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短信:血液1滴、アルツハイマー診断  名古屋市立大

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 高齢者の認知症の原因で最も多いアルツハイマー病の診断を、1滴に満たない量の血液検査で行う方法を、名古屋市立大学医学研究科長の道川誠教授(神経生化学)らの研究グループが発見した。グループはすでに製薬会社とキットの開発を進めており、医療現場での実用化に向け、臨床研究を経て2~3年以内に国の承認を得たいとしている。

 

 アルツハイマー病の現在の診断方法には、針を刺して脳脊髄液を採取する検査や、陽電子放射断層撮影装置(PET)で放射線を当て、脳の表面に映る斑紋などを調べる画像診断がある。ただ、脳脊髄液検査は患者の負担が大きく、PETは機器や使用する試薬が高額なため、臨床現場での診断は普及していない。

 

 グループはアルツハイマー病の発症者と未発症者の血液を比較し、タンパク質の一種「フロチリン」の量に差があることに着目。発症者と未発症者の血液を分析すると、発症者の方が明らかにフロチリンの量が少なく、検証実験では9割の確率で識別できた。アルツハイマー病の前段階である「軽度認知症(MCI)」の患者の分析でも同様の結果が示された。

 

 診断に必要な血液の量は0.02ミリリットルほど。道川教授は「血液検査による診断が確立すれば、健康診断などでの発見も可能になる。アルツハイマー病の根治薬」の研究開発も進む中、早期診断が可能になる意味は大きい」と話す。

 

 研究成果は、米国のアルツハイマー病研究の学術誌に掲載された。

         

<中日新聞 19.11.6>