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短信:成田市の国際医療福祉大医学部誘致、用地取得で「不当に高額」住民が提訴

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 成田市が京成公津の杜駅前に誘致した国際医療福祉大学医学部(来年4月開学予定)をめぐり、市は、不当に高い価格で用地を取得するなどしており、違法だとして12月6日、市民の男性が京成電鉄と市の鑑定評価額の差額の約3億9千万円などの損害賠償を求める住民訴訟を、千葉地裁におこした。

 訴状によると、市は昨年9月、医学部校舎等の用地を京成電鉄から約22億7千6百万円で購入。購入額は、京成側の鑑定評価額と、それよりも安かった市の鑑定評価額の中間値として決定。原告側は、市の評価額の方が適正で、市は京成側の鑑定評価書を吟味せずに購入額を決定しており、違法だと指摘している。

 また、用地の無償貸与についても、市の規則で定められた、私有地の譲渡や貸付けの際に有識者らでつくる審議会に諮問する手続きを経ずに決定したことから、契約は違法だと指摘。賃料分の損害賠償や大学側に賃料を支払うよう要請することも求めた。

 医学部予定地の隣接地には今年4月、同大看護学部と保健医療学部が開学。原告の男性は昨年、2月にも、市が両学部誘致に総額約50億円の費用を負担したことは違法だとして、住民訴訟を起こしている。

 訴訟後に会見した原告の代理人の水野泰孝弁護士は「先行訴訟で指摘したにもかかわらず、同様の手法で医学部も誘致された。市に自浄作用は期待できず提訴した」と話した。原告の男性は「市は医学部を来年4月開学というスケジュールありきで誘致を進めた。市民の暮らしを全く考えていない」と批判している。

                                                                                                                (東京新聞)

 なお、成田市と国際医療福祉大学は、国際医療学園都市構想を提案。2014年5月1日に東京圏の一部として、成田市が国家戦略特区の指定を得た。

 文科省の大学設置・学校法人審査会は、2017年からの成田市における国際医療福祉大学の医学部新設を、7つの留意項目を付けて答申。これを受けて

 2016年8月31日、文部科学大臣から設置認可を受けた。4月の東北医科薬科大学に続き、2年連続の医学部新設となる。

 政府は医学部の新設を抑制しているが、国際的に活躍できる医師の要請を目指すとして、特例的に認めた。

 これに対し、地域医療の実情を無視した医学部および附属病院の設置による現場医療への影響などの危惧から、日本医師会、千葉医師会などによる反対声明が出されている。また、国が定めた方針に反する医学部設置の目的において、成田市の方針が相反するなどとして、同大医学部設置認可の差し止めに関する請願も提出されている。(第190回国会 No.3431)

 内閣府、文科省、厚労省の「国家戦略特区における医学部新設に関する方針」によれば、目的として「世界最高水準の“国際医療拠点”をつくる」という新設方針で、留意点として「国家戦略特区の趣旨を踏まえ、一般の臨床医の要請・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる、目的に沿った特徴を有する医学部とすること」とされている。

 国際医療福祉大学医学部・医学科は17年4月、成田市に開学予定。入学定員は140人(うち20人は留学生)収容定員840人。校舎竣工予定6階建て17年2月。11階建て17年12月、 敷地面積 14,827平方メートル。

 2020年には640床の附属病院の新設を予定している。