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No.829 来年度予算概算要求で注目される医療・福祉の人材・インフラ構築 「アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)」とは?

2026年10月15日

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◇「来年度予算概算要求で注目される医療・福祉の人材・インフラ構築「アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)」とは?」から読みとれるもの

・次世代型へ高度化(Advanced)”するための政策フレーム「AEHS」

・背景に医療・介護の担い手が不足化する「2040年問題」

・厚労省、こども家庭庁、文科省、内閣府、経産省が連携して推進

 

■来年度予算概算要求で医療・福祉など基幹サービスを“次世代型”に転換するAEHS計上

 厚労省は財務省に提出した令和9年度予算概算要求で、医療・福祉の人材など人間の生命・生活を支える基幹サービスをDX・AI・高度人材育成・インフラ更新によって“次世代型へ高度化(Advanced)”するための政策フレーム「アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)」の基盤構築を重点事項として掲げた。医療・介護・福祉・保育といった生活を支える基幹サービスを、2040年の人口構造変化に耐えうる次世代型へ転換するための新たな政策フレームである。担い手不足が不可避となる中、従来の「量的確保」中心の政策では持続性が担保できないとの危機感が背景にある。AEHSは、人材・インフラ・DXを三位一体で高度化することで、限られた人材でも質を維持できる体制を構築することを目的とする。

 

 厚労省の令和9年度概算要求では、AEHS関連として1,733億円+事項要求(うち投資枠1,293億円)が計上された。医療・介護・障害福祉・保育の各分野に散在していた人材育成、施設整備、DX投資を一体化し、政策効果を最大化する点が特徴である。政府はAEHSを「基幹サービスの次世代化」を進める省庁横断の戦略として位置づけ、厚生労働省、こども家庭庁、文部科学省、内閣府、経済産業省が連携して推進する。(図1 医療・福祉の人材・インフラ構築~アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービスの基盤構築)

医療・福祉の人材・インフラ構築 アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービスの基盤構築

 

■アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービスが必要とされた背景

 政府は7月21日閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」で、「強い経済」の実現に向けた戦略的投資・分野横断的な取組として、人口減少下での成長力確保に向け、AIやデジタル技術を活用して生産性と賃上げを両立させる「アドバンスト・エッセンシャルワーカー(AEW)」の育成を明記。これを受けて厚労省は令和9年度予算概算要求における重点要求の3本柱の1つに「Ⅱ賃上げ環境整備・労働市場改革等の分野横断的な課題への対応として「3.人材育成(医療・介護・福祉等分野の必要なエッセンシャルワーカーの確保)」を掲げた。(図2 令和9年度厚生労働省算概算要求における重点要求)

令和9年度厚生労働省予算概算要求における重点要求

 

 アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)基盤構築の背景には、2040年に向けた人口構造の急激な変化がある。18歳人口は現在より3割以上減少し、医療・介護・福祉・保育の担い手確保は量的に困難となる。一方で、高齢者人口はピークを迎え、医療・介護需要は増加する。病院・介護施設の老朽化、災害リスクの高まり、地域医療構想の進展など、インフラ面の課題も顕在化している。こうした状況下で、従来の「マンパワーを増やす」政策は限界を迎えつつある。必要なのは、限られた人材で質を維持するための生産性向上と、担い手の質的転換である。AEHSはこの課題に対し、次世代型の基幹サービスを構築するための包括的な政策枠組みとして設計された。

 

■人材の高度化、インフラの次世代化、DX・AIによる生産性向上の「AEHSの三本柱」

 AEHSの中心となるのが、医療・介護・福祉・保育の担い手を「AI・DXを使いこなす高度人材」へ転換する取り組みである。都道府県に担い手確保プラットフォームを整備し、未経験者研修、職場体験、マッチング支援を強化する。養成校改革も重要な柱であり、デジタル教育の必修化、学校の統合再編、外国人材の受け入れ拡大などが進められる。従来の量的確保から、質的転換への政策シフトが鮮明である。予算概算要求では、① 担い手確保プラットフォームの構築(80億円)、②養成施設のテクノロジー導入・デジタル教育推進(55億円)、③ 修学資金支援・研修の充実(130億円)を計上した。

 

 新たな地域医療構想に基づく病院の更新・再編、小児・周産期・救急・へき地医療の体制強化、介護施設の耐災害化、障害福祉事業所の整備など、地域に不可欠なインフラを計画的に整備する。特に病院の老朽化は全国的な課題であり、2040年の需要を踏まえた機能分化・再編が求められる。介護施設や障害福祉施設では、災害対応力の強化が重点化されている。中山間地域では訪問介護・訪問看護の維持が課題となり、地域特性に応じた支援が求められる。インフラ整備では、新たな地域医療構想に基づき、老朽化・災害対策を含む病院の計画的更新に5億円+事項要求を措置する。小児・周産期・救急・へき地医療の体制整備も対象となる。介護・福祉施設の整備には696億円を投じ、耐災害化、中山間地域の訪問介護体制確保、障害福祉サービス事業所の整備を進める。

 

 医療DXでは、電子カルテ連携、AI問診、遠隔医療、遠隔ICUなどが推進。介護DXでは、記録の標準化、見守りセンサー、ケアプランAIの導入が進む。障害福祉分野では、介護ロボットやICT機器の導入支援が拡充される。DX・AIは、担い手不足時代における「省力化・高度化」の基盤であり、AEHSの実効性を左右する重要な要素となる。DX・AIによる生産性向上はAEHSの中核であり、医療機関のICT・AI導入、在宅医療の遠隔支援、薬局機能の高度化、介護DX、福祉行政のデジタル環境整備に829億円を計上した。

 

 アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)は、2040年の人口構造変化に備え、医療・介護・福祉の基幹サービスを「量的確保」から「質的転換」へ移行させる国家的プロジェクトである。人材・インフラ・DXを一体で整備することで、限られた人材でも地域に不可欠なサービスを持続可能な形で提供し続ける体制を構築する。令和9年度概算要求は、その初年度として、基盤整備に向けた大規模な投資を位置づけている。

 

 


 

 晴れ間の昼間はまだまだ暑く、半袖でないと暑いが、朝夕の寒暖の差が激しくなり、今度は半袖では肌寒くなる、太陽のあるなしで、体がゾクッとしてしまう。台風は頻繁に発生しているが、季節は確実に夏から秋へ、秋本番へ近づいている。

 もともと筆者は苦手なのだが、寒くなってくると、もっと触れたくない、いや、見たくもないのが「ホラー映画」である。怖いもの見たさ故だったのか、または全くの勘違いで今夏は何本か怖い映画を見てしまった(※1)。

 見まい、見まいと思っていたホラー映画だが、予告編やチラシを見るだけではその判別の付きにくい、スティーブン・スピルバーグの最新作「ディスクロージャー・デイ」。

 ニュースキャスターらしき女性(演:エミリー・ブラント)が、映画内のニュース番組中に急に眼を見開き、「カク・カ・カ・・・」というような音を発するシーン、彼女が宇宙人のような存在か、あるいは政府に過去に改造されていて、実はロボットであり、何かのきっかけで仕掛けが作動し、その「カク・カ・カ・・・」という音を発しながら、突然ロボットの正体を現す…。それが「ディスクローズ」されるということなのか?予告編からはそんな想像をしてしまう。ややSFホラー的な展開だが、そういうシーンを、筆者としてはあまり観たくない。そう思っていた。

 ので、観るかどうかとても迷った。でも気になる。気になってその先が知りたい。怖いもの見たさである。

 結果、観てしまったのだが、実際にそこまで恐ろしいシーンはなく、大長編だったがあっという間の2時間半であった。特に最後の20分間は圧巻。これまでいろいろな未知の生命体が登場してきたスピルバーグ映画の、ある意味集大成ともいえる映画ではなかったか。気づけば豪華キャストのオンパレードであった(※2)。

 

 「ディスクロージャー・デイ」のような、横文字が続くタイトル張りの、今回のテーマは、「アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)」についてである。

 こんな言葉、一体いつ一般的に使用されるようになったのか。

 

 WMN6月号No.‐822 「医療人材の偏在是正へ、12職種横断で議論開始」において、医療人材が偏在、不足し、今後の医療提供体制が懸念されるというようなテーマを採り上げたが、そこから発展した概念なのか。

 

 まずはこんなトピックを。

○厚労相:2027年度予算概算要求で厚労省が掲げた攻めの予防医療「U.E.N.O.Plan」

 厚労省は2027年度(令和9年度)予算の概算要求を取りまとめ、健康・ヘルスケア分野では「攻めの予防医療」関連施策として493億円を要求した。栄養・食生活のリテラシー向上、生活習慣病対策、歯科健診、女性の健康課題、AIを活用した予防医療を重点施策とした。「U.E.N.O.Plan」は、国民の行動変容を政策の中心に据えるために設計された行動モデルであり、Understand・Exercise・Nourish・Optimize の四段階で健康行動を整理するものである。上野厚生労働大臣は、これを予防医療の新たな政策言語として提示した。概算要求では、関連事業を広く含めた「攻めの予防医療」として509億円を計上しており、493億円には含まれない事業(スマート・ライフ・プロジェクト等)が複数含まれている。


 Understand・Exercise・Nourish・Optimize…

 最近はやりの暗号資産のシードフレーズ(パスワードのようなもの)のようにも感じるが…。U.E.N.O.PlanそのものにAEHSに関する記載はないが、大臣の名前の頭文字をとってのプランなので、当然肝いりだ。今回の内閣改造でU.E.N.O.Planのネーミングも上野大臣続投が決まった理由の一つなのだろうか

U.E.N.O.Plan ~ 攻めの予防医療厚生労働省関係施策 ~ 概要

 

 続いて。

○AEHSを巡る厚労省官僚と財務省官僚の方向性は一致?:

 「AEHSは、人口減少下で社会機能を維持するための基盤投資」

 概算要求の説明に当たり厚労省は財務省に対して、「AEHSは、人口減少下で社会機能を維持するための基盤投資」と説明、医療・介護・福祉・保育の各分野における生産性向上、職員配置基準の柔軟化、デジタル・AI対応人材の育成を強調。

 一方で、財務省は従来から「マンパワー増による歳出膨張」に慎重であり、概算要求基準でも 歳出全般の優先順位の洗い直し・大胆な重点化を求めている。そのため、財務省官僚はAEHSを進めるにあたり、「AEHSは人員増ではなく、現場の生産性向上と制度の柔軟化を通じて持続可能性を確保する改革として評価したい」との姿勢を示すのではないかと思われる。


 …そうか。

 歌の上手い歌手(当たり前か?)、踊りの上手い踊り手(これも当たり前か?)。それを一人で「歌って踊れる」、仮にそれを「マルチタレント」というならば、それを医療・福祉版で生み出そうということか。

 それが「アドバンスト・エッセンシャル・ヒューマンサービス(AEHS)」、エッセンシャルワーカーが行う進化したサービスなのか。

 つまり「マルチタスクスキル」人材に投資すれば一人何役もこなせるので、人の頭数を増やすことなく、現場の生産性向上に寄与できるので、財務省としても理解を示す…。

 なるほど。当社グループもライセンスこそないが業務の「マルチタスクスキル」を持った人財(人が財産なのでこう表記)の育成を掲げているが、一方でそう都合よく事は運ばない現実を、何年も見てきているのだが…。

 

 医師会のコメントを。

○日本医師会:エッセンシャルワーカーである医療人材確保は、行政も協働して解決する責任

 日本医師会は厚労省に提出した「2027(令和9)年度予算要求要望」の中で、「地域医療について、建物の老朽化対策や高額投資への支援等とともに、地域医療介護総合確保基金の拡充や柔軟な運用等による有効活用など、以下の通り新たな予算措置及び現行予算の大幅な増額を求める」と強調。とりわけ、「地域医療を担う人材確保」をとりあげ、「医療は社会インフラであり、エッセンシャルワーカーである医療人材の確保は、行政も協働して解決する責任があり、早急な支援を要望する」と求めた。


 支援はお金だけで済むものでもないのだろうが、ごもっともな要望である。

 

 今度は病院団体。

○日病会長:病院の建て替え問題・看護師確保は、国家的な戦略

 日本病院会の相澤孝夫会長は6月23日の定例記者会見で、医療現場においては、少子化による「スタッフ確保難」、物価高騰による「設備整備難」という2つの大きな問題を抱えていると指摘。「建築費」問題については、①建築費が高騰し、診療報酬で得た利益だけで「老朽化した病院の建て替えや増改築を行う」ことができない点を厚生労働省や財務省、さらに広く国民に理解してもらうことが重要である。②診療報酬以外にも、病院の設備整備支援制度があるが、建築費の高騰で不十分な状況に陥っており、そこへの適切な対応も考える必要がある。③こうした中では「全面建て替え」ではなく、「リノベーションで対応する」「中長期計画策定において、期間経過とともに現状に合わせて計画を見直すとともに、期間の延長も勘案するローリング方式などを検討する」ことも必要になってくる-と述べ、「病院の建て替え問題、看護師確保のいずれも地域医療を守るために必要不可欠であり、国家的な戦略が求められる」と強調した。


 「国家的な戦略」か。

 悩みや課題を抱えていない組織や企業など、ありはしないのだろうが、これからの病院経営には、数多くの課題がのしかかっているような気がする。とにかく、人的リソースの問題もさることながら、「建て替え」という問題は非常に大きな要素である。

 

 医師のコメントだ。

 

○医師

【開業医】

 高齢者の多疾患併存が進む中で、診療所は医療と生活支援の境界領域を担っている。AEHSは、こうした“生活医療”を支えるための基盤整備として位置づけられるべきで、単なるデジタル化の話ではない。

 

【勤務医】

 「医師の働き方改革は、医師だけの問題ではなく、看護師・事務職・コメディカルの業務再設計と処遇改善がセットでなければ成立しない。生産性向上を前提とした報酬体系に転換しない限り、若手の確保は難しい。AEHSはそのための政策的枠組みとして期待している。」


 AEHSに携わる人財が、崇高な社会的使命感を持ち、ひがみややっかみもせず、患者・利用者にはもちろん、身内や協力企業にも親身な対応ができる人格が身についておられ、さらに時間外勤務が発生することなく業務がスムーズに実行され、ミスも起きずクレームにつながるようなこともなく。そしていつの間にか部門間の潤滑油的存在となってくれている。(財務省的にはこれが一番大事なのだろうが)その上ギャラは「コメディカル」級の費用で済む(あるいは看護師等の存在もAEHSに入れて良いのか?それならば「看護師」級)。

 一方でそのAEHSに携わる人財にも当然、生活(家庭)がある中にも関わらず(順風満帆であってほしいがそうでない可能性もある)。

 そんな人財はどの組織だって、誰だって欲しい。もしそうならば期待されて当然だ。

 そこまで完全無欠な人財ならば、起業してしまうのではないか。とすら思える。

 

 病院経営層のコメントだ。

○病院経営層

【急性期病院・病院長】

 「働き手の確保は年々厳しさを増しており、看護職だけでなく臨床工学技士や放射線技師など専門職の採用も困難になっている。人口構造の変化を踏まえると、従来の採用努力のみでは限界があり、人材育成、施設整備、DXを三位一体で推進し現場の生産性を高めることが不可欠である。特に急性期では業務量が多く、AI記録支援や見守り機器の導入による負担軽減が大きな効果を生むと考えている。」

 

【中小病院・事務長】

 「中小病院では、採用競争力の面で大規模病院に劣るため、働き手確保が極めて厳しい状況である。だからこそ、DXによる業務効率化と働きやすい環境整備が採用力そのものとなっていると考えている。紙中心の運用では若手が定着せず、電子カルテの刷新や業務フローの見直しは、採用と定着の双方に効果がある。」

 

【回復期病院・院長】

 「回復期ではPT・OT・STの確保が最重要課題であるが、養成校の定員割れが続き、地域によっては採用がほぼ不可能になりつつある。人材不足を補うには、リハビリ記録の自動化やデータ活用による効率化、施設の機能更新など三位一体の高度化が不可欠である。働き手の負担を減らし、専門性を発揮できる環境を整えることが、質の高い回復期医療の維持につながると考えている。」


 DX。効率化。

 デジタルとか、機械の扱いとか、そんなのが嫌で介護や医療周辺の職を選んだ人は結構多いのではないか。因みに、そういうことは最初から「旦那の仕事」と決めつけている我が家内は、いくら機械の説明をしても、まず聞くことはない。「あんたがやって~な」。これで終わりである。家内の様な考え方の人ばかりでは決してないだろうが、似たり寄ったりの人にリスキリングして頂くのは、並大抵のことではない、と、一方で思う。

 先月号だったか?「AX」という言葉の登場で、もはや使い古されてしまった言葉かと危惧もしたが、これらのコメントはまだ、「DX」を志向した考え方のようで、少しほっとした。しかしながら、次の考え方が生まれた以上、おそらくDXだけで、多くの課題を抱えた医療福祉業界に福音がもたらされるということもないのだろう。成長著しい生成AIに比して、医療福祉業界を取り巻くDXや、さらにAXにいたっては、一体いつになったら実現するのだろうか。残された時間はそう多くない。

 

 今度は介護側から。

○介護・福祉施設経営層

【介護老人保健施設(老健)・事務長】

 「老健では、看護・介護・リハ職の確保が同時に求められるが、いずれも採用難が継続している。地域によっては特定職種の採用がほぼ不可能な状況である。老朽化した施設では働き手が定着しにくく、インフラ更新とDX導入を一体的に推進することが不可欠である。業務の標準化とデジタル化は、在宅復帰支援の質向上にもつながると考えている。」

 

【特別養護老人ホーム・施設長】

 「介護人材の確保は年々厳しさを増しており、若手職員の採用が極めて難しい状況である。身体介護、夜勤、家族対応など負荷の高い業務が多く、従来の採用努力のみでは限界がある。人材育成、施設の機能更新、介護DXを三位一体で推進し、生産性を高めることが、職員の定着とサービスの質の両立に不可欠である。特に見守りセンサーや記録の自動化は、夜勤負担の軽減に大きく寄与している。」

 

【有料老人ホーム・運営責任者】

 「有料ホームではサービス水準への期待が高く、職員の心理的負荷が大きい傾向である。採用難は構造的課題であり、働き続けられる環境整備とDXによる業務効率化が採用力そのものとなっていると考えている。見守り機器、インカム連携、記録の自動化などのデジタル技術の導入は、職員の負担軽減に直結している。」

 

【サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・管理者】

 「サ高住は生活支援と介護サービスが混在するため、職員の業務範囲が広く、採用・定着が難しい構造である。人材不足を補うには、業務の標準化とデジタル化による省力化、さらに施設の安全性向上が不可欠である。特に夜間帯の見守り負担を軽減する技術は、職員の離職防止に大きく寄与している。」


 こちらもまだ良くてDX止まりだ。

 多くの求職者が求める就職先、一体どの業界で、どこにあるのだろうか。

 

 今度は保育から。

○保育施設経営層

【認可保育所・園長】

 「保育人材の確保は年々厳しさを増しており、若手保育士の採用が極めて難しい状況である。育児不安の強い保護者対応や園内事故への説明負担など、心理的負荷の高い業務が多く、従来の採用努力のみでは限界がある。人材育成、施設整備、保育DXを三位一体で推進し、生産性を高めることが、職員の定着と保育の質の両立に不可欠である。特に記録の標準化やICT連絡帳は、業務負担の軽減に大きく寄与している。」

 

【認定こども園・副園長】

 「こども園は教育と保育が一体となるため、職員には高い専門性が求められる一方、採用難が継続している。若手ほど業務負荷が大きく、離職につながる事例も少なくない。老朽化した園舎では働き手が定着しにくく、インフラ更新とDX導入を一体的に推進する必要がある。園内事故対応や保護者説明の標準化は、保育の質向上に直結する取り組みである。」

 

【小規模保育事業・管理者】

 「小規模保育では職員数が限られているため、採用難が深刻である。職員一人ひとりの負担が大きく、業務の属人化が進行しやすい構造である。DXによる記録の自動化や業務の標準化は、少人数体制の保育現場にこそ不可欠である。インフラ整備と一体的に推進することで、職員が安心して働ける環境の整備につながると考えている。」


 以下同文。「三位一体」という言葉がよく出てくるなぁ。

 

 そして今回は教育の現場の声も紹介したい。

 筆者の同級生が教育者であるのだが、今は年代的に校長先生なのだが、入職したての頃は、先輩の先生方から、やれワープロを打ってくれとか、設定をお願いとか、当時の言葉にはなかったが、教員業務や部活の顧問以外にも、「IT便利屋さん」の業務もとても重荷だったらしい。あれから約20年たった今、教育の現場では果たしてどれだけ良い変化が起こったのだろうか。

 

○学校等教育現場

【公立小学校・校長】

 「教育現場では、ミドル・シニア層の教員を中心に、ICT活用への不安や負担感が依然として大きい状況である。校務の多くが属人化し、紙中心の運用が残存することで、若手教員の負担が増大している。人材育成、校舎の機能更新、教育DXを三位一体で推進し、校務を標準化することにより、教員が本来業務に集中できる環境整備が不可欠であると考えている。」

 

【公立中学校・教頭】

 「中学校では、部活動、進路指導、保護者対応など業務が多岐にわたり、教員の時間外勤務が慢性化している。特に非デジタルネイティブ層では、ICT導入が負担増として受け止められる場面がある。DXは単なる機器導入にとどめず、業務の再設計と一体で推進することが、働き手の確保と定着に直結すると考えている。」

 

【公立中学校シニア層教員(学年主任)】

 「ICTは便利であると理解していても、操作に不安があり、導入が負担増として受け止められる場面がある。特に学年運営や保護者対応は属人化しやすく、デジタル化の恩恵が届きにくい構造である。DXは機器導入にとどめず、業務の再設計と一体で進めることが、現場の納得感の確保につながると考えている。」


 「御上先生(※3)」に出てきた教育現場は、あれはいったい何だったのか?もしかすると、医療や介護現場よりDX化が遅れているのかもしれない。とはいえ、コロナ禍を経て、小職の子どもたちはほぼiPad的なツールを授業に使用しているように見えるのだが…。「紙中心の運用」か。

 校長先生である筆者の同級生は今、教育現場に何を思っているのだろうか。

 

 医療・介護・保育・学校、おそらくエッセンシャルワーカーと呼ばれる職域、現場の課題感は程度の差はあれども似たような構図である。

 

 ここにAEHS、アドバンスなエッセンシャルワーカーに就くマルチタスクな人財によるエッセンシャルサービス、これを目指そう、目指したい、という方々は何を思うのか。

 

○将来医療・介護・保育業界を目指そうとしている世代

【看護学生】

 「看護職を志望しているが、現場の業務量の多さや夜勤負担の大きさに不安を抱いている。記録支援や見守り機器の導入など、DXが進展すれば、働き続けられる環境の整備に資すると考える。人材育成、インフラ更新、DXを三位一体で推進することが、若手が安心して専門性を発揮できる職場の形成につながると感じている。」

 

【介護職志望・専門学生(介護福祉士)】

 「介護の仕事にはやりがいがある一方で、身体的・心理的負担が大きいと聞いている。見守りセンサーや記録の自動化が進展すれば、職員が利用者と向き合う時間を確保でき、ケアの質の維持にも資すると考える。DXと施設整備が一体的に推進されることで、若い世代が長く働ける介護現場の形成につながると感じている。」

 

【保育士志望・短大生】

 「保育の仕事には子どもと関わる魅力がある一方、保護者対応や記録業務の負担が大きいと聞いている。ICT連絡帳や園内情報共有のデジタル化が進展すれば、保育に専念できる環境が整備されると考える。人材育成、園舎整備、保育DXが一体的に推進されることが、若手保育士の定着につながると感じている。」


 「三位一体」がこちらにも出てきた。

 筆者だけかもしれないが、今目指そうとしている自らの将来像に、AEHSを見出している方がおられるとは、到底感じられない。

 「働きやすさ」「DX」「定着」の先にある「専門性発揮」、ここまでではなかろうか。

 「アドバンス」ですからね。「ア・ド・バ・ン・ス」。

 

 最後にこんなコメントを紹介して締め括りとしたい。

○患者(または家族)

 70代母を介護する家族。「認知症の母は説明を理解するまでに時間を要し、職員の負担が大きい状況である。記録や見守りがDXにより効率化されれば、職員が母と向き合う時間を確保でき、ケアの質の維持にも資すると考える。人材不足は家族にも明らかであり、現場の負担軽減とケアの質を守るためには、省力化の取り組みが不可欠である。


 「人材不足は家族(の目)にも明らか」。

 1日8時間。質の高いサービスの提供と、しっかり整備された記録類。安全配慮も怠りなく。そして、人手不足なので、以前に比較すれば少ない人員でそれを当然のようにこなし、組織として資金をしっかり回した上で成長し、業界内で勝ち残っていく。

 この、決して簡単ではない命題に、これから将来を迎える我々は、解を見つけていかなければならない…。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 

(※1)… バックルームズは、予告編を観る限りでは、勝手に「インセプション(監督 クリストファー・ノーラン)」のような映画だと勘違いしてしまったのが運の尽き。そこまで目を背けなければならないようなシーンはなかったものの、レイトショーだったので、見終わった後の夜道を歩くのは少し怖かった。筆者にとっては観ること自体が「大失敗」の、「ありえない」映画であった。あの頃は(ほんの少し前だが)まだ残暑厳しく、暑さが怖さを忘れさせてくれていたのだが、寒くなるとそうはいかない。「枯れ尾花」にギクッとする可能性もある。寒いのはとにかく苦手である。

<筆者>

 

 

(※2)… 最後のタイトルロールを見て驚いた。「キングスマン」「キングスマン2」に出演の、とても格好良かったコリン・ファースも登場していたではないか(2では少し可哀想な役回りだったが、ほぼ死人同然から一命をとりとめたのだから仕方がないか)。
一体どの役だった?あれか?いや、アイツだったか?洋画は登場人物の名前が今一つ覚えられないので、最後まで配役と役者名が一致しないこと往々にしてある。主演女優のエミリー・ブラントも豪華だったが、個人的にはエミリー・ブラントの少女時代を演じた女の子が、とても愛らしくて良かったと感じた。とても怖いシーンに登場したのだが、その愛くるしさに目を奪われてしまった。金髪で青い目の、特に子どもは無条件に可愛い。絵になるなぁ。

<筆者>

 

 

(※3)… 2025年1月、TBS系日曜夜9:00のドラマ。現在、話題沸騰中のVIVANTでは、とても腫れた顔で拷問を受けている松坂桃李扮する文科省官僚が、私立進学校に出向、一教員として複雑な現代社会を生きる高校生と向き合う姿を通じて、生徒たちの成長を描いた秀作。

<筆者>

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