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短信:iPS細胞 使って新効果発見か “アルツハイマー病進行を抑制”

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 アルツハイマー病の患者から作ったiPS細胞を使って見つけ出した治療薬の候補について、京都大学などのグループは、遺伝的な要因で発症するアルツハイマー病の患者に投与したところ、症状の進行が抑えられる傾向がみられたとする治験の結果を発表した。

 

 京都大学iPS細胞研究所の井上治久教授などのグループがオンラインで会見を開いて明らかにした。

 

 グループは、患者の細胞から作ったiPS細胞を使って薬の候補を探す「iPS細胞創薬」と呼ばれる方法で、パーキンソン病の治療薬としてとして使われている「ブロモクリプチン」という薬にアルツハイマー病の原因の一つとされる異常なたんぱく質を減らす効果があることを見つけた。

 

 そして、グループはおととしから遺伝的な要因で発症する「家族性アルツハイマー病」の患者を対象にこの薬を投与して安全性や有効性を調べる治験を始めていた。

 

 その結果、投与開始からおよそ5か月後の時点で、

 

◎偽の薬を投与した患者では、3人中2人で認知機能が低下していたのに対し

◎この薬を投与した患者で認知機能が低下したのは、5人中1人

 

にとどまっていたという。

 

グループでは、対象の患者が少ないためこうかの確認にはさらに研究が必要だとしたうえで、症状の進行がおさえられている傾向がみられたとしている。

 

井上教授は「既存の薬を使って病気を克服することができるかもしれないことが分かった。実用化を目指してさらに研究を進めていきたい」と話していた。

 

(NHK NEWS WEB 7月1日)