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短信:「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化プランの方向性を提示」総務省検討会

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 総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会」(座長 堀場勇夫・地方財政審議会会長)は1210日、公立病院の新経営改革プランの中間とりまとめを公表した。

  

●これまでの取り組み

 公立病院は、医師不足による厳しい経営状況を踏まえ、総務省が示した公立病院改革ガイドライン(H19年度)及び新公立病院改革ガイドライン(H26年度)に基づき、公立病院改革プラン及び新公立病院改革プランを策定し、再編・ネットワーク化、経営の効率化、経営形態の見直しなどに取り組んできた。

 

 令和3年12月10日の持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会 中間とりまとめによると、平成20年度から令和2年度にかけて、193公立病院が再編・ネットワークに取り組み、公立病院数は943から853に減少(▲9・5%)。また、令和2年度時点で、94病院が独法化、79病院が指定管理に移行しており、全部摘要の382病院を含め、計555病院(65・1%)がマネジメントの強化等に取り組んでいる。

 

 ●課題

 こうした取り組みを経ての目下の課題として、同検討会では、以下の3点を挙げている。

・人口減少や少子高齢化に伴う医療需要の変化、医師等の不足を受け、地域医療を支える公立病院の経営は、依然として厳しい状況。

・今後、医師の時間外労働規制への対応も迫られるなど、さらに厳しい状況が見込まれる。

・また、コロナ対応に公立病院が中核的な役割を果たし、感染症拡大時の対応における公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識されるとともに、病院間の役割分担の明確化・最適化や、医師等の確保などの取り組みを平時から進めておく必要性が浮き彫りとなった。

 

 ●対応

・こうした課題を踏まえ、持続可能な地域医療提供体制を確保するため、地域医療を支える公立病院の経営強化に向けた新たなガイドラインの策定が必要。

・ガイドライン策定にあたっては、限られた医師・看護師等の医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するという視点をこれまで以上に重視するとともに、感染症拡大時の対応という視点も踏まえる必要。

*ガイドラインの策定時期については、地域医療構想を含む第8次医療計画策定の進め方を踏まえ、各地方公共団体において、公立病院の経営強化に向けた取り組みの検討や、公立病院経営強化プランの策定に着手することが可能となるよう、今年度末までに策定することを想定。

 

 ●新たなガイドラインの方向性

 

 1.地方公共団体に対する公立病院経営強化プランの策定の要請

  ・策定時期;令和4年度または令和5年度中に策定

  ・プランの内容のポイント

主なポイントは以下

<ポイント①> 機能分化・連携強化の推進

地域の中で各公立病院が担うべき役割や機能を明確化

(特に、基幹病院に急性期機能を集約し、医師を確保した上で、

それ以外の不採算地区病院等との連携を強化)

<ポイント②> 医師、看護師等の確保、働き方改革の推進

不採算地区病院等への医師、看護師等の派遣の強化

働き方改革の推進

<ポイント③> 経営形態の見直し

柔軟な人事・給与制度を通じ、医師等の確保につながる経営形態の見直し

<ポイント④> 新興感染症に備えた平時からの対応

①~③の取り組みに加え、感染拡大時に転用しやすい施設・設備の整備

 

 2.都道府県の役割の強化 

 特に機能分化・連携強化については、医療資源が比較的充実した都道府県立病院等が、中小規模の公立病院との連携・支援を強化していく枠組みも含め、都道府県が積極的に助言・提案していくことが重要。