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No.717 2022年度診療報酬改定で導入されるリフィル処方箋、医療機関、薬局への影響は?

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◇「2022年度診療報酬改定で導入されるリフィル処方箋、医療機関、薬局への影響は?」から読みとれるもの

・診療報酬本体プラス0.43%の財源を捻り出したリフィル処方導入など薬剤費削減策

・一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋

・リフィル処方導入で医療機関の通院回数が減少?一方で薬局の来局患者数は増加が予想

 

■診療報酬本体プラス0.43%を捻り出したリフィル処方など医薬品の適切な使用推進による削減効果

 

 2022年度診療報酬改定で医薬品の適切な使用の推進として、「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる」リフィル処方箋が導入されることになった。1月14日開かれた中医協総会で後藤茂之厚生労働大臣が2022年度診療報酬改定を諮問。同日の中医協では、「2022年度診療報酬改定にかかわるこれまでの議論の整理」を取りまとめ、その中でリフィル処方箋については、「症状が安定している患者について、医師の処方により、医師および薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける」と明記リフィル処方箋による処方を行った場合について、処方箋料の要件を見直すことも盛り込んだ。

 

 昨年末の後藤厚生労働大臣と鈴木俊一財務大臣との大臣折衝で、診療報酬改定で診療報酬本体プラス0.43%の改定財源を捻り出したことができたのは、薬価引き下げとともに、リフィル処方箋導入薬剤給付の適正化など医薬品の適切な使用推進による薬剤費削減策と言われる。診療報酬本体部分0.43%の内訳は、看護職員の処遇改善のための特例的な対応がプラス0.20%、不妊治療の保険適用のための特例的な対応がプラス0.20%、リフィル処方箋の導入・活用促進による効率化がマイナス0.10%、小児の感染防止対策に係る加算措置(医科分)の期限到来がマイナス0.10%で、これら以外がプラス0.23%。この0.23%分は医科0.26%、歯科0.29%、調剤0.08%で従来通り1:1.1:0.3の配分となった。

昨年6月18日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針2021)では、「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する」と明記され、リフィル処方の導入の検討が求められた。

 

 リフィル処方箋は、アメリカ、イギリス、フランスなど、諸外国では既に導入され、その中で最も歴史が長いのがアメリカで1951年から導入されている。アメリカは対象患者に対する規制はなく、その他の国では症状が安定した慢性疾患が主な対象となっている。リフィル処方箋の有効期間は国によって様々で、英国、オーストリアでは6~12カ月、アメリカやフランスでは6カ月が有効期間の上限となっている(図1 海外におけるリフィル制度)。

 

 一方、日本では2016年度診療報酬改定で「分割調剤」が導入されたものの、算定回数は伸びていない現状にある。分割調剤は、①長期保存が難しい薬剤②後発医薬品を初めて使用する場合③医師の指示がある場合(分割指示の上限は3回、患者に別紙を含む処方箋の全てを毎回薬局に提出するよう指導)-などに行われるもので、慢性疾患薬などの薬のみの診療を抑制することを狙いとしたリフィル処方とは趣旨が異なる。ただ、31日以上など長期処方は増加傾向にあり、残薬や副作用など、医薬品の適正使用の観点からも課題となっている。

 分割調剤とリフィル処方の違いは、例えば、90日分の内服薬を患者に投薬するため30日分ごとに薬局で調剤して交付する場合、「医師が90日分の処方箋を発行し薬局に対して3回の分割指示」する分割調剤に対し、「医師が30日分の処方箋を繰り返し利用できる回数(3回)を記載した上で発行」するのがリフィル処方である(図2 分割調剤とリフィル制度の違い)。

 

リフィル処方導入で増す薬剤師の責任。導入の課題はリフィル期間、対象患者、対象外薬剤の設定医療機関と薬局との連携など

 

 「医薬品の適切な使用の推進」をテーマに開かれた昨年12月8日の中医協総会で厚生労働省は、分割調剤に関する調査結果を提示。①30日を超える長期処方の際に、医療機関が分割指示を行うメリットとしては、「残薬の確認が行いやすい」「患者の服薬管理を継続して行いやすい」という回答が多かった。②医療機関が分割指示を行わない理由としては、「必要性を感じないから」という回答が最も多かった。③分割調剤において、薬局が2回目以降の調剤時に行うこととしては、「患者の服薬状況」「患者の残薬状況」「患者の薬剤服用後の副作用等」「患者の状態等」の確認という回答が多かった。④薬局における分割調剤のメリットとしては、「患者の服薬管理を継続して行いやすい」「患者の状態等を確認しやすい」「残薬の確認が行いやすい」「副作用等の確認が行いやすい」という回答が多かった(図3 薬局における分割調剤のメリット・デメリット)。

 

 ⑤分割調剤を知っている患者は27.0%であったが、分割調剤により薬を受け取ったことがある患者は0.8%であった。⑥患者における分割調剤の良かった点としては、「残薬の相談がしやすい」「後発医薬品を安心して試すことができた」という回答が多く、分割調剤の良いと思わなかった点としては、「特に不満はない」という回答が最も多かった(図4 患者における分割調剤の良かった点・良いと思わなかった点)-ことをあげた。

 

 リフィル処方制度が導入されると、薬剤師の業務にはどのような影響があるのか。まず、医療機関での受診回数が減り少量の薬を複数回に分けて受け取る患者が増え、来局患者数の増加が予想される。また、医師の代わりに薬剤師が患者の経過観察をする必要性も出てくる。このため、薬剤師が担う患者への責任はさらに大きなものとなり、高い薬学的判断能力が求められるようになる。患者との信頼関係を構築することも、重要な業務の一環となりそうだ。薬剤師には、これまで以上に高い知識や技能が必要とされる。

 一方で医療機関にとっては、通院回数の減少とそれによる医業収入の減少が懸念される。対象疾患かリフィル処方箋の有効期間によっては、慢性疾患患者が多い内科系医療機関への影響は大きいかもしれない。

 

 中医協では、「骨太方針2021を踏まえ患者の通院負担を軽減する観点から分割調剤の指示」「分割指示に係る処方箋様式のあり方について、どのように考えるか」が論点となった。リフィル処方箋の導入課題として、リフィル期間の設定対象患者の設定対象外とする薬剤の設定医療機関と薬局との連携トレーシングレポート(服薬情報提供文書)の活用があげられ、実際の運用を巡って中医協でどう詰めていくのか注目される。

 

【事務局のひとりごと】

 

 筆者が駆け出しの営業の頃、

 「〇〇君!!(筆者の名前)、悪いけどこの診察券を□□病院の受付に出して、薬だけ貰ってきてくれ。これで払っておいて(お金を渡される)。」

 「…結構営業で忙しいのに」、そう思いながらも支店長からの命令では逆らう由もない。

 そこそこの渋滞を潜り抜け、いざ病院へ。受付に出すと、

 「△△さんですか?ご本人は来られていないのですか?」

 と怪訝そうに聞かれ、

 「先生にはいつも言っているので問題ない(と言うように言われていたので)と聞いています。何でしたら本人から電話を入れさせますが?」と返答すると、

 「・・・分かりました。」

 となって、しばらくするとお薬の登場だ。

 当時はまだ院内処方が主流だったので、病院で処方してもらい営業活動に戻るべく、急いで会社に帰り、薬を支店長に届ける。

 「あの支店長、今日の活動の分は売上行かなくても怒らないでくださいね。」

 などと言ったら怒られる。

 「あほかお前は?それでも数字をなんとかいく(達成する)のが営業じゃろうが!!営業に不可能はねぇ(ない)。」そんな言葉が返ってくることだろう。

 結局、そう自分に言い聞かせて1時間以上遅れての営業活動スタートだ。

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 診察もなしで薬を処方してもらう。今も昔も当然アウト」な行為だ(しかも代理の人間に頼むなんて)。しかし、意外にもこういった行為をしたいという欲求にかられる方は多いのではないか?それほど定期的な投薬に対して、診察を受けるまでの通院、待ち時間、処方を待つ時間、自分の体のことであるのは勿論だが、だからといって診察を受ける必要性すら患者自身が感じない、形骸化された薬をもらうだけの行為になっていた、という側面があったからではないか。

 

 翻って現在。

 

 「〇〇様。このお薬を継続して服用されていますが、体調にお変わりありませんか?」

 「今回はこれまで処方されていない薬があるようですが、どうかされたのですか?」

 

 大変申し訳ないが。

 つい先ほどまで、診察時に医師と似たような会話をし、処方箋をもらって調剤薬局にいくと、調剤薬局としては、地域の保険医療機関でもあり、患者の管理を行うという責任があるので、当然のことなのだろうが、そんなことはどうでもよく、

「早く支払いを済ませて帰らせてくれ」

 というのが心の声だ(あくまで筆者は)。

 薬剤師の方を信頼していないわけでは決してない。しかし、先ほど医師と話してきてオーソライズされた処方内容を、ずっと継続されて同じ投薬がなされているにも拘らず、毎度同じことを聞かれても、「特に問題ありません」と答えるしかない。問題があったら医師に言っている。

 診察がしっかり行われている前提であれば、調剤薬局では余計なやり取りはせず、ささっと帰りたい。

 それくらいに思ってしまうほど、継続的な投薬で数値をコントロールしているだけなので、医師による診察か、あるいは薬剤師による体調管理のアドバイスのどちらかで、診察と調剤にかかる時間が半減するのであれば、それはそれで結構だ。時間がもったいない。

 

 こんな患者がどれぐらいおられることだろうか?

 リフィル処方箋は、

 「薬が欲しいだけ患者

 には、非常に便利な仕組みなのかもしれない

 

 コメントを紹介したい。

 

〇厚労省:中医協でリフィル処方箋導入了承。処方箋様式を変更し、「リフィル可」欄に医師がレ点を記入

 中医協は1月26日開いた総会で、2022年度診療報酬改定においてリフィル処方箋の導入について了承した。処方箋様式を変更し、「リフィル可」欄に医師がレ点を記入することで、リフィル処方が可能になる。リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとし、新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬などは投与できない。調剤する薬剤師には、次回の調剤予定を確認することや、服薬状況から調剤をすることが不適切と判断した場合は受診勧奨を行うとともに処方医に情報提供することも求めた。

 リフィル処方箋により、当該処方箋の1回の使用による投与期間が「●●日以内」の投薬を行った場合は、処方箋料における長期投薬に係る減算規定を適用しないこととする。「●●」の部分は、2月に予定されている答申時に決定する。紹介率が低い病院では現行、一部の薬剤を除き、1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行った場合には、所定点数の100 分の40相当に減額される。

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 本文にもあったように、今改定の「本体プラス0.43捻出のために、リフィル処方箋の導入・活用促進による効率化がマイナス0.10%の財源となっている。

 ちなみに、2019年度の国民医療費は44兆3895億円。この1%が減るとなると、医療費の増加幅が4438億円分抑えられる計算だ。0.1%だと約440憶円の財源だ。0.1%といえども、いざ金額に置き換えてみると結構な金額である。つまり、リフィル処方箋導入によって削減されるのは、患者にとってみれば、例えば再診料や管理加算、処方箋料は3回に一度の負担で良くなるわけだ。

 金額にしてみれば、だいたい個人負担(3割)だと1,300円/回といったところか?これがレセプトに置き換わる(7割)と、3,000円程度。合計で約4,300円。クリニックの収入4,300円は、3か月に一度しか入らなくなる。一体何人の対象患者がいるのか?点数が決まったらシミュレートしなければならないだろうが、「お薬だけ(処方箋だけ)患者」の医業収入は確実に減ることだろう。そのボリューム日本全国で約440億円、ということになるだろうか。(※1)

 

 次はこんなコメントだ。

 

〇健保連理事:患者、医療機関双方にメリット

 1月26日の中医協総会で、支払側の松本真人健康保険組合連合会理事は、「新薬や麻薬、向精神薬、湿布薬を除いては特段の制限を設けず、医師が判断して繰り返し使用できる処方箋を発行した場合、長期処方による減算を受けないということで、患者、医療機関双方にメリットがある」との見解を表明。その上で、上限が3回と定められていることについて、「分割調剤を引きずっているのかという印象を持っている。まずは実効性を高める観点から、通知や事務連絡を含めてこれ以上の制限をかけずにスタートし、医療現場と患者の認知度を高めながら、活用が広がることに期待している」と述べた。

 

〇日医常任理事:医師や患者さんの対応がこれまでと異なる可能性もある>

 中医協総会で診療側の城守国斗日本医師会常任理事は、「患者にとって適切な治療が行われることに十分配慮した運用が現場でなされることを期待している」と述べ、「長期処方にはリスクがあるし、不適切な長期処方は是正が必要だ。そのために定期的に患者さんを診察し、医学的管理を行うことが安心・安全で質の高い医療であると考えるし、実際に過度な長期処方、医学的根拠が問われかねないというために、日数制限がないと言っても、医師は無制限には処方は行わないのが現実だ」と改めて主張した。その上で、「今回、リフィル処方箋という新しい仕組みができることによって、医師や患者さんの対応がこれまでと異なる可能性もある。新しい仕組みを導入する際には患者さんの健康に大いにかかわるということで、慎重の上にも慎重に、そして丁寧に始めることが望ましい」と強調した。

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 「分割調剤」という言葉が出てきた。これについては本文中【図-2】分割調剤とリフィル制度の違い を参照いただきたい。

 

 支払い側は「患者、医療機関双方にメリット」と、導入に賛成の立場である。

 

 日本医師会(診療側)のコメントは慎重を期すという立場であるが、臨床現場の医師からコメントをいただいた。

 

〇開業医:受診回数の減少につながり、リフィル倒産も

 開業医。リフィル絶対反対。薬局が儲かり、受診回数の減少につながり、医療機関が閉塞するのみ。リフィル倒産がある。

 

〇開業医:処方箋料がかなり上乗せにならないと大幅に収入減

 開業医。処方箋料がかなり上乗せにならないと大幅に収入減になる。どんな仕組みで折り合いをつけるのか注目している。

 

〇内科の開業医では収入の大幅な減少につながる

 内科の開業医では収入の大幅な減少につながり、開設者は従業員の人数や給与を減らしたり、規模の縮小や見直しを迫られたりすることが必至で、全国的に、特に地方における医療の担い手の減少に拍車がかかる懸念がある。

 

〇勤務医:結果的にポリファーマシーを予防できる

 本来違法である、診察なしの「薬だけ」受診が横行しているのだから、そういう対応が可能なケースは、リフィルでいいと思う。その都度、処方をするのが間違いなくでき、結果的にポリファーマシーを予防できると思う。

 

〇勤務医:処方箋の使い回しは、事務処理上、トラブルの原因に

 勤務医。リフィル処方箋には反対。処方箋の使い回しは、事務処理上、トラブルの原因になりやすかったりしそうだ。2カ月処方であれば2カ月後に再診で良いと思う。こちらの預かり知らぬところで勝手に薬の管理をされたくない。

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 リフィル倒産。そんなことも起こってしまうのだろうか。

 処方箋料の上乗せ。うーん、どうなんだろう?処方箋料を、例えば3倍に上げたとしても、実際には再診料や加算の方が点数が高い。厳密にいうと人件費や設備投資等で原価はかかっているのだが、分かりやすく言うと、最も限界利益率の高い点数こそ、再診料や加算なので、それが3回に1度の算定となると、確かにこれまで算定している医療機関では恐ろしいと感じることだろう。

 本来違法の診察なしの「薬だけ受診は、「ない」とは言えない現状もあるようだ。30年も前の話ですが、片棒を担いでしまってすみませんでした(誤るのは筆者というより、頼んだ側の支店長なのであるが…)。

 

 今度はこんなコメントだ。

 

〇病院経営層:薬価引下げ財源の診療報酬本体振替えを一方的に反故にした5回連続のネットマイナス改定に怒り

 安倍政権下で強められた医療費抑制が岸田政権でも継続され、薬価引下げ財源の診療報酬本体振替えを一方的に反故にした5回連続のネットマイナス改定となる(2014年度は消費税対応を除き実質ネットマイナス)。しかも、診療報酬本体に相当する改定率+0.43%は、新型コロナウイルス感染症到来前の2020年度の同改定率+0.55%よりも低い。受診控えに伴う心身状態悪化や重症化が相次ぐ中にもかかわらず、「リフィル処方箋」を導入・推進して受診を間引くよう図る改悪に怒りを感じる。

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 点数を即物的に捉えると、そう思ってしまうお気持ちも分からなくもない。

 先の、中医協の支払い側のコメントで「患者・医療機関双方にメリット」とあったが、例えば、「薬のみ」患者が減ることで、医師より中身の濃い医療を必要とする患者さんに医療資源を振り向けることができたり、多くの患者を受け付けたり、待合室が混みあうことによる待ち時間のクレームも緩和されるかもしれない。つまり、配置人員を緩和することで、人件費削減につながったりする、もしかすると、そんなことが先の「医療機関にとってのメリット」として考えられていることなのだろうか

 

 今度は、今回のリフィル処方箋導入で活躍が期待される薬剤師からのコメントを紹介したい。

 

〇リフィル処方箋の普及により患者の生活圏内の薬局が重視される

 リフィル処方箋の普及により患者の生活圏内の薬局が重視されるようになり、基幹病院の門前薬局は影響を大きく受けるだろう。もっとも、大学病院など基幹病院の周辺に薬局だけが軒を連ねている風景自体が異常な風景だと思う。

 

〇薬剤師の指導が役に立つようになると思う

 薬剤師の指導が役に立つようになると思う。処方元の病院との連携もますます密になり、病院の医師は、診療する時間、仕事にかかる時間に割くことができ、医療の質としては、結果として上がっていくと思われる。

 

〇リフィル処方箋に対応できる薬局薬剤師がどれだけいるのか疑問

 リフィル処方箋に対応できる知識技量のある薬局薬剤師がどれだけいるのかが、疑問。患者の予後を悪化させることが心配だ。

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 門前薬局地域密着指導知識技量調剤を取り巻くキーワードだ。やはり、薬剤師自体の知識技量のレベル向上は、厚労省としては最も期待していることなのだろう。調剤薬局の位置づけはあくまで「保険医療機関」であり、ただ「処方箋に基づいて薬剤を調剤してお渡しするだけの存在ではないのだ。

 であるので、筆者が心の声で「いいから早く支払いを済ませて帰らせてくれ」などというのは失礼千万な話であるのだ。敢えて言わせてもらうと、こちらからいろいろ相談したくなるような声掛けをしていただけると、少しは会話も弾みそうだ。これからの薬剤師には、知識技量は当然のことながら、コミュニケーション能力、患者の要望を「聞く力」が求められるはずだ。

 

 医業系コンサルタントからはこんなコメントだ。

 

〇医療機関は、自院でのリフィル処方運用方法を今から検討を

 医療機関は4月からリフィル処方箋の制度開始に合わせ、①そもそも自院ではリフィル処方を導入するのか、②導入する場合、ガイドラインに照らし合わせた上でどのよう患者を対象とするのか、③導入しない場合、患者からリフィル処方箋の要望があった際にどのよう説明するのか(どう断るのか)、④調剤薬局との確認事項、連携方法のすり合わせ-など、自院での運用方法を今から検討しておくべきである。

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 まずは様子見。いち早く検討。どちらを採るべきか。改定前のこの時期、医療機関は非常にやきもきされていることだろう。

 

 患者からはこんなコメントだ。

 

〇リフィル処方導入によって受診する際の医療費負担が減ると期待

 糖尿病や高血圧症などで内科に加え整形外科も受診し、10種類近い薬を服用しており、毎月の薬代が1万円を超える月もある。処方箋を反復使用ができるリフィル処方導入に受診する際の医療費負担が減ると期待する。

 

〇リフィル処方箋導入で「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」が身近に

 リフィル処方箋が導入されると、薬について相談する薬剤師の役割が重要になると聞く。「かかりつけ医」とともに、テレビCMで聞く「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」が身近になってくるのではないかと思う。

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 やはり、自己負担が安くなることは、患者のニーズの大きな要素だと考えて間違いない。

 

 ところで最後になってしまったが、本文中の【図-1】 海外におけるリフィル制度 はご覧いただけただろうか?ドイツ・日本・韓国以外はリフィル制度を導入しておられる先進国だ。

 

〇症状が安定しているリフィル処方薬は家に郵送されとっても便利

 米国に住んでいたときは、症状が安定しているリフィル処方薬は家に郵送されてきてとっても便利だった。日本の医療の遅れを感じている。

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 一概に海外が進んでいる、とは言うまい。しかし、医療費の伸びの抑制を企図したものであるかは分からないが、医薬分業と患者の利便性、医師の医療資源を、より高度な医療を必要としている患者に振り向ける、そういったことが実現できている国は結構ある。それだけは言えるのではないか?

 

 今改定で医師と患者、薬剤師と患者、この関係性は厚労省の思惑通りに変化していくのだろうか。リフィル処方箋導入が始まるまであと約2か月だ。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※1)・・・2022年2月10日付日本経済新聞(16頁/44頁)によると、厚生労働省の試算では国費ベースで医療費を110憶円程度の抑制する効果を見込んでいるそうだ。ちなみに「国民医療費」とは、医療のためにかかった、患者負担も織り込んだ費用のことで、この「国費ベースの医療費」とはその大半以上を占める内訳の一つだ。