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No.824 骨太の方針2026で注目される「攻めの予防医療」とは? 高市首相も所信表明演説で「攻めの予防医療」取り組む考え

2026年07月15日

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◇「骨太の方針2026で注目される「攻めの予防医療」とは? 高市首相も所信表明演説で「攻めの予防医療」取り組む考え」から読みとれるもの

・背景に医療費の増大、慢性疾患の増加、健康寿命の伸び悩みといった構造的課題

・高市首相、施政方針演説で予防・健康政策を重視する姿勢

・厚労省の「攻めの予防医療」“能動的な介入”へと政策の軸足を移す

 

治療中心”から“予防・先制医療”へ政策の軸足を移す「攻めの予防医療」

 政府は7月中に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2026)」に、「攻めの予防医療」という新たな政策概念を明記する方針だ。背景には、医療費の増大、慢性疾患の増加、健康寿命の伸び悩みといった構造的課題があり、従来の“治療中心”から“予防・先制医療”へ政策の軸足を移す狙いがある。

 与党内では、自民党の「攻めの予防医療に関する関係合同会議」(座長:田村憲久元厚労相)が中心となり、骨太方針に向けた提言を取りまとめた。同提言では、健康リテラシー向上を基盤に、発症前から発症後まで各段階で能動的に介入し、行動変容を促すことが“攻めの予防医療”の本質と位置づけている。施策として、がん検診の受診勧奨、PHR(Personal Health Record)の利活用促進、生活習慣病やCKDの早期発見・重症化予防、予防接種体制の強化などが盛り込まれた。

 高市早苗首相は2月20日の施政方針演説で、自民党が総選挙で掲げた「政権公約」、さらに日本維新の会との間で交わした2025年10月の「連立政権合意書」を着実に実行していく姿勢を示した。医療分野では、予防医療の強化が公約の柱として位置づけられており、今回の骨太方針への反映はその具体化にあたる。

 首相は演説で、

  ・健康寿命の延伸

  ・社会保障制度の支え手の確保

  ・性差に由来する健康課題への対応

  ・プレコンセプションケア(妊娠前の健康管理)の推進 など、予防・健康政策を重視する姿勢を明確にした。

 とりわけ、女性の健康課題や妊娠前の健康管理を国家政策として位置づける点は、従来の医療政策にはなかった新しい方向性であり、「攻めの予防医療」を象徴する取り組みといえる。

 

栄養・食生活など6分野を柱とする厚労省の「攻めの予防医療」

 政府が6月に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2026)」に向け、厚労省は“攻めの予防医療”を社会保障改革の中心施策として位置づける方針だ。上野厚生労働大臣は5月22日の経済財政諮問会議で、持続可能な社会保障制度の構築に向けた3つの重点領域を提示した。すなわち、 ① 地域ニーズに応じた医療・介護・福祉の担い手確保 ② 「攻めの予防医療」の推進 ③ 全世代型社会保障改革の工程表に基づく計画的実行 である。とりわけ「攻めの予防医療」は、政府が掲げる社会保障制度改革の中核に位置づけられ、厚労省としても従来の“受動的な予防”から“能動的な介入”へと政策の軸足を移す姿勢を鮮明にした。

 上野大臣は、攻めの予防医療の具体化に向け、以下の6分野を柱とする「総合的な対策」を取りまとめる方針を示した。

  ・栄養・食生活

  ・がん・循環器病等の主要疾患対策

  ・歯科保健

  ・認知症予防

  ・リハビリテーション

  ・性差に由来するヘルスケア(女性の健康課題など)

 これらは、生活習慣病の重症化予防から高齢期のフレイル対策、女性の健康支援までを包括するものであり、従来の一次・二次予防にとどまらず、発症後の早期段階での介入も“予防”として位置づける点が特徴である。すなわち、健康行動の改善だけでなく、疾患の早期発見・早期治療を通じて重症化を防ぐ“先制的アプローチ”を国家政策として明確に打ち出した形だ。(図4 厚労省における「攻めの予防医療」等の推進

厚生労働省における「攻めの予防医療」等の推進

 

 


 

 先制攻撃、先制点、先制パンチ。

 受け身という言葉を、仮にネガティブな意味と捉えるなら、「先制」はポジティブな意味と捉えられるだろうか。

 将棋や囲碁などのボードゲームなら、願わくば先番を選びたい。

 モノポリーでも間違いなくサイコロは早い巡目で振りたい。

 麻雀なら、好みの分かれるところだが、東一局は起家か、せめて南家でスタートしたい。

 意外にも人生ゲームは一番でなくても2,3番目くらいが良いかもしれない。

 野球なら、先行よりむしろ後攻の方を選びたくなるような気がする。

 

 野球を最後に例として挙げてしまったのでシマりが悪いが、先攻の上、先制点先取や、何らかの格闘技で先制パンチを相手に喰らわすのは、圧倒的に有利な状況だと思う。

 

 今回のテーマは、骨太の方針2026で注目される「攻めの予防医療」についてである。

 まず「予防医療」。

 医療系の展示会「HOSPEX Japan(ホスペックスジャパン)」において、「予防医療」や「健康長寿」に関する展示や特別企画が初めて本格的に登場したのは、2017年に開催された「ジャパンシルバーEXPO 2017」の同時初開催時だったそうだ。今から約10年前のことだ。

 当時、展示としての「予防医療」は大きなインパクトはあったものの、それが「マネタイズ」、経済効果となると、少し首をかしげざるを得ない、そんな状況であったと記憶している。

 その「予防医療」が、大きなブームとして本格的に定着したのは、2020年〜2022年頃、記憶に新しい「新型コロナウイルスによる感染症」の世界的な流行をきっかけに、感染症にかからないための免疫力向上、将来の病気リスクを防ぐこと(一次予防)への関心が爆発的に高まった。

 2017年以降、それまでも含め、「テーラーメイド医療」や「オーダーメイド医療」など、「○○医療」という言葉が出てきては、しばらくすると新しい言葉に置き換わってきた。筆者としてはそんな印象を受けている。

 「テーラーメイド(Tailor-made)」とは、服の仕立てにおいて「注文仕立て」のことを意味し、「オーダーメイド」と同義だ。さらに「オートクチュール(Haute Couture)」はテーラーメイド(注文服)の最高峰に位置づけられる概念だ(※2)。

 

 とにかく、ファッション業界の用語を医療用語に使用するのであれば「テーラーメイド医療」とは、個人の特性に合わせた医療であるので、診療報酬で点数化(一般化)された、いわば「プレタポルテ的な医療」より、手間とコストがかかるに違いない。

 

 テーラーメイド医療の特徴は、患者の遺伝的背景、生理状態、病態を網羅的に考慮し、その人に最も適した医療を提供するアプローチだ。体質に合わない薬や無駄な投薬を避け、効果が高く安全な薬を選択できることで副作用の軽減につながる。がんなどの難病においては、個々の遺伝子変異に合わせた分子標的薬を使用できる(治療効果の最大化)。

 こうなると、テーラーメイド医療は、「予防」との親和性が高いことが予想できる。個人の遺伝子情報や体質に基づき、疾患リスクを予測することができれば、発症前に生活習慣の改善や早期介入を行うことも可能だ。つまり病気の未然防止や、最適化された健康管理を可能にする、ということになる。

 こういった考え方が「攻めの予防医療」ということなのだろうか。

 

 まずはこんなコメントを。

○患者(または家族)

 「予防医療というと“健康意識の高い人向け”“健康オタク”というイメージがあり ましたが、実際には誰にとっても必要なものだと感じています。仕事や子育てで忙しい人ほど、検診に行く時間が取れず、気づいた時には病気が進んでいることもあります。 もっと受けやすい仕組みや、生活に合わせた支援が広がってほしいと思います。」


 検診に行く時間がなく、気づいた時には病気が進行している。

 

 仮に多くの人がその状況で、今の医療費の毎年「過去最高」が更新されているとするならば、国としてそこは何とかしたいと、当然考える。なので、健康診断受診の推進や予防の重要性が謳われてきたのだろう。

 

 続いて。

○政治家:「攻めの予防医療」に関する自民党の提言を高市首相に手渡し

 自民党の田村憲久・社会保障制度調査会会長らは6月25日、官邸で高市早苗首相と面会し、「攻めの予防医療」に関する党の提言を手渡した。認知症への対応や更年期の人に対する体制整備、ヘルスケア産業の創出・振興などを求めた。高市政権は「攻めの予防医療」を重要政策に位置付けていて、提言は政府が近く取りまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」などに反映される見通し。提言は、学齢期の子供における健康診断のあり方の見直しやリハビリテーションの推進を要請。ヘルスケア分野で人工知能(AI)の利活用を求めた。


 高市総理はご就任当初、診療報酬改定率については、医療界の声が多く届いたこともあってか、「プラス3.09%」の上に「2027年も追加でプラス改定」を決められた。当時の医療界における高市新政権は、好意的な評価として受け止められていたと記憶している(おそらく今もそうなのだろうが、結局「全然足りない」という現状)。

 同時に「攻めの予防医療」と、「その言葉をとにかく聞かされた」というような表現をなさっておられたかと記憶している。当時の紙面を思い出す限り、果たしてご自身が「攻めの予防医療」の意味するところまで深くご理解されていたか、判然としない。

 今はよくご理解されているのだろうと思う。

 

 今度はこんなコメントだ。

○上野厚労相:がんの予防には、『攻めの予防医療』の観点からも、がん検診の一層の推進が重要

 上野厚生労働大臣は6月9日の大臣記者会見で、参議院予算委員会における「乳がん検診で高濃度乳房と判定された受診者への通知義務化」の議論に触れ、厚労省としての対応方針を説明した。委員会では、X線マンモグラフィで高濃度乳房と判定された場合、早期発見の観点から本人への通知を義務化すべきとの指摘があった。これに対し厚労省は、今年夏頃をめどに、自治体が住民へ通知する際に活用できる「分かりやすいQ&A」を作成すると回答。自治体への周知と今後の取り組みについて、上野厚生労働大臣は、「乳がんを含め、がんの予防に当たっては『攻めの予防医療』の観点からも、がん検診の一層の推進が重要である。市町村が実施するがん検診については、科学的根拠に基づき検診方法や対象者を指針に定めて推奨している。多くの方に受診いただけるよう、引き続き努めていきたい」とコメントした。


 国民の死因第一位は「がん」である。

 厚生労働省の統計によれば、生涯医療費の平均は、男性で約2,500万〜2,800万円、女性で約2,800万〜3,000万円かかるという。その金額のうち、大半は70才を超えた頃に集中するという。であるから、70才以上でも大病を患うことなく、人生を全うされると、経済的な面も含め、お互いにとても良い状況が生まれる、と思われてしまう。

 なので、「攻めの予防医療」につながっていく、というストーリーは理解できる。

 

 続いてのコメントを。

○厚労省官僚:森光医政局長

 森光医政局長は4月17日の衆議院厚生労働委員会で、「攻めの予防医療」として歯と口腔の健康(歯科健診・オーラルフレイル対策など)をとりあげ、歯周病などの予防が全身の疾病予防につながるという観点から、「攻めの予防医療」の重要な構成要素として位置付けた。


 いわゆる「口腔ケア」の重要性だ。

 これは「テーラーメイド医療」というよりは「プレタポルテ医療」で、万人に対して効果が高いと思われるので、厚労省としては是非推進したいところだろう。

 

 おそらく、2017年頃に筆者が耳にした頃の予防医療の意味合いは「一般的な生活習慣の改善」が中心だったのだろうが、今や遺伝子解析などの進歩により、「個人のリスクに合わせた予防」へと進化しているのだそうだ(プレシジョン・プリベンション)。

 

 「医療」とは、罹ってしまった病気に対して処方や治療を行う行為で、ここが主に「保険診療」であり、そこに「診療報酬」が充てられていて、その医療費の増加が社会問題となって「財政審」が財源論としてよく問題視することになっている。

 これに対し、「予防医療」は、病気に罹る前、いや、罹ってもいない状態でアプローチするので、もはや「診療報酬」の領域でカバーしなくてもよいので、財務省的には保険財源が使用されることなく、さらには健康寿命が延伸し、高額医療費が発生する事象が少なくなれば、結果として医療費が下がって万々歳、ということになるのではないか。

 

 財務省のコメントである。

○財務省官僚:「予防=財政効果」という誤った期待を修正し、給付と負担のバランスを議論

 財務省の財政制度等審議会(財政審)は、これまでも繰り返し、「予防医療を進めれば医療費が減る」という単純な構造には必ずしもならないというデータと分析を提示してきた。例えば、生活習慣病対策やがん検診の受診率向上は健康寿命の延伸につながる一方、寿命が延びれば長期的には別の医療費や介護費が発生する可能性があるという点を指摘している。財務省の立場は、①予防医療は重要だが、医療費削減策として過度に期待すべきではない。②医療費の伸びの主因は高齢化と医療技術の高度化であり、予防だけでは抑制できない。③給付の適正化や制度の持続可能性の確保が不可欠 という論点を崩していない。このため財務省は、予防医療そのものを否定するわけではなく、 「予防=財政効果」という誤った期待を修正し、給付と負担のバランスを議論すべきだ という姿勢を強調している。

 一方、厚生労働省は「攻めの予防医療」を掲げ、がん検診や重症化予防を健康寿命延伸のための政策として推進しており、両者の立場の違いが“入り口論争”として浮き彫りになっている。


 …なるほどなぁ。

 議論の出発点が省庁によって異なる、か。

 

 数年も前のことだ。医療系の学会(筆者も参加:於 大阪)で登壇されたのは、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 理事長 亀田 隆明氏だった。

 演者から会場へ

 「もし現在の日本人の死亡原因一位の、がんで亡くなる人がなくなったら(つまり人類ががんを克服できたなら)、人間の寿命はどれだけ延びると思いますか」

 こんな問いかけだった。

 選択肢としては「10年以上」というのもあったと記憶しているが、答えは「せいぜい2~3年程度」延伸するのが関の山、という、一瞬だが衝撃的なものだった。

 なぜかといえば、仮にがんで亡くなることがなくなったとしても、心疾患や脳血管疾患、肺炎など、結果的に他の死因で亡くなる人が増えることになるであり、亡くなる時期を少し遅らせることが出来る程度、という側面があるのだという(それが2~3年延伸の正体)。

 生活習慣もあるのだろうが、主に「老い」からくる身体能力の低下によって、たとえがんで苦しむことはなくとも、死亡原因としては二番目以降に待ち構えている心疾患、脳血管疾患、肺炎がその順位を上げてくる…。

 

 だから「攻め」だろうが何だろうが「予防医療」に力を入れれば、それが医療費の削減に即つながるというものでは無い、という財務省の主張は、あまり与(くみ)したくはないが、それはあながち間違っていないような気がする。

 

 医師のコメントを。

○医師

 「攻めの予防医療を進めること自体には賛成だが、検診後の精密検査やフォローアップは地域の医療機関が担うことになる。予防を強化すればするほど、地域の医療機関の役割は増える。予防医療を推進するなら、診療報酬や人員配置など、地域医療を支える仕組みも同時に整えていただく必要がある。」


 …そうかもしれませんね。

 ただ、【図-4】厚生労働省における「攻めの予防医療」等の推進 のどこを見ても、「医療」の名称はあれど、「保険診療」という表記はない。

医療行為に近いが、予防なのであくまで「自費」若しくは自治体事業で検診無料などの取り組みを促す 程度なのではないか、そう筆者は予想してしまった(間違っていたらごめんなさい)。

 

 続いて。

○保健師

 「科学的根拠に基づく先制的な介入と、地域に根ざした支援の両輪がそろって初めて、予防医療は実効性を持つ」


 介入するということは、当該本人に対して呼びかけ、理解の上、主に検査になるのだろうが受けてもらう必要がある。最低でも数時間の時間的拘束や、費用負担も吞んでいただかねばならない。納得して受けてもらうためには科学的な根拠に基づき、「これこれこうだから、あなたには検査を受けてもらう必要がある」「これこれこう」には科学的な根拠が必要であり「患者(いや、患者ですらないが)が肚落ち」する前提として必要なのだ。

 検査費用は、仮に自己負担だとすれば、医療として受診した場合の自己負担金額に比較して約3.3倍かかることになる。

 診療行為としての受診であれば3割負担の人で自己負担金が30,000円だったとすれば、それが100%自費になるとしたら100,000円かかることになる

 (100,000円 ÷ 30,000円 ≒ 3.3倍)。

この上に消費税も必要だ。

 現在、そういう100%自費の検査は、主に健康診断時のオプションなどの場合が多いが、いくら高額であっても、それは確定申告時の医療費控除扱いとはならない。治療ではないが故に病名もついていないので、何らかの生命保険に加入していたとしても保険金が降りるものでもない。

 個人にとっては、よほどの納得性がなければ簡単に予防医療を受けよう、という流れにはなりにくい。テーラーメイド、「あなたのための予防」であることを十分に理解いただくことが入り口としてまず最低限だ。まず国民の「健康意識の向上」が必要だ。

 「攻めの予防医療」推進で結果的に医療費の伸びが抑制されるのであれば、財布の場所がどうだという議論(治療ではないので保険財源を使うのは如何?というような議論)は残るかもしれないが、それを原資として考えることが出来るのであれば、進める価値はあるのかもしれない。

 しかし財務省の予想が仮に正しいとすると(筆者もどちらかというとこちらの意見)、原資が生まれてくるわけでもないので、個人負担分(あるいは自治体負担分)の(予防)医療費が増えてしまうだけ。もしかしたら、そんな結果が待ち構えているのかもしれない。

 

 次のコメントを。

○先制医療を提唱する医師:予防を“個別化”しなければ効果は限定的

 「予防医療が医療費削減につながるかどうかは、画一的な施策では限界がある。重要なのは、遺伝情報や生活習慣、画像データなどを組み合わせて、個々のリスクを精密に評価し、必要な人に必要な介入を行う“先制医療(Precision Prevention / Predictive Medicine)”の視点だ。 科学的根拠に基づく個別化された予防こそが、健康寿命の延伸と医療資源の最適化につながると考えている。」


 ということなのだろう。

 医療の「テーラーメイド」化と、国民一人ひとりの、自らの体に関する科学的な根拠に基づいた理解と健康意識。

 それが大事だ。

 

 医業系コンサルタントのコメントだ。

○医業系コンサルタント

 「攻めの予防医療が進むと、医療機関は“病気になってから行く場所”ではなく、“健康を維持するために相談する場所”へと役割が変わる。 特に開業医は、生活習慣病の早期介入、検診後フォロー、地域住民の健康相談など、地域の健康支援拠点としての機能が強まる。 医療機関の経営も、治療収入だけでなく、予防・健康支援サービスを組み合わせた多層的なモデルへ移行していくと考えられる。」


 2017年に「到来したか?」と展示会に行って感じた「予防ブーム」は、いよいよ「攻めの予防医療」を境に来ることになるのだろうか?

 「かかりつけ医」と「テーラーメイド診断」、そして「テーラーメイド(予防・先制)医療」。効果は高そうだが、一体いくらかかることになるのか…。

 

 エコノミストのコメントだ。

○経済エコノミスト:予防医療は、複数産業が連携する“ヘルスケア・エコシステム”として発展

 「攻めの予防医療が進むと、医療・食品・教育・保険といった産業の境界が曖昧になる。食品メーカーは健康データを活用した商品開発を行い、保険会社は行動変容インセンティブを提供し、学校は健康リテラシー教育を強化する。予防医療は単一の産業では完結せず、複数産業が連携する“ヘルスケア・エコシステム”として発展していくと考えられる。」


 「ヘルスケア・エコシステム」か。

 因みに「エコシステム」は、本来的には生物における生態系を意味する。

 

 経済活動全体でこのエコシステムが発展する、ということは、食品産業でも健康を意識した商品開発に拍車がかかるだろう。現に今もその動きはあるのだろうが。

 

 最後にこんなコメントを。

○ファーストフード提供企業

 「学校教育や自治体の健康施策と連携しながら、食育や栄養教育に取り組む企業が増えている。 子どもたちが“食と健康”を理解する機会を提供することは、将来の生活習慣病予防にもつながる。 ファーストフード企業としても、単に商品を提供するだけでなく、社会全体の健康づくりに寄与するパートナーとしての役割が求められていると感じている。」


 ファーストフード自体を「健康の大敵」と位置付けるのは、この自由主義的経済においては難しいことなのだろう。ニーズもあるので客入りも上々。何が「大敵」か。お叱りを受けてしまいそうだ。

 それはそうとして、意図的にファーストフードを避ける人も一定数いるのだろうが、糖質と脂質(人間が美味しいと感じる成分)の魅力に逆らえる人はなかなかいない。ついつい口にしてしまうものだ。そしてすぐ後に後悔してしまう。

 

 (糖質と脂質で作られた)商品によって、ではなく、

 「食と健康を理解する機会を提供する」

 「健康づくりに寄与するパートナー」

 の枠割が求められる。

 か…。

 少しマッチポンプ的で苦しい表現なように聞こえなくもないが、企業の営利活動である以上、「単に商品を提供する」だけでない、とPRする姿勢を示すことは、現代社会における企業の社会的責任の観点からも重要なことなのだろう。

 

 ファーストフードが健康の延伸を妨げている原因だ、などと言っているわけでは決してないが、食べると「美味しい」と感じてしまうのもまた事実。

 ファーストフードを食べようとして家内に

 「やめときや~」

 などと注文をする前に先制的に介入され(いや専制的に か?)、注文を諦めてしまったことも何度かあった。

 今のところは健康に留意しつつ、「たまのご褒美」という位置づけで付き合うのが賢明だ。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 

(※2)… オートクチュールの対義的な意味合いとしてのプレタポルテ(Prêt-à-porter)は、オートクチュールが「個人のために作られる一点物」であるのに対し、プレタポルテは「すぐに着られる服」を意味し、一般的な量産型の既製服やブランドの高級既製服を指す。

<WMN事務局>

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