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No.823 上野厚生労働大臣、糖尿病薬マンジャロ個人間売買に注意喚起 適正外使用で処方する医療機関に立入検査、是正命令も

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上野厚生労働大臣、糖尿病薬マンジャロ個人間売買に注意喚起 適正外使用で処方する医療機関に立入検査、是正命令も」から読みとれるもの

・一部の医療機関で美容・痩身目的の使用

・「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用」

・改めて注目される医薬品の「適正外使用(Off-label Use)」

 

■マンジャロ美容目的使用に厚労省が対策要請 GLP-1薬の適正使用徹底へ通知を発出

 2型糖尿病治療薬マンジャロ(一般名:チルゼパチド)をめぐり、一部の医療機関で美容・痩身目的の使用が広がっているとして、厚労省は6月16日、製造販売元である日本イーライリリーおよびノボ ノルディスク ファーマの2社に対し、医療機関・薬局への注意喚起の徹底や安全性情報の収集協力など、具体的な対策を講じるよう要請した。同日、厚労省は「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用」と題する通知を都道府県や関係学会に発出し、全国的な対応を求めた。(図1 マンジャロ(チルゼパチド))(図2  GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用

マンジャロ (チルゼパチド)

GLP-1受容体作動薬及びGIPGLP-1受容体作動薬の適正使用

 

 通知では、医療機関や薬局の一部で美容・痩身目的の使用が確認されていると指摘国内未承認薬や適応外使用を含む自由診療の広告は原則として禁止されていることを改めて周知した。また、副作用報告において適応外使用が判明した場合には、「使用理由」として「適応外使用(美容目的)」などと明記するよう求め、実態把握の強化を図る。

 

 マンジャロは糖尿病治療薬として承認されている一方、体重減少効果が注目され、SNSを中心に美容目的での使用が拡大。需要急増による供給逼迫や、個人間売買の摘発事例も相次いでいる。今回の要請と通知は、こうした状況を受け、適正使用の徹底と安全性確保を目的とした行政対応として位置づけられる。

 厚労省は今後も、製薬企業や医療機関との連携を通じて、GLP-1受容体作動薬の適正使用と安全対策の強化を進める方針だ。

 

 厚労省の通知では、医療者に対し、「承認された効能・効果に則って使用した際であっても、重大な副作用として低血糖症状や急性膵炎が起こり得る」と指摘。比較的頻度の高い副作用として、悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛などの消化器症状が認められていると説明した。マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬等の使用にあたっては、「使用者へのリスク説明」を必須とした。2型糖尿病患者への使用は、薬事承認に従い、食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮する。肥満症患者への使用は、製造販売承認の際に策定された「最適使用推進ガイドライン」の要件・考え方に留意するよう医療関係者に徹底を求めた。

 

 美容医療をめぐる安全性への懸念が高まる中、厚労省は2023年9月20日に開催した第13回 医薬品等行政評価・監視委員会で、医薬品の適応外使用や広告規制の徹底を中心とした医療安全向上策を報告した。自由診療領域で急増する美容目的の薬剤使用やSNS広告の拡大を背景に、行政としての監視・指導体制を強化する姿勢を明確にした。

 委員会ではまず、GLP-1受容体作動薬などの美容目的での適応外使用が急増し、医療上必要な患者への供給逼迫を招いた問題が取り上げられた。 厚労省は「承認された効能・効果を逸脱した使用は、医薬品の安全性確保の観点から重大な問題」と指摘。医療機関・薬局に対し、継続的な注意喚起を行っていることを説明した。

 特に、痩身目的の不適切処方(適正外使用)は、薬機法上の問題にとどまらず、社会的影響が大きいとして、行政監視の重点項目に位置づけられた。(図3 美容医療における医療安全向上への取り組み

美容医療における医療安全向上への取り組み

 

■マンジャロ問題で浮上する「適正外使用」~美容目的処方が示す制度の限界

 2型糖尿病治療薬マンジャロの個人間売買が摘発され、美容目的での適応外処方が広がる中、医薬品の「適正外使用(適応外使用):Off-label Use」が改めて注目を集めている。

(※「適正外使用」=近年の行政文書・報道で使われる“より広い概念”。「適応外使用」=法律・行政上の正式用語

 適正外使用とは、医薬品が承認された効能・効果、用法・用量、対象患者、投与経路などの範囲を超えて使用されることを指す。具体例としては、承認されていない疾患への使用承認用量を超えた投与小児・妊婦など承認されていない集団への使用美容・痩身目的など承認目的と異なる使用が挙げられる。

 医師法上、医師の裁量による適応外処方は違法ではない。しかし、薬機法が求める「承認された範囲での適正使用」とは異なるため、制度上のグレーゾーンが生じる。この“合法だが制度外”という構造が、今回のマンジャロ問題を複雑化させている。

 

 では、なぜ適正外使用が問題となるのか

 第一に、安全性・有効性のエビデンスが不十分である点だ。承認外の使い方は臨床試験で検証されておらず、効果が保証されないだけでなく、副作用リスクや相互作用、長期的影響が予測できない。

 第二に、供給逼迫の問題がある。マンジャロのように美容目的で需要が急増すると、本来必要とする糖尿病患者に薬が行き渡らない事態が生じ、医療アクセスの不平等を招く。

 第三に、広告規制との関係が複雑だ。適応外処方自体は合法だが、未承認・適応外使用を宣伝する行為は薬機法や医療法で厳しく規制されている。自由診療クリニックの広告やSNSでの宣伝が問題化しやすく、違法となるケースも少なくない。

 マンジャロ問題は、こうした“適正外使用のグレーゾーン”がSNS時代に可視化され、制度の限界が露呈した象徴的な事例といえる。医療現場の裁量と制度の枠組み、患者ニーズと安全性確保のバランスをどう取るか、今後の議論が求められている。

 

 


 

 

 「くびれ~」

 と、

 人気絶頂にあった男性アイドルが叫び、くびれのある女性の彫刻に抱き着くCM (TBC:東京ビューティセンター)は、当時話題になった。

 なんだかんだ言って、結局あの男性アイドルも「くびれ」のある女性を好むのか。なら私も「くびれ」ないと。

 視聴者にそう思わせ、瘦身と「くびれ」を求める、特に女性会員数を増やす。CMの意図は見事に当たったのだろう。

 このCMは1997年に放映されたが、あれから約30年経過した現在。美に対する現代の価値観はさほど変わっていない。

 結果的に美の実現を目指し、痩身を目指す現代人(女性だけでなく男性も)は多いことだろう。

 

 とにかく美味しい、バズる、行列ができる、そんな食べ物とは「糖分と脂質が多い」というのが殆どだ。現代社会において、その「美味しい」ものを摂取し過ぎると、それは当然、過剰なカロリー摂取を意味し、体型に何らかの影響を及ぼすことが多い(体重が増える)。基礎代謝が高い人やスポーツマンなどを除き、おそらく、痩せるなどということはまずなく、良くて体型が変わらないか、まあ、個人差はあれど多かれ少なかれ「太る」ことになる。スポーツマンなどは、おそらく自己管理ができているだろうから、そもそもそんな「美味しい」食べ物を過剰摂取すること自体がないのだろうが。

 

 美味しいものを食べるには当然、お金もかかる。そういう帰結から、昔の人の美に対する意識は、体型の「見た目」に焦点が置かれたものではなく、豊満な体型の方が尊ばれた時代もあった。

 こういうことを整理し、まとめるのは生成AIにお任せする。

 

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〇豊満な体型が尊ばれた主な歴史的時代・地域のまとめ

1.
旧石器~新石器時代(約3万年前~)
・「ヴィーナス像」(例えばヴィレンドルフのヴィーナス)に見られるように、豊かな胸や臀部を強調した肉感的造形が多い。多産・豊穣の象徴。
2.
ルネサンス期ヨーロッパ(15~16世紀)
・ルーベンスら画家の描く女性像はふくよかな肉体美を讃える。富や安定、神が与えた豊穣の証として評価された。
3.
バロック~ロココ(17~18世紀)
・宮廷貴族の舞踏会文化と相まって、コルセットでくびれを作りつつ、胸やヒップは豊満さを残すスタイルが流行。
4.
江戸時代の日本(17~19世紀)
・浮世絵に描かれる高級遊女(吉原等)は、首や肩がしっかりふくらんだ女性が美人とされた。豊満さは色香の象徴。
5.
19世紀中葉~後期ヴィクトリア朝イギリス
・健康と社会的地位の象徴として、上流階級の婦人は豊かな体型を好み、背筋を伸ばす筒型コルセットで能動的にシルエットを作り上げた。
6.
古代中国・アジア各地
・漢~唐代の詩歌や絵画では、丸みを帯びた女性の肢体が美人画の主流。貂蝉のように顔立ちは整いつつも、肉付きの良さが豊かさを示した。

 

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 つまり昔は、美は「富」の象徴でもあり、富んでいれば当然良いものを食べることができ、その帰結としての豊満な体型があり、尊ばれたということなのだろう。

 

 翻って現代。再び生成AIにお任せする

 

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〇現代人、特に若年層が“痩せたい”と考える背景

1.
美的価値観のグローバル化とメディアの影響
・SNS やファッション誌、広告で「細身=美しい」「脚長・くびれ」のモデル像が繰り返し提示されることで、理想像が標準化。「細いほどカワイイ」「格好いい」という理想像が若年層に瞬時かつ繰り返しインプットされる。
・芸能人やインフルエンサーのビフォーアフター、ダイエット情報が瞬時に拡散し、「自分も同じ変化を遂げたい」という欲求を喚起。
・10代向けファッション誌やYouTube美容チャンネルでも“くびれ”、“脚長”を強調した体型が主流になっており、若い読者がファッションモデルと自分の体型と比較しがち。
2.
健康志向の高まり
・メタボリックシンドロームや生活習慣病への警鐘とともに、「適正体重=健康的」とのイメージが浸透。BMI や体脂肪率を数値化できるウェアラブルデバイス、アプリの普及により、自身の体型を常時モニタリングし、改善を図る流れが加速。
3.
自己肯定感の獲得と社会的承認欲求
・ダイエットやトレーニングで「成果を出す」こと自体が自己効力感を高め、SNS 上で「いいね」を獲得することで社会的承認にもつながる。
・体型管理が「努力の可視化」として共有可能なコンテンツとなり、モチベーション維持の手段に。
・スマホアプリやウェアラブルデバイスで体重・歩数・消費カロリーを簡単にトラッキングでき、ダイエットの成果が「見える化」されること自体がモチベーションに。
・「適正体重=健康的」というメッセージが一人歩きし、若年層にも「細ければ細いほど健康」という誤解が広がる。
4.
学校環境における体型へのプレッシャー
・制服や体操服のフィット感、水着や体育の更衣室での“見た目比較”が生じやすく、同級生同士での体型チェックがストレスに。
・保健体育の授業でBMIや体脂肪率を扱う際、「標準体重からの乖離=改善対象」という認識が助長されやすい。
5.
カルチャーとしての“痩せ信仰”
・欧米発のファストファッションやフィットネス文化が日本にも定着し、「洋服をかっこよく着こなすには細身がマスト」という固定観念が生まれた。
6.
“見える化”と自己管理社会の到来
・健康データ、食事記録、歩数などがデジタルで常時トラッキングできるようになり、「細かい数値」をコントロールすること自体が新たなライフスタイルに。
・「痩せる=制御できる自分」というイメージが強まることで、体型管理が自己統律の象徴に。
・ダイエット成功をSNSで発信し「いいね」やフォロワー増を得ることで、自尊感情や社会的評価を高めようとする傾向。
・部活動や受験勉強など自己管理を求められる環境に慣れている高校生ほど、「体型管理」も自分でコントロールできる“成果”とみなす。
7.
ダイエット商品・サービスの氾濫
・低カロリー食品、プロテインバー、ミールキット、さらにはオンライン診療を活用した“痩身治療”など、多様なダイエット手段が手軽に手に入る。
・成果を急ぐあまり、極端な食事制限や過度の運動を行いがち。
8.
親世代からの影響
・親世代(20代女性)の約5人に1人が「やせすぎ」と報告されている。痩身への価値観が家庭内に浸透。
・親自身がダイエット経験を語ったり、健康診断で指摘された体重を気にする様子を見て育つことで、子どもにも同じプレッシャーがかかる。

 

 以上のように、現代の若年層は「ビジュアル」「健康」「自己承認」の3つの価値観がメディアや学校・家庭環境を通じて同時に押し付けられることで、「とにかく痩せなければ」という思考に陥りやすくなっています。戦後から現代にかけては、もはや「痩せすぎ」と呼ばれるレベルまでカロリー摂取量が低下した層が増えています。

 教育現場や保護者は、単なる体重管理ではなく、身体イメージの多様性や適切な栄養知識を合わせて伝えることで、若い世代が健全な自己肯定感を育めるサポートが求められます。

 

 体型美の価値基準は時代・文化と強く結びついて流動的です。現代はメディアとテクノロジーが細身志向を加速させていますが、豊満さを美徳とした時代の知恵も、女性の多様な美しさを認めるヒントになるでしょう。

 

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 今回は、瘦身のための個人間売買が問題となってニュースでも採り上げられた糖尿病治療薬「マンジャロ」をめぐり、上野厚生労働大臣より注意喚起がなされたというのがテーマだ。

 

 コメントを紹介したい。

○SNSの“理想体型”に追い詰められる

 「SNSを開くと、細くて綺麗な人ばかりで、自分がどんどん嫌になる。 “この薬で痩せた”って投稿を見ると、つい心が揺れる。本当は危ないかもしれないって分かっていても、あれだけ成功例が流れてくると、使いたくなる気持ちは抑えられない。」


 「マンジャロ」のことだ。

 痩せたい、でもなかなか痩せられない。

 「自分がどんどん嫌いやになる」か…。

 「痩せたい」と強く思ってしまう心理的な強迫観念が、この女性には(おそらく女性なのだろうだと思う)、常におありなのだろう。

 なぜ痩せたいのか。

 それは先の生成AIの考察のような社会的背景から来ているのだろうな。

 

 続いてはこんなコメントだ。

○消費者庁:痩身目的等のオンライン診療トラブル

~ダイエット目的で数か月分の糖尿病治療薬が処方される

「定期購入トラブル」が目立つ

 全国の消費生活センター等には、美容医療をオンライン診療で行うクリニックに関する相談が2017年頃から寄せられており、近年増加している。これらの相談では痩身目的の治療について、オンライン上で初診、薬剤の処方やその後の継続的な診療が行われている。また、国内では2型糖尿病治療薬として承認されているGLP-1受容体作動薬を痩身目的で消費者に自己注射させるケースがみられる。2020年9月、当センターは、痩身をうたうオンライン診療について、説明不足や解約・返金等のトラブルにかかる注意喚起を行ったが、その後も相談が増えている。

 年度別相談件数:2021年度は49件、2022年度は205件、2023年度は10月31日までで169件。

 

【相談事例】

「オンライン診療で処方されたダイエット治療薬が糖尿病治療薬だった」

 「ネット通販でダイエットサプリを購入しようと思っていたときにオンライン診療を知った。医師の処方であれば安心だと思い、オンライン診療を受け、2種類の薬を処方された。支払いはコンビニ決済を選んだ 処方された薬を調べると糖尿病治療薬で副作用があることがわかった。自分には糖尿病歴がないため、不安になり、処方薬が届く前に解約の申し出をしたが、「1回目はキャンセルできない」と言われ、後日、薬が届いた。副作用の説明は受けておらず、1カ月分で2万円を超え高額なので返品したい」(2023年5月受付 40代 女性)。


 「医師の処方であれば安心だ」

 「自分は糖尿病歴がないため不安」

 …なるほど。

 痩せたいのはもちろんだが、さすがに糖尿病歴のない自分に糖尿病薬を投薬するのはさすがに不安。

 ごもっともであり、ある意味「真っ当な」相談事例だ。この相談者は痩せたいけれども美容から医療への一線を超えるということについては常識的な判断をされたようだ。

 

 因みに、「糖尿病」という病名は、病名に伴う誤解や社会的偏見により、患者が精神的負担や社会的不利益を受けているという背景から、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会によって、「ダイアベティス」を新呼称としようとする動きがあり、検討されている。

 

 医師のコメントだ。

○医師:自由診療の“薬頼み化”への危機感

 「自由診療の世界では、薬剤を“商品”として扱う風潮が強まっている。 しかし、医薬品は本来、疾患治療のためのものであり、痩身目的で大量に使われる状況には強い危機感がある。経営的には需要があるのは分かっているが、医療としての一線は守らなければならない。 今回の行政対応は、むしろ現場の医師を守る側面もあると感じています。」


 大臣からの「注意喚起」、このような行政対応は異例のことだろう。医療への一線をも超えてしまうような「痩身」への強い思い。

 

 完売御礼増産中、大ヒット商品、品切れ中、発売休止…。

 一般論として、多くのメーカーは正直なところ、このような状況を夢見て日々、商品開発やマーケティングに挑んでいるわけだ。

 しかし、この「マンジャロ」についてはそういう話とは一線を画している。

 あくまで「医療」なのだ。

 

 美容医療に従事する医師のコメントだ。

○自由診療は本来、医師の裁量で最適な治療を提供できる領域

 「自由診療は本来、医師の裁量で最適な治療を提供できる領域だが、最近は“薬を売るだけの場”になってしまっているクリニックもある。 マンジャロ問題は、その象徴です。医師が診察もせず、オンラインで簡単に処方してしまうケースもあると聞くが、あれは医療とは言えない。 自由診療の信頼が損なわれるのが一番怖い。 今回の行政対応は、むしろ業界の健全化につながると思っている。」


 「医療とは言えない」

 「自由診療の信頼が損なわれるのが一番怖い」

 美容医療側も、今回の行政対応を好意的に受け止めている。

 

 今度は医薬品卸から。

○医薬品卸業:自由診療クリニックからの異常な発注”への本音

 「美容目的の需要が急に膨らみ、通常の何倍もの発注が来るケースがある。 しかし、卸としては“医療上の必要性”を基準に供給調整を行う必要がある。一部のクリニックからは『他の卸は出している』と強い要望を受けることもあり、現場は板挟み。 医薬品はあくまで治療のためのものであり、流行や商業目的での大量発注には慎重にならざるを得ない。」


 一部のクリニックからの「強い要望」か。

 もちろん医師が卸に要望しているのだろうが、ではその医師は「痩身を求める非糖尿病の人」からの求めに応じようとしているのか。そこに商機を見出しているのか。

 「痩身を求める非糖尿病の人」の強い要望も当然あったのだろう。

 

 医業系コンサルタントのコメントだ。

○医業系コンサルタント:医療機関の“経営判断”が問われた

 「自由診療クリニックの中には、短期的な売上を優先して薬剤依存型のビジネスに傾いたところもある。 しかし、医薬品の供給逼迫や行政通知を考えると、長期的にはブランド毀損リスクが大きい。今回の件で、“医療機関としてどこまで薬剤に依存するのか”という経営判断が問われたと言える。 自由診療の持続可能性を考えるなら、薬剤以外の価値提供が不可欠だ。」


 「短期的な売上を優先」

 「薬剤依存型のビジネス」

 

 本文中にもあったが「適正外使用」、「合法だが制度外」という、「違法ではない」ということと、医師としての倫理観と経営判断、グレーゾーンであるが故の「注意喚起」という行政対応。

 「医療」につながっていなければ、「薬」ではないけれど商品開発力と訴求力によって大流行したならば…。今年の新聞の東西ヒット商品番付に載ることだってあながち夢ではなかったはず。

 

 製薬メーカーのコメントだ。

○製薬メーカー:自由診療の“薬の商材化”に危機感

 「医療用医薬品が“痩身ビジネスの商材”として扱われる状況は、企業としても看過できない。 医薬品はあくまで疾患治療のためのものであり、適応外の美容目的で大量に使用されることは、医療安全上も企業倫理上も問題がある。」


 製薬メーカーとしても、この医薬品によって患者を救うという目的が主眼だということが良く解る。

 

 今度はこんなコメントを。

○経済ジャーナリスト:医療問題ではなく“市場の歪み”の問題

 「マンジャロ問題は、単なる医薬品の適応外使用ではない。 医療用医薬品が“痩身ビジネス”の文脈で消費財化し、SNSが需要を爆発的に増幅させた結果、供給が追いつかなくなった“市場の歪み”の問題。自由診療は価格規制がなく、広告規制も緩い。そこに高い痩身ニーズとSNSの拡散力が加われば、需要が暴走するのは当然。 行政が後追いで規制をかけざるを得なくなった構図は、医療というより“市場のガバナンス不全”と言った方が正確である。


 「痩身ビジネス」、「高い痩身ニーズ」、「SNSの拡散力」、「市場のガバナンス不全」。

 コロナ真っ只中の「サージカルマスク」や、昨年の「米騒動」を思い出してしまった。

 売れると分かれば何でも投機的商材になってしまうような恐ろしさ。まさか処方薬にまで、それがはびこってしまうとは…。

 「痩身」を求める、飽くなき追求心とは、かくも強いものなのか。

 

 こんなコメントも紹介したい。

○海外でGLP-1受容体作動薬を使用し、実際にダイエットに成功している人の声:

 実際は“魔法の薬”ではない

 「SNSでは“打てば痩せる”みたいに言われているけど、実際は生活習慣も見直さないと効果は続きません。 ただ、薬が“きっかけ”を作ってくれたのは事実です。 食欲が落ち着いたことで、初めて健康的な生活を続けられるようになりました。」


 「魔法の薬ではない」、「きっかけを作ってくれたのは事実」か(※1)。

 

 先日、「運動不足とコロナ太り」と題して、ある医師の講演を聞く機会があったのだが、

 ・脂肪には2種類ある。すなわち「内臓脂肪」と「皮下脂肪」

 ・前者は燻っている火種であり、後者は体にそこまでの害はない

 ・ダイエット=運動 と思われがちであるが、運動だけで体重は落ちない

 ・体重70㎏の人が1㎏体重を減らすには103㎞歩く必要がある

 ・体重を落とすには有酸素運動、まず内臓脂肪から落ち、その後皮下脂肪が落ちる

 ・皮下脂肪が落ちることで体重が落ちる

 ・有酸素運動、例えば「歩くこと」なら、「今の距離をもう1回!」と言われて歩くことが出来るような程度が良い(10分程度)

 ・ダイエットの最大の壁は「頑張りすぎる」こと→必ずリバウンドする

 ・市販薬の体重を落とす薬では痩せない

 ・市販薬はあくまでブースター、確かに油の様な便が出て、「脂肪便とはこんなものかという感じはあった」(一応、医師は市販薬を試してみられたそうだ)

 

 と、こんな感じであった。

 「ブースター」という点においては、たとえGLP-1受容体作動薬も同様の考え方なのだろう。

 

 看護師のコメントだ。

○看護師

 「美容医療は本来、生活習慣の見直しや治療の組み合わせで結果を出すものであるが、最近は“薬だけで痩せたい”という相談が増えている。 マンジャロ問題は、その極端な例だと思う。看護師としては、薬に依存してしまう患者さんをどう支えるか、自由診療の中でどこまで線を引くか、悩む場面が増えている。」


 ダイエットは継続的な努力が求められるのが本来の姿だ、と仰っているが、食欲との闘いと適度な有酸素運動の継続は、正しい方法なのだとしても、なかなかしんどいのも事実。近年の「タイパ」などに代表されるように、短期間で成果を上げたいと考える風潮も、マンジャロ問題の背景にあるのだろうか。

 

 「ダイエット(diet)」という言葉は、もともとはギリシア語の diaita(生活様式、日々の過ごし方)に由来し、「食事療法」だけでなく睡眠・運動・精神状態を含めた広い意味の「健康管理プログラム」を指していて、古くは医師が患者の病態に合わせて「食事療法(食事調整)」を処方し、病気の治療・予防を図ることが主目的だったようだ。

 一方、現代社会で「ダイエット」というと、多くの場合「体重を減らす」「細くなる」ことを強く連想させてしまう。

 また、医療現場での「ダイエット」は、糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病の管理に欠かせない「食事療法」を指している。

 

 現代の「ダイエット」は、

 「体重や見た目を細くすることにフォーカスした行為、しばしば過度な食事制限を伴ってしまう」

 

 しかしながら本来の「ダイエット」とは、

 「食事・運動・休息などを組み合わせた生活全体の調整による健康管理」

 を意味しており、地道な継続的努力を要する。

 

 決して近道はない、ということだ。

 

 この先、美に関するトレンドとして、古代に照らしてみれば必ずしも「痩身」が継続していくとは限らない。

 

 しかし、過剰摂取カロリーの種がそこらじゅうに溢れ、油断していると太ってしまう環境が整っている現在、美の感覚は横に置いておいたとしても、自らの「健康長寿」を実現するために、我々は本来の「ダイエット」を継続する努力を怠らないこと自体は、決して不要ではないのだろう。

 

 安易に薬に頼ることなかれ。真のダイエットに「決して近道はない」。

 

 色々考えさせられたテーマであった。

 あ、原稿を書いていたらおなかが減ってきた。夜食は何を食べようか…。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 

(※1)… たまたま今月号の原稿を執筆している頃だった。頭は「マンジャロ」モードだったので、会話の端々に「痩せたい」とかのキーワードが出てくると、そっちの話になってしまう。
○ある女子大生と筆者の会話
大学入学の前、(自分としては)体重が多かったので、入学したらイケメンを捕まえようと思い、フィットネスに行き、ガンガン運動して6㎏落とした。「そしたら大学にいい男なんか全然おらんかった。」とは彼女の弁。過剰な瘦身願望に対して否定的な論調の今回であるが、一応こちらとしても尋ねる。
「6㎏落とせたのはすごいけど、一体、自分のベストをどこに持っていこうとしたの?ちなみに身長は?」→156cmとのこと。
「そしたら、40㎏中盤を目指してたってことね?」→今は46㎏とのこと。
「つまり3か月前は52㎏やったってこと?仮にそうだったとしても、そんなに『太っていた』というのは想像がつかないなぁ」→とにかく自分としてはまん丸かったとのこと。
「そういえば、最近痩せると話題になっている…」
「マンジャロやろ?使ったで。」とのこと。
「へ?」こちらとしては一瞬、声も出ない。
「どうやって買ったの?」→「ダイエット」で検索したら「マンジャロ」処方のクリニックのHPから、1本単位からクレジット決済で入手できたとのこと。但し、発注した後、クリニックから電話があり、その電話に出て、用法に関する説明をしっかり聞いた後でないと発送されないらしい。彼女は試しに1本(5,000円程度?)で購入したそうだ。
「…どうやって使うの?」→おなかのあたりに自分でスタンプの様な感じで注射をしたという(自己注射)。どうも1本注射することによる効果は約1週間のようだ。因みにそのクリニックでは、5週分の5本という処方メニューもあったようだ。
「注射を打った後にどうなるの?」→食欲がなくなり、トイレに行けば必ず下痢。ただ、食欲が湧かないのでトイレが近いというものではなく(大人用おむつが必要とかいうことではないらしい)、その作用があまりにも怖かったので1回の注射をもってマンジャロ購入はやめたそうだ。
リアルな話すぎて二の句が継げない。
さらに、友達がいるそうだが、その友達 (その友達は水商売なのだそう) は今でもマンジャロを使用していて、「もう手放せない」と言っているそうだ。水商売特有の、もちろん「見た目」が重要視されることに起因しているのかもしれない。
とどめの一言。「私の回り、みんなマンジャロだらけやで~」
筆者の、ポカンと開いた口が塞がらない。行政対応となったのもうなずける。
あっけらかんと話す彼女であったが、せっかく入学した大学は、面白くないので退学を考えているようだ。
「手に職をつけたいと思って」
「看護師か、歯科衛生士を目指そうと思って」
「どちらか迷ったけど看護師を目指そうと思って」
おー。これから確実に不足すると言われている看護師を目指してくれるのか。
「それは世の中のためになるね。大学を退学するって聞いたから止めようと思ったけど、手に職付けて看護師目指すっていうのはいいよね。」
「資格とって美容クリニックで仕事したいねん。お金にもなるし。」
…。
…。
「直美(ちょくび)か…。」
「…とにかく、看護学校通っているうちに、医療の方に魅力を感じてくれたら、是非医療の看護師を目指してや。」
本当に、本心からではあるのだが、筆者としては彼女に、振り絞るようにこう言うのが精いっぱいだった…。

<筆者>