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No.729 次期介護報酬改定に向け、見守り機器や介護ロボ、介護助手導入による「介護現場の生産性向上」を検証

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◇「次期介護報酬改定に向け、見守り機器や介護ロボ、介護助手導入による「介護現場の生産性向上」を検証」から読みとれるもの

・介護ニーズ増大に対応する介護現場の生産性向上を検証

・見守り機器等活用した夜間見守り、介護ロボットの活用、介護助手の活用、介護事業者等からの提案手法の4実証テーマを検証

・調査結果は2024年度介護報酬改定論議の重要な基礎資料に

 

■増大する介護ニーズに対応する介護現場の生産性向上は重要な課題

 

 2024年度の次期介護報酬改定に向けて論議を進めている厚労省の社会保障審議会・介護給付費分科会は7月5日の会合で、介護現場の生産性向上効果を検証するため、20~40程度の介護保険施設等において、見守り機器等活用した夜間見守りや介護ロボット、介護助手などの導入による効果を検証する調査研究介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業(令和4年度実証事業)を行うことを決めた(図1 介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業)。

 

 

 2022年度から団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者になり、介護ニーズが急速に増大する。その後2040年度にかけては、高齢者の増加ペース自体は鈍化するものの、支え手となる現役世代人口が急速に減少していく。このため、少なくなる一方の介護の支え手(介護サービス提供者)で増大する高齢者を支えなければならず、介護現場の生産性向上は極めて重要な課題となっている。

 政府も、地域医療介護総合確保基金による介護ロボットやICT導入のコスト支援、生産性向上の資するガイドラインを作成し普及促進、見守り機器を活用する特別養護老人ホームにおいて夜間の人員配置基準の緩和や夜間職員配置加算の要件を緩和(2018年度・2021年度介護報酬改定)などの取り組みを進めてきた。2018年度介護報酬改定では、特別養護老人ホームやショートステイにおける「夜勤職員配置加算」について、通常「1名分の人員を多く配置」することが必要なところ、見守り機器の導入によって効果的に介護が提供できる場合には「0.9名分の人員を多く配置」することが認められた。さらに2021年度改定では、特養ホーム等の「夜勤直院配置加算」について「見守り機器導入が100%の場合には、40%の人員基準緩和を認める」など、見守り機器などを活用した場合の人員配置基準緩和を拡充した(図2 介護現場の生産性向上に関する主な取組)。

 

 

 さらに、今年6月7日に閣議決定された規制改革実施計画では「ICT技術活用などを行う特定施設(介護付き有料老人ホーム)などにおける人員配置基準の柔軟化」を2024年度介護報酬改定に向けて検討する方針が示された。

 

■「見守り機器等の活用」「介護ロボットの活用」「介護助手の活用」「介護事業者等からの提案手法」を検証

 

 このような動きを受け厚労省は、社会保障審議会・介護給付費分科会に対して、①見守り機器等を活用した夜間見守り、②介護ロボットの活用、③介護助手の活用、④介護事業者等からの提案手法の4つのテーマにわたる介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業(令和4年度実証事業)を提案したもの。

 

 見守り機器等を活用した夜間見守りについては、前述の「見守り機器などを導入した場合の夜間人員配置基準緩和」によって、「個々の職員の業務負担(身体的・精神的)が増えないか」「利用者へのサービス・ケアの質・量が低下していないか」を特養ホームも含めた介護保険施設等(40施設程度)で効果検証する。

 また、介護ロボットの活用では、40程度の介護保険施設や居住系サービスにおいて、各施設の課題を踏まえた介護ロボット(移譲支援、排泄予測、介護業務支援、見守りの様々な組み合わせ)を導入することで、「スタッフの腰痛予防効果があるか」「業務の効率化が可能になるか」「利用者のケガなどが減少するか」「利用者に関する記録の正確性が向上するか」などを調べる

 介護助手の活用では、20程度の介護保険施設等において「介護助手」を導入し、「間接業務を介護助手が担い、介護福祉士などは直接業務に専念する」という役割分担を進めることで「サービス・ケアの質が向上するのか」「スタッフの負担軽減が図れるのか」などを検証する。

 

 介護事業者等からの提案手法については、10施設程度の介護事業者での「自施設では生産性向上に向けて、このような取り組みを行っている」事例(ICT技術や介護ロボット、介護助手活用などを組み合わせた生産性向上策)について効果検証や評価を行い、今後の改善方向を見出す。

 

 今回調査を行う生産性向上の効果データやその解析結果については、2022年12月から2023年3月までに取りまとめを行い、介護給付費分科会に報告され、2024年度介護報酬改定論議の重要な基礎資料となる。

 

【事務局のひとりごと】

 

 我が国はつくづく「法治国家」なのだと思う。今コロナ禍でもそのことがいかんなく発揮されている。日本に入国する際の水際対策、新型コロナウイルス感染症の2類相当から5類相当(または類型外にする)にする議論、法で定められたことはしっかり守るし、何かを変えるには法を変えるプロセスをしっかり守る。法治国家としてはとても立派だ。彼の国のような独裁的な政治家も生まれない背景がここにある。

 新薬のドラッグ・ラグの問題は我が国特有の問題としてあるものの、逆に日本で承認された新薬は、多くのプロセスを経た上で承認されたのだから、それは「間違いない」というお墨付きでもあり、だからこその「世界的なコモンセンス」でもある(これまで何度か紹介した、厚労省女性技官のこの言い回し、小職は結構気に入っている)。

 しかし・・・。

 

 メディファクス8793号 

 後藤厚労相 新型コロナ、感染症法上の見直し「時期逃さず検討」

 「1~5類」に変更すると、緊急事態宣言出せない(令和4年8月3日付 4頁/10頁)を一部抜粋すると、

 「政府は昨年2月以降、コロナを感染症法上で「新型インフルエンザ等感染症」に分類している。後藤厚労相は、仮にコロナを「1~5類感染症」に変更すると、特別措置法に基づく緊急事態宣言を出せなくなると説明。今後の感染リスクに備えて、現時点では緊急事態宣言という「伝家の宝刀」を確保しておく必要があるとの認識を示した。

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 こんな時、専制国家なら、国家の一大事だ。戒厳令を敷くなり、法はともかく、人権も無視して、国家を守るための行動を取るのだろうか。伝家の宝刀を残しておかないと法による強制力すらないそれが法治国家である民主国家、日本の姿だ。建前主義といったら言い過ぎか?

 

 また、こちらは国ではないが、「軽症なら受診控えて」「第7波」で緊急声明、感染症学会など

 

 を一部抜粋すると、

 

 「症状が軽い場合は、検査や薬のため医療機関を受診することは避けてほしい」

 オミクロン株は「順調に経過すれば風邪と大きな違いはない」自宅で抗原検査キットを活用したり、市販薬を購入したりするよう求めている。

 「オミクロン株は平均3日で急性期症状が出現するが、ほとんどが2~4日で軽くなる」発熱や喉の痛みなどの症状が出た際は「まずは仕事や学校を休んで外出を避け、自宅療養を始めて欲しい」

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 ここまでは、声明として出すのは、現状の医療現場の状況を考えれば無理からぬことと思えなくもないが、

 

 呼吸困難や37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合などは重症化する可能性があるとし、「かかりつけ医や近隣の医療機関に必ず相談してほしい」と要請した。緊急性を要する際の救急車の利用を呼び掛けた。

 「地域の開業医だけでは太刀打ちできないレベルになっている。市民一人一人が医療の逼迫に協力いただけるような風潮が広まってほしい」と訴えた。

【時 事】

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 ふと、一時問題になった 小児科のコンビニ受診問題を思い出した。そしてもはやそれどころのレベルではないほど、呼吸器系疾患、内科系医療機関の現場が大変な状況を思った

 一方で、37.5度以上の高熱を、最低でも3日は自分で耐えなければならないこと、いざ4日目に医療機関にかかっても世間的に文句は言われないレベルまで、それこそ重症化してしまったら本当に恐ろしいな、とも感じた。

「軽症」の定義とは何なのか?

 一般の人が感じる軽症」と、医療現場で使われる軽症」は、意味合いが異なるということのなのだろう。「コードブルー」など救命救急系のドラマで「トリアージ」が行われるが、その中で緊急性が問われる、つまり「重症」はもちろん重症なのだろうが、それ以外の「軽症」の人でも、素人からパッと見た目には結構重症のように思えるのだ。

 そのようなギャップがあるのではないか?

 

   ・    ・    ・    ・    ・    ・

 小職が大学生の頃、サークルのコンパが終わった時、一つ下の後輩が、その後輩の友人の原付(相当なチューンナップがされていた)を、酔っ払った勢いで運転しようとした(もちろんこれはいけないことであるが)、その瞬間。

 「相当なチューンナップ」とは、まずアクセルにあった。少し回すだけでとんでもない勢いでエンジンが回転するのだ。酔っ払って気が大きくなっていた後輩は、いっぺんにアクセルを全開に回したのだろう。

 

 「ブォーーーーーン、キュルキュルキュル、パシパシパシパシッ、ガシャーン!!」

 

 原付は、とてつもないうなり声をあげ、火花を散らしながら、ウイリー状態で我々が先ほどまでコンパをしていたお店の壁に激突した。

 その後、救急車を呼び、救急病院に行くことになる。

 大学生のコンパである。

「保護者や家の方に連絡はつきますか?どなたが付き添われますか?」

 救急隊員に問われても、携帯電話もない時代である。

こんな夜中に(多分23:00過ぎ)、関西で一人暮らしの後輩が頼れる家族など近くにいるはずもない。

 意識はあるものの、本人は「痛いよー」、それと「〇〇!(当時付き合いだした彼女の名前)」を繰り返し叫んでいるのみ。

結局、サークルの部長だった筆者が一緒に救急車に同乗する。

 

「・・・患者さんのズボンが派手に破れていますが、あなたの服装を見る限り、バイクの事故でズボンが破れたというわけではなさそうですね?」

 

 当時、小職は「ダメージ」といえば聞こえは良いが、単純に膝に穴が、しかも両足に穴が開いた状態のジーンズを穿いていた(と記憶している)。それを見ての救急隊の問いかけである。

 

・・・救急待合で

 

 後輩が救急処置をしている間、事故に遭った経緯を考えると、飲酒、しかも自損なので医療資源の無駄遣いをしているような罪悪感もあり、隅っこの方でおとなしく待っていたのだが、受付付近で不穏な遣り取りが聞こえてきた。

「おい!うちの女房が血ぃ流して待ってんのに! 次から次から救急車の患者ばっかり先に診やがって。こっちは真面目に救急車使わんと自分で来たんやで。一体どんだけほったらかされんねん!?」

 救急医療現場の修羅場がはじまった。

 ひたすら謝るしかない事務方。

ヒートアップする患者の旦那(さん)。

 こちらも順番に割り込んだうちの一人だろうから、もしかしたら(後輩の保護者的位置づけの)筆者にまで火の粉が飛んでくるかもしれない、どうしよう…。

 そんなことを考えていると、

 後輩の診察(処置)が終わり、ストレッチャーに乗って運ばれてきた。意識はあるようだし落ち着いていたが、顔はガーゼに覆われ、少し肌が露出している部分から、相当な内出血の顔が見える。ひとまずは様子見で一泊入院するそうだ。ご家族とも連絡が取れたようだ(※1)。

 こちらがそうこうしているうちに、

件の旦那(さん)はといえば、

「お前らがあんまり待たせるもんやから、待っているうちに女房の血ぃ、止まったわ。もう診てもらわんでええわ。けっ、もう帰るわ!!」

 

との捨て台詞を残し、これまで一言も発しなかった奥さんは病院窓口に一礼して、夫婦ともども去って行った。どうやらこちらも一件落着(なのか?)だ。

   ・    ・    ・    ・    ・    ・    ・

 

 ここまで筆者の学生時代にお付き合いいただいたが、要するに、この旦那(さん)の奥さんは「軽症」だったのだろう。旦那(さん)からすれば、奥さんの切り傷は、おそらく一大事で、一刻も早く何とかしてほしい重大な事象(ある意味、当事者にとっては「重症」)だったのだろうが。なので重症度の高い救急患者が優先されたわけだ。救急車で来院する、というのも優先度が上がるポイントだったのだろう。

 

 しんどい時の患者のメンタリティは、どうしても不安になってしまう。筆者は滅多に風邪をひかないが、一旦ひいてしまうと、悪寒がし、鼻水が出て、間接の節々が痛み…など、苦しみが永遠に続きかねないような不安を覚えてしまう。先の声明に従うのであれば、それを3日経験してこそ、晴れて重傷扱いとなり、初めて医療機関に相談して良い、というのは、少し前までの日本では到底考えられないような光景だ。もちろん、医療現場の逼迫について、迷惑をかけたいとは思わないのだが…。いささか酷なような気がしてしまった。非常に難しい。

 

 前置きが大変長くなってしまった。

 今回のテーマは、介護現場の生産性向上を、次期介護報酬改定に向けて検証することになった、というテーマである。

 

 コメントを紹介したい。

 

〇甘利明衆議院議員:介護DXが社会にもたらす効果に期待

 6月10日の「自民党ケアテック活用推進議員連盟」の第4回会議で、最高顧問の甘利明衆議院議員は「介護・医療の課題に対しマンパワーが最大となるよう、どのようにテクノロジーを活用していくかが重要だ」と語った。また、「課題は(従来存在しなかった全く新しい市場を生み出す)ブルーオーシャンでもあり、チャンスでもある」との認識を示し、介護DXが社会にもたらす効果に期待を寄せた。

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 そうなのだ。「必要は発明の母」。これだけ社会的な介護リソース不足が予測される、いや、このままでは現実となりそうな現在だ。介護DX市場は、「広大な青い海」のはずだ。

 厚労省も介護現場の生産性向上には本気である。

 

〇厚労省官僚:4月より老健局組織体制見直しで「介護業務効率化・生産性向上推進室」が新設

 厚労省で高齢者医療や福祉を所掌する老健局は、4月1日より組織体制を見直し、新たに「介護業務効率化・生産性向上推進室」と「保険者機能強化支援室」を局内に設けた。このうち、「介護業務効率化・生産性向上推進室」は、高齢者支援課の下に設置され、これまで認知症施策・地域介護推進課が所管してきた生産性向上ガイドライン(居住系サービス分)や、総務課が所管してきた文書負担軽減などの業務効率化に関する施策を集約。介護サービスの生産性向上に関する企画調整や、介護ロボットの研究開発・普及のための企画立案、関係機関との連絡調整などを行う。

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 連絡調整も非常に重要な役割だ。国に入ってくるさまざまな情報を取捨選択し、発信をしながら大きなビジネスになることを願っているのかどうなのか?

 明確な意思を持って動かなければ、「DEATH NOTE」をこの世にわざと落として成り行きを楽しんだリュークのような存在に終わってしまいかねない。筆者も2040年には70代。介護を必要とする年代になっているかもしれない(※2)。あまり余裕はない。悠長なことでなく、是非とも成果を出していただきたいものだ。

 

 介護事業者からはこんなコメントをいただいた。

 

〇ICT活用「ケアテック」導入補助金だけでなく、運営コストの支援を

 大手介護事業者では、政府や自治体の補助金を活用し、その施設に適合した介護総合支援システムを独自に開発して運用しているところがあるが、こうしたシステムへの投資にはコストがかかる。中小の介護事業者には、投資する余力がないのが実情で、導入後の運営コストも負担となる。こうした「ケアテック」を導入するための補助金だけでなく、恒常的に利用が続けられるように介護事業所を支援すべきだ。

 

〇生産性向上の隘路となっている手続きにおける文書負担やローカルルール

 介護分野の手続きにおける文書負担やローカルルールは、介護現場の混乱や非効率を招き生産性向上の隘路となっている実態がある。これは介護事業者の努力では如何ともしがたいものである。

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 「インターネット

 なるものがこの世に登場し、我々の情報にアクセスするための手段が飛躍的に向上したのは革命的だった。ちょっと調べごとをしたければ、辞書を開かずとも、図書館に行かずとも、あっという間に情報が手に入る(時に間違った情報も存在してはいるが)。その上、通信料を除けば、かかる費用はただ同然」だ。

 人類はこの成功体験(成功したのは実はGAFAなどの超巨大IT企業なのだろうが)で、便利さはお金をかけずに実現できる、と味をしめたのではなかろうか?

 インターネットで我々が利便性を享受できたのは、その後の「プラットフォーマー」と呼ばれる超巨大IT企業のマーケティング戦略にまんまと嵌っただけのことで、その後何かとお金を払っていることになっているはずで、特にGAFAなどでは投資回収はその事業規模の巨大さ故に、見事に行われているはずだ

 ところが小規模で自分たちが必要と思われるシステムを構築するのは、やはり投資コストも、運営コストも当然かかるし、その費用対効果は、もしかすると合わないものになるのが大半なのではないか

 

介護職員からのコメントはこうだ。

 

〇介護現場のICT化の中核的役割は、介護福祉士が担うべき

 介護現場におけるデジタル・テクノロジー活用の中核的役割は、介護サービスの受益者を最優先で考える介護福祉士が担うべき。デジタル・テクノロジー活用を介護福祉の新たな魅力として発信できるよう、 介護福祉士を活用いただきたい。

 

〇人員配置基準の緩和は、介護職員の負担を増大させるリスクのほうが大きい

 介護人材不足を軽減するためにも、生産性を向上させることは重要だが、資金不足やICT人材の不足によってうまくICTを活用できないような現場があるのも事実。労働環境の改善には介護職員を増員するほかない。介護人材不足の現状で、人員配置基準を緩和することは介護職員の負担を増大させるリスクのほうが大きい。

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 介護に携わろうとしておられる方は基本的に心根の優しい方が多く、利用者に寄り添おうとされる気持ちは人一倍強い。時として、自らが所属している施設(組織)より、利用者のことを第一に考え、寄り添おうとされる傾向がある。

 また、なるほどそういう考え方もあるな、と感じたが、介護報酬上も(診療報酬上も)、IT人材を余剰に雇用することができるような体系にはなっていない。幸運にも採用した人材にITに長けた人がいてくれて良かった、という施設は多くあるだろうが、その方の気苦労は、現在学校教育の現場における教師の中で、文字おこし的な仕事も含め、いつも若手にばかり仕事が回ってくる、といわれている現状に近いものがあるのかもしれない。「介護人員の純増」。確かに現場の質向上の早道は、少子高齢化の上に生産人口のいずれ減に悩まされる日本でなければ、仰るとおりなのかもしれない

 

「介護助手導入で生産性向上」についてコメントをいただいた。

 

〇非正規雇用であり、待遇面で介護福祉士など資格者と格段の差

 当介護事業所では、介護専門職でなくてもできる食事の配膳や利用者との会話で、介護職員をサポートする役割であるわれわれ「介護補助者」を活用している。また、洗濯業務をプロの業者にアウトソーシングすることで、業務効率を大幅に改善している。このように、介護現場での「生産性」を向上させるため、介護職員でなくてもできる仕事は外部委託して業務を効率化することで、介護職員が専門的な介護に専従できる体制を整え、人材不足を補っている。ただし、非正規雇用で待遇面では介護福祉士など資格者と格段の差があるのも事実だ。

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 我々ワタキューグループも、洗濯業務だけではないが、業務のアウトソーシングによって医療機関や福祉施設のお手伝いをさせていただいている企業群だ。介護施設運営は、とにかく施設に入ってくる収入には天井があるので、健全な運営を行おうとすると、その経費の殆どが人件費になっている構造上、みんなの給料を等しく上げていくと経営的に苦しくなるのは必定だ。待遇面の格段の差」については現場における職員の不満につながっているというのは否定しがたい現実でもある

 

 運営側のコメントを紹介してきたが、生産性向上のための開発側のコメントもいただいた。

 

〇介護は生産工場のようにはいかない

 自動車工場でロボット開発に従事し、介護ロボット開発に取り組む研究者。介護施設における職員の仕事は多岐に渡り、分業化できない上に、介護対象者によってやり方が変わるなど変則的。工場の生産ライン現場のように業務全般をロボットに置き換えて自動化することは極めて難しい現状がある。例えば、介護現場で有効だとされているパワーアシストと呼ばれる装着ロボット。確かに人を抱えるときなどに効力を発揮するが、いったんそれが終わればすぐ装着ロボットを取り外して別の仕事に取り掛からなくてはいけない。取り外しに時間もかかる。だからといって、人を持ち抱えるような仕事だけをひたすらしていればいいということなどない。一機種のロボットにできることは限られており、部分的には役に立つが一日全体の仕事を通して考えると使い勝手の悪い製品になる。相手は人間。工場の製品のようにロボットが機械的に作業することはできない。

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 そうなんですよねぇ。利用者が運営側の思う通りの動きを、日々いかなる時もしてくださるのであれば、自動化、現場の生産性向上には大きく近づくことになるだろうが、「相手は人間」。この方の仰ることが意味するところは大きい。深い。

 

 続いては介護施設で働く看護師からコメントをいただいた。

 

〇夜間オンコール代行サービスがあれば

 多くの介護施設では、看護師は夜間オンコールで自宅待機している。夜間帯に入居者の異変があった場合、救急車を呼ぶかを判断するのは看護師である。しかし、オンコール当番になった場合、深夜に連絡が入ることもあるので「いつ電話が鳴るかわからない」と不安を感じる。また、介護スタッフも看護師の負担が大きい状況を知っているので、オンコールしづらいのが現実。夜間オンコール代行サービスがあれば、是非採用してほしい。

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 「夜間オンコール代行」か。ニーズとしては非常に多いのだろう。昼間の勤務時間は一般的に8時間×5日で週40時間、裏側には16時間×7+8時間(土日)×2で128時間ある。勤務は8時間。利用者は24時間(生活そのものだから)。もともとそれだけの差が存在するのだ。現場に無理が生じないはずがない。

 

 施設に入居できている利用者のご家族は、それはそれで御心配事もおありだろうが、在宅で家族を介護しておられる方(ケアラー、これが未成年ならヤングケアラーなのだろう)も確実におられる。コメントをいただいた。

 

〇自宅で介護する際、是非欲しいのが排泄支援機器

 自宅で家族を介護するのに、是非欲しいのが排泄支援機器だ。居室に設置して利用できる介護ロボット機器で、設置場所の調整と移動が可能で、居室内にいながら、便座に座って排泄できる。その際、排泄物を室外に流したり、容器や袋を用いて密封・隔離したりして、排泄物の臭いが室内に拡散することを防ぐ工夫もされる。今後、AIを活用したより便利な排泄支援ロボットが開発されれば、排泄で夜間度々起こされることが少なくなるのではと期待している。

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 人間が生物で、食べることがあれば排泄もつきまとう。排泄の問題は尊厳の問題もあるし、ここが自立できておられるのといないのでは介護する側の負担が圧倒的に異なる切実な願いだろう。生まれたばかりの乳幼児の夜泣きとオムツ交換やミルク(母乳)は一定期間で終わるが、もちろん長生きはしていただきたいとはだれもが思っていることだが、それだけに介護はどれだけ継続するか分からない。介護の生産性向上において排泄ケアの占める役割は非常に大きい

 

 最後にこんなコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

〇介護系DXに関わる企業のコメント:在宅介護の現場で進む介護DX

①介護現場の画像をAIで解析し、その結果を介護記録システムに自動書き込みする。

②その介護記録データを業務分析する。

③介護記録システムとアマゾン・アレクサやグーグルと連携させ、声によって介護記録を呼び出す。

④介護請求を介護請求専門業者にアウトソーシングする。

⑤介護記録システムと会計システムを連携させ、家族への月次請求、自動回収をペーパレスで行う。

こういった介護DXは多大なコストもかけずに直ぐに導入できるのではないか。

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 とても分かりやすい、近未来の介護DXの姿だ。シンプルに書かれているので、本当に実現しそうな気がする。どちらの企業かは分からないが、これがGAFAのような外国系企業でなく日本企業であって欲しいと思ったのは筆者だけだろうか?

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※1)・・・さはさりながら。

ご家族の息子さんがこうなったのは、本人の責任がもちろん大だが、コンパを開催したサークルの、一応部長の責任を問われると、そこはなかなか難しいところがある。記憶が定かではないが、後日ご家族との電話の会話で、

「この度は息子が大変ご迷惑をおかけしました。病院まで付き添いいただいてありがとうございました」

で済んだような気がする。これが企業なら相当な問題になっていたことだろう。

ああ、青春。素晴らしき哉、学生生活。

<筆者>

 

(※2)・・・原作:大場つぐみ、作画:絵師 小畑健。 2003年より少年ジャンプ連載。

名前を書いた人間を死なせることができるノート「デスノート」を巡って、主人公と世界一の名探偵との頭脳戦を描いたサスペンス漫画。

小畑健氏が描く絵は非常に美しい。まさに絵師である。「ヒカルの碁(佐為)」にしても、「DEATH NOTE(リュークやレム)」にしても、主人公にしか見えない存在がキーパーソン(人ではないが)、しかも生霊や死神というのは、何か因果があるのだろうか?

<筆者>