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No.767 能登半島地震で再認識された医療施設のBCP(事業継続計画)策定 2024年4月から介護施設のBCP策定も義務化

2024年03月15日

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◇「能登半島地震で再認識される医療施設のBCP(事業継続計画)策定 2024年4月から介護施設のBCP策定も義務化から読みとれるもの

・東日本大震災を契機にBCP策定が注目、能登半島地震でも必要性

・2017年に災害拠点病院BCP策定が義務化

・BCP策定と医療DX活用して早期に診療再開した七尾市の恵寿総合病院

 

2011年東日本大震災契機に医療施設BCP策定が法制化

 1月1日16時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6、最大震度7で発生した令和6年能登半島地震では、石川県輪島市、珠洲市、能登町、七尾市、穴水町を中心に建物の倒壊、路面亀裂・陥没が相次いだ。輪島市では大規模な火災が発生。停電、ガスの供給停止、断水が生じ、1月24日時点で断水は石川県内で約4万6000戸に及び、地震による死者は233人、負傷者は1408人(23日時点)に達し、約1万5000人が避難所や車内に避難した。医療機関も停電、断水のほか、医療用ガスが使用できない被害が発生した。1月4日16時時点で石川県の11医療機関、富山県の3医療機関において電気、水や医療ガスの使用ができないなどの被害が確認、石川県の2医療機関は倒壊の恐れがあると報告。災害時の初動対応と早期の診療再開に向けた医療機関のシステム構築が改めて認識された。

 

 日本は災害が非常に多い国であり、国は企業等に対して、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan」の作成を働きかけている。(図1 BCP(事業継続計画)とは:厚労省・令和3年度事業継続計画(BCP)策定研修事業の配布資料)

 医療機関に対しても、厚労省は医療施設の災害対応のための事業継続計画(BCP)策定について、2017年3月から災害拠点病院のBCP策定を義務づけた。BCP策定義務化の背景には、2011年の東日本大震災における医療機関の対応を巡り、「厚労省の災害医療の在り方に関する検討会」の報告書で、医療機関が自ら被災することを想定して防災マニュアルを作成することが有用。さらに、医療機関は、業務継続計画(事業継続計画:BCP)を作成することが望ましい」ことが指摘された(図2  医療機関に期待されるレベルのBCP)。

 

 これを受け、①2012年3月21日に発出された医政局長通知で、災害時における医療体制の充実強化について、「医療機関は自ら被災することを想定して災害対策マニュアルを作成するとともに業務継続計画の作成に努められたいこと。また、人工呼吸器等の医療機器を使用しているような患者等をかかえる医療機関は、災害時におけるこれらの患者の搬送先等について計画を策定しておくことが望ましいこと。なお、都道府県はこれらの策定状況について確認を行うことが望ましいこと」、②2013年9月4日に発出された医政局長通知で、病院におけるBCPの考え方に基づいた災害対策マニュアルについて、「BCPの考え方に基づいた病院災害対応対策の手引き」を発出し、チェックリストを使った病院災害計画の点検の手引きを示した。

 

■2017年に災害拠点病院のBCP策定が義務化したが、一般病院の策定率は20%

 その後、厚労省「医療計画の見直し等における検討会」2016年熊本地震時の医療活動の検証を行った課題の1つとして、EMIS(広域災害救急医療情報システム)を含めた各医療機関のBCPの整備が指摘された。

 これを受け、厚労省は2017年3月、災害拠点病院指定要件の一部改正を行い、①被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備を行っていること。②整備された業務継続計画に基づき、被災した状況を想定した研修及び訓練を実施すること。③地域の第二次救急医療機関及び地域医師会、日本赤十字社等の医療関係団体とともに定期的な 訓練を実施すること。災害時に地域の医療機関への支援を行うための体制を整えていること-を指定要件に追加した。

 

 また、多くの病院がBCP整備のために必要なスキルやノウハウがない、情報不足のなど意見を受け、厚労省は2019年度から、災害拠点病院等に勤務するBCP策定等従事者を対象に「BCP策定研修事業」を開始、災害拠点病院BCP策定を推進してきた。その結果、2019年時点の災害拠点病院のBCP策定率は71.2%だったが、2021年に100%に達した。しかし、2019年時点での災害拠点病院、救命救急センター、周産期母子医療センターを除いた一般病院の策定率は20.1%に過ぎない

 

2024年4月に介護事業所のBCP策定が義務化、未策定の場合、介護報酬が減算

 さらに2021年の介護報酬改定で、介護事業者におけるBCP(事業継続計画)策定が義務化された。 3年間の経過措置が設けられ、2024年4月から全介護事業所におけるBCP策定が義務化され、2024年度介護報酬改定では、感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する業務継続計画未策定事業所に対する減算」が新設された。単位数は、①施設・居住系サービスが、所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算、②その他のサービスが、所定単位数の100分の1に相当する単位数が減算される。

 

 厚労省が2023年10月11日の社保審介護給費分科会に報告した介護サービス事業者におけるBCPなどの業務継続に向けた取組状況の最新調査の速報値では、感染症BCP、自然災害BCPのそれぞれの策定状況について、「策定完了」と回答した事業所は、感染症BCPで29.3%、自然災害BCPで26.8%に過ぎず、未策定事業所が約7割に達した。未策定の理由に「策定にかける時間ない」ことをあげている。

 全国770施設の災害拠点病院のBCP策定率は100%に達したものの、「将来的には全医療機関において策定されることが望ましい」とされるが、一般病院の策定率は20.1%に過ぎない。ここ数年、大規模な災害や地震が多発している“災害大国日本”。医療・介護施設の災害対策は、課題が山積している。

 

■被災した恵寿総合病院、BCPに基づき早期に診療を再開

 能登半島地震で被害を受けた民間病院の恵寿総合病院(426床 石川県七尾市)は、BCPや医療DXを活用して早期に診療を再開、自衛隊による透析患者用の給水や全国各地から参集した医療チームなどによる支援なども受けながら、診療を継続している。2月13日に医学ジャーナリスト協会2月例会で、緊急報告「能登半島地震~災害でも医療を止めない!病院のBCPと地域のBCPをテーマに、オンラインで講演した同病院の理事長で全日本病院協会副会長でもある神野正博氏は、 恵寿総合病院で何が起き、そこでどのようにして診療を継続してきたのか?災害時の業務継続計画(BCP)の持つ意味、そして実効性の高いBCPについて報告した。

 

 初動対応について神野氏は、「地震発生直後、破損した第3病棟と第5病棟の患者を安全な免震構造の本館に移送し、4日から外来受付を開始する一方、3日から自衛隊から給水を受け、6日からローレルクリニック(血液浄化センター)で透析も再開できた。(図3 1月1日発災直後の3病棟

図4 1月3日自衛隊による給水

図5 1月4日外来フルオープン)。

 初動対応で破損した病棟の患者を被害がほとんどなかった本館に移送して仮設病床を開設、4日の外来受付を開始できたことについて神野氏は、「七尾市では震度6強を観測したが、2014年に新築した本館は免震構造で、棚の上の物は一つも落ちていなかった。一方、耐震構造の3病棟と5病棟は、水道管や排水管、スプリンクラーなどが破損。水浸しになっている場所や、天井の一部が落下したり什器がひっくり返ったり、めちゃくちゃな状況だった。2つの病棟には約110人が入院していたが、危険と判断し、総員退避を命じた」と、大震災に備えた建物地下の免震構造が役に立ったことが大きいと説明した。2011年の東日本大震災にみまわれた石巻赤十字病院も震災前に高台に新築移転した際に免震構造を取り入れた

図6 1月4日専門家による恵寿総合病院本館の免震層確認)。

 

 これら初動対応がスムーズにできた背景には、恵寿総合病院は災害拠点病院に指定されていないにもかかわらずBCPを策定、BCPの管理規定であるBCM(事業継続マネジメント)を作成、避難訓練や教育による内容の周知や、対策の進捗に係る点検、新たな被害想定や新規業務等の有無について、定期的な見直しに努めてきたことが大きい。また、同院は積極的に医療DXを進め、2023年4月に職員にスマホiPhone520台を配布。「iPhoneによる職員の安否確認と招集システムの自動作動によって発災直後60人が病院に駆けつけてくれた。BCMに基づき避難訓練をしてきており、破損病棟から免震構造の本館にスムーズに総員退避できた」と、「医療DX×BCPとBCM策定」が今回の震災に貢献したことを強調した(図7 恵寿総合病院のBCP、BCM)。

 恵寿総合病院は1月5日から、医療・介護の提供体制を維持するため、インターネットで支援金を募るクラウドファンディングを開始、支援金が2月9日、1億円を達成した。石川県内では、全壊した柳田温泉病院(石川県能登町、36床)などを運営する医療法人社団持木会も再建に向けてクラウドファンディングを実施した。大震災における医療機関の復旧・復興に向けた資金調達のあり方を巡り、クラウドファンディングが注目される。

 

 

 

 


 災難は忘れたころにやって来る。

 とはいっても、決して忘れていたわけではない。1月1日、元旦の、これから新年のご馳走を… そんな静かな、和やかな時間であったはずだ。そんな時に備えておくべき「まさか」の事態が起こった。「常に備えよ」という考え方は、あったとしても、元旦初日から、なかなかその実践は難しいのではないか。その後被災地に入った自衛隊員ですら、ようやく帰省でき、ほんの束の間の休息を迎えることができたであろう、元旦の夕刻とは、つまりそんな時間帯であったはずだ。

 それでは1.17.や3.11.だったら良かったのか、と聞かれれば、当然そんなことでもないのだが、能登半島において地震が発生した日にち・時刻に関しては、もはや気の毒としか言いようがない。

 大自然の無常を痛感するのみである。

 

 今回は、先ほども言ったように、決して忘れていたわけではない、ある機能を持つ医療施設に関しては義務化されていたBCP事業継続計画の策定を、介護施設においても義務化を、というのがテーマである。

 

 コメントを紹介したい。

〇石破茂議員:災害の度に各省が補正予算を要求、災害対応資材の計画的な備蓄もできない。「防災省」設置を

 元自民党幹事長で防衛庁長官を務めた石破 茂衆議院議員は、防災や災害対応に一元的に当たる省庁(「防災省」「危機管理省」など)の設置の必要性をここ十年以上訴えているが、一向に実現の兆しすら見えていないと指摘。防災予算を要求する専門省庁がなく、災害の度に各省が補正予算を要求するため、災害対応資材の計画的な備蓄も出来ていない問題点を強調した。


 いつ起こるか分からない、しかしどこかで起きてしまう災害。確かに仰る通りだ。仮にその省ができたとして、そのためには災害がどの地域で、どの時間帯に起き、どれくらいの規模が発生すると想定し、どの人材を割き、いくらの予算を計上していくべきか?

 非常に悩ましい。ところで石破元幹事長が訴えていた相手は、どなたに向けられていたのだろうか?

 政権与党?総理大臣?国会?国民?

 必要性がある事に関してだけ、あまり反対意見の出ないことは想定できる。

 

 今度はこんなコメントを。

〇武見厚労大臣:被災した病院の看護師離職防止のため、「在籍出向」の仕組みを検討

武見厚生労働大臣は2月20日、閣議後の記者会見で、能登半島地震で大きな被害を受けた病院の看護師らの離職を防ぐため、もとの病院に在籍したまま、生活が落ち着くまで一時的に石川県南部の病院で勤務してもらう「在籍出向」の仕組みを検討していることを明らかにした。


 生活が落ち着くまで在籍出向の仕組みが検討され、実行されていたとして、どれだけの効果があっただろうか。それくらい、震災や津波の被災は、場所によっては凄まじいものだったのだろう。

能登半島地震での被災を機に、石川県の被災地で看護師の離職が相次いだという。自身の被災激務などが理由で65名が退職や離職の意向を示したそうだ

 一方石川県看護協会が奥能登の医療機関や高齢者施設で中期的に勤務可能な看護師を募集したところ、全国から約40人の応募があったそうだ

 頭の下がる思いである。

 

 関連団体からのコメントだ。

全日本病院協会

 全日本病院協会は2017年から、富士通総研との協力関係により、会員向けに大規模災害に対応した地域医療機関向けの「業務継続マネジメントサービス」を提供。大規模な災害が発生した際、各病院が院内・院外(行政、近隣の他の病院、AMAT 等)連携の迅速な対応・判断により医療サービスを継続的に提供できるよう、富士通総研が保有する1000社を超える事業継続コンサルティングの実績や知見をベースに、各病院の業務継続への取り組み状況のアセスメントを行っている。

 

〇日本医師会

 日本医師会の細川秀一常任理事は1月17日の日医定例会見で、穴水町、志賀町を中心にJMATを派遣していることを紹介した上で、「これらの地域では災害急性期から亜急性期に移行しつつあり、今後JMATの必要性はさらに高まってくる」との見通しを示した。


 各団体から○○MATが被災地に派遣され(交代制で)、はや2か月。現地での応援ニーズはもちろんあるだろうが、当初と現在ではそのニーズも異なっていることだろう。

 支援物資についても、ただ送りさえすれば良いものでもない、ということを、これまでの大規模災害での経験から、我々は少しずつであるが学んできた。100%被災された方々の真のニーズに辿り着くことがいかに難しいことか。

 被災者でない存在ができるのは、被災者の心にできるだけ「寄り添う」、寄り添うことしかできないのではないか。その、寄り添うことですら、寄り添おうとした人の心が非常に揺さぶられ、並みの精神力では到底務まるものでない、それは途方もなく難しいことなのかもしれない。

 

 今度は病院経営層のコメントを。

再建に向けて寄付を募るクラウドファンディングを導入

 能登半島地震の発生から3月1日で2カ月。大きな被害に遭った石川県能登町の医療法人持木会柳田温泉病院(36床)は、恵寿総合病院と同様、再建に向けて寄付を募るクラウドファンディングを導入した。建物が「全壊」と判定を受けるほどの被害があり、入院患者34人や併設する介護医療院の入所者109人は全員転院し、外来も休止。職員は3分の1が退職した。持木 大(ゆたか)院長は「閉院が頭をよぎったこともあった」と語る。ただ、医師仲間や地域住民からは「続けてほしい」、転院先の患者や家族からは「ここに戻りたい」という声が寄せられ、「奥能登にて再建するということはゼロからのスタートではなく大きなマイナスからのスタートである」と覚悟し、再建を目指すことを決意した。クラウドファンディング目標金額は5000万円だが、3月8日現在で目標金額50.73%の2536万5000円。

https://readyfor.jp/projects/136901

 

〇東日本大震災で被災した気仙沼市 立本吉病院

 気仙沼市南部の市立本吉病院は東日本大震災で大きな被害を受け、一時閉院の危機にさらされたが、全国からの多くのご支援と、病院スタッフと新たに赴任した総合医とが、地元の関連施設や住民と手を携え、2017年3月在宅医療も行う小規模多機能病院(38床)としての歩みを始めた。


 クラウドファンディング

 何かの目的をなすために、人々の共感と資金を集める、ストーリー性が非常に重要な要素を占める資金調達の手法だ。筆者もこれまでクラウドファンディングでいろいろなものを「お礼の品」として貰った。

 

 今度はこんなコメントを。

〇クラウドファンディング運営事業者

 クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募る仕組みである。途上国支援や商品開発、自伝本の制作など幅広いプロジェクトが実施されている。クラウドファンディングという言葉自体は比較的新しいが、人々から資金を募り、何かを実現させるという手法自体は古くから存在していた。寺院や仏像などを造営・修復するため、庶民から寄付を求める「勧進」などがその例である。インターネットの普及に伴い、2000年代に米国で先駆的なウェブサイトが続々と開設され市場が拡大。代表的なサービスにIndiegogoやKickstarter等があり、特にアメリカやイギリスではクラウドファンディングは資金集めの方法として一般的なものになりつつある。日本では、2011年3月にREADYFORが日本で初めてのクラウドファンディングサイトとしてサービスを開始、現在まで複数のサービスが開設され、クラウドファンディングの認知も徐々に広まりつつある。クラウドファンディングサービスサイト「READYFOR」を運営するREADYFOR(株)(東京都千代田区)によると、「能登地方を震源とする地震の被害を受けた現地の医療機関によるクラウドファンディングは当社サイトでは初めての事例」という。


 CMをどれだけ流しても思ったように売れない、たとえオープンプライスが150円程度といえども売れない、そんな商品、いわば市場の敗者が生まれることだってある。マーケティングで成功するのも難しい世の中だ。

 ところが現代のクラウドファンディングは、非常に手軽に、スマホからでもあっという間に「支援者」を生み出すことのできるのだ。このようなこの仕組みを構築した事業者が素晴らしいと、少なくとも筆者は感じる。

 但し、クラウドファンディングにおいて、ストーリー性は非常に重要なので、ある程度(略して)クラファンが世に認知されてきた現在、クラファンならどの企画でも成功するとは限らない、そんな段階にも突入している。

 

 にしても、本文中に出てきたが、恵寿総合病院は今回の震災で1億円以上の支援金獲得を達成されたそうだ。

 人々の共感力の賜物だ、まだまだ日本は捨てたものではない。そう感じる。

 

 ここからは災害に関して、医療従事者のコメントを。

〇日本医師会の細川秀一常任理事

 日本医師会の細川秀一常任理事は1月17日の日医定例会見で、穴水町、志賀町を中心にJMATを派遣していることを紹介した上で、「これらの地域では災害急性期から亜急性期に移行しつつあり、今後JMATの必要性はさらに高まってくる」との見通しを示した。

 

〇ある医師

 多くの医療従事者は、自宅が倒壊したり家族の安否がわからなかったりする中で業務にあたっている。発災当日から病院に泊まり込んで働き続けている状況で、限界に近いと思う。スタッフの心のケアや医療的な支援が必要なことは、東日本大震災や熊本地震で明らかになった。その経験を生かすシステムが確立されていなかったようだ。

 

〇災害支援ナース

 災害支援ナースとは、看護職能団体の一員として、被災した看護職の心身の負担を軽減し支えるよう努めるとともに、被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担う看護職である。急性期を過ぎてからの災害支援には被災者の気持ちをよく理解し、様々な併発する症状を抑えるための看護が必要になる。そのためDMATとはまた違うやりがいのある仕事が災害支援ナースである。

 

DC-CAT山岸暁美代表

 これまでも、災害直接死の4倍もの災害関連死が生じている。そして、この災害関連死が増えていくのは、発災後2ヵ月目以降、能登半島においては、まさにこの時期及びこれからなのです。生活の中に災害関連死のリスクはあり、生活を支える看護・介護の専門職だからこそ、防ぎえる死である。既にのべ800名ほどのDC-CAT(Disaster Community-Care Assistance Team)のメンバーが、輪島、穴水、志賀、七尾の避難所や高齢者施設で活動してくれています。彼らの多くが訪問看護師です。そして、いまだそのニーズが高い状態にある。一人ひとりの少しずつを集結し大きな力にしながら、「助かったいのちの、その先の“生きる”を支え、災害関連死を阻止する」というDC-CATの活動に、ぜひとも皆さんのお力添えをお願いいたします!(DC-CAT山岸暁美代表による訪問看護に携わる方々へのメッセージより)


 実に多くの医療従事者が、今回の震災において支援活動に携わっておられるか、ということがよく分かる

 災害関連死が増えていくのはまさにこれから

 そのことを忘れてはならない

 

 今回はBCP策定がテーマであったが、気が付けばここまでは殆ど災害についての内容であった。

〇国立病院機構本部 小井土 雄一DMAT事務局長:“地域で守る”コンセプトのもとに連携する必要

 愛知医科大学災害医療研究センターが主催した「海抜ゼロメートル地域における地域BCP」で講演した、DMATで被災地の支援にあたった国立病院機構本部の小井土雄一DMAT事務局長は、「個々(の施設)がBCP(業務継続計画)を持っていても限界がある。“地域で守る”コンセプトのもとに連携する必要がある」と、地域BCPの必要性を強調した。


 震災後、被災地の報道で、輪島塗の経営者の方のインタビューを観た。込み上げてくるもろもろの感情を抑えながら震える声で「必ず復興させます」と答えられたその声、表情が胸に突き刺さった。

 個々でなく、“地域で”か…。地域BCPには、旗を振る存在が必要だ。つまり自治体や首長なのだろうか?

 

BCPを策定済企業のコメントを。

〇佐川急便:24時間以内に緊急支援物資輸送体制を確立することをBCP目標

 佐川急便株式会社は、2016年に「レジリエンス認証」(内閣官房国土強靭化推進室創設の国土強靭化貢献団体の認証制度)を、物流業界で初めて取得した。東日本大震災の経験を基に2013年にBCP(事業継続計画)を策定している。熊本地震の本震が発生した2016年4月16日には、政府緊急災害対策本部からの要請により緊急支援物資の輸送を開始。さらに4月18日には宅配業界でいち早く条件付きで被災地での集荷・配達を再開している。取締役兼CSR推進部長は、「佐川急便は、原則として宅配便の業務を中断させないこと、24時間以内に緊急支援物資輸送体制を確立することをBCP目標として掲げている」と述べている。


 「宅配便業務を中断させない」か。非常に説得力のある目標だ。

 

 

 今度はこんなコメントだ。

〇BCP策定コンサルタント人手不足の最中、BCP(事業継続計画)策定企業として認知されるメリット

 企業がBCPに取り組むメリットには、事業を速やかに再開できるという直接的なメリットだけでなく、ステークホルダーへの防災・危機対応への「説明責任」が果たせる、顧客・取引先からの安定供給の要請に応えることができる、地域貢献やCSR活動としても評価される、BCP策定を機会に業務の標準化や効率化を行うことができる、全社的な情報共有が図れ、現場の経営への参画意識が高まる-などがあげられる。何よりも人手不足の最中、BCP(事業継続計画)を策定している企業として認知されるメリットが大きい。


 「BCPなんて、一体どうやって策定すれば良いのか?

 こういった疑問・不安は恐らく策定チームに任命された面々は必ずや直面することだろう。その時、先の宅配便事業者の好事例のように、その企業の「第一義的な使命とは何か原点に立ち還って考えると良いのかもしれない。

 

 医業系コンサルタントのコメントを。

〇自然災害BCPだけでなく感染症対策BCPの策定も必要

 東日本大震災後には自然災害発生時のBCPが注目されてきたが、新型インフルエンザ流行時や新型コロナ感染症流行時の感染症対策BCPも必要とされてきている。自然災害発生時のBCPと新型インフルエンザ流行時のBCPは、リスク特性が異なるため、予想される被害や準備すべきことが大きく内容が異なっている。自然災害発生時用のBCPがあると言って安心せずに、新型インフルエンザ流行時用のBCPも決めることが大切である。


 …仰る通りですね。とにかく気が抜けません。

 

 最後に本文を再掲して締め括りとしたい。

 

2024年4月に全介護事業所のBCP策定が義務化、未策定の場合、介護報酬が減算

 さらに2021年の介護報酬改定で、介護事業者におけるBCP(事業継続計画)策定が義務化された。 3年間の経過措置が設けられ、2024年4月から全介護事業所におけるBCP策定が義務化され、2024年度介護報酬改定では、感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する「業務継続計画未策定事業所に対する減算」が新設された。単位数は、①施設・居住系サービスが、所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算、②その他のサービスが、所定単位数の100分の1に相当する単位数が減算される。

 

 介護事業者の社会的使命とは、介護を必要としている方々への介護サービス提供を、災害時に如何に継続させていくか。ここを起点に考える必要があるだろう。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 

 

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