- ワタキューホールディングス株式会社 - https://www.watakyu.jp -

ホテル短信

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

 

 2023年の1~8月インバインド累計実績は1519万人で、9月以降も毎月250万人近くのインバインドを受け入れているのでこのペースだと2023年は2019年比で78%程度となる見通しとなる。

 

 中国の海外旅行解禁が8月10日~と云うのを考慮すると、2024年は2019年の3,188万人を追い越すのも時間の問題の様に思えてきたが、次の目標の4,000万人達成は尚ハードルが高い。 

 

  2019年と比較すると

 

①一つはホテル業界での人手不足は一層深刻

②オーバーツーリズム状態で一部では観光公害に

③為替は$=¥108が¥146になりインバウンドには追い風

 

と、経営環境は大きく異なっているからだ。

 

 不動産業界にとって幸運なのは世界的に高金利時代に突入し不況とは言え日本だけは低金利・円安が続いている為、旅行客を受入れる器不足を補う形で特にホテルには国内外から多額の投資がなされている。

 

 一方、政府は地方創生を掲げておりオーバーツーリズムを避ける為、現在は地方にも多く資本が投下されているが、宿泊施設を準備した所で、人手不足は都市部以上に深刻ではないかと思われる。

 

 地方のリネン工場も然りで、ゼロゼロ融資の返済に苦慮している所が多く、設備投資資金、人員確保、リネン品の仕上げ技術等、多くの問題が残されている。

 

 外資系のマリオットやヒルトン等は世界に1億人以上の会員を持ち戦略的に自分達の系列ホテルに会員を送り込んでくる。日本側でこれらを受入れる準備が出来ている所は少ない。残念ながらリネン、清掃業者に対する政策欠如に依るものでこれには政府、自治体にも責任がある。

 

 日本の観光立国戦略を本当に国策と考えるならば、パーティで集めた政治資金を自分の懐に納めるのではなく、リネン業者や清掃業者の領域まで裾野を広げて頂き地方のリネン工場にも政府、自治体による手厚い支援を頂いてもおかしくないのではないか。

 

<ワタキューセイモア ホテル営業本部>