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No.697 マイナンバーカード活用した健康保険証のオンライン資格確認、10月まで延期

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■医療保険加入者のマイナンバーカード3万件誤入力が判明、本格運用10月まで延期

 菅政権の看板政策「デジタル改革」の一環として、マイナンバーカードを活用した健康保険証のオンライン資格確認等システム一部医療機関等で3月4日からプレ運用が行われたが、保険者が入力するマイナンバーなどのデータの正確性に課題、医療機関等の準備遅れがあるなどとして、2021年3月中の予定だった本格運用の開始時期を最長で2021年10月まで延期することが、3月26日開かれた厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で報告された(図1  オンライン資格確認等システムの本格運用の開始時期について)。また、3月末に迫っていた導入費の全額補助の期限は見直さず、3月末で打ち切りとなった。

 医療機関等の窓口では「患者がどの医療保険に加入しているのか」を被保険者証(保険証)で資格確認する。しかし現在、この資格確認は、事実上「レセプト請求の中で行う」こととなるため、医療機関等の窓口で「この患者は、被保険者証本人に記載されている本人なのか」「提示された被保険者証は有効か」を確実に確認することができない。このため、サラリーマンが退職後も在職中の保険証を返還せず使用して診療を受ける事例が月30万~40万件と少なからず生じているといわれる。そこで、医療機関等を受診した際に、窓口で「当該患者が医療保険に適切に加入しているか」を確認することを目指し、オンライン資格確認等システムが導入され、一部医療機関等でプレ運用が始まった

 その流れは、「患者が、健康保険被保険者証機能を持つマイナンバーカードを医療機関等窓口でカードリーダーにかざす」→「医療機関等のパソコン端末から、オンラインで社会保険診療報酬支払基金(支払基金)・国民健康保険中央会(国保中央会)のデータに、当該患者がどの医療保険(健康保険組合や国民健康保険など)に加入しているのかを照会する」というものである(図2 オンライン資格確認システムを導入している医療機関・薬局の場合)。

 マイナンバーカードに健康保険証の資格情報が紐づき、健康保険証の資格情報にはレセプトコンピュータで審査支払機関に請求するための診療情報(電子カルテ情報)が紐づくので、2回目以降の受診であれば、マイナンバーカード1枚で足りるので、オンライン資格確認の仕組みを導入した医療機関では、実質的に診察券は不要になる。現状は、診察券に記載の番号で患者の診療情報を管理しているため診察券は不可欠だが、マイナンバーカードによる健康保険証の資格確認が普及すれば、病院や診療所ごとに複数の診察券を管理する必要がなくなって、受診の風景も様変わりする。転職や引っ越し、定年退職などで加入する保険者が変わっても、新たに加入した保険者の情報がマイナンバーカードと新たに紐づくため問題はない。また、患者の同意に基づきマイナンバーカードで一元管理する薬剤や特定健診の情報のうち、薬剤情報は2021年9月診療分から確認できるよう準備が進められ、今後最大で過去5カ年分の情報が確認できるようにする計画であった。特定健診の情報については、2020年度以降実施した健診データのうち、データベースへの入力が済んだ段階で確認できるようになり、最大で5カ年分の情報を見られるようになる。

 

 オンライン資格確認の運用に当たっては、保険者が加入者のマイナンバーや被保険者番号を中間サーバーに登録する必要があるが、2月時点でマイナンバーの入力ミスが3万件以上に達していた。その後、各保険者で確認や修正を進め、3月24日時点では約50件にまで減少したが、今後も就職などで保険者の異動は起こるため、データ入力時にエラーを検知するシステムなどを整備し、より正確性が担保されるまで、本格運用開始を見送ることになった。コロナ禍の出勤制限などで、データの登録作業が思うように進んでいない保険者があり、マイナンバー以外の入力でも誤りが生じている。3月24日時点で、資格を失うなどしたため被保険者証の情報が登録されていない事例が約6万3000件、被保険者番号が正確ではない事例が約3000件確認された。

 

■プレ運用は54施設にとどまり、カードリーダー申し込みも医療機関等の45%にとどまる

 一方、医療機関等側の準備が進んでいない。新型コロナウイルス感染症対応で多忙を極め、システム改修が遅れている医療機関があるほか、世界的な半導体不足やカードリーダーの生産の遅れも生じており、500施設を上限に募っていたプレ運用を始めているのは3月22日時点で54施設にとどまっている。このプレ運用の中で、加入者データの不備による資格確認エラーの報告が相次ぎ、今回の本格運用見送りにつながったとも言える。

 

 オンライン資格確認等システムが完全に稼働するには、①全ての医療機関等においてカードリーダーシステムなどの環境整備を行う、②全ての国民が健康保険被保険者証機能を持つマイナンバーカードを保有することなどが必要となる(図3 マイナンバーカードでの資格確認手順(顔認証付きカードリーダー))。しかし、顔認証付きカードリーダーの申し込み状況(2021年3月21日時点)は、約10万3000施設と、対象の医療機関・薬局約22万8000施設のうち44.9%にとどまった当初は2021年3月の本格運用時に6割程度での導入を目指していたが、その水準には達しなかった。申し込んだ施設の割合は、病院60.4%、薬局66.5%と、比較的順調に伸びている一方で、診療所で34.6%、歯科診療所で37.9%と伸び悩んでいるシステム導入に当たりベンダーによる過大な見積もりが報告されることなどから、導入に慎重な開業医が多いとみられる。

 オンライン資格確認等システムを導入する医療機関等では、カードリーダーの設置資格確認用のパソコン等の設置レセプトコンピュータシステムの改修が必要となり、また医療機関等によっては、特別なネットワーク環境の整備(新たな回線の設置など)、電子カルテシステム等の改修なども行う必要がある。

 機器導入やシステム改修には費用が発生するため、厚労省は標準的な部分について「費用の助成」を行っており、カードリーダーの申し込みをした医療機関等に限定して構築費用に一定の補助上限まで定額補助を行うとしていた(従前は50%補助だったのが、100%補助)。①カードリーダーについて病院では3台まで無償提供。②病院のレセコン改修等については、カードリーダーの台数に応じて次の費用を助成。1台:標準事業額(210万1000円)を上限に実費を補助する(上限までは100%補助)。2台:標準事業額(200万2000円)を上限に実費を補助する(上限までは100%補助)。3台:標準事業額(190万3000円)を上限に実費を補助する(上限までは100%補助)。③大手チェーン薬局は、カードリーダーが1台無償提供。レセコン改修等については42万1000円を上限に実費を補助。④診療所・薬局(大手チェーン薬局以外)は、カードリーダーが1台無償提供。レセコン改修等については42万1000円を上限に実費を補助-としていた。しかし、2021年3月中の申し込みが期限となっている導入費全額補助の特例措置は当初の予定通り、3月末で打ち切られることになった。厚労省は、4月以降の申し込みについては、診療所で4分3、病院で2分の1という補助の上限が適用されると説明している。

 

【事務局のひとりごと】

 

 3月末早朝。いつもの通勤バス。路上にある、待合所すらない小さなバス停で(つまり長時間の停車を想定していないバス停)、いやに長く停車しているではないか。

 おかしいな、さっきのJR駅前のバス停で時間調整は終わったはずなのに…。

 するとバスのお腹の部分にあるトランクルームの開閉音が聞こえてきた。

 こんな通勤時にでっかいトランクか…。

 と、複数の若者の声が外でする。

 「じゃあ、元気でなー!!」

 「おー!!ありがとなー!!」

 こんな遣り取りをゆっくりした後に、3人、若者が乗車してきた。大学を卒業し、おそらくは新天地への引っ越しに向けて、前の夜は学生時代の友人と一晩中語り合い、そして今日が旅立ちの朝、そんなところか。その、4月から社会人となるだろう学生の一人が筆者の横に座る。席を立ちながら見送る友人に手を振り続ける(3人とも)。バスが動き出したらようやく座った。感動の別れも終わり、着席した瞬間今度はスマホをいじくりだす。見る気はなかったが、彼のスマホの画面がどうしても目に入ってしまう。と、果たして、やはり筆者の予想は的中。誰もが知る有名私立大のロゴを背景に、卒業式後のゼミの教授との記念写真。今度はたくさんの花束に囲まれた自分の写真の数々…。お気に入りと、そうでないデータの整理(削除)が始まった…。いやはや忙しい限りだ。

 乗り込んできた時、通勤時にそんなことするか!? と若干の違和感を覚えた筆者であるが、突如「蜜柑」(芥川龍之介)のエピソードを思い出した(※1)。これから旅立つ若者の未来を想い、若かりし頃の我が身を振り返りながら、そんな考えを持った自分に少し後悔してしまった。

 

 今年の桜前線は通年より早く、4月上旬では満開、すでに葉桜の地域もあった。入社式や入学式映えする桜は、今年は果たして間に合ったのだろうか。 

 

 春爛漫。3月は別れ、4月は出会い、悲喜こもごも。寒暖のコントラスト、早桜に満開の桜、花散らしの雨、花冷え、春の嵐、葉桜、新緑へと続く。桜に関してはあくまで関東以西の話かもしれないが、たった1か月の間で世間の様相の移り変わりを一気に感じる。もともと季節の変化に富んだ日本であるが、中でもそれを感じることのできる季節が、「春」ではないだろうか。

 

 今回のテーマは鳴り物入りで登場したマイナンバーカード活用の健康保険証のオンライン資格確認が、何と延期となった件についてである。

 

 マイナポイント5,000円還元キャンペーンを足掛かりに、普及した(はずの)マイナンバーカードであるが、偏りはあるが、ようやく4人に1人程度は発行している世の中となった。

 

 まずはこんなコメントから紹介したい。

 

〇マイナポイント目当てにマイナンバーカードを取得

 マイナポイント5,000円を目当てにマイナンバーカードを取得した。スマートフォンになれている人や一部の高齢者には、マイナポイントの恩恵を受けることができるが、そもそもスマホを持たない人もかなりいるのではないか。マイナンバーカードを持たないと、「命を守る」健康保険証が持てないと勘違いする人もいるのではないか。デジタル格差が経済格差、健康格差を生む嫌な社会になってきた。

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 一応、国の目論見は正しかったようだが、どうも「優しさが足りない」と感じている世代もいらっしゃるようだ。

 

 今度は総務省からのコメントである。

 

〇総務大臣:QRコード付き申請書の再発送に伴い申請が急増。大手クレジットカード事業者も決済に参画

 3月23日の閣議後記者会見で武田良太総務大臣は、マイナンバーカードの申請状況について、「QRコード付申請書の再送付に伴い急増しており、3月前半のペースでいくと、3月末で約4400万件が見込まれる。また、マイナポイント対応の決済事業者として、新たに、JCBなど大手クレジットカード事業者に参画いただけることとなった。こうした取組により、1人でも多くの方にカードの申請をしていただきたいと考えている」と答えた。

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 マイナンバーカードが全国民に普及、

 全国民がスマホを所持している、

 全国民の新型コロナウイルスワクチンの予防接種2回済、

 いち早く実現するのはどれだろうか。

 

 そして、未だそのような普及率であるが、医療機関で使用する健康保険証のデータとの連携で、保険情報も確認しようという、簡単そうでいてなかなか難しいテーマだとはうすうす感じられていた読者諸氏もおられたかもしれないが、それが半年間、延期となったというのである。

 

 厚労省からのコメントである。

 

〇厚労省医療介護連携政策課長:一度立ち止まることにした

 より正確性が担保されるまで本格運用を見送ったことについて社保審医療保険部会で、オンライン資格確認を担当する保険局医療介護連携政策課の山下 護課長は、既知の課題に対応するとともに、未知の部分もあるかもしれないので、一度立ち止まることにした」と説明。さらに、プレ運用が54施設にとどまっていることについて、「プレ運用は、本番と同じ環境だ。リアルタイムで情報を確認できるし、患者の同意があれば特定健診の情報を電子カルテに移管することができる。今後のデータヘルスの基盤となる。システムへの参画をお願いしたい」と、医療機関に対して参画を呼びかけた。

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 保険者のコメントも紹介したい。

 

〇健保連副会長:極めて大がかりな規模でありながら、スケジュールがタイトだった。国に工程管理をお願いしたい

 社保審医療保険部会の委員でもある健康保険組合連合会の佐野雅宏副会長は、「関係者全てに反省すべき点があったと感じている。極めて大がかりな規模でありながら、スケジュールがタイトで、国を含めて連携がうまくいっていなかった。プレ期間の延長で、正確性やチェック体制の担保が必要になる。国に対して、全体としての工程管理をお願いしたい」と述べた。

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 氏名・住所・電話番号、その他もろもろの患者のパーソナルデータをはじめとした保険情報が、システム内に当たり前のように正しく入力されている、ということを実現するのは、実は簡単なことではない。勘違い、転記ミス、誤変換、患者情報を手書きなどで記載した本人の情報がもともと間違っていた、などなど、多くの要素が絡み合う。だから無理だ、と言っているのではない。クレジットカード会社など、個人情報を取り扱う企業ではそういったヒューマンエラー的な要素を十分に考慮した上でのデータ化の体制が構築されている(ように感じる)。

 やはり、そういった要素を検討し、実行できるための機能が、ぽっかり欠落しているのではないか。「一度立ち止まる」のは妥当なのかもしれない。が、とにかく力業で、というような無為無策ならそれが半年後であろうが3年後であろうが同じである。ミスは何度でも起きる、と筆者は考える。

 

 民間企業ではどうか。

 

〇AI活用したコールセンターの取り組み

 健康保険証のオンライン資格確認システムのデータ入力は、膨大な数をこなす業務であり、どうしても入力ミスなどのヒューマンエラーは避けられない。参考になりそうなのが、日々顧客と向かいあっている企業のコールセンターの取り組みである。そのコールセンターで導入されつつあるのが、NTTなどIT企業が開発したAIを活用してコールセンターにおける顧客の大量の音声データを高度な音声認識と感情認識で分析し、課題を解決するシステムである。AIを活用することで、入力ミスなどのヒューマンエラーを避けることができる上に、複数のオペレーターの通話をリアルタイムにテキスト化し、要注意ワードを検知。ベテランオペレーターによるモニタリング業務を軽減しながら、問題発生の見逃しを無くすことが可能になるという。

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 民間企業ヒューマンエラーがあることを前提として仕組みづくりがなされているようだが、厚労省におかれては、「正しいデータが入力されていることが前提」として今取り組みを進めてきたのではあるまいか。

 

 「民間企業なら普通に実現できていることをなぜできないのか?」

 

 仮にお役人がそれを思っておられるとしたら、それはそのような仕組みを作ってこなかった自分たちの胸にこそ、手を当ててもらいたいものだ。いつになく、キーボードをたたきながら少し語気が荒くなってしまったと感じた。すみません。

 

 今度は現場で受付業務に携わっておられる医療従事者にコメントをいただいた。

 

〇受付現場では資格確認のために煩雑な手順が求められる

 マイナンバーカードによる資格確認が一発でできる簡便なシステムだと思うが、実際はそうではない。受付現場では資格確認のために煩雑な手順が求められる。カードの使用に不慣れな高齢者などがカードをリーダーにかざし、顔認証用のカメラの前に立つ作業をスムーズに行えるだろうか。場合によっては介助が必要。カードの紛失や取り違えの危険もある。また、国の補助金は、導入後の定期的なメンテナンスや改修等の維持費用を対象としておらず、システム導入の費用で納得できない点がある。

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 まあ、そういうコメントになるのは想像に難くない。こと社会的弱者とされる患者、さらには高齢者、そして介護をも必要とする患者への対応となると、保険証や医療証の確認は、かなりアナログでしかも、一見非効率な対応もせざるを得ない医療機関は決して少なくないだろう。

 

 オンライン資格確認システムは、その導入費用に補助金が出るという建付けだったが、システムベンダーからの見積もりが高いという声がどうも多いようだ。

 

 開業医からのコメントである。

 

〇補助金目当てのベンダーの思惑が見え見え

 国の補助金目当てのベンダーの思惑が露骨で憤慨している。医療機関側としても是非導入したいということで、県医師会も積極的に取り組むようアナウンスしているが、ベンダー側の思惑が見え見えである。診療所の見積もりで、ルーターの購入などハードを含むシステムの費用として78万円、設定作業に20万円、ここに値引きが38万円、差し引き60万円という金額は、診療所の補助上限額約43万円を15万円以上オーバーしてしまう。システムの保守点検でもベンダーはしっかり儲け、医療機関には痛みを伴う、国の補助金を当てにしたシステム導入ではないか。

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 手厳しいご意見である。

 

 一方だけ聞いて沙汰するわけにもいかない。システムベンダー側からもコメントをいただいた。

 

〇とても補助金では賄い切れない。厚労省は現場の実態を把握していない

 地方のある中小システムベンダー。年間80件前後の医療機関のレセプトコンピュータシステムを取り扱っているが、今回のオンライン資格確認システムの見積もりの多くは、厚労省の補助金額の上限を上回ってしまう。そもそも外部とのネットワーク環境がない医療機関もある。ネットワークを構築して、その上でレセコンのシステム改修が必要となり、とても補助金で賄い切れないのが現実だ。厚労省は現場の実態を本当に把握していないのではないか。

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 あくまで補助金」だからなぁ。厚労省は「全部賄うとは言っていない、とコメントされるのがオチのような気がするのは筆者だけだろうか。

 

 民間企業で医療業界の大手チェーン調剤薬局からコメントをいただいた。

 

〇大手チェーン:統一した情報インフラの活用で全店舗オンライン資格確認の早期導入を実現

 大手調剤薬局チェーンの日本調剤は、長年に渡り調剤業務における安全・安心で効率的な業務・情報管理のために、自社内で情報インフラの開発・整備を積極的に進めてきた。調剤薬局全店舗で統一した調剤システムで運用を行っており、今回のオンライン資格確認の全店舗導入は、こうした統一した情報インフラの整備体制が既に整っていることにより、短期間かつ全店舗同時のシステム導入を早期に実現できた。

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 一方で単独の調剤薬局事業者からは悲鳴にも似たコメントが…。

 

〇オンライン資格確認システムが調剤薬局事業者の寡占化を助長する

 資本力のある大手調剤薬局チェーンは、システム運用を目指してグループのシステム構築を進めてきた。ただでさえ、われわれ弱小調剤薬局事業者の廃業が相次いでいる中、オンライン資格確認システムが調剤薬局事業者の寡占化を助長する。

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 「生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである。」ダーウィンの名言とされるこの表現。「変化に対応できなければ生き残れない」と、言い換えるとかなり厳しい表現と捉えることもできる。だから、たゆまぬ変化を続ける努力をしなさい、ということなのだろう。

 ところが医療行政では、この進化論通りではなく、世代交代が進むまでは、穏便に、穏便に、変化に対応できていない、しようとしない方々からの意見への配慮がしっかりとなされているようにも感じるのだが、如何に?

 

 最後に、医業系コンサルタントからのコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

〇オンライン資格確認システム導入機会に、服薬フォローなどプッシュ型の働きかけが重要に

 調剤薬局事業者向けのコンサルタント。多彩な情報が見られるようになるオンライン資格確認システムではあるが、時間軸としては“点”の情報である側面はあり、“点”を“線”にしていくには、やはり服薬フォローなどの調剤薬局の働きかけが必要となる。医療に限らず、今後は待ちではなく、プッシュ型の通知をしていくことが重要になるだろう。

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 「取り巻く環境の流れは目まぐるしく変化している」医療福祉行政においてこんな枕詞で語られる時がよくある。それも確かなのだろうが、果たして、世の中の流れと比べた時、一人ひとりの我々は本当にそう感じているのだろうか。

 医療技術そのものは日進月歩、しかし取り巻くシステムは流れに追い付いていない、今回はそれを痛感したテーマではなかったか

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 (※1)…「蜜柑」のあらすじ

 ある曇った冬の日のことである。憂鬱な気分で汽車に乗り込んだ私のそばに、13、14ほどの娘がやってきた。大きな風呂敷包みを抱えた、ひどく田舎じみた少女だった。

 彼女の垢ぬけなさ、くたびれた服装、そして3等切符で2等室に乗ってくる無知さ加減に腹が立つ。彼女の存在を無視しようと、私は新聞紙を膝の上に広げた。

 汽車はいつの間にかトンネルに入っていた。やがて娘は閉めてある窓を開けようと、必死で頑張り始めたが、私は冷たい目でそれを見ていた。再びトンネルに入ると、娘の試みは成功してしまい、開いた窓からは黒煙がもうもうとなだれ込んできた。

 どす黒い空気を吸い込み激しくせき込んでしまい、娘を叱りつけようかと思ったときである。トンネルを抜けた先、踏切の柵の向こう側に、頬の赤い幼い少年たちが並んでいるのを私は目にした。

 その時である。娘は懐から蜜柑を取り出したかと思うと、身を乗り出し、眼下の少年たちに向かって5つ6つと窓から投げたのだ。わざわざ見送りに来た弟たちの労に、蜜柑で報いたのだろう。

 その光景を見た私の心には、なんとも爽やかな気持ちが湧いてきたのである。

<ネットよりまるまる引用:WMN事務局>

引用先:【まなぶンゴー】