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公開実験のお知らせ

古久根建設株式会社

公開実験の概要

日時
2015年7月24日(金) 13:00頃~16:45(予定)
13:00頃に、層間変形角R=1/150radの変位を予定しています。
08:15 実験機器調整開始、09:00 受付。実験説明、加力試験開始、16:45(予定)実験終了

※2次壁(方立壁)が損傷した事例(内部・外部)

場所
工学院大学 八王子校舎11号館 大型加力実験室 八王子中野街2665-1 TEL:0426-22-9291

実験内容
実大試験体(W4.5m×H5.5m)による性能比較実験です。
「在来工法による試験体」と「耐震化工法による試験体」の比較検証です。
「在来工法による試験体」の破壊実験は、7月21日(火)に行います。
「耐震化工法による試験体」の破壊実験は、7月24日(金)に行います。
加力は、層間変位角Rを指標に漸増変位制御で、13:00頃はR-1/150radを予定しています。

実験の見学の申込先
公開実験の見学者は、2015年7月17日(金)までに、
①電子メールタイトル:2015年7月24日見学申し込み
②所属
③住所・電話番号・緊急連絡先
④指名(ふりがなを記載してください)
を記載した電子メールをkanribu@kokune.co.jpにお送りください。

申込み締め切り
2015年7月17日(金)15:00
定員(30名)に達し次第、受付を締め切ります。

※報道関係の方には、別途案内いたしますので、本申し込みでの王bは、ご遠慮ください。
※公開実験の見学につきましては、実験現場の状況次第で時間が変更にある場合もありますので、予めご了承ください。





〇工法技術開発の目的

共同住宅の多くは、居室空間のベランダ側にはスパンを2分する柱無し壁が有ります。
また、共有通路に面した側には複数の開口が付く壁が有り、これに玄関ドアが取り付いています。

東日本大震災では、こうした壁(柱無し壁)の損傷と、壁の損傷に伴うサッシの損傷が少なからずありました。
そして、構造体は健全(構造設計における想定内の損傷)であるにもかかわらず、
柱無し壁やサッシの損傷で「暮らしの継続性」が失われたり、修復費用の出費や建物価値の定価など「財産の消失」を生じました。

本工法は「耐震スリットを明確に施す」と「サッシを構造体から切り離す」を行い、中高層共同住宅の構造設計時に想定する高い変形性能に追従できることを目指します。

工法概要

構造体が層間変形するとき柱無し壁に応力が発生したい事、また、サッシ枠が変形しない事に配慮した工法を提案します。

「在来工法」

柱無し壁は壁脚部に構造スリっとを設けますが、構面外方向の支持を目的にダボ筋(D10@200)が入ります。
本試験体で、ダボ筋のせん断強度は70kN程度です。これに伴い柱無し壁は上階床梁の下端で曲げ降伏すことが予想されます。
また、大変形時には斜めひび割れの発生も懸念されます。

サッシ枠の構造体への接合は4周固定です。梁曲げ降伏時にサッシ枠はひし形に変形します。
柱無し壁の損傷に伴いサッシ枠は局所的に屈曲することも懸念されます。
そして、サッシ枠の変形はドアの開閉を妨げたり、ガラス窓の破損を生じます。

「耐震化工法」

柱無し壁の中断にスリットを設けます。構面外方向の強度確保を目的に面外方向の可撓長さを短く(概ね半分)しました。
構造スリットにダボ筋は設けません。よって、柱無し壁は損傷しません。

ドア冊子枠は下辺を構造対に固定します。上辺は面外方向の店頭を抑止する構造体との接合を行います。
側辺は耐火・耐風に考慮したEXP.Jとします。よって、ドアサッシ枠材、および、ドアは損傷しません。
ただしEXP.Jのシール材が局所的に損傷することは容認しています。

試験体構造概要

試験体の構造部分(柱・梁)は「梁曲げ降伏先行型」に設計しました。
また、柱無し壁も曲げ降伏先行型です。試験体形状と部材断面(柱、梁、柱無し壁)を記します。
また、終局時の曲げモーメント図(略算法で計算した結果)を示します。
終局時の外力(ジャッキ加力値)は概ね450kNです。





加力計画と計測と性能評価

加力は層間変形角Rを指標とする。
Ds=0.55から0.3に相当する、概ね、1/250rad≦R≦1/30radの強制変位を与える。
この時、構造体の損傷状況、柱無し壁(二次壁)の損傷状況、サッシの損傷状況を観察する。
柱無し壁の損傷状況とサッシの損傷状況において、「在来工場によるもの」と「耐震化工法によるもの」の差異が顕著であれば耐震化工法の有用性を示せたと考える。



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