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ホテルリネン業界のつぶやき
2025年08月18日
- 旅行を控えるようになった日本人 -
はじめまして。
前月号のbow&arrow氏に続き、今期から本稿を担当させて頂く事となりました にゃんぷい です。(今期より本コーナーにつきましては4名の著者での執筆となりましたので、あと2か月は各執筆者のご挨拶もさせて頂きます。)拙い文章ですが、少しでも皆様にホテルリネン業界に興味を持っていただけると幸いです。
旅行を控えるようになった日本人
ここ10年の日本人の国内旅行は、旅行人数や旅行回数、宿泊日数で考えるとほぼ横ばいのトレンドにありますが、訪日インバウンド市場が拡大する一方で、国内旅行市場は少子高齢化、人口減少を背景に縮小していくのでしょうか。政府が発表した 2025 年版「観光白書」は、国内旅行の課題を分析、振興策を示しています。
国内旅行の活性化策を今一度探りたいと思います。
(ここから文語体にて失礼します)
今こそ国内旅行の再構築を
観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、国内旅行の消費額は、物価、宿泊料金の高騰など旅行支出の上昇の影響を受けて、24年に 25.1兆円を記録し、比較可能な 2010年以降で過去最高を記録した。
しかし、国内旅行の延べ人数は低調だ。24年はコロナ前の 19年比で 8.0%減の 5.4億人。内訳は宿泊旅行が同5.9%減の 2.9億人、日帰り旅行が同 10.4%減の 2.5億人だった。過去 10年で最多の 17年の 6.5億人(宿泊旅行 3.2億人、日帰り旅行 3.2億人)と比べると、1億人以上減少している。
日本人1人あたり平均の観光目的の宿泊旅行は、24年の 1年間で回数が 1.4回、宿泊数は 2.4 泊にとどまっている。コロナ禍の落ち込みを除くと、過去 10年、ほぼ横ばいの状況だ。
旅行回数が少ない上、ほとんどが 1 泊旅行で、短期の旅行が中心となっている。
旅行に出掛けない人も多くいる。観光、帰省、業務を含む 24年の国内旅行の経験率は、宿泊旅行が 57.1%、日帰り旅行が 42.1%に過ぎない。いずれもコロナ前より低い水準で、長期的に見ても伸び悩んでいる。
観光目的に限って国内宿泊旅行の経験率を年代別に見ると、若年層ほど高く、高齢層ほど低い。24年は、20代が64.0%、30~40代が 54.1%、50~60代が 47.3%、70代以上が 30.7%となった。各年代でほぼコロナ前の水準を回復しているが、「団塊の世代」を含む70 代以上は、19年比 7.9ポイント減と回復が進まず、旅行をリタイアする層もいるとみられる。
観光庁の調査では、国内宿泊旅行を実施しなかった理由は、20~60 代では「仕事などで休暇がとれない」「家計の制約がある」が上位。次いで「家族や友人等と休日が重ならない」「混雑する時期に旅行をしたくない」などだった。
経済的な理由以外では、有給休暇など柔軟、長期に休暇が取れない環境が旅行の阻害要因となっている。一方、70 代以上では、「自分の健康上の理由」が上位となった。
親子で「ラーケーション」 休暇の取得・分散化
「観光白書」は、国内旅行の活性化に向けて、いくつかの方向性を示している。
その一つが休暇取得・分散化を通じた旅行需要の喚起。観光産業の長年の課題だ。有給休暇の取得促進など柔軟に休暇が取れる環境整備が進めば、平日の旅行需要が拡大し、遠方の旅行や長期滞在が増加する可能性もある。旅行者にとっても混雑の回避、旅行費用の軽減など利点は多い。
問題点や今後の展望
平日と土日祝日の宿泊料金を比較した際、休日料金と平日料金で倍以上の開きがある事が多く、特に小さな子供のいる家庭については学校の休日と親の休日が重なった日にしか旅行に行けないというのは、特に子育て自体にお金もかかる親世代にとっては苦しい問題だと思う。
また土日限定で旅行に行くとなると翌日は、子供は学校、親は仕事に行く事となるので、必然日曜は帰宅を意識した時間しか楽しめない事となる。
一部地域では「ラーケーション(ラーニング+バケーション、学びの為の休日)」の制度の元、学生でも平日に休暇が取れる制度を設けている自治体もあるが、親の勤務と子供の学習両方に遅れが出る事と、平日に休みを取って旅行にいくという後ろめたさや、相手先は仕事の日なので職種によっては当然のように仕事の連絡が入ってくる等の問題もあると思う。
本論に関しては、そもそも「何故これまで多くの海外旅行者が日本に旅行に来られるか」という面でこの問題を見直した方が良いのではないかと思う。
海外では当然のように「長期休暇が取れて」、バカンスを取っても「後ろめたいところが無く」、「何とか日々の業務も回る」、という仕組みがあるので、当の日本にその仕組みが無ければラーケーションも口先だけの制度になりかねないというのが著者の認識です。
「バケーション=Vacation」という言葉は「空白のある状態(vacant)」から来ていると思うのですが、先ずは帰属先のコミュニティの中で「空白を作る」という事を社会として受容していく仕組みづくりが求められているのではないかと思います。
結果として上記の通り、宿泊料金の分散や、混雑の緩和、休暇の取り易さにつながっていけば、だいぶ暮らしやすい国になっていくのではないかと思うのですが。
企業側も空白のもたらす負の側面だけではなく、それがもたらす有益な部分にも目を向けて実施に踏み切ってみると、考えても見なかったような効果が出るかも知れませんね。
バケーション…。経験した事は無いですが、良い響きですね。
<にゃんぷい>
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