- ワタキューホールディングス株式会社 - https://www.watakyu.jp -

ホテル業界短信

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

 

 夏の高稼働を終えて取敢えず第二ラウンドに向けた準備で一服と言った所であるが、つい最近広島の給食会社の倒産に見られる様に、ホテル業界もご多分に漏れず人手不足対策や円安に振り回され燃料や資材がじわじわと高騰し、値上げ交渉を継続せねば存続が危ぶまれる。

 その一方でホテル業界を嘲笑う様に鼻息の荒いのが日本の円安・低金利を謳歌する外資系不動産業者である。

 

 インバウンド6,000万人を標榜し観光立国を目指して旗振りする日本政府の方針に追随しコロナ禍前から外資による業界活性化も期待していたホテル業界であるが、彼らの「日本の不動産市場、特にホテルは引き続き非常に魅力的」と言う最近のコメントを聞くにつけ首を傾げたくなってきた。

 

 ホテル関係者からは人手不足の悲鳴が上がっているのに対し、円安・低金利を大歓迎し歓喜する外資系不動産会社を見ていると、どっちが旗振りの主役なのか勘違いしてしまいそうだ。

 最近では、観光地で1億㌦程度のビジネスホテル早期購入に競争も熾烈な様だが、外資が円安で格安になったホテルを購入しそれにブランドを冠する。ホテルは観光客をおもてなしするが、挙句の果てに外資にロイヤリティ迄絞り取られているようでは、本当に利益が日本に落ちているのか甚だ疑問である。

 

 観光立国を支えてくれている「外資様様」であるが、主役の座は渡さないで欲しい。次に控えるIRの話題も聞こえてくる中、大阪万博は開催が危ぶまれる不安なニュースが飛び交っている。既に観光客受入キャパシティが飽和状態の中で中国人団体客が戻って来たらホテル業界はパンクしかねない。日本政府には、業界にも利益が落ちる様な抜本的は対策を掲げ旗振り役を奪還して貰いたいものだ。

 

<ワタキューセイモア ホテル営業本部>