ワタキューメディカルニュース

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短信:医療用医薬品の不適切広告、厚労省が制度初の調査

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 厚労省は、医療用医薬品に関する製薬会社の広告を、新しい「広告活動監視モニター制度」により、全国から抽出した医療機関モニターを通じて調査した。その結果、39製品に「誇大な表現」など法律や通知に違反する疑い事例が64件あることが6月30日分かった。

 重大な健康被害を招きかねない事例はなかったものの、厚労省では悪質な例(23製品)については、自治体と連携して行政指導を行う方針である。また、望ましくない事例などは、業界団体の自主規範の見直しを依頼する。

 製薬大手ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」(商品名ディオバン)を巡る研究論文データ改ざん事件などを受けて、医療用医薬品の広告を監視する制度が導入されたが、厚労省が2016年12月から今年2月に初めて調査した。

 その結果、抗がん剤や抗ウィルス薬、高血圧治療薬などの39製品で違反が疑われる項目が64件あったことが確認された。内容は「事実誤認の恐れのある表現」が最も多く29件、「誇大な表現」が13件などであるが、その詳細項目のあらましは以下。

 A 「未承認の効果効能や用法用量を示した事例」

*未審査の臨床試験結果を用いて、血圧降下作用を効能効果のように示した事例

 B 「事実誤認の恐れのある表現を用いた事例」

  *誤解しかねないスライド構成やデータで医薬品の優位性をPRした事例

  *他社でも行っている副作用調査を“当社だけ実施”とPRした事例

  *医薬品の優劣とは関係しない“治療指針の掲載順”をPRする一方、安全性に関する情報提供が一切なかった事例(効能効果を誇大に表現)

  *症例数の少ないデータや、理論上あり得ない数値を用いたリスクを軽視した製品説明を行った事例

  C 「信頼性に欠けるデータを用いた事例」

    *症例数の少ないデータを用いた効果を主張した事例

    *臨床データのない効能効果を紹介した事例

    *その他、安全性を軽視した事例 / 利益相反に関する事項を明記

しなかった事例  etc.

 厚労省では、MRの説明が不十分な傾向があること、紙ベースの証拠となる資料がなかったり、ネット情報で監視の目がとかく届かないなどもあって、不適切な広告活動が依然、続けられていることを問題視。「製薬企業や業界団体がコンプライアンス遵守の徹底を図り、適切な広告活動を行うことを強く望む」としている。

 なお、この調査では医療関係者に影響を与えやすい「記事体広告」についても調査を実施。16の専門誌、学会誌(必須対象)などを幅広く調査した。

 

以上