの影響が見られたことを明らかにした。その上で「院長給与を含む固定費削減などの対応がただちに必要な状況にあるが、現実には、大胆な経費削減が断行され、結果として、計算上の赤字幅はやや圧縮されている可能性もある」との分析を示した。

 

〇日病会長:わが国医療は、診療報酬による価格統制が行われており、短期的な収入減が生じた場合、人件費など固定費を賄うような柔軟な対応が困難

 日本病院会の相澤孝夫会長は6月17日開かれた一般社団法人日本病院会社員総会で、「6月には緊急事態宣言が解除されているが、5月よりも病院経営は悪化し、経営危機が数か月に及ぶと見られる」との見方を示した。わが国の医療について、「診療報酬による価格統制、量的抑制が行われ、短期的な収入減が生じた場合に、人件費など固定費を賄うような柔軟な対応が困難である」という特性を説明した上で、「対策が行われなければ、今後、雪崩のように医療機関の経営が崩壊する」と危機感をあらわにした。

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 コロナ禍中、良い意味でもネガティブな意味でも脚光を浴びた医療であるが、こちらも固定費を賄うだけの収入が得られない状態になっている。

 そういった医療機関に対し、ややひっそりとした感はあるが、厚労省では対策を講じたそうだ。

 

〇2020年5月診療分診療報酬等の一部を概算前払い

 厚労省は、新型コロナウイルス感染症により収入が減少し、福祉医療機構等からの融資が必要となっている保険医療機関等で、6月5日までに申請を行った保険医療機関等については、特例的に6月下旬の4月診療分診療報酬等の支払い時に、4月診療分に加えて、5月診療分診療報酬等の一部を概算前払いすることにした。概算前払の額は2019年12月~2020年2月診療分の平均診療報酬等支払額から4月診療分の診療報酬等支払額を減じた額に10/8を乗じた額となる。なお、概算前払された診療報酬等については、7月下旬に支払われる5月診療分診療報酬等の支払時に減額調整される。

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 なるほど。つまりこれは前借」である。であるので、5月分の医業収入が思わしくない場合、厚労省が引き続き概算前払いを行ってくださるとしたら、その自転車操業はどんどん苦しくなってくるわけだ。どこかの月で医業収入が前年比2倍とか3倍とかならない限りは、永遠に取り返しがつかないのである。特例的な措置で、ありがたい話ではあるが、そもそもの原資が自らの収入である以上、「最後の砦」なのでそうそう活用はしにくいのではないだろうか(しかも申請期日は終了済)。

 

 いろいろと手は打っていただいているのでもう一つご紹介したい。

 

〇新型コロナ関係費は、感染拡大防止のために消毒薬購入や動線の確保、レイアウト変更などかかった費用は全てが対象

 四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)が6月24日開いた総合部会で、2020年度第2次補正予算に盛り込まれた医療機関への支援概要を説明した厚労省の担当者は、医療機関や薬局での新型コロナウイルスの感染拡大防止策などにかかった費用への補助について、「新型コロナ関係費は、感染拡大防止のために消毒薬購入や動線の確保、レイアウト変更などかかった費用は全てが対象になる」と説明した。

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 いただける助成金はもれなく申請したいところだ。しかしおそらくそれを大きく上回る医療機関の収入減である。

 

 コロナ禍で骨太の方針に向けた議論もストップした。

 

〇新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、財政審、春の建議を見送り

 財務省の財政制度等審議会は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、春の建議を見送った。社会保障については、今年1月に全世代型社会保障検討会議の中間報告を報告した1回のみ。2月以降は新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大による緊急事態宣言などがあったことから、社会保障や地方財政などの分野別の審議が一切行われず、例年同様の建議取りまとめができなかった。財政審の榊原定征会長は7月2日の記者会見で、「本来であれば春の建議に向けてしっかりと議論を進めて骨太や予算編成に向けての提示をしたかったが、実質的にできない状況だった」とコメント。

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 確かに今、そんな議論ができる余地はないのかもしれない。そうかもしれないが、医療費の伸びの抑制は、経済界をはじめ厚労省や財務省が行いたかったことではなかったのか。結果論ではあるが令和2年度の社会保障給付費の医療費、介護費は間違いなく下がることだろう。そこに収入減だという理由で救済の手を差し伸べるならばこれまでの議論は一体何だったのか。一方でそんな疑問も沸いてしまう(筆者の見解としては、救済の手を差し伸べていただいて良いのではと考えているが)。

 

 そんな“そもそも論”に関して、こんなコメントも。

 

〇川崎市:コロナ対応で公立病院の再編統合に異論

 新型コロナウイルスへの対応は、これまで多額の赤字を出してきた公立病院の改革論議にも影響を及ぼしている。感染者の減少を受け、医療機関が確保している病床の一部を一般の患者用に戻す検討も進むが、川崎市は「最後まで役割を担うのは市立病院」として、当面はコロナ患者用に現在確保している病床数をできるだけ維持し、再び感染が拡大する「第2波」の際に速やかに対応できるようにしたい考えだ。ダイヤモンド・プリンセス号の乗船者をはじめ、中等症を中心に患者のべ36人を、40床ある結核患者用の病棟で受け入れている川崎市立井田病院は、4月の患者数は入院、外来とも前年に比べ20%以上減少した。

 厚労省は昨年9月、高度な医療の診療実績が少なかったり、機能を代替できる民間病院が近くにあったりして再編・統合が必要な公立・公的病院を名指し、そのなかに、井田病院も入っていた。地域がん診療連携拠点病院として緩和ケアにも対応する井田病院だが、急性期の心血管疾患や脳卒中、小児などで「診療実績が少ない」と判断された。5月半ばの市議会で議員からの質問に、市の病院局長は、「今回の事態を踏まえると、見直せという指示はあり得ないと思っている」と答弁。コロナへの対応で公立病院が存在意義を発揮するなか、その対応力を奪う方向へと働く再編・統合などもってのほかという思いがうかがわれる答弁であった。

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 仰るとおりのコメントである。

 

 こんなコメントも紹介したい。

 

〇アフターコロナ・ウイズコロナを踏まえた医院経営戦略が必要になる

 医療機関は今後、新型コロナウイルス感染症の影響で経営的に非常に厳しくなる。その上で、アフターコロナ・ウイズコロナを踏まえた経営戦略が必要となってくる。クリニックを例にあげると、一般の内科などでは、3密を避けるために予約診療やオンライン診療などを積極的に活用せざる得ない状況になると想定される。他にも、会計の待ち時間や金銭を手渡しする際の接触を避けるために、自動精算機の導入やキャッシュレス化などが促進されるかもしれない。また、開業地の考え方もかわってくるかもしれない。今回のコロナにより、多くの企業でテレワークが定着した場合、これまでオフィスで働くビジネスマンをターゲットとしていたオフィス街のクリニックは患者減になる可能性がある。一方で、住宅街のクリニックは患者が増えるなど患者が分散する現象が起きるかもしれない。このため、新規開業地は駅前などだけでなく住宅街を積極的に選ぶといった医師も出てくるかもしれない。ある意味アフターコロナは前向きに捉えて、対応していくことが大切ではないかと思う。

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 これまでご紹介してきたコメントは、“元通りであるのが前提”のコメントだ。今や新常態」が叫ばれる世の中である。これまでの常識が常識として通用しないかもしれないということも、念頭においておく必要があるだろう。

 

 最後に金融機関からのコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

〇日本政策投資銀行、病床一部を介護施設に転換し経営改善につなげる支援策

 新型コロナウイルスの影響で経営が悪化した医療機関の再建が重要な課題になってきた。政府は病院の診療報酬を引き上げるなどの対策を打ち出したが、経営悪化は新型コロナの患者を治療していない医療機関にも広がっている。このため、日本政策投資銀行は病床の一部を介護施設に衣替えするなど地域ニーズにより合った形に機能を転換するなど経営改善につなげる支援策を展開する。

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 支援・転換・新たな工夫…このコロナ禍を乗り切るためには、いろいろなものを総動員しなければならないことだけは間違いない。非常に重たいテーマであった

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※1)…家に帰ると「今日は特売で焼きそばが安かってん!3玉じゃ足らんから6玉買った。フライパン一つじゃ無理やから2つで作るわ」と家内。「それなら二人で同時に作ったら時短になるで。あ、そうや。料理対決しようや!」と、筆者から家内に挑戦状を叩きつけた。焼きそばはこれまで何度となく作ってきた。そこそこ自信があった。バトル終了後(調理後)、後ろを向いて、盛り付けは家内にお任せしたので、家族5人中、どちらがどちらの作った焼きそばかを知っているのは家内だけだ。筆者自身も自分が作った焼きそばの味が分からないかもしれないのだ。自分の舌を頼りに美味しい方(自分の方が美味しいと思っている)を指差し、「僕はこっちや!」と言った。子どもたちは「僕はこっち!」「あたしはこっち!」それぞれが指指したのは、向かって右の焼きそばが3票、向かって左が2票。筆者が指差したのは3票の方だった。家内が発表する。ドキドキする。「あんたの味は複雑すぎんねん。私の作った方が味はシンプルなんやけどなぁ。私は断然こっちやけどな!」と、結果発表の前に負け惜しみのコメントを言った。つまり、勝者はなんと筆者であった。筆者は子どもたちと「やったー!」とハイタッチ。たかが焼きそばであるが、家内との料理対決で勝てたのは素直に嬉しかった。そばの下味に工夫を凝らした成果である。こんな夕食の楽しみ方もあるんだな、と、コロナ禍の中で偶然発生した出来事に感謝であった。