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No.682 2021年3月からマイナンバーカード活用した健康保険証オンライン資格確認がスタート

2020年08月15日

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■マイナンバーカードで被保険者の資格をオンラインで確認

 2021年3月から健康保険証のオンライン資格確認等システムがスタートし、医療機関や薬局の受付窓口に「顔認証付きカードリーダー」が設置される。カードリーダーは社会保険診療報酬支払基金に申し込み配布されるが、医療情報化支援基金から費用補助がなされ医療機関等の負担はない。その申し込み等に関する厚生労働省の医療機関等向けポータルサイトが2020年7月に開設された(https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/)。

 

 保険医療機関等では、治療等を行った患者本人に医療費の1~3割の支払いを求め(窓口負担)、残りの7~9割を患者が加入している医療保険に請求する。このため、医療機関の窓口で「患者がどの医療保険に加入しているのか」を被保険者証で確認することが極めて重要となる。しかし、「企業で働いていたサラリーマンが、退職後にも在職中の被保険者証を返還せずに使用して診療を受ける」という事例が少なくない。この場合、医療機関はその被保険者証を発行した保険者に請求するが、既にその人はその医療保険から脱退しているため、医療機関への支払いが行われないことや保険者が退職者分の医療費を負担するという問題が生じることになる。

 この問題を解消するため、厚労省はマイナンバー制度のインフラを活用した「オンライン資格確認等」システムを2021年3月から導入する。支払基金・国民健康保険中央会で全国民の資格履歴を一元的に管理し、医療機関が患者の提示したマイナンバーカードや被保険者証をもとに、窓口で「患者がどの医療保険に加入しているか」などを即時に確認できる仕組みである。オンライン資格確認等システムは2021年3月から稼働しはじめ(当初は6割の医療機関等でスタート)、2023年3月にはほぼ全ての医療機関で実施可能な体制を整備したい意向だ(図2 オンライン資格確認の導入)。

 

■オンライン資格確認の成否は、ひとえにマイナンバーカードの普及にかかっている

 医療機関等の窓口では、患者が提示したマイナンバーカードのICチップをカードリーダーで読み取り、オンラインを通じて患者の医療保険の種別を確認する(図3 顔認証付きカードリーダーにおける「患者の本人確認」と「薬剤情報等の閲覧の同意取得」について)。

 

 このため、各医療機関等に「顔認証付きカードリーダー」と「資格確認端末」が設置されていなければならないことから、厚労省は2019年度予算で公費300億円を投じ「医療情報化支援基金」を設け、機器設置費用を補助する仕組みを整備した(2020年度予算では国費768億円を積み増し)。

 

 オンライン資格確認等システムを活用して、全国の医療機関等で患者個々人の薬剤、手術・移植、透析などの情報を確認できる仕組み(EHR)国民一人一人が自分自身の薬剤・健診等情報を確認できる仕組み(PHR)電子処方箋の実現を目指しており、例えば、電子処方箋では「オンライン資格確認等システムの中で医療機関が薬剤情報と連携して、処方箋を登録。調剤薬局でオンライン資格確認等システムにアクセスし、登録された処方箋情報に従い調剤を行う」仕組みが検討されている。

 

 新型コロナの影響を受けた家計を支援する一人10万円の「特別定額給付金」のオンライン申請で脚光を浴びたマイナンバーカード。しかし、国が交付を始めて4年になるマイナンバーカードの取得率は低調で、今年4月で国内の全住民の16%(2033万枚)に過ぎない。マイナンバーカードを活用した医療保険のオンライン資格確認の成否は、ひとえにマイナンバーカードの普及にかかっているようだ。

【事務局のひとりごと】

 

マイナンバーカード、果たして読者諸氏におかれては発行手続きをされただろうか。9月から始まる最大25%といわれる還元率のキャッシュバックを受けるには是が非でも必要なツールである。

 

必要な手続き

・マイナンバーカード発行(←これだけでも上半身の写真を撮影(しかも無地で)(※2)、役所に予約して家族全員で行く 暗証番号設定する(子どもの分も)、などの結構なハードルがあるし、入手までにそこそこの手続きが必要だが割愛する)。

・マイナポータルのアプリをインストール。

・マイナポイントに関するアプリをインストール。

・そのアプリでマイナポイントを予約(マイキーIDを発行する)。

・マイナンバーカード発行手続きの際に設定したパスワードは忘れずに(でもマイナンバーカードには書かずに)。

・マイナンバーカードそのものも、いちいち読み取りを求められ、パスワード入力も求められるので、かなりの面倒感を覚えるが、登録作業にはカード読み取り機能付きのスマホが最も便利だろうと思われる。

・キャッシュバックを受ける電子決済手段を選択(100社程度のサービス事業者から選択。例えば“PayPay”なら“PayPay”をインストール)。

・マイナポイントに関するアプリで希望する電子決済手段と紐づけ。

・あとは(やっと?)9月からのサービス開始を待つだけ。チャージ、決済が2021年3月末日までが対象となる。

 

 また、

・但し、国の予算は早い者勝ち。2,458億円の予算でポイント還元の原資として2,000憶円(‼)とのことだが、なくなり次第終了らしい。さらに25%の還元率とはいえ、一人5,000円が上限(つまり20,000円分の買い物をして初めて5,000円分となる。

・2,000億÷5,000円→4,000万人分経済効果は、全員が20,000円使用したとして8,000億円規模

・スマートフォンなどを持っていない、あるいは決済機能を持たせていない、という前提であれば、理論上はマイキーIDが一人ひとり異なるので子どものマイナンバーカードで登録することは可能だろうが(その作業を大人が自分のスマホで行うのか?ここが今一つ判然としない)、小さな子どもをポイント還元の対象者とするには、親御さんの手続き能力次第ということになるだろう。

・そんなわけで現在電子決済業者は、利用者の希望だがキャッシュバックを受けられるのは一人1社からとしかなり得ないので、20,000円を使ってくれる顧客の囲い込みに躍起となっている。

・たかが5,000円とあなどるなかれ。数か月前までコンビニエンスストアなどでキャッシュレス還元が行われていたが、一買い物当たりせいぜい良くて〇円~〇十円程度でなかったか?

・ペットボトル1本買っても最大5円、コンビニエンスストアなら2円程度だった。

・つまり5,000円÷2円、ペットボトルで例えるならば、コンビニエンスストアで2,500本くらい買わないと(20万円以上の買い物)、そのキャッシュバックは受けられないのだ。

・ゆえに国としても普及に相当本気なのだということだけは理解できる還元率なのだ。

 

 これも今月号のもう一つのテーマでも触れた、「デジタルニューディール」の一環なのか?

 

 コメントを紹介したい。

 

 〇まずは医療機関、調剤薬局は、厚労省のポータルサイトに登録を

 厚労省社会保障審議会医療保険部会で、保険局医療介護連携政策課の 山下 護 課長は、「すべての医療機関、調剤薬局に登録をお願いする。まずは、厚労省のポータルサイトに登録してもらえれば、カードリーダー配付はもちろん、補助金(オンライン資格確認のためのシステム改修費)情報等の提供、医療機関・薬局サイドからの情報収集が可能になる」と述べ、2021年3月からの稼働を目指したいことを強調している。

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 医療従事者への慰労金申請をはじめ、こちらも申請と、医療機関は申請で大忙しだ。これも利便性向上のためである。

 

 と思おうとしているとこんなコメントが。

 

〇そもそも高市総務大臣をはじめ歴代の総務大臣は、マイナンバーカードの電子申請システムを使ったことがなかった

 特別定額給付金を司る総務省トップの高市早苗総務大臣が、マイナンバーカードの電子申請システムを使ったことがないことが明らかになっている。5月20日の衆議院内閣委員会で立憲民主党の中谷一馬議員の「マイナンバーカードを使って何らかの電子申請をされた経験があるか」との質問に、高市大臣、さらに総務大臣経験者の 菅 義偉 官房長官も「ございません」と答弁したという。一方、経産省官僚出身の西村康稔経済再生担当大臣は、「毎年確定申告についてマイナンバーカードを使ってe-Taxで行っている」と答えた。

 高市氏の前任の 石田真敏 衆院議員をはじめ、当時の総務副大臣、政務官の政権担当者全員がマイナポータルでの申請を利用したことがなかったという2019年2月の総務委員会の議事録もあり、自分たちが生みだした制度に対する当事者意識の欠如が問われる(総務委員会の議事録:発言目次 No.068以降の遣り取りを参照)。

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 もしかすると他の議員におかれても似たような状況かもしれないが、デジタルニューディールで利便性が向上される、というのであれば、ご多用な大臣におかれては、ご面倒だろうが是非とも電子申請システムのご活用の上、その利便性向上を実感され、それがいかに有益であるかを、自分の言葉で国民にお伝えいただければありがたい。

 

 今度は医療現場からのコメントである。

 

〇医療機関:マイナンバーカードが患者と医療者の信頼関係を壊す火種になることを強く懸念

 政府は、マイナンバーカードでのオンライン資格確認について、患者本人が医療機関に設置されたカードリーダー等に読み込ませ手続きする仕組みと説明している。医療機関がマイナンバーと接触しないと言いたいのだろうが、現実社会はそうはならない。受診のたび必要になれば、マイナンバーカードは医療機関での使用頻度が最も高くなり、カードの院内での紛失等のトラブルが増える。いまでも保険証の院内紛失トラブルは少なくない。患者のマイナンバーの漏洩・悪用等が起これば、医療機関は真っ先に疑いをかけられる立場になる。このように、マイナンバーカードが患者と医療者の信頼関係を壊す火種になることを強く懸念している。

 

〇開業医:個人情報の漏洩をはじめ国の情報リスク管理は信頼していない

 そもそも私自身、個人情報の漏洩をはじめ国の情報リスク管理を信頼しておらず、マイナンバーカードは取得していない。政府は、マイナンバーカードは絶対他人に見せるなと告知している一方、保険証代わりにして持ち歩かせて紛失事故があった場合の対応を真剣に考えているのか心配だ。特に、高齢の患者が紛失する事故を恐れている。

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 GoogleなどのIT企業は、不完全かもしれないが、開発した新しい仕組みを、見切り発車的に市場に投入し、走りながら発生したバグを修正・改善しブラッシュアップしていくことで利便性を向上させてきた。「まずやってみる」ということをスピーディーに実行しているからこその現在の姿なのだろう。

 それでも、社会実装としての「まずやってみる」は、自動運転医療など、おそらく人命に近い業態であればあるほど、その前に完璧であることが求められなかなか導入に至ることができないというジレンマがある

 

 医業系コンサルタントからのコメントを紹介したい。

〇患者の過去の状況が分かることで、より適切な医療サービスの提供につながる

 健康保険証のオンライン資格確認では、患者の同意は必要となるが、マイナンバーカードを用いて過去3年分の薬剤情報や過去5 年分の特定健診情報の閲覧ができるようになる。患者の過去の状況が分かることで、より適切な医療サービスの提供につながる。

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 より適切とするために紐づけていくか、それとも、一元化されることで知られたくないことまで知られてしまうので紐づいてほしくない、という意見もあるだろう。たださすがコンサルだ。肯定的なコメントである。

 

 オンライン資格確認でスマートな受付風景を思い浮かべると、中でももっとも恩恵を被るだろう医療事務職員にその期待度を聞いてみた

 

〇果たして窓口業務が軽減されるのか疑問

 果たして窓口業務が軽減されるのか疑問である。これまでは受付で健康保険証を受け取り、保険証記号番号や氏名、生年月日、住所等を医療機関システムに入力する必要があった。マイナンバーカードによる健康保険証のオンライン資格確認では、これらの情報を自動的に取り込むため、窓口業務が軽減されると国は説明している。しかし、高齢患者など自力ではカードを読み込む手続きができない方もいる。当然、医療機関の職員がカード読み込みを介助・代行せざるを得なくなり、事務が繁雑化する可能性が高い。また、あってはならないことだが、オレオレ詐欺グループなどと結託して、高齢者のマイナンバーカードを悪用しようとする職員が絶対に出ないとは言い切れない。

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 先ほどの医師にしても、医療事務の方におかれても、オンライン資格申請をあまり歓迎しているようには感じられない。アベノマスク第2弾、ホカノマスク同様、反対の大合唱をしたり、有名な芸能人が「#反対します」などとハッシュタグをつけてツイートすれば、これはやめになったりするのだろうか?

 それとも案ずるより産むが易し、「まずはやってみる」で、「あら、意外に便利~」などというコメントが出ることになるのだろうか。

 

 今度は地域住民の声も聞いてみた。

 

〇「マイナンバーカードは既に持っているが、活用の場がほとんどない」

〇「コンビニで(住民票を取得するなどの目的で)使うぐらいなので、使用範囲が狭すぎる」

〇「個人情報の漏洩のリスクはあっても、日本を便利で住み良く効率の良い国にするためには積極的に参加したいと思って取得したが、用途が限定的でがっかりしている」

〇「これまで多くの大企業や自治体から情報流出が起きていることを考えると、もっと政府が利用者のことを考えて、セキュリティーやサービスを充実させてくれないかぎり、申請する気はない」

〇「政府が、個人資産の把握のためにやっていると思うが、それであれば『自由意思で入る』今の制度では意味がなく、『強制的』に入らせるようにして、富裕層や違法な組織の資産を暴き出すようにさせる事が必要だと思う」

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 どうにも旗色が悪いなあ。ホカノマスク配布報道後のニュースでたくさんの「要りません」コメントがあったが、どうにもそれがフラッシュバックしてしまう。

 

 さらにこんなコメントも。

〇健保連副会長:マイナンバーカード紛失した場合のリスクなども国民に周知すべき

 厚労省の社会保障審議会医療保険部会で、健康保険組合連合会の佐野雅宏副会長は、医療機関等の窓口での機器設置費用について、「初期費用だけでなく、運用費、メンテナンス費なども必要となるが、保険者負担とならないようにすべき」「コストパフォーマンスを十分に考慮すべき」「政府は、マイナンバーカードの利用を推進しているが、紛失した場合のリスクなども国民に周知すべき」などの注文を付けた。

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 顧客取り込みに躍起となる電子決済業者、どちらかといえば導入には慎重論が多い医療現場(敢えて否定派とは言わない)、同じカードでも使用用途が異なるがゆえのことなのか。先ほどの医療事務職員にしても、個人としては、実は高還元率を狙って、電子決済事業者の情報を見比べて「どこにしようかな~?」と、品定めしているかもしれないのだ。デジタル化は推進すべきなのだろうが、何でもかんでも一つにまとめようというのは、少し筋が悪いのかもしれない。

 

 多くの国民に浸透してこそ、健康保険証オンライン資格確認の意義も見えて来ようもの。いろいろな意見はあるが、なにごともなく進むならばその成否は今のところ、全てマイナンバーカードの普及如何にかかっている。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※2)…家で背景が無地の場所を見つけるだけでも難儀したが、ピース写真はよくとる子どもたちだが、真顔の写真を撮ろうとするだけで、じっとしていないし、照れ隠しでべろべろバーしたり、目をつぶったり、だれかが茶々をいれて心霊写真風にしてみたり…とにかくふざけた写真ばかりになってしまい、それはそれでかなり骨が折れた。

 

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