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短信:イノシトールとタウリンがメタボ予防に効果的

2025年05月15日

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腸内環境の改善によるメタボ予防効果

 

 近年、日本では生活習慣病を患う人が増えており、厚生労働省の調べでは日本人の死亡者数の約6割を占めるまでに至っている。生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されている。その生活習慣病と深く関係しているのがメタボリックシンドロームである。肥満症とメタボリックシンドロームは混同されやすいが、実は明確に区別がされる。肥満症はBMIが25を超えていることが1つの条件とされているが、メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満がベースにあり、高血圧・高血糖・脂質代謝異常のうち2つ以上が合併した状態のことを指し、BMIではなく内臓脂肪の蓄積が認められることが条件となっている。この状態を放置したままにすると、動脈硬化や脳卒中、糖尿病などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まるとされている。これまでメタボリックシンドロームの原因はエネルギーの過剰摂取や動物性脂肪の摂りすぎが主要因と考えられてきたが、近年、砂糖(ショ糖や果糖ブトウ糖液糖)などのフルクトースを含む糖)が大きな原因であると分かってきた。2015年にはWHOが1日の砂糖の摂取を摂取エネルギーの5%(小さじ6杯分)に抑えるように勧告を出した。直感的には納得しやすい内容ではあるが、砂糖過剰摂取が脂質代謝異常(脂肪肝、中性脂肪血症)の原因となり、更にはメタボリックシンドロームを引き起こす機序は医学的にほとんど分かっていなかった。そのため、メタボリックシンドロームの予防法は砂糖の摂取抑制しか存在しなかった。

 名古屋大学大学院生命農学研究科の小田 裕昭 准教授らを中心とする研究グループは、これまでの研究により、砂糖の摂り過ぎが腸内細菌叢を変化させて脂肪肝や高中性脂肪血症を引き起こすことを突き止め、さらには腸内環境を正常化することで砂糖による脂質代謝異常が改善される可能性があることを見出した。植物性食品に多く含まれるイノシトールや海産物に多く含まれるタウリンは、生体内で浸透圧の調節する役割を持っており、両者とも脂質代謝の改善効果が知られている。本研究では、ラットに炭水化物としてスターチを与えたグループと砂糖を与えたグループを設け、砂糖を与えた群にイノシトールを与える群とタウリンを与える群を設けて、脂質代謝と盲腸の腸内細菌叢を調べた。イノシトールは効果的に脂肪肝を抑制し、イノシトールとタウリンともに、血清中性脂肪濃度を低下させた。イノシトールとタウリンは、砂糖によって変化した腸内細菌叢を改善し、また両者とも肝臓の脂質代謝関連遺伝子の発現を改善した。以上の結果から、甘いものを食べるときに、イノシトールやタウリンなどの食品を食べることで、脂質代謝の異常が緩和されることが明らかになった。そして、この効果が腸内環境の正常化によるものであることを明らかにした。本研究成果は、2024 年 8 月 オランダ科学雑誌「Food Bioscience」に掲載された。

 今回の研究成果は、腸内環境を整えることができれば、砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常やメタボリックシンドロームを予防できる可能性があることを示したものであり、他の食品成分による予防も可能になると考えられる。

 

砂糖の摂り過ぎによるメタボを改善する成分が明らかに ~イノシトールとタウリンが脂質代謝異常の改善に作用~ – 名古屋大学研究成果情報

生活習慣病とは? | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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