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No.580 (No.579別冊)子育てに関わる世代の声(ほぼ原文そのままを掲載)

2016年05月15日

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【一児の母:中1】

 保育所入所待ち問題は以前からほぼ改善されていないようにみえる。10年以上前になるが同様の経験をした覚えがある。
 当時、産育児休業・時間短縮勤務について、どこの企業でもまだまだ導入(?)(活用?)(* 既婚女性は第一子誕生に伴う離職、前例がなかったため)されておらず、自身も産後10ヶ月で通常勤務での職場復帰をしなければならない現状であった。にもかかわらず、役所を通じての保育園には空きが無く、自ら何件もの保育園に直接交渉をしなければならなかった。
 特に自身の場合、母子家庭であるという現実問題があり、入所できないからといって離職もできない非常に困難な状況にあったが、国も企業も助けてはくれない。事業所内保育がある企業があり、受け入れてくれるのであれば転職も視野に入れていたかもしれない。
 入所後も病児保育先がなかった面では大変苦労を強いられた。
 また、国としての保育所整備政策も勿論だが、受け入れ側の企業としても対策を構築する必要があると感じる。私的見解だが、子を持つ女性が勤務先に求める第一条件は職種・賃金面よりも勤務時間であると考える。
 男性の場合、‘仕事中心の生活が可能’な方が多い為か、企業側として職種、賃金面の条件に重きを置かれているように思う。

 

 自分のために使える時間が限られている方が多いので、育児、家事に費やす時間も確保しつつ、仕事を選択せざるを得ない。
 保育園のお迎えに間に合う仕事、夜は子供と一緒に過ごせる仕事、子供が休日の時にはお休みの仕事、掃除や洗濯・買い物の時間が取れる仕事、学校行事や地域行事に参加できる仕事・・・。そこに当てはまる仕事を選択していると職種・賃金にはこだわっていられなくなる。だからといって、好条件な仕事は競争率が高くなりがちだ。結果として実際には職に就けない方が続出、もしくは離職に繋がっているのではないか。
 共働夫婦がフルタイムの総合職の場合、両親のいずれかが子供を迎えに行かなければならず、仕事と育児と家事を連立させるのは、ほぼ不可能に思える。大抵の場合は女性側が離職するかパート仕事等(語弊があったらすみません)に転職せざるを得ず、企業は中核的な職務に就いていた人的資本の高い女性を継続雇用できない現状になっていると感じる。
 決められた時間短縮の就業方法のみではなく、比較的時間の融通が利く、柔軟性のある働き方の提案が、ワークライフバランスに繋がるひとつの方法だと思う。

 

 入所できる保育所を増やしたからといって女性活躍に繋がるとは思えない。
 国と企業、両方の体制が整っていないと難しいのではないでしょうか。

 

【三人の母:小6、6才、3才】

 「保育所落ちた 日本死ね!!」に関する一連の報道を見ていて思ったことは、確かに待機児童問題は深刻であるし、保育所に入れなかった子どもの親にとっては仕事に復帰できないイコール退職に繋がり、生活の掛かった大変な問題であることは理解できる。
 しかし、見方を変えてみると、そういう環境に新居を構えることにした時点で、ある程度その状況が予測できなかったのか、ということも考えなければならないと思う。都心近くの人気の開発エリア、数百世帯が入居できるマンション数棟が新築され、近くには百数十名定員の保育所。マンション販売の広告には子育てに便利な環境としての宣伝文句が並ぶ。
 しかし、冷静になって考えれば、それだけの世帯が新たに居住して既存の保育所だけで賄えると考えるほうがおかしい。そこまで深く検討しなかったのか、それとも行政が何とかしてくれるだろうという人任せの期待だったのか。
 私はそれほど待機児童が問題になっている地域に住んでいるわけではないが、それでも子ども達を入れた保育所は駅近で人気だった為、0歳・1歳児の競争率は2倍を超えた。当然保活は必須で、育児休業中に市役所に足を運んだことも2桁に上る。認可外保育所に短期間預けて、入所審査基準のポイントを上げるような手も使った。このような保活が当たり前だとは言わないが、やはり親として、行政に対して文句を言う前に、事前の調査はもっと必要だったろうという気がしてならない。

 

 私が子どもを預けている保育所でも既に2011年に保育士の配置基準緩和で各クラスの定員が拡大された。そしてその翌年、1歳児のプール中に事故が起きた。幸い命に別状は無かったが、定員拡大によって保育の質が低下したのではないかと疑わざるをえなかった。今後さらに大きく取り上げられるであろう待機児童問題の解消も重要だが、預ける側にとっては安全確保ありきだということを、行政には肝に銘じて欲しいと思う。

 

 私の妹も従姉妹も保育士だが、短大を卒業し、資格を持って正職員として働いていても、子どもたちの命を預かり、時にモンスターペアレントに対応する、その責任と重労働さに比例しているとはとても思えない、「子どもが好き」だけではなかなか続けられない給料の額だった。

 

 「待機児童問題が昨今取り沙汰されているが、学童保育が問題にされることはあまり無い。通常、認可保育所は夜7時か8時頃まで預かってくれるところが多いが、学童保育は公立小学校に併設されているものの場合、日が暮れるのが早い冬季は16時半には帰宅させられる。迎えに行くことを条件に多少延長は出来るが、それでも18時半が限度だ。企業が運営する学童保育も最近増えてきているが、それらは都心部に限られる。この物騒な時代、小学校1年生や2年生に鍵を持たせて親が帰宅するまで独りで過ごさせるというのは非常に不安が残る。できれば待機児童問題と同様に、行政には対応を検討していただきたい課題だと思う。」

 

【認可保育園 園長】

 年々、子どもの出生率が減っていると同時に待機児童は増えている現状にある中で、保育士として働くお母さんを応援したい反面、幼い子ども達が保護者の就労によりお家の人と過ごす時間が減ったり、子どもが甘えたくても保護者の心の余裕がなく充分に甘えさせてあげられない状況、家族で食卓を囲む環境が減るなど、昔では当たり前の環境が見られなくなっている状況を考えると、とても複雑な心境であるのが正直なところである。
 また、保育園は人としての基礎を培う年齢の子どもを育てることや、命ある子どもを預かるという点で、役割の重要性や責任の重さ、仕事内容を考えると給与面の見直しを求めたいという声は多く聞かれている。
 保育士不足についても、その背景として上記の理由も少なからずあるだろうが、人員不足により思うように休みがとれず過労となり仕事が続けられないなど離職の問題も懸念されるところである。
 そのような状況の中ではあるが、保育士として今の現状を理解し、保育園で出来る限り、将来を担う子ども達が自分の力で生きていけるよう強い心を持ち、人としての基礎を培えるような保育(サポート)をするということが、私達が出来ることだと考えている。

 

 

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