《心配だ》《なぜ起きるのか》。新型コロナウィルスのワクチン接種に伴う副反応に、読者が強い関心を持っている。先行接種が始まった医療関係者の間でも、一部で発熱などの軽い副反応が出ているが、専門家はどうみるのか。
発熱や倦怠感、頭痛、関節痛、じんましんー。厚生労働省によると、ワクチン接種では主にこうした副反応が起きるという。
「年齢や持病の有無によって差はあるが、副反応は想定内のものと言える」。倭(やまと)正也・りんくう総合医療センター感染症センター長が指摘する。
倭氏によると、体内に異物であるワクチンが投与されれば、免疫反応を誘導する効果とともに副反応が表れる。「副反応は体が頑張って免疫を作ろうとしている証拠。大体は心配はいらない」といい、こうした症状は1~2日程度で治まる。
一方、米国では20万回に1回の確率で重いアレルギー反応「アナフィラキシー」が起きると報告されている。一般的にワクチンには安定化を促す添加物が含まれており、これがアレルギー反応を起こす原因の一つと考えられている。ただ症状が重くなる確率は低いとされ、発症したとしても適切な処置を受ければ問題はないという。
倭氏は「現状ではワクチンを打つメリットは大きい」としながらも、「過去にワクチンや服薬でアレルギーが出た人は、かかりつけ医と相談し、接種を慎重に決めてほしい」と述べた。
(産経新聞)
2021/03/15【見出し】