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No.827 OTC類似薬の追加負担制度、対象77成分・1042品目 がん・難病は除外、湿布薬は重度例に限り対象外

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◇「OTC類似薬の追加負担制度、対象1042品目 がん・難病は除外、湿布薬は重度例に限り対象外」から読みとれるもの

・「OTC類似薬を使用する患者に特別負担を求める」一部保険外療養の創設

・特別負担の対象となるOTC類似薬でも、がん・難病は対象外

・湿布薬、末期の変形性膝関節症患者に限り、2028年度末まで追加負担の対象外

 

■現時点で77成分1042品目が対象、OTC類似薬「別途負担」

 「医療用医薬品(OTC類似薬)の給付を受ける患者」と「OTC医薬品(一般用医薬品)を自費購入する患者」との経済的負担の公平性(一般に前者<後者)を確保し、現役世代を中心とする医療保険料負担上昇を抑制するために、「OTC類似薬を使用する患者に特別負担を求める」仕組みが来年(2027年)3月から稼働する。(図1 一部保険外療養の創設

 

一部保険外療養の創設

 

 厚労省は8月5日、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」で「中間とりまとめ」を了承した。薬局で購入できる一般用医薬品(OTC)と同一成分等を有する医療用医薬品(OTC類似医薬品)について、2027年3月から患者が薬剤費の4分の1を特別負担する制度が導入される。対象は77成分・1042品目で、セルフメディケーション推進と医療費適正化を目的とする。

 

 論議の焦点となっていた湿布薬については、変形性膝関節症の重症度分類で変形性膝関節症(膝OA)の「末期」に該当するKellgren–Lawrence(KL)分類 Grade4 の患者に限り、2028年度末まで追加負担の対象外とする経過措置を設けた。がん患者や指定難病患者は、基礎疾患に関連する症状で使用する場合は負担を求めないが、関連しない症状では追加負担の対象とした。中間とりまとめは今後、社保審医療保険部会および中医協に報告され、2026年秋頃に省令である療養担当規則の改正や関連通知、事務連絡の発出を目指す。

 

「一律にセルフメディケーション求めるものではない」という基本的考え

 また、「中間とりまとめ」では、OTC類似薬の追加負担制度は「OTC医薬品によるセルフメディケーションを一律に求めるものではない」との基本的考え方を示した上で、医療用医薬品とOTC医薬品は制度上の位置づけや使用場面が異なるため、同一成分であっても効能・効果が一致しない場合がある点を整理した。

 その具体例として、抗アレルギー薬 フェキソフェナジン塩酸塩が挙げられた。OTC医薬品には存在しない効能・効果である 「蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒」 を目的として医療用医薬品を使用する場合は、OTCで代替できない医療上の必要性があるため、追加負担の対象外と整理された。この例示により、制度導入後も医療上必要な処方が不当に制限されないよう、適切な線引きが示された形となる。(図2 OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会 「中間とりまとめ 」 (概要)(案)

 

OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会 「中間とりまとめ」(概要)(案)

 

■がん治療関連症状は負担除外と明記、一般症状は対象となり得ると線引き示す

 さらに、「中間とりまとめ」では、OTC類似医薬品の追加負担制度におけるがん患者の扱いを明確化した。まず、「がんの治療中に、がんやその治療に関連して生じた状態」に対して対象医薬品を使用する場合は、追加負担を求めないと整理した。抗がん剤治療に伴う皮膚症状や化学療法後のアレルギー症状など、がん治療に付随する症状への対応は、OTCで代替できない医療上の必要性があるためである。

 一方で、がん患者であっても、がんとは別の疾患や、それに起因して生じた一般的な症状(例:感冒、軽度皮膚炎、花粉症など)への対応については、「がん患者であることのみを理由に追加負担を求めないこととするものではない」と明記された。つまり、基礎疾患と関連しない症状で対象医薬品を使用する場合には、追加負担の可能性があることが示された。

 この整理により、制度導入後も医療上必要な処方を保護しつつ、対象範囲の適正化を図る方針が示された。

 

 この他、指定難病患者および国の公費負担医療の対象者は、医療上必要な療養を確保する観点から、原則として追加負担の対象外とした。また、入院患者については「医療提供の場面や治療環境が外来患者とは大きく異なる」ことから、入院中に対象医薬品が処方された場合、さらに退院時に処方された場合も、別途負担の対象外と整理された。

 処置等の一環として対象医薬品が処方されるケースについては、制度の趣旨を踏まえ、「処置等の前から同一または類似の医薬品の投薬が行われておらず、新たに処置等と同日に処方が行われた場合」に限り、14日分まで追加負担の対象外とした。これは、処置に伴う一時的な薬剤使用を制度の負担対象としないための配慮である。

 

■OTC類似薬の追加負担制度における長期使用者の扱い

 「中間とりまとめ」では、「医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と判断する者」の扱いについても整理した。内服薬については、50週を超える長期使用が確認される場合は追加負担の対象外とした。外用薬では、(1)少なくとも半年間の継続使用が確認され、(2)直近の実績を含め50週以上の通年使用が医療上必要と医師が認める場合、 長期使用者として追加負担の対象外となる。その上で、鎮痛消炎剤や皮膚保湿剤等については、診療ガイドラインで通年使用の必要性が必ずしも示されていないものの、実態として長期使用例が多いことを踏まえ、成分別に次のように整理した。

●消炎鎮痛剤(外用薬)

 1年以上の長期投与の有効性は確認されておらず、原則として追加負担の対象。 ただし、2028年度末までの経過措置として、疼痛が持続し、通年使用の実績があり、画像検査等で慢性かつ重度の疾患(例:変形性膝関節症 KL分類Grade4)が客観的に確認され、医師が年間を通じた疼痛管理として必要と判断する場合は、追加負担の対象外とした。

●皮膚保湿剤・皮膚保護剤・角化症治療剤

 通年使用の場合、アトピー性皮膚炎に対するヘパリン類似物質・尿素は追加負担の対象外。 他疾患への使用は原則追加負担の対象とするが、アトピー以外の皮膚疾患では重症度判断が視診・症状・治療経過等に基づくことが多く、免疫抑制剤等の全身療法歴がある場合は重症と判断できるため、2028年度末までの経過措置として追加負担の対象外とした。

 

 検討会では中間取りまとめ案への異論は出ず、制度の方向性は概ね了承された。一方で、制度導入後の現場運用に関して、「患者や医療者、現場が混乱しないことが重要」「制度が施行されれば、患者の別途負担を受け取り、説明の最前線に立つのは薬剤師であり、複雑な制度は現場負担を増大させる」といった意見が相次いだ。特に、負担の有無を判断する条件が多岐にわたる点について、医療機関・薬局が迅速に判断できるよう、できる限りシンプルで運用可能な制度設計とすることを求める声が強く示された。制度の詳細化が進む中で、現場の説明責任や事務負担を最小化する観点が重要な論点として浮上した。

 

 


 

 「限りある資源をみんなで大切に使おう」

 石油

 ガス

 (飲料に足る)水

 (きれいな)空気

 自然

 希土類(レアアース)

 

 そもそも人間のために存在していたかどうか分からないが、これまでの歴史の中で、人間によって発見され、その有用性が認められ、エネルギー源や何らかの記述に使用する触媒として使用されてきた。

 これらも有限な資源だが、日本では、いや世界でもなのだろうが、医療も「限りある資源」として捉えなければ、いよいよ制度が破綻の憂き目にあう可能性が高まってきていると感じる。

 

 鼻炎、胃痛、胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、風邪症状全般、腰痛・肩こり、みずむし、口内炎、皮膚のかゆみ・乾燥肌 等

 

 本文中【図-1】一部保険外療養の創設 によれば、創設された特別の料金の対象となる医薬品の範囲・特別の料金の設定 における対象医薬品の範囲の主な対応症状だ。77成分で約1,100品目にのぼるという。(【図-1】一部保険外療養の創設 再掲)

 

一部保険外療養の創設

 

 

 う~ん。

 これまでの人生で多くの人が、いずれかの症状を経験されたことがおありだろう。というか、例えば骨折とか、入院が想定されそうなことも「大病」と位置付けし、入院しなくて良いということを前提とするならば、ほとんどの症状は、薬局で何らかの薬を購入し、対処すれば峠を越えることはできそうだ。これを「セルフメディケーション」と言ってよいのか(まあ、多くの場合において「良い」のだろう)。

 筆者は約50年、いろいろな薬や保湿剤を試しながら生きてきた。乾燥肌、アトピー、鼻炎、風邪症状全般、腰痛、熱発、胸やけ、みずむし、口内炎…。

 昔は困った症状も、一時的には医療機関で処方してもらうこともあったかもしれないが、まさにセルフメディケーションで症状群たちと付き合い、折り合いをつけてきた。振り返ってみれば、幸いこれまで入院(例えば5日以上とか)、と言えるほどの入院をしたことは一度しかない(検査入院や日帰り手術は何度か経験したかも…)。感謝である。これからの人生も、できればそうありたい。

 つまり、あくまで自分のことだが、医療機関に行くと時間を要してしまうので、患者の立場としてなら正直あまり行こうと思わない。行きたいとも思わない。なので、ドラッグストアで何らかの薬を購入し、対処する。自らそれで良いと思えてしまう症状であれば、おそらくそうなのだ。

 たまにとてもしんどくて、悪寒や吐き気をもよおしたり、熱発が継続して食欲がわかなかったり、喉に激痛が走った、ということがなかったわけではないが、タイミングが合えば医療機関の受診もするが、それでもよほどのことがない限り、医療機関のお世話になることはなかった。熱い風呂に入って、暖かくして喉にタオルを巻いて寝る。これもセルフメディケーションだ(か?)。

 ただ、虫歯や歯槽膿漏については、我慢できなかったかも…。

 

 今回は今話題になっている、「OTC類似薬の追加負担について がテーマである。

 

 コメントを紹介したい。

○上野厚労相:OTC類似薬の範囲について

 5月29日、改正健康保険法成立後の大臣記者会見で上野厚生労働大臣は、OTC類似薬の範囲について、OTC類似薬の一部保険外療養について、一定の場合には別途の負担を求めない配慮措置を講じることとしていると述べた。こうした配慮の具体的な範囲については、対象となるOTC類似薬が臨床においてどのように使用されているかといった使用実態、また医療現場において患者への適用判断が過度に煩雑な仕組みとならないことを勘案しつつ、患者および医療現場にとって分かりやすい運用となるよう、国として一定の基準を示す考えであるとした。

 今後は、有識者の検討会において技術的な観点から議論を進めるとともに、医療保険部会や中医協においても議論を行い、制度として決定していく方針であると説明した。配慮の対象となるのは、がん患者、難病患者、医師が対象医薬品の長期使用等を医療上必要と認める者などであり、その具体的な範囲は今後示すことになるとした。いずれにせよ、適切な配慮の在り方については、関係者の意見を広く聴取しつつ、丁寧に検討を進めていく考えであると述べた。


 すでに後発医薬品が存在する先発医薬品を、特段の理由がないのに処方を希望した場合、追加負担の対象となる制度始まっているこの時も現場の(特に調剤薬局の)混乱や業務負荷が話題となったが、懸念されていたような混乱はそこまで起こっていなかったかと記憶しているが…。(WMN 2024年9月号

 

 確かに、配慮の必要な対象者は当然おられることだろう。その線引きについて、大いに議論が起こることは容易に予想できる。しかし、高額療養費制度の負担上限の見直しの議論で、患者団体の声に石破内閣は屈したが、「丁寧な議論」を経る、という過程を踏んだ上で、結局見直しは実行されることになった。

 同じように、線引きが決まってしまうと、どれだけ患者団体が主張したとしても、それを拾って報道が拡大したとしても、いつかは必ず見直しが行われてしまう…。そんな現象をこれまで何度も見てきたような気がする。

 

 次はこんなコメントを。

 

○厚労省官僚:「特別負担を回避」目的に処方内容を医師が変更することは適切でない

 8月27日の社会保障審議会医療保険部会で保険局の西嶋医療課長は、「9月にも制度の詳細を固め、半年程度の準備期間・制度周知期間を設け、2027年3月から制度を運用したい」との考えを提示。あわせて、毎年度の薬価改定の折に「新たな医薬品」を特別負担の対象に追加していくことを想定している。「特別負担を回避する」ことのみを目的として処方内容を医師が変更することは適切でない—との考え方も示した。


 「先生、特別な負担をしなくてよいように何とかお願いします」

 クリニックにとっては定期的に受診してくれる患者は、ある意味上顧客である。

 その患者からそうお願いされた時、先生はどう対応するのか。

 もちろん、「適切ではない」のは承知している。

 

 何か症状が出れば、すぐに医療機関を受診し、「抗生物質を処方してください」と、これまでの人生でおそらく何度も言ってきたであろう家内。

 「あの先生、ケチやわ~。こっちは抗生物質が欲しくて行ってんのに、『その症状なら抗生物質の処方は不要です』って、痰切りと風邪薬と痛み止め(解熱剤)しかくれへんねんで。ケチケチせんと処方してくれたらええねん。どう思う?」

 家に帰ってこう問われた。

 「AMR(薬剤耐性)問題」を真顔で簡潔に説明し、「先生の言っていることは正しいんやで」などと諭そうものなら、

 「あんたはまた向こうの味方すんねんな~。頭かたいわ~」

 との嫌味攻撃が待っていることだろう。自分本位の逆ギレだ。

 

 そんな思い違い(症状が出たら抗生物質だ、と思い込んでいる)をしている人に、正しい理解と、さらに納得まで得ることほど難儀なことはない。そういう患者を相手にするのに内心では辟易している医者も決して少なくないに違いない。

 

 また、新たな(筆者の家内のような自分本位で考えている人:理解してもらうことが難儀そうな人に対する)「説明義務」の登場である。

 「適切ではない」ことを正しく理解してもらうために、現場は「正しいことの他に」どのような言葉を尽くしていくべきなのだろうか。

 

 医師のコメントを。

○医師:国には明確で簡便な基準提示を求めたい

 「医療現場としては、OTC類似薬の追加負担制度の趣旨は理解できるものの、症状の個別性や併存疾患によりOTCで代替できない患者が一定数存在する点には留意が必要だ。がん・難病や長期使用が医学的に必要な患者を除外した点は妥当だが、湿布薬の重度例のみ対象外とする線引きは説明の難しさが残る。制度導入に伴う説明・事務負担が増えるため、国には明確で簡便な基準提示を求めたい」。


 「湿布薬」か。

 筆者のあまり多くない受診歴の中で、整形外科的な診療科を受診した際、たくさんの湿布薬を処方していただいた経験がある。確かに、当初は痛みが和らぐが、その後処方された湿布薬を使い切っていたか、と訊かれると、その限りではない。結局余ってしまい、何かの時に転用してしまうこともある。いや、ことの方が多い。

 そういう人は多分にいるのだろう。なのでこの追加負担制度につながっているのも理由としてあるのだろう。

 しかし、症状によっては湿布薬の処方が不可欠な方もおられよう。痛みや、その痛みを個人がどう捉えるかは、本人にしか分からない。この問題はこの制度運用の中で非常に難しい問題の代表例だろう。

 

 処方側のコメントだ。

〇院内処方の医療機関

 「OTC類似薬の追加負担制度は、患者さんへの説明が相当増えると見ている。 特に“なぜこの薬だけ追加負担が発生するのか”という点は理解が難しく、 調剤現場での説明時間が長くなることは避けられない。調剤報酬が変わらないまま説明業務が増えると、現場の負担は確実に高まる。」

 

 「追加負担が導入されると、患者さんが“薬局で薬をもらうと高くなる”と感じ、 受診控えやOTCへの過度なシフトが起きる可能性がある。特に高齢者は制度理解が難しく、薬局への不満につがる懸念がある。」


 かなり古い話だが、「医薬分業」という大命題で院外処方化に向けた施策がこれまで進められてきた。厚労省としては面分業を推奨していたはずが、点分業、門前薬局ばかりフィーバーする状況を生み、昨今ではさらに敷地内薬局の問題(大病院でしか巻き起こらないが)もクローズアップされる現在。どの議論も、突き詰めると「資本力のある企業がけしからん」論につながってしまっているような気がしないでもない。

 以前も書いたが、点数の仕組みを知っていれば、負担額の最小化という点において、患者自身が院内処方か院外処方(処方箋)を選択できるならば、筆者は迷うことなく院内処方を選択するだろう。病院側には「薬価差益」という恩恵はあるのかもしれないが、在庫リスクや体制維持との天秤にかけた場合、それでも院内処方で行こうという判断にはなかなかならない。それほど院内処方に関する点数は少ないのだ。医薬分業のために政策的に進められてきたこともあるが、差益や収入(調剤点数)については院内処方の旨味がなくなってしまった。

 そんな中で今でも院内処方を継続なさっている病院があるとすれば、それはおそらく、調剤薬局運営事業者が開設に二の足を踏むような地域というのでもなければ、「患者ファースト」の視点を持たれた病院と言えるのではなかろうか。

 とはいえ、しょっちゅう病院にいらっしゃる高齢者の患者が、負担額が高くなった(といって、果たしていくら位の負担増となるのか?)から、ドラッグストアで買うという行動をとるなど考え辛い。

 となると、「負担額が増えた」という声に対するエクスキューズが最大の焦点になる。

 

 調剤薬局(院外処方)のコメントだ。

○調剤薬局運営事業者

 「対象品目が1042品目に及ぶため、薬局システムの改修は大規模になる。 追加負担の判定、除外対象(がん・難病・低所得・入院等)の自動判別、 経過措置(湿布薬の重度例)への対応など、要件が複雑。中小薬局ではシステム投資が経営を圧迫する可能性がある。」


 厚労省による日本医師会や医療機関への配慮は、たまに感じることはあるものの、調剤薬局運営事業者に対しては、結構ストレートに「決まったんだからやってください」という風に聞こえなくもない。調剤薬局運営事業者としてはお上に言いたいことも多いことだろう。

 しかし、結局国の要望通りに体制を構築していくというのであれば、実はこれから生き残っていくのも、素直に従っている側ではないのか。そんな気もしてしまう。それくらい調剤薬局の窓口はシステマチックに進化していると感じる。「DX」が進んでいるのだ。となると当然、資本力がものをいう側面もあるので、「中小薬局のシステム投資が経営を圧迫」というのは当然なのかもしれない。

 

 薬剤師のコメントだ。

○薬剤師

【病院薬剤師】

 「OTC類似薬の追加負担制度は、軽症薬の適正利用という観点では理解できるが、入院前後の患者ではOTCで代替できないケースが多く、外来移行時の説明負担が増える点が懸念される。がん・難病患者が除外されたことは妥当だが、湿布薬の重度例のみ対象外とする線引きは、整形外科領域での疼痛管理の実態と必ずしも一致しない。制度導入に伴い、医師と連携しながら、患者の治療継続に支障が出ないよう丁寧な説明が求められる」。

 

【調剤薬局薬剤師】

 「OTC類似薬の追加負担制度は、薬局における残薬確認や服薬指導の場面で、患者への説明が必須となるため、実務負担の増加が予想される。特に花粉症や軽度疼痛など、患者が「なぜ追加負担なのか」を理解しづらいケースでは、制度趣旨を踏まえた丁寧な説明が求められる。がん・難病や医師が長期使用を必要と判断した患者が除外された点は現場の実態に沿うが、湿布薬の線引きは混乱が生じやすく、明確な基準提示が不可欠だと考える」。


 「線引き」。

 いずれどこかに収斂していくのだろうが、最初の混乱は一定避けらないか。ただし、仮に混乱があるとしても、それは調剤薬局側の業務負担増の方が圧倒的に多いことが想定される。

 ジェネリック以外の患者希望による先発品処方の追加負担発生の時よりは、影響度合いは大きそうだ。

 

 今度はこんなコメントだ。

○医業系コンサルタント

 「OTC類似薬の追加負担制度が検討されるに至った背景には、日本の医療財政の構造的な逼迫と、セルフメディケーションの普及が先進国に比べて進んでいないという二つの課題がある。本来OTCで対応可能な軽度症状でも、医療機関受診と処方薬依存が続き、医療費の伸びを押し上げてきたという問題意識が政府側にある。

 制度の表向きの狙いは、OTCで自己負担する人と、 医療機関で同成分の薬を処方される人との公平性の確保である。ただし、実際の医療現場では“なぜこの薬だけ追加負担なのか”という 説明が不可欠となり、医師・薬剤師双方において説明業務の増加が避けられない。

 


 「表向きの理由」。

 「医療用医薬品(OTC類似薬)の給付を受ける患者」と「OTC医薬品(一般用医薬品)を自費購入する患者」との経済的負担の公平性一般に前者<後者 なので)を確保 する観点か。

 正直、筆者はそこに不公平を感じているかと言えば、そうでもないような…。

 医療機関を受診し、処方箋を受け取り、支払いも済ませ、次に調剤薬局に行って処方箋を提出し、「どうか」したので診療所を受診して調剤薬局に薬を購入しに来ているはずなのに、「本日はどうかされましたか?」などとマニュアル的に訊かれ、診療所側でついさっきマイナンバーカードの読み取り・同意もしたはずなのに、またもマイナンバーカードの読み取り・同意もして(ここは敢えて言うと「させられ」)、調剤を待ち、すでに医師から聞いている薬品の説明を薬剤師から再びされた上に、「何かご不明な点はありませんか?」などと訊かれ(何もない)、ようやく薬を受け取って、さらにもう一度支払いを終えて帰路につく。そこに至るまでに、しんどかったはずの症状も落ち着きを取り戻すくらいの時間を要してしまっている。

 そんな時間のロスを考えれば、ドラッグストアの利用で多少高かったとしても、「時間」という、こちらも限りある資源を無駄に使わないという点十分にメリットを享受していると感じる。

 さらには確定申告時の医療費控除にすら、そのかかった医療費を申告できるのだ。この点において、納税までを考えれば、金額差はともかく、新しい制度がなかったとしても、負担面の公平性は制度上確保されている とも言えるのではないか。

 

 「時間」という限りある資源を消費してまで、(あくまで先のような代表的な症状で)受診して処方薬をもらおうとする患者を、「あの人はずるいではないか」とは決して思わない。少なくとも筆者は。

 

 なので、この観点は筆者からすれば「貴重な時間」の概念をすっ飛ばしているので、「保険外し」をしたい側の理屈であるとしか思えない。

 

 製薬メーカーのコメントを。

○制度の対象となる薬剤の製薬メーカー

 製薬メーカーは制度趣旨への理解を示しつつも、実務面での影響に強い懸念を表明している。追加負担対象外の成分・剤形へ処方が流れることで、短期間に需給バランスが変動し、生産計画の見直しや在庫調整が必要になるとの声がある。医療用とOTCでは供給ルートが異なるため、需要の急変に対応できず安定供給に支障が出る可能性も指摘される。また、セルフメディケーション推進に伴い、処方薬中心のメーカーでもOTC製造を検討せざるを得ず、新規投資負担が増すとの見方がある。


 ここまでくると、医療提供者(診療側)に対する配慮は、許される範囲において最大限行うが、企業経営が医療制度の事業に関わろうとする場合、非常に高く、そして冷徹な障壁を感じてしまう。

 貴重な医療財源を適切に・有効に再配分するための、これが国であり、官僚の考え方か…。

 

 長期処方を受けている患者に関するコメントだ。

○長期処方を受けている患者

 8月27日の医療保険部会では、患者サイドの意見・要望として、天野慎介専門委員(全国がん患者団体連合会理事長)と大黒宏司専門委員(日本難病・疾病団体協議会代表理事)の2専門委員から次のような考え方が示された。

 

【乳がん患者の治療終了後に短期・中期の使用が必要となりうるケース】

 「がん治療が終了した後、短期・中期の使用が必要となりうるケース」についても一定の配慮(特別負担の対象外とするなど)が必要ではないか。例えば乳がん治療では乳房切除後疼痛症候群(PMPS)のために鎮痛剤投与などが必要になるケースもあるが、処方時点で「50週を超える長期処方となるのか」などの判定が難しいなどの課題がある。

 

【難病の多くは複数の症状。「別途の負担の対象外となる場合」が医療機関・医師によって異なる】

 難病の多くは複数の症状があり複数の医療機関・診療科にまたがることが多いことから、「別途の負担の対象外となる場合」が医療機関・医師によって異なる可能性があり、患者の納得感を得にくい制度になる恐れがある。

→病診連携が取れていないクリニックでも確実に「別途の負担の対象外」にするなど、難病患者の受診抑制を防ぎ、難病患者を感染症等による重症化から守る必要がある。


 これも「線引き」の問題をクリアしていく必要がある問題だ。

 

 最後にこんなコメントを。

 

○アトピー性皮膚炎の方

【軽症例・OTCで代替可能】

 「アトピー性皮膚炎と診断は受けているが、現在は軽症で、保湿中心のセルフケアでコントロールできている。医療用抗ヒスタミン薬を使う必要性は高くなく、OTCで代替できる範囲だと説明を受けた。今回の制度で追加負担の対象になる可能性がある点は理解しているが、症状の程度によって扱いが変わるため、患者側としては線引きがやや分かりにくい印象がある。」

 

【安定期・処方の必要性が限定的】

 「以前は症状が強かったが、現在は安定しており、医療用抗アレルギー薬を処方される場面は限られている。今回の制度では、軽症例では追加負担となる可能性があると説明された。制度の趣旨は理解するものの、同じ“アトピー性皮膚炎”でも扱いが異なる点は、患者として戸惑いがある。」

 

【アトピー性皮膚炎+併存症(花粉症・アレルギー性鼻炎など)】

 「アトピー性皮膚炎に加えて花粉症があり、同じ抗アレルギー薬を使用していても、どの症状に対して処方されているかで追加負担の扱いが変わると説明された。制度の趣旨は理解するが、患者としては“同じ薬なのに負担が変わる”点が直感的に理解しづらい。医師からの丁寧な説明が不可欠だと感じている。」


 筆者も軽いアトピー性皮膚炎で悩んでいる患者の一人であり、また、花粉症による鼻炎において悩める患者である。アトピー性皮膚炎に関しては保湿と僅かのステロイド剤(市販)で何とかしのぐことができている。ただ、花粉症の時期、2月~5月上旬にかけてはとても苦しい。痒いというよりは鼻の粘膜がおかしくなり、鼻づまり・声変わりすらしてしまう。なので処方薬のお世話になっているが、そうか。そこはもしかすると筆者も追加負担制度の対象者となってしまうのかも…。

 だからと言って、追加負担金に関して医師からの丁寧な説明まで求めたいか? となると、すでに市販薬購入の価格帯に慣れてしまっている上に、「時間」の方が筆者にとっては貴重な資源なので、そこまで求めようとは思わない。

 仮に調剤薬局での待ち時間が、「丁寧な説明」を求める患者が増えることと、その対応によって延びるということになれば、そちらの方が嫌なことこの上ないなぁ。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>