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No.740 「ヘルスデータを利活用したヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)」というキーワードが浮上

2023年01月16日

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◇「『ヘルスデータを利活用したヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)』というキーワードが浮上から読みとれるもの

・経済財政諮問会議で提言、ヘルスデータの利活用によるヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)

・ヘルスデータの利活用によるヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)は、社会保険制度の外での改革

・ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)には規制の見直しが必要

 

■経済財政諮問会議で提言されたヘルスデータの利活用によるヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)

 医療・介護・保健に関するヘルスケアデータを利活用した「ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)」という新しいキーワードが浮上してきた。

 政府の2023年度予算編成に向けた論議を進めている経済財政諮問会議(議長=岸田文雄首相)の12月1日会議で、岸田首相は「ヘルスケア・医薬産業の成長力強化、いわゆる、HXにつながる規制・制度整備に取り組むとともに、医療・介護資源の最適配分を実現するため、かかりつけ医機能の制度化や地域医療構想の実現、地域包括ケアシステムの深化等を進める必要がある」などと発言諮問会議の民間議員がまとめた「経済・財政一体改革における重点課題(社会保障)」の中でも「医療・介護のDX等によりヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)を進める」ことを提言した。

 

 諮問会議で政府の医療分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを報告した加藤厚生労働大臣は、「医療分野でのデジタルトランスフォーメーションを通じたサービスの効率化や質の向上により国民の保健医療の向上を図るなど、我が国の医療の将来を大きく切り拓いていく」との認識の下、①医療界や産業界とも一丸となって取り組んでいく必要があり、政府においても、縦割りを排し、省庁横断的に取組を推進する体制を整備する必要があることから、2022年10月に総理を本部長とする「医療DX推進本部」を設置、②医療DX推進本部の下で全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXなど各種施策について議論を進め、スピード感をもって取り組むための工程表を2023年春メドに策定予定であることを明らかにした(図6  医療分野のDXについて)。

 

医療・介護のDX等によるヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)には規制見直しを

 この日の諮問会議で十倉雅和経団連会長ら民間議員は「経済・財政一体改革における重点課題(社会保障)」を提出。その中で、「成長と分配の好循環実現には、個人消費に大きな影響を与える家計可処分所得の拡大が不可欠。そのためには、人への投資を通じた賃金・所得の上昇に加え、更なる踏み込んだ社会保障制度改革を通じて、現役世代の社会保険料負担の上昇を抑制していくことが重要。その対応として、医療・介護等の社会保険制度の中の改革を徹底するとともに、医療・介護分野の成長力強化という社会保険制度の外の改革にも取り組んでいくことが必要である」と提言した。

 

 提言では、医療・介護分野の成長力強化という社会保険制度の外の改革として、「医療・介護分野でDXを始めとする生産性の向上やヘルスケアや創薬等の市場拡大を通じて、国民の健康を増進し、医療・介護費の抑制や高齢者の労働参加による社会保障の担い手の増加に結び付けていくため、必要な規制・制度の見直しを抜本的に行う必要がある」と指摘。「医療・介護のDX等により、ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)を進めるとともに、予防・健康づくりを強化し、医療・介護費の抑制や、高齢者の労働参加による社会保障の担い手の増加を図るべき」と強調した(図7 ヘルスデータの利活用によるHXの推進)。

 

 ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)を推進するには、①ヘルスデータの基盤となる電子カルテ標準化医療・介護全般の情報を共有する「全国医療情報プラットフォーム」の創設は不可欠な基盤であり、確実に実現すべき。②同時に、民間事業者がイノベーションのためにデータを円滑に二次利用できるよう、現行の規制を見直すべき。具体的には、上記プラットフォーム等にある幅広い個人情報を、研究開発に適した形で匿名化した上で、その扱いについて事前規制(二次利用に関する本人同意原則)から事後規制(事務負担の少ない形での事後規制であるオプトアウト)とする等の制度整備を行うべき。③健康・医療アプリ(SaMD)をはじめ医療機器の社会実装を促進するため、迅速に各種規制の見直しを図るべき-などと説明した。

 

 経済財政諮問会議では、ヘルスケア・医薬産業の成長力強化(HX)を推進する上で、電子カルテ標準化や医療・介護全般の情報を共有する「全国医療情報プラットフォーム」の創設は不可欠な基盤となる。さらに、民間事業者がイノベーションのためにデータを円滑に二次利用できるよう現行の規制を見直すことが必要であることが改めて強調された。

 

 

 


 「学童保育」という言葉をご存じだろうか。今ではあまり耳にしない言葉となったかもしれないが、両親共働きの家庭にいる低学年児童、いわゆるカギっ子」を対象とした放課後児童クラブだ。

 筆者は大学時代、大学周辺の放課後児童クラブに、原則毎週水曜日に訪問し、子どもたちと時間をともにする活動を主体としたサークルに加入していた。

 学童保育、学保も、れっきとした厚労省所管の事業であるが、その財政もさることながら、指導員の待遇決してバラ色とは言えない。当時大学生だった筆者も、学保で雇用されている指導員と意見交換をしている中で感じたのは、非常に意義深い仕事ではあるが、「この仕事で食べていくのは大変だ」ということだった。当時男性の指導員など一人もいなかったと記憶している

 看護師、介護福祉士に始まり、保育士の待遇改善も叫ばれているが、看護師・介護福祉士・保育士はともに国家資格者である。対して学童保育の指導員には必ずしも資格者であることは求められていない。あくまで両親のどちらかが家庭に戻るまでの放課後時間、児童の生活の一環についての面倒を見る立て付けなので、そこに「教育」という概念はない。学保の現場に「学び」がない、などとは毛頭思わないが、どうしても「生活」に軸足がおかれていることからも、人件費に回す予算は高くない

 厚労省におかれても、そもそも保育に対して、なかなか手が回らなかったということは認めておりだからこその現在の機運なのだ。学保に申し訳ないが、予算も含め、まだまだ手が回らない状況だろう

 何にしても、日々現場で頑張っておられる姿を見てきた筆者にとって、保育士なり、学保の指導員なりに世間の注目(必要性という点において)が集まるのは良いことなのだろうと思う。是非とも飛躍の年としてもらいたい。

 学保については、短信

学童保育待機1.5万人 (5月時点)政府、ゼロ目標達成できず」

を、是非ともご参照いただきたい。

 

 今回のテーマは、そういった身近な話題とはいきなりうって変わって、「HX」というキーワードについてである。

 一体、誰がこんな言葉を考えつくのか?次から次へと横文字が登場する。「DX」はコロナ禍が始まりだした頃から注目を浴びてきた記憶がある。

HX」。

筆者なりに解釈すると、それは「ヘルスケア版のDX」なのだろう。

 

コメントを紹介したい。

 

〇経済産業大臣:PHRをビッグデータとして活用、新たな創薬や治療薬の開発が期待

 西村康稔経済産業大臣。医療介護のDXとして健康医療情報、いわゆるPHRを活用することによって、ミクロの視点では個人の健康状態や嗜好に合わせたメニューの推薦、個別化したサービスの仕組みができるとともに、マクロの視点ではビッグデータとして活用して、新たな創薬や治療薬の開発が進むことが期待される。

 


 「PHR」。

 またしても横文字だ。Personal Healthcare Recordのことを言う。

 

 加藤厚労大臣からはこんなコメントだ。

 

〇厚生労働大臣:プログラム医療機器をはじめ新たなカテゴリーの医療機器に対応した医療保険におけるイノベーションの評価

 革新的医療機器創出のための官民対話で加藤厚生労働大臣は、2022年5月に策定した第2期医療機器基本計画でプログラム医療機器をはじめとした新たなカテゴリーの医療機器の登場等、医療界を取り巻く環境の変化も踏まえ、これらの目標の達成に必要な施策を定めた。具体的には、サプライチェーンの強靱化、医療保険制度におけるイノベーションの評価、迅速な薬事承認体制の構築、研究開発人材の育成、企業とアカデミアのマッチング促進等が必要であり、厚生労働省として、関係省庁に加え、産業界、アカデミアの皆さんと協力して取り組んでいきたい。


 地域医療構想のテーマは、具体的すぎて窮屈なコメントにしかならなかったが、翻って、未来に向かうこちらのテーマ足取りも軽い。それこそ

 

「兎の子生まれっぱなし」

 

でも良いのかもしれない。無責任はちょっと困るが。

 

 経済財政諮問会議の民間議員からのコメントを紹介したい。

 

〇経団連会長:DX、科学技術イノベーションなど重点分野に国内投資を促す取組を

 十倉経団連会長。経団連は、目指すべき経済社会の在り方として、「分厚い中間層の形成」を掲げている。そして、この「分厚い中間層の形成」に向けた経済財政運営には、3つの分野の取組がポイントとなると考えている。その3つとは、1に全世代型社会保障、2にマクロ経済政策、3に労働政策。このうち2つ目のマクロ経済政策については、持続的な経済成長には中長期的な視点に立ってGX、DX、人への投資、科学技術イノベーション、スタートアップといった重点分野に対して官民で連携して国内投資を促す取組が必要。もちろん国内投資の中心は我々企業による民間投資であり、政府におかれては、中長期の視点から「ダイナミックな経済財政運営」により計画的に政府投資を行うことで、企業の予見可能性を高め、民間投資の後押しをぜひお願いしたい。

 

〇新浪議員:新たな産業を構築。DXなどは新たな産業には欠かせない

 新浪剛史サントリーホールディングス代表取締役社長。現在の政府が主導してきた経済運営、いわゆる財政主導の経済運営を民間主導へどう切り替えていくかが非常に重要。正規雇用を中心とした質の高い雇用をつくり、人材移動の活性化を行い、大・中小企業全てにおいて、アニマルスピリッツにおいてダイナミックな新陳代謝を起こして、その結果として生産性も持続的に向上させる。こういう環境をつくっていくことが必要。この際、新陳代謝によって、新しい企業も生まれてくる。そこで重要なのは、リスキリング並びに人材移動の活性化により、より賃金が高いところへ移動できるという希望を持ってもらえるような仕組みをつくること。そして、まさに新たな産業を構築していくことも不可欠。例えば、DXなどは新たな産業には欠かせないものであり、それらをしっかりと活用できる仕組みをつくり込んでいくことが重要。


 横文字のオンパレードだ。

 昨年9。関西学院大学 教授 村尾 信尚氏講演を聴く機会があった。氏は、元財務官僚で、大蔵官僚を経験後、日本テレビ系「NEWS ZERO」のメインキャスターを務められた方だ。「Animal spirits」のタイトルでのご講演で、自治体でのお役人時代、「江戸から来た悪代官『デーモン村尾』」の異名で恐れられたこともあるくらい(11.6憶円のカラ出張を告発、ガラス張りの行政を訴え続けた のだそうだ)、事なかれ主義とは対極の位置の考え方を持たれた方だった。アニマルスピリッツとアントレプレナー(起業家)はよくセットで話題に上ること多いが、この講演でもそうだった。

 新浪委員の仰る「ダイナミックな新陳代謝」、耳障りは良いが、反面、ものすごい競争社会になることも意味している。何らかの発展は当然するだろう。しかし、その発展を「光」とするなら、強烈な輝き故に「」もまた、色濃いものになる可能性は大だ。政財界はそれをどう捉え、アニマルスピリッツリスキリングDXどう活用していくべきなのか?

 

 HXということで、医療のビッグデータを扱う、電子カルテに携わる企業からのコメントを紹介したい。

 

〇DX、HXの推進には、電子カルテの標準化が必須

 今まで何度も繰り返し指摘されてきたことだが、DX、HXの推進には電子カルテの標準化が必須。2年に一度の診療報酬改定で電子カルテのベンダーは多大な労力をかけて医療機関の改定作業に取り組んでいる。ようやく国も医療DX推進本部を発足させ、電子カルテの標準化や電子カルテ情報の共有基盤の検討に本腰を入れ、工程表を作成することになった。PDCAサイクルを回し、速やかに進めてもらいたい。

 

〇電子カルテ等から得られるRWD/RWEを利活用した臨床試験・治験

 海外では、臨床試験に適したコホート(患者群)を探すのが困難であることから、電子カルテ等から得られるRWD(リアルワールドデータ)からRWE(リアルワールドエビデンス)を抽出し、臨床試験・治験分野への利活用が進んでいる。

 

〇病院経営を改善するためにツール、ERPとEHRの統合

 医療のIT環境としては、ERP(企業資源計画:Enterprise Resources Planning)とEHR(電子医療記録=電子カルテ)の2つがあり、それぞれ病院を回す上では重要なツールである。しかし、現状2つは独立しており、データの利活用がうまく行っていない。ERPとEHRを統合させることで、正確に常に最新の財務状況を知ることができる。


 RWD、RWE、ERP、EHR、いっぺんに新たな横文字が登場した。

 これ、一体どこの学校の授業で教えてもらえるんでしょうか?

 え?それくらい自分で独学しろ?天の声が聞こえてきた。

 リスキリングが叫ばれる時代、いついかなる時も学びにゴールはありませんね…。

 本文中にも出ていたが、データの二次利用のためには、幅広い個人情報(おそらくRWD)を、研究開発に適した形で匿名化したうえで、その扱いについて事前規制(二次利用に関する本人同意原則)から事後規制(事務負担の少ない形でのオプトアウト)とする等の制度整備を行うべき、という議論が諮問会議内でなされている。

 というか、現実には電子カルテの標準化さえ終わっていないのだが…。

 

 HXについて、医師からのコメントを紹介したい。

 

〇医療のHX、DX推進にはセキュリティの強化が必要だが、コストがかけられない

 コストの関係上、全ての病院やクリニックにおいて医療に特化したIT専門家がいるわけではなく、そのためセキュリティ対策が万全であるというわけではない。2001年10月31日、つるぎ町立半田病院がサイバー攻撃を受けた。電子カルテをはじめとする院内システムがランサムウェアと呼ばれる身代金要求型コンピュータウイルスに感染し、カルテが閲覧できなくなるなどの大きな被害が生じた。データの完全復旧まで2ヶ月かかった。医療のデジタル化を進めていく上で、セキュリティ対策は軽視できない。

 

〇医療機関には人員配置基準があり、DXによる人手の削減は困難

 医療DXを推進するには、一般企業であればICTやロボット導入により人手を減らすことができるが、医療機関では人員配置基準が設けられており、人手の削減はできない。どこかで「アウトカムを重視した」人員配置基準を考えていく必要がある。


 「ごもっとも」です。人員配置基準という概念生まれた当時ICTDX、ましてやHXという言葉など生まれていなかった。経済財政諮問会議は経産省マターだろうから、監督官庁の厚労省がどう思っているかはもちろん重要だが、そういう掛け声を無視するようなことはないのでは?

 同じ財源論でも「〇〇だからできない」ではなく、「こうするから□□してくれ」の方が議論建設的になるかもしれない。

 

 介護現場でもDXが叫ばれている(現場で叫んでおられるかは判然としないが)が、介護現場からのコメントを紹介したい。

 

〇LIFE加算取得に欠かせない介護DX

 2021年の介護報酬改定で新設された科学的介護に対する加算「科学的介護推進体制加算」(LIFE加算)の取得は介護事業所運営にとって欠かせない。次期2024年度改定ではLIFEの評価はさらに高まる。介護記録業務をデジタル入力し、適切な介護ソフトとの連携ができていれば、普段の記録やモニタリングからほぼ自動的にLIFEデータは生成される。より良い環境で利用者への質の高いサービスを実施するためには、DXを活用してLIFEに時間を割かずに済む入力環境を作り上げていく必要がある。

 

〇介護DXは費用対効果がシビア

 介護DXは、基本的に現場の効率運用のためのシステムであるため、はっきりと利益貢献が数字で表れにくく、費用対効果を求めることが難しいという壁に突き当たる。導入する経営者・管理者側も、成果が出ていると分かれば余裕をもって長い目で運用を現場に任せられるが、成果が出ている実感がなければ現場にしっかりと運用することを求めざるを得ない。


 LIFEの入力については、その手間感はよく言われているところだ。また、費用対効果のためには「見える化」が課題と、HXという掛け声レベルなら、話はウキウキするのだが、現場の問題が入った瞬間に急に現実に引き戻される。財政諮問会議のメンバー、つまり大企業の経営者は、それを解決してこその今があるはずだ。ブレイクスルーは、やはりその業界でなさねばならない、という叱咤激励なのだろう

 

 今度は創薬業界からのコメントだ。

 

〇AIで創薬を効率化

 一般的には1つの新薬を開発するために、2000億円以上の費用と約13年の期間がかかり、基礎研究段階から見た成功確率は2万~3万分の1といわれている。そして、これらのコストは年々上昇する傾向にある。最近注目されるようになったのが、AI(人工知能)で創薬期間の短縮とコスト削減を実現化しようとすることである。また、AIは既存薬を他の病気の治療に転用する「ドラックリポジショニング」にも応用されている。日米などで整備が進んでいる既存薬の効き目、副作用、投薬の結果としての遺伝子の変化等のデータベースを活用し、AIで新しい効果の予測を行う。


 創薬は、未開の領域を開拓せねばならず、未開の領域故に可能性は無限かもしれないが、仮に開拓が成功したとしても、万人が必要とする領域の創薬と、市場拡大につながるには、素人目ではあるが結構メジャーどころは開拓が進んでいるように見える。従って、労力と見入りのバランスは年を追うごとにあまり良くないのかもしれない。そうすると開発(スクリーニング含め)に要するコストの低減がAI導入ではかられるのであれば、それはDX、いやHXなのだろう。

 

 昨今話題になっている、SaMD業界関係者からのコメントを紹介したい。

 

〇費用対効果が高い治療用アプリは、医療費適正化に貢献

 治療用アプリ(プログラム医療機器SaMD)は、高い医療費や医療間格差の是正にも良い影響を及ぼす。日本の医療費は年間約45兆円で、近い将来50兆、60兆円にも増大すると試算されている。高齢化の影響もあるが、値段が数千万円する新薬や億単位の手術ロボットなど先端医療が登場しているのも医療費高騰の一端だ。ひとつの新薬を出すのに最低で平均1000億円要る。アプリの開発コストは治験費用を含めてもその数十分の一、数億から数十億円だ。新薬より圧倒的にコストが安く、費用対効果が高い治療用アプリは、医療費適正化に貢献できるのではないか。


 創薬には桁違いのお金がかかるということがよく分かった

 

 最後に、組合員の医療情報(ビッグデータ)を活用する健保組合からのコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

〇企業健保と連携したヘルスデータサイエンス「コラボヘルス・プラス」

 健診・レセプトデータの完全電子化と健保経営の効率化への強い要請など を背景に、健保組合が所管する医療・健康データを資源として活用する「データヘルス」、なかでも健保組合と事業主が連携して従業員の健康増進や病気の予防を実現し、健康経営に取組む「コラボヘルス」への機運が高まっている。このような背景から、低コストで質の高いヘルスデータを活用した研究を行いたい研究者と、所管する健康・医療データを高度に活用して従業員の健康増進や経営効率化につなげたい企業健保組合と事業主が連携して共同研究を行なう、従来型のコラボヘルスの取組みからさらに一歩進んだ先進的なヘルスデータサイエンス(「コラボヘルス・プラス」)の動きが広がっている。

 

〇健康保険組合員の健診やレセプトデータの“データドリブン化”

 データドリブン(Data Driven)とは、売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなど、データに基づいて判断・アクションすることである。今まで、ビジネスにおいて様々なデータに基づいて判断・アクションするということは行われてきたが、近年、医療やヘルスケア業界においても、急速な“データドリブン化”の動きが起きており、大きく注目度が高まっている。データヘルスの運用により、健康保険組合員の健診やレセプトデータの大半が電子化され、分析に使用可能となったことで、近い将来にはデータヘルスにおいてもデータドリブン化が進むことが期待される。日常生活の中で取得できるデータが新たな「予防医療」を可能にし、病気発症後の治療においても、ライフスタイルや環境などのデータが参照されるようになり、さらなる健康支援が可能となっていく。

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 携帯端末に自分独自のデジタルペットを飼う。

 そのペットは持ち主との意思疎通さえ可能な進化したAI機能を持っている。

 ペットとの会話は、音声にとどまらず、脳内直接リンクで、はた目には黙っていて見えていても、脳内会話が可能である。

 因みに携帯端末は全国民が所持しており、中身のソフトは標準化されているものの、その形状は個人の嗜好でいかようにもカスタマイズされ千差万別だ。スマホ型を選択する人は多いが、他にもヘッドホン型、剣型、拳銃型、カメラ型、携帯扇風機型、ぬいぐるみ型、化粧セット型などなど…。

 プリインストールのアバターを使う分にはペットにはそれほどお金がかからないのだが、最低でも餌代は要る。現在で言うところのスマホ基本料金のようなものだ。その上にカスタマイズしようとすれば、それなりにお金がかかる。有名デザイナーによるデザインのアバター、服装、装飾品、声、アクセサリー…。決済はもちろんキャッシュレス。ビットコイン的なもの以外の電子マネー、健康増進ポイントをはじめ、ポイントもなんでも使える。他の人のペットよりもお金をかけるなり、工夫をするなりでオリジナリティに富んだペットが誕生する。

 ペット紹介のSNSも超人気だ。人の羨むようなペットを持てば、飼い主としても誇らしい。そんな時代だ。

 もはや持ち主とデジタルペットは切っても切れない関係だ(もしかするとそれは自分の分身 とさえ言えるのかもしれない)。

 

 ある時、政府からの強制アップデートでデジタルペットに「予防医療」機能が搭載された。

      ・      ・      ・      ・

 昼食時。

「〇〇!!」(飼い主の名前。切っても切れない関係なのでニックネームか呼び捨て)

 「お昼にラーメンとチャーハン、血糖値が上がるよ!やめときな!食べただけで○○の寿命が2時間45分と20秒、縮んじゃうぜ!取り返そうと思ったら、明日10kmのランニングは必要だね。」

 「高たんぱくで低カロリーなら、チキンにしなよ。ただし油を使わない調理法で。唐揚げは駄目。ハンバーガーも禁止。動物性たんぱくの摂取は温室効果ガスも生んじゃうことにもつながるし、止めるべきだよ。足らない栄養素はちゃんとサプリも採りなよ。ね?」

     ・      ・      ・      ・

 「夕食にロースステーキ!? 気でも狂った? 牛一頭育てるのに一体どれだけのCO2が排出されてるか分かってんの?」

 「そんなの食べるなら僕もう〇〇のペットやめちゃうよ!!今から自己消滅プログラム作動させよっかな~(笑)」

 

 …君にどれだけお金をかけて来たか分かってんの!?自己消滅なんてされたらたまったもんじゃない。

 

 少し近未来、HXが生活に溶け込んだ生活風景を想像してみた。ツッコミどころ満載の、変な初夢だった。こんなペット、絶対に願い下げだ。しかも脳内に直接語りかけてくるなんて…。逃げられない。

絶対に飼うもんか。

 

 いろいろなものが予測出来て、見える化がどこまでも発展した社会。知らない方が幸せだったなぁ、なんてことを未来の世代が思わぬよう、我々現役世代が遺せるのは果たしてどんな未来なのだろうか

 そしてそのために何をなすべきなのだろうか

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

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