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563号 介護受給者が過去最高の約590万人 要介護認定は600万人、国民の20人に1人に

2015年09月15日

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■介護受給者は前年度比22万人増の約590万人、過去最高を記録

 2014年度に介護サービス及び介護予防サービスを受けた人は、前年度比22万2500人(3.9%)増の588万3000人となり、過去最高を記録したことが、厚生労働省の2014年度「介護給付費実態調査」の結果で分かった(図3参照)。
 

 受給者数が過去最高を更新するのは7年連続だ。高齢化の進行とともに、受給者は増加傾向にあり、団塊の世代が75歳になる2025年には介護費用は20兆円を超えると見込まれる。

   受給者数が過去最高を更新するのは介護サービスの受給者は470万9600人(前年度比15万6000人増)。このうち居宅サービスは359万8300人(14万800人増)、施設サービスは120万9500人(1万9100人増)、地域密着型サービスは50万9700人(4万1100人増)、居宅介護支援は326万7200人(11万4100人増)だった。

   居宅サービスのうち、受給者数が最も多かったのは福祉用具貸与の203万900人(11万3000人増)。以下は通所介護が184万4500人(9万7000人増)、訪問介護が142万300人(2万8400人増)、短期入所生活介護が70万6400人(1万4700人増)などの順となった。また、居宅療養管理指導は前年度に比べて11.2%多い75万800人(7万5600人増)となった一方、訪問入浴介護は前年度に比べて3.8%少ない13万9500人(5600人減)だった。
 施設サービスの受給者数で最も多いのは、介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)が61万9600人(1万6900人増)、介護保健施設サービス(介護老人保健施設)が53万8500人(9200人増)と増えた一方、介護療養施設サービス(介護療養型医療施設)は10万4700人(6800人減)となった。
 地域密着型サービスでは、短期利用を除く認知症対応型共同生活介護の22万9000人(9400人増)、小規模多機能型居宅介護の11万1400人(9000人増)などが多かった。このほか、介護予防サービスの受給者は151万1000人(8万500人増)だった。

   受給者1人あたりの介護サービスの費用額を都道府県別に見ると、もっとも高かったのは沖縄の21万2400円だった。以下は石川(20万5400円)、鳥取(20万4900円)と続いた。最低は福島(18万2000円)だった。

■「総報酬割制度」の導入で大企業の介護保険料がアップへ
 政府は、大企業の従業員が加入する健康保険組合や中小企業社員の協会けんぽ、国家公務員・地方公務員の共済組合などが加入者数に応じて拠出する「介護納付金」について、加入者の平均年収が高いほど負担割合を増やす「総報酬割制度」を改める方針を固めた。負担能力に応じた見直しにより、高齢化に伴い逼迫する介護保険財政に対応する。

   新制度が導入されれば、大企業の会社員の介護保険料は最低でも月額600円程度、公務員で1800円程度アップする見通しだ。政府は、2016年早々に厚労省の社会保障審議会で本格的な見直し論議を行い、2018年度から介護給付金の3分の1、または2分の1を総報酬割にするなど、段階的導入を目指している。

   介護納付金は、健保組合など医療保険者が、基金を通じて介護保険を運営する市町村に拠出する負担金。40歳以上65歳未満の加入者から徴収した介護保険料が充てられる。介護保険に使われる総費用10.1兆円のうち、2.6兆円を介護給付で賄っている。総報酬制度に移行した場合、健保組合と共済組合が支払う介護給付金は、2011年度ベースでいずれも年約800億円増となる。

   厚労省の推計によると、介護保険料は月額平均で5177円(2015年度)。現行の介護納付金は、加入者数だけを基準に決定しており、2011年度決算ベースでは、加入者数が最も多い中小企業社員の協会けんぽが最も多い7316億円を納付。一方で、大企業中心の健保組合や共済組合の平均年収には、2011年度で1.46~1.83倍の開きがあり、政府の中には「負担能力の差が反映されていない」という指摘が出ていた。

社会保障全体に広がる「応分負担」という考え方:介護ジャーナリストの声
 介護保険制度発足以来、初めての「利用者負担引き上げ」。そして、「総報酬割」導入による健保組合や共済組合の加入者の保険料アップの動き。
 介護受給者が過去最高を更新し、2025年には介護費用が20兆円を超えると見込まれる一方で、少子高齢化により保険料収入はますます先細りとなる。そこで、資産のあり経済的余裕のある高齢者の自己負担増、さらに現役の大企業社員や公務員にはさらなる保険料負担となる「応分負担」の考え方が介護保険で広がってきた。今後、介護保険ばかりでなく医療保険を含め社会保障制度全体に、取れるところから取ろうという「応分負担」の考え方が広がっていくことは確実な情勢だ。    

事務局のひとりごと

 リーマンショックのようなことが起こった時、米国の国民性とは違い、いわば「万が一」の時に備え、みんなせっせと貯えていくことが日本人の国民性ではないだろうか。最近は「貯蓄から投資へ」が流行になりつつあるが、貯金だって、ポイントだって、貯められるものは何でも貯めないと安心できない国民性なのだろう。当時、かの「きんさんぎんさん」が、100歳になってなぜ貯金をするのかと問われたところ、「老後のため」という返答が返ってきたそうだ…。
 利便性の向上という部分より、どうしてもタンス預金も含めて、あるところからお金を引き出すためのツールになってしまうという印象がぬぐえないが、No.‐562号本文で触れたマイナンバー制度の活用は、「取れるところから取ろう」という「応分負担」の考え方を実現するためには欠かせない制度だろう。制度の導入や、それに伴う様々な諸問題については、おそらくこれからもうすぐ先からが本番になる。
 誰だって老後が心配だ。もしかするとお役人ですら、自らが「在宅誘導」と唱えながらも、現在の医療提供体制や介護施設の供給不足に不満や不具合を感じているのではないだろうか。自らの老後の心配も含めて。
 今後ますます増えるであろう要介護認定者。財源問題は当然深刻だ。しかし、一方の介護する側の人材確保の方がもっと深刻なのかもしれない。当然、どこでもかしこでもあるわけではないのだろうが、有料老人ホームの職員による入居者への不祥事を報道で目にするにつけ、その深刻さがいや増してくる。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

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