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短信:新型コロナウィルスワクチンの安全性確保に関し、4学会が共同声明

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 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は世界的な公衆衛生危機をを引き起こし、現在進行形で人間社会の有り様に甚大な影響を及ぼしつつある。

 ワクチンの開発は、全世界からの期待に応えるために各国政府の支援を受けつつ、かつてない速度で進められており、すでに承認、使用開始もなされている。

 ワクチンには、有効性の十分な検証とともに高い安全性の確保が求められている。多大な期待が寄せられるが故に承認後に安全性の懸念が生じた場合の社会的影響は甚大あると想定される。

 そこで一般社団法人日本薬剤疫学会、一般社団法人日本疫学会、一般社団法人日本臨床疫学会、日本ワクチン学会の4学会はさる11月、共同声明を行った。

 

 COVID19に対するワクチン承認後の安全性確保のためには、従前の医薬品・ワクチンの安全性監視の方法論に捉われず、ワクチン供給企業のみならず社会インフラ全体を活用した安全性監視体制の整備に予め取り組み、迅速かつリアルタイムな安全対策の実施を可能にするシステムを承認時までに整備することが肝要と考えます。さらに複数回接種が必要なワクチンでは、確実な安全性及び有効性を得るために適正な接種スケジュールの遵守が必要であり、その接種記録の管理と医療関係者間での共有は重要であります。これを実現するためには、承認後、COVID-19に対するワクチン被接種者全員を登録、追跡するシステムを構築し、接種記録の共有と接種後の転帰の確認を可能とすることが必須と』考えます。

 このため4学会は、次の1)から3)の具体案について検討することが必要と考え、ここに提案いたします。

 

 1) ワクチン被接種者が記入する予防接種予診票をインターネット経由で提出することで、被接種者を一元的に登録管理する電子的データベース(ワクチンレジストリ)を構築し、ワクチン接種時にはレジストリへの登録義務を課し、データ利用の同意を得ること。

 2) 診療報酬請求情報などの各種医療情報データベースのデータと、1)で構築したワクチンレジストリに登録された被接種者のデータの個人レベルでの突合を可能にし、両者を併合して疫学的な解析を行うことを通じ、リアルタイムでの COVID-19ワクチンの有効性及び安全性の疫学的評価を可能にすること。注1)

    注1 ワクチンレジストリと医療情報データベースの突合が困難な場合には、次善策として COVID-19に対するワクチン接種を何らかの形でレセプト情報に含める方策を検討されたい。

 3) ワクチン副反応によると考えられる健康被害に関して機を見るに敏な対応を可能とする制度を構築するために、上記ワクチンレジストリ及び医療情報データベースから得られる臨床情報をワクチンと健康被害との個別因果関係評価に活用すること。

 

 新型コロナウィルス感染症の一刻も早い克服には、誰もが安心して有効で安全なワクチン接種を受けることが原動力となります。そのためにも、上記に示すワクチン安全性監視システムの構築を通じて安全性上の問題をいち早く把握する体制を整えることが何より寛容と信じます。