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No.757 「内閣感染症危機管理統括庁」が発足 デジタル庁、こども家庭庁と省庁「増殖」に批判の声も

2023年10月16日

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◇「「内閣感染症危機管理統括庁」が発足 デジタル庁、こども家庭庁と省庁「増殖」に批判の声もから読みとれるもの

・感染症危機対応の企画立案や調整を一元的に担う司令塔「内閣感染症危機管理統括庁」

・厚労省は健康局を「健康・生活衛生局」に改組、「感染症対策部」を新設

・こども家庭庁に続き、岸田首相の肝いりで発足した内閣感染症危機管理統括庁

 

政府感染症対応の司令塔「内閣感染症危機管理統括庁」、感染症危機対応の企画立案や調整を一元的に担う

 政府の感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理統括庁」が9月1日、発足した。新型コロナウイルス禍の教訓を踏まえ、労働省や2025年度以降に設される国健康危機管理研究機構(日本版CDC)と連携し感染症危機対応の企画立案や調整を一元的に担う。新たな危機に備え、当面は政府行動計画の改定作業を1年程度かけて行う方針だ(図1 内閣感染症危機管理統括庁を中心とした司令塔機能の強化(内閣府資料)

 

 内閣感染症危機管理統括庁は、2023年4月に成立した改正内閣法に基づき、内閣官房に設置された。平時は38人が常駐し、緊急時は関係省庁の職員との併任を含め、最大約300人態勢となる。トップの内閣感染症危機管理監には栗生俊一官房副長官、事務を総括する感染症危機管理対策官には厚生労働省の迫井正深医務技監が就いた。統括庁の担当大臣は、これまで新型コロナ対策担当大臣だった後藤茂之経済再生大臣が務める(9月13日の内閣改造で新藤義孝経済再生大臣に交代)。統括庁の発足に合わせ、厚労省は9月1日、省内に「感染症対策部」を新設した。平時から感染症の分析や検査、予防接種、保健所の支援などを担い、統括庁と連携する。政府に科学的知見から助言する「国立健康危機管理研究機構」(日本版CDC)は、2025年度以降に発足する予定だ(図2 「国立健康危機管理研究機構(仮称) 」の名称及び組織構造について(厚労省資料))。

 

 

■厚労省は健康局を「健康・生活衛生局」に改組、局内に「感染症対策部」を新設

 厚労省は9月1日付けで健康局を「健康・生活衛生局」に改組局内に「感染症対策部」を新設。次の感染症危機への対応などに当たる。また、医薬・生活衛生局を「医薬局」に改組した(図3 令和5年度 厚生労働省組織・定員の概要)。

 

 同省の2024年度概算要求では感染症対策に385億円を要求。次なる感染症危機等への対応、新型インフルエンザ等の感染症対策の推進、薬剤耐性(AMR)対策の推進、HTLV-1関連疾患に関する研究等の推進、エイズ対策の推進-を進める。

 このうち、「次なる感染症危機等への対応」では、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえた次なる感染症危機の発生に備え、検査体制の構築、専門人材の育成、臨床研究の基盤の整備等、平時からの体制整備を進める。新規事業の「次なる感染症危機の発生に備えた検査体制の整備」(1.5億円)として、感染初期段階から必要な検査が円滑に実施できるよう、地方衛生研究所や民間検査機関等との連携を含めた検査体制構築のため、国立感染症研究所を中心とした訓練等を実施する。また、新規の「感染症危機管理リーダーシップ人材育成モデル事業」(1.5億円)では、①次なる感染症危機の発生に備え、感染症に関する専門人材を平時から育成するための研修プログラムの作成及び研修実施体制を整備、②都道府県等における平時から人材の育成・資質の向上を図るため、予防計画に基づく研修や訓練等の実施を支援する。

 さらに、新興・再興感染症臨床研究ネットワーク事業」(24億円)として、感染症患者の臨床情報や検体等を速やかに収集し、検査方法や治療薬・ワクチン等の研究開発の基盤となるよう、新興・再興感染症データバンク(REBIND)の機能を強化するとともに、平時から感染症に関する医薬品の研究開発に協力可能な医療機関とのネットワークを構築し、医薬品開発等の臨床研究を実施するための体制を構築する。

 

 内閣感染症危機管理統括庁は岸田首相の肝いり2023年4月に発足した「こども家庭庁」に続いて、2つ目の新省庁となる。2001年の中央省庁再編では、「縦割り行政による弊害をなくし、内閣機能の強化、事業及び事業の減量、効率化すること」などを目的に、1府22省庁から1府12省庁に再編された。しかし、それ以降、2008年の観光庁を皮切りに、2023年4月こども家庭庁、9月の内閣感染症危機管理統括庁まで10省庁が新設、もとに戻った。SNSでは、「デジタル庁、こども家庭庁と『やっています感』アピールの組織新設が続いている。内閣感染症危機管理統括庁、どんどん無駄な省庁が増えていく」と批判の声も。

 

 

 


 2~3年前だったか?

 当時はまだ自宅の近くの商業施設の敷地内にあった、レンタルビデオと本屋が併設した店舗、T〇UT〇〇Aで、面白そうな本を物色していると、「このマンガがすごい」と、単行本が大きくクローズアップされたコーナーに目が留まった。

 タイトルは「送葬のフリーレン」。少年サンデーに連載している作品らしい。

 思わず第1巻を買った。次の日に当時は最新の3巻まですべて買って読んだ。

 よくあるファンタジー冒険譚とは一味も二味も違う、緻密で丁寧な物語だ。

 派手とはおよそ対極にある、どちらかと言えば地味な物語だ。そして流れていく時間のスパンがとてつもなく長い。

 そうこうしているうちに、この10月から「このマンガがすごい」とされたマンガは、ついにアニメ化を果たし、その上地上波放送の新番組が、第1話から第4話を一挙に、なんと金曜ロードショー内での放映開始という、「地味」とは対極にあるような派手さで、大好評のうちに(?)地上波デビューを果たした。

 

 4月や10月は、前述の番組改編も含め、我々の生活に関わるいろいろなものが変わる節目の月である。

永遠に続くかと我々に思わしめた暑さも、朝夕はようやくなりをひそめ、どうやら「秋」といって良い季節に移り変わった。明らかに空の色や雲の形が夏とは異なっている。

 

 変わった。

 と言えば内閣改造もあった。2024年のトリプル改定を見据えた陣容(?)なのだろうか。厚生労働省には武見厚労相が新たに就任された。

 新型コロナウイルス感染症による猛威が、世界中に大きく爪痕を残したわけだが、その傷もようやく癒える段階となった。「遅ればせながら」なのかもしれないが、我が国も、経済的な復興に向け、今年の春過ぎから本格的に動き出したのだが…。

 

 コメントを紹介したい。

 

〇武見厚生労働大臣:改めて国立健康危機管理研究機構は大変重要な役割と強調

 内閣改造で厚生労働大臣として初入閣した武見敬三氏は9月14日の就任記者会見で、感染症対策について「9月1日に省内に設置した感染症対策部、平時から感染症の特性の分析、検査、予防接種、検疫等について一体的に実施し、省内の調整を主導することとしている。また国立健康危機管理研究機構については、科学的知見の基盤として期待される役割を果たせるように、創設に向けた検討や準備を一層進めていくことになる。こうした取組を通じて、そして国民の皆様のご理解・ご協力を引き続き得ながら、感染症対応力の一層の強化を図ってまいりたいと思う。また改めて、この国立健康危機管理研究機構、この役割というのは大変重要な役割だということを改めて申し上げておきたい」と強調した。武見敬三参議院議員は、自ら立ち上げた自民党感染症対策ガバナンス小委員会の委員長として、「感染症は中小規模の段階で抑え込むのが原則だが、わが国には米国の疾病対策センター(CDC)やドイツのロベルト・コッホ研究所のように研究開発からサーベイランス(調査監視)までの拠点機能を備えた施設がない。また司令塔機能もなかった」などと、感染症対策におけるガバナンス(統治)を強調していた。


 今を遡ること1か月前旧国立感染症研究所国立国際医療研究センターが一体的に統合を果たし、「内閣感染症危機管理統括庁」が発足していた。

 出自から考えれば、どう考えても武見大臣は「厚労族」だ。当然厚労行政への造詣も深い。その大臣が「大変重要」を強調されたのだ。新型コロナウイルス感染症の登場で、それまで重要視されてきた5疾病5事業以外にも、感染症対策がいかに重要なのかを、我々は経験を以って痛感したわけなので、大変重要、つまり「太鼓判」である。

 

 そして、その機構の知見も活用し、感染症危機対応に関するもろもろを一元的に司令塔として担う役割、「内閣感染症危機管理統括庁発足今回のテーマである。

 

【図-1】内閣感染症危機管理統括庁を中心とした司令塔機能の強化

 図を眺めるに、管理監だ、補だ、対策官に審議官、参事官…と、非常に重要なそれぞれのポストなのだろうが、筆者にはその意味するところの差すら、正直良く分からない。それもしっかり理解した上で、もろもろ各方面の調整を行った上で、こんな図を作らせたなら、官僚の右に出るものはいないのではないか。

 

 岸田総理のこんなコメントである。

 

〇岸田首相:統括庁は各省庁を強力に束ねる扇の要、統括庁の創設が新たな歴史の起点

 

 9月1日の内閣感染症危機管理統括庁発足の記者会見で岸田内閣総理大臣は、「本日は防災の日の訓練に参加するとともに、その後、内閣感染症危機管理統括庁の発足式に臨んだ。災害や、感染症危機、これはいつ起こるかわからない、予測することができないものであるが、だからこそ、常に万全の備えをしていかなければならない。こうしたことを感じ、また覚悟を新たにする1日にもなったと感じている。本日は関東大震災100年。新型コロナ禍もまた、スペイン風邪の発生から100年後に直面した歴史的な災禍である。統括庁は各省庁を強力に束ねる扇の要であり、統括庁の創設が、新たな歴史の起点になること、これを願ってやまない。これまでの戦いを振り返りつつ、万全の備えを期す、こういった決意をかみ締めながら、今日の発足式にも臨んだ次第である」などと述べた。


 スペイン風邪の流行が終息した直後は、ルネサンス期を迎えた中世ヨーロッパでも、感染症に対する危機意識はあったことだろう。しかし100年という時の経過の中で、どうしてもそれが薄れてしまうのは、たとえそれを経験した種族とて否めない。

 

 喉元過ぎれば何とやら。

 

 人間とは、とかく身勝手な生き物でもある。その身勝手さを、我々は過去の教訓を糧に、しっかりコントロールしていく必要がある。総理大臣の決意は、今は力強い。

が、今(コロナ禍直後)は「さあ来い」と準備をしているのだが、仮にあと20年、何事も起きなかったとしても、総理大臣もおそらく何代も変わられていることだろうが(おそらく何人も)、今コロナ禍で得た教訓から、統括庁発足後も継続して緊張感を保ち続け、財務省も予算をつけ続け、人材も集まっていて、対策も万全、100年後まで先ではないにしろ、結構遠い将来、岸田総理の思い描いた通りに、我が国は果たしてそんな体制を継続してくれているだろうか?

 

 災難は、忘れた頃にやって来る。

 

 厚労省健康局も「健康・生活衛生局」に改組された。

 

〇健康・生活衛生局長:疾病や感染症に平時からきちんと準備した上で対応したい

 7月4日付けで厚労省健康局長(9月1日の組織改正で健康・生活衛生局長に就任)に就任した大坪寛子氏は、就任記者会見で、「健康局の業務は極めて国民生活に近く、重要課題を持っている。コロナ対策もだが、疾病や感染症に平時からきちんと準備した上で対応したい」と抱負を語った。


 【図-3】令和5年度厚生労働省組織・定員の概要 をご参考いただきたい。

 健康・生活衛生局にも、感染症対策部が設置され、内閣感染症危機管理統括庁と一体性を持った体制が構築されたわけだ。

 今や土地開発は世界的な規模で進んでおり、掘り起こすことによる未知のウイルス、そこから巻き起こる新興感染症のリスクを鑑みるに、来てほしくはないが、次の」はあと100年は来ない、などということは決してないだろう。いつ新興感染症のリスクが我々を襲って来たとしても、慌てることのないよう、根気がいるが、備え・緊張感の持続は欠かせない。

 

 次はこんなコメントを

 

〇日病会長:新型コロナ5類移行で現場から不安の声

 日本病院会の相澤孝夫会長は8月29日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類になったことに伴う医療提供体制や公費支援の見直しについて、理事会で入院調整を医療機関同士で行うことや、コストに見合った診療報酬が得られるかどうかなどについての懸念が出たことを紹介。「現場の院長たちから『こういう不安がある』ということを厚労省に伝えていきたい」と述べた。


 

 医師のコメントも紹介したい。

 

〇日本感染症学会の役員:平時から人材育成を進めて備えることが重要

 日本は海外に比べコロナ対応で遅れた部分があったのは否めない。感染症に 対応できる医師や、感染経路などを調べる保健所職員の不足が浮き彫りになった。有事に病床や検査体制を十分に確保できるよう、平時から人材育成を進めて備えることが重要である。


 

 今度はこんなコメントを。

 

○看護師

 政府が感染症対策に本腰を入れるようになった今、感染対策における高度な専門知識や実践力をもつと認定され、医療関連感染サーベイランスの実践、施設の状況の評価、感染予防・管理システムの構築などを行う「感染管理認定看護師」の役割が注目される。


 

 医業系コンサルタントのコメントも。

 

〇2024年度からの第8期医療計画の中に「新興感染症対策」が盛り込まれる

 2022年度診療報酬改定では、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて感染対策向上加算・外来感染対策向上加算が新設された。2024年度診療報酬改定に向けて中医協では感染症対策について、「医療計画における新興感染症対策の推進」「既存の感染症対策の推進」「抗菌薬使用」の3点について論議を進めている。このうち、2024年度からの第8期医療計画の中に「新興感染症対策」が盛り込まれ、例えば、①都道府県等と医療機関とが「感染症対応」に関する協定を締結する、②医療機関等は協定に基づいて平時からの感染症対策を強化する(医療機関間連携、医療機関・介護施設等間連携の強化、人材育成など)、③有事には協定に沿った対応を行う(入院患者受け入れ、発熱患者対応、回復患者受け入れ、医療従事者派遣など)-ことなどを地域ごとに協議・決定していくことが求められる。2024年度改定では引き続き感染症対策に注目していくべきである。


 医師も、看護師も、医業系コンサルタントも、口を揃えての「感染症対策」の重要性である。

 令和3年時点で、我が国に存在する感染症病床数1,893である。

 

 最後にこんなコメントを。

 

〇コロナとインフルが同時流行してきた最悪の時期に自己負担増

 10月からこれまで全額公費で負担してきた高額のコロナ治療薬の一部自己負担が生じる。現在、全額公費で負担している高いもので9万円を超える高額なコロナ治療薬について、年齢や所得に応じて3000円から9000円一部自己負担を求める。また、入院医療費については、これまで、1か月当たりの医療費が高額になった場合、「高額療養費制度」を適用したうえで、さらに最大2万円を補助してきたが、来月からは補助額を半額の最大1万円にすることになった。コロナとインフルエンザが同時流行してきた最悪の時期に、いきなり自己負担増。何でこんな最悪の時期に負担が増えるのか。国の司令塔内閣感染症危機管理統括庁は、国民の危機意識を感じていない?


 なかなか手厳しい

 

 「5類」に分類されてはいるが、いつ・誰がかかってもおかしくない、いわゆる風邪と殆ど同義になってしまったコロナ感染症だが、一般化(といって良いのか判然としないが)してしまうということは、隔離されないことは良いことなのかもしれないが、反面、そこに特別な(金銭的な)手当もすることがなくなる、ということでもある。

 一般化・特別視しない ということが世論の要望の流れならば、国民感情的には受け入れがたいのだが、自己負担増→自己責任 のような流れにもなってしまうのか。

 

 何とも皮肉なことだ

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

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