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短信:横浜に「こどもホスピス」誕生 「家族と共に」願い込め

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 重い病気の子供や、その家族が過ごす施設「横浜こどもホスピス」が21日、横浜市金沢区に開設された。病院併設でない子どものホスピスは、大阪市に続いて全国で2か所目。23年前に娘を亡くした運営団体代表の「病気があっても子どもらしく過ごせ、家族も不安から解放される場所をつくりたい」との願いが込められている。

 

 ホスピスは多くの釣り船が停泊する入り江のそばに完成した。21日の記念イベントでは、明るい光が差し込む大きなガラス窓が特徴の施設に支援者らが集まり、歌や楽器の演奏で門出を祝った。ホスピスは2階建てで、1階のホールは家族や地域住民の交流の場となる。2階には個室やリフト付きの風呂があり、家族でくつろげるスペースになっている。

 

 ホスピスを運営する認定NPO法人の代理理事、田川尚登さんは1998年、次女、はるかさん(当時6)を脳腫瘍で亡くした。医師に「余命半年」と告げられてから5か月間、家族で旅行に行くなど残された時間を大切に過ごした。それでも「私は会社、長女は小学校に行き、次女は妻と家にいることが多かった」と話す。

 

 病気の子どもは自宅と病院の往復で、遊びや学びの場が限られることを痛感。悩みを抱えた親が孤立したり、きょうだいが我慢を強いられたりすることが多いことも知った。

 

 「子どもの命が無くなってしまう時に、家族に寄り添ってくれる人がいる場所が必要だ」。子供のホスピス開設に向け、2014年に活動を始めた。個人や企業からの寄付、遺贈などで建設費や運営資金を集め、横浜市も土地を30年間無償で貸与するなどした。

 

 ホスピスには看護師や保育士が常駐する。家族で誕生日 会をしたり、地域の人も集めたクリスマス会をしたり。当面は通所のみだが、将来的には宿泊できるようにする。田川さんは「やっとスタートラインに立った。みんなが楽しい思い出をつくれる場所になってほしい」と話している。

(共同)