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No.826 「急性期拠点機能」と「高齢者救急・地域急性期機能」の「何でも病院」禁止を明記 厚労省、2040年に向けた新たな地域医療構想策定ガイドラインを公表

2026年08月17日

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◇「厚労省、2040年に向けた新たな地域医療構想策定ガイドラインを公表」から読みとれるもの

・入院・外来・在宅・介護を一体で捉える地域完結型モデルへの転換

・病床機能は、「高度急性期」「急性期」「包括期」「慢性期」の4区分で運用

・急性期と地域急性期を“同時保有禁止”

 

入院・外来・在宅・介護を一体で捉える地域完結型モデル

 厚生労働省は7月3日、2040年の人口構造を見据えた「新たな地域医療構想策定ガイドライン」を公表した。改正医療法では、2028年度までに各都道府県が地域医療構想を策定することが求められており、今回のガイドラインが各地域の議論の基盤となる。新設される医療機関機能報告制度では、「急性期拠点機能」と「高齢者救急・地域急性期機能」は同時に報告できないことが明確化され、従来の“何でも病院”モデルからの機能分化を促す内容となった。

 同日公表された「2040年の病床数の必要量の機械的試算」では、必要病床数は106.9万床と算出。2025年度病床機能報告の116.4万床から、15年間で9.5万床減少する見込みである。特に急性期病床は2025年の50.0万床から2040年には24.0万床へと大幅減となる一方、回復期は21.1万床から、急性期後を包括する「包括期」として41.6万床へ倍増する。人口減少・高齢化を踏まえ、急性期の集約と包括期の拡充を軸に医療提供体制の再設計が求められる。(図5 2025年度病床機能報告について)

2025年度病床機能報告について

 

ガイドラインでは、医療機能を以下の5類型に再整理した。

1.
急性期拠点機能  高度急性期・救急・手術を集約し、人口20〜30万人に1拠点が目安。地域の「高度急性期の司令塔」として位置づける。
2.
高齢者救急・地域急性期機能  高齢者の救急需要に対応し、早期リハビリ・退院支援を担う。多疾病併存への総合対応が中心。
3.
在宅医療等連携機能  24時間往診、訪問看護、オンライン診療など、在宅療養を支える基盤。
4.
専門等機能  集中リハ、マルチモビディティ対応、皮膚・腎臓・免疫など地域特性に応じた専門医療。
5.
医育及び広域診療機能(大学病院本院) 大学病院本院の役割を拡大。大学病院は医師派遣や専門人材育成、広域診療支援を担う存在として位置付けられ、都道府県と連携しながら地域医療体制を支える。

 この再定義により、従来の「病床機能中心モデル」から、入院・外来・在宅・介護を一体で捉える地域完結型モデルへの転換が明確化された。(図6 地域医療構想策定ガイドライン骨子の概要

地域医療構想策定ガイドライン骨子の概要

 

 病床機能区分も見直され、従来の「回復期機能」は高齢患者の急性期治療後の受け皿としての役割を強化し、「包括期機能」として再定義される。病床機能は今後、「高度急性期」「急性期」「包括期」「慢性期」の4区分で運用される。国は包括期病床を高齢者救急の受け皿として位置付け、治療からリハビリ、栄養管理、退院支援まで切れ目なく提供できる体制整備を促進する。

 

 構想区域については、人口減少が進む地域で現在の二次医療圏単位による医療完結が難しくなることを踏まえ、区域の広域化や都道府県をまたいだ連携も視野に入れる。特に人口20万人未満の医療圏が増加する中、急性期医療の維持や医療人材確保の観点から、既存の区域設定の見直しが重要なテーマになるとみられる。

 

 今回のガイドライン改訂の背景には、①団塊ジュニア世代が高齢期に入り、救急・入院需要が急増、②人口20万人未満の二次医療圏が全国の約半数に、③医師偏在が深刻化し、急性期の維持が困難に、④ 在宅医療・介護の需要が急拡大-など、2040年に向けた人口構造の急激な変化がある。これらの変化により、従来の「病床中心モデル」では地域医療を維持できないことが明らかになった。 厚労省は、急性期拠点の集約と地域急性期の役割強化を同時に進めることで、地域全体の医療提供体制を再設計する必要があると判断した。

 

 新たな地域医療構想は、改正医療法に基づき2028年度までに各都道府県が策定する。国は2026~2028年度を集中的な検討期間と位置付け、2040年に必要となる医療機関機能や病床数、在宅医療体制などを地域ごとに整理するよう求めている(図7 地域医療構想の策定・推進に向けたスケジュール

地域医療構想の策定・推進に向けたスケジュール

 

■「何でも病院」モデルの限界、政策側の明確な問題認識

 今回のガイドラインで注目されるのが、1つの病院が「急性期拠点機能」と「高齢者救急・地域急性期機能」を同時に持つことは認めないと明確に示した点だ。

 これまで多くの地域で、急性期と地域急性期を同一病院が広く担う「何でも病院」モデルが一般的だった。しかし、急性期医療の高度化と高齢者救急の急増により、両機能を併存させることで医師配置・救急対応・リハビリの質が分散する課題が顕在化していた。厚労省は、急性期拠点は高度急性期・救急・手術の集約拠点として専門性を高める一方、地域急性期は高齢者救急・多疾病併存への総合対応を担う役割に特化させることで、地域全体の医療提供体制の質を底上げする狙いを示した。

 

 今回の“同時保有禁止”は、単なる機能分類の見直しではない。厚労省が示したのは、地域医療の質を低下させてきた構造的問題への明確なメスである。急性期医療は高度化し、手術件数・救急搬送・集中治療の質を維持するためには、専門医・看護師・リハビリスタッフの集約が不可欠となった。一方で、高齢者救急は誤嚥性肺炎、心不全、脱水、転倒など多疾病併存への総合対応が求められ、急性期とは異なる専門性が必要となる。

 両者を同一病院で担う「何でも病院」モデルは、

 ・医師配置が分散し、どちらの機能も中途半端になる。

 ・救急対応が高齢者と高度急性期で混在し、優先順位が曖昧になる。

 ・リハビリ・退院支援の体制が不安定になる といった問題を生み、地域医療の質を低下させてきた。

 厚労省は今回、これらの課題を明確に認識し、病院機能の分化と役割の明確化を強力に推進する姿勢を示した。2028年度までに全医療機関が担うべき機能を決定する必要があり、「どの機能を選ぶか」が病院経営の中核テーマとなる。

 

 


 

 今から10年前、2016年(平成28年)4月、マグニチュード6.5の地震が熊本県を襲った。石垣が崩れてしまった熊本城の復興がようやく見えかけてきただけに、そのわずか10年後、再び熊本県を襲った地震には言葉も出ない。

 今この時も避難所生活を余儀なくされておられる方々もおられる上に、「酷暑」の夏…。自然の不条理を思わずにいられないが、震災に見舞われたすべての方々に、心よりお見舞い申し上げたい。

 2016年を遡ること2年。平成26年(2014年)の医療法改正を契機とした地域医療構想のスタートを皮切りに、地域完結型医療に向けた動きは進められてきた。

 それまでは「病院完結型医療」、一つの病院内で検査から治療、入院、退院後のケアまでをすべて完結させる医療のかたちを構築しようとすることがスタンダードな考え方であったが、読者諸氏にもご案内のとおり、「医療連携」、「医療と介護のシームレスな連携」を目指した「地域包括ケア」の考えのもと、「地域完結型医療」に誘導する度重なる医療制度改革、診療報酬改定が行われ、地域医療構想を踏まえ、二次医療圏ごとに「地域医療構想調整会議」が設置され、病床の機能分化が進むなど、様々な経緯を踏んできた医療提供体制だが、現在に至るも、「地域包括ケア」の好事例には、なかなかお目にかかることがない。

 何度も使い古されている言葉であるが

 「もはや待ったなし」

 という状況がここ何年か続いている。

 

 今回は人口減少、働き手不足、つまり医療提供リソースの減少傾向も踏まえ、さらに「地域完結型医療」の方向性を明確に打ち出し、「何でも病院」、あえて言うなら「病院完結型医療禁止を新たな地域医療構想策定ガイドラインが公表された というのがテーマだ

 

 コメントを紹介したい。

○医務技監:提供体制改革の柱になるのが新たな地域医療構想

 厚労省の迫井正深医務技監は7月2日、第76回日本病院学会「新たな地域医療構想から日本の医療を考える―未来の医療に向けた選択のために―」をテーマに講演で、2025年以降、「高齢者の急増」から「現役世代の急減」へと局面が変化することを強調。この難局を乗り切るためには、医療保険制度と医療提供体制の双方の面から改革が必要であるとし、提供体制改革の柱になるのが新たな地域医療構想であると解説した。


 「医療保険制度と医療提供体制の双方の面から改革が必要。」

 今回の厚労相人事で留任が決まった迫井医務技官。この難局を乗り切るためのリードを、是非ともお願いしたい

 

 財務省のコメントだ。

○財務省官僚:急性期病床の「徹底的な集約化」

 財務省の一松 旬主計局次長は、厚労省による「新・地域医療構想策定ガイドライン」の公表(2026年7月3日) や、財政制度等審議会(財政審)における議論を通じ、医療提供体制の抜本的改革に向けた厳しい発言と要求を続けている。一松次長はこれまでの財政審等の議論において、地域医療構想が「単なる病床数の調整」で終わっている点を一貫して批判してきた。2026年の新構想本格始動にあたり、「各地域の過剰な急性期医療資源をデータに基づいて強制的に集約し、真に効率的な体制へ移行すべきだ」という姿勢をさらに強めている。


 今WMNには何度となくご登場いただいている一松氏。

 財務官僚として、国の財政健全化を本気で憂いていらっしゃるが故の使命感なのだろう。とは思いたいが…。

 

 次のコメントを。

○日本医師会:「全国的な病床数目標設定と削減、明確に反対」

 日本医師会常の坂本泰三常任理事は6月28日の第163回日本医師会臨時代議員会で、今後の人口減少社会の中で、「病床数のあり方は要となる論点」としつつも、全国的な病床数の目標値を設定し、それに向けて削減すべきという方針には、日医として明確に反対する姿勢を表明した。「新たな地域医療構想において、いずれ国から2040年の全国の必要病床数が示されるとしても、大切なのは全国単位ではなく、構想区域単位で考えることだ」と強調。地域医療構想の根幹は、地域医師会等の関係者による協議、医療機能の役割分担と連携の推進、そして適切な財政支援によって、病床数が将来ニーズに応じて自主的に収斂されていくことにあると指摘した。


 財政審的立場の主張が前出のコメントで一貫したものであるなら、同じく診療の立場から国を憂う日本医師会のコメントもまた一貫している。両者の主張は、元を辿れば同様の現状課題なのだろうが、その認識と、そこから発信する考え方が非常に異なる。

 財政を担う側、医療提供体制と医療の質を担う立場、お互い平行線であることも一貫している。

 

 病院団体のコメントを。

○各病院団体

日病会長:人口減少社会見据え「今後の医療体制の検討が一丁目一番地」

 日本病院会の相澤孝夫会長は7月2日、第76回日本病院学会の「社会と医療の構造的変化を見据え、病院がなすべき選択と集約―地域の中で自病院が果たすべき役割の再構築―」をテーマにした講演で、少子高齢化による患者と働き手の減少が「日本社会の確実な未来」であると指摘し、「今後の医療提供体制の在り方を考えること」が一丁目一番地であると強調。「なぜこのようなことを言うのか。医療提供体制が変われば、必要とされる人員も変わるからだ」と述べ、厚労省が進める新たな地域医療構想において、その本気度が問われると指摘した。

 

全自病:ガイドラインは、地方の地域医療の実態を把握・勘案していない

 新たな地域医療構想策定ガイドラインでは「1つの病院が『急性期拠点機能』と『高齢者救急・地域急性期機能』とを報告できない」こととされた。7月16日の全国自治体病院協議会定例記者会見で望月泉会長をはじめ幹部から、「地域によっては「基幹的な自治体病院(県立中央病院等)が救急搬送患者を受け入れ、その後、患者の状態を見て、日中(診療時間内)に地域密着型病院等に『下り搬送』をする」ことで地域の救急医療体制を守っている。こうした自治体病院は「急性期拠点機能」とともに、実質的に「高齢者救急・地域急性期機能」を果たしている」と指摘。「新たな地域医療構想策定ガイドラインは、地域医療の実態を把握・勘案できていないのではないか」と疑問を呈した。


 「地域医療の実態を把握・勘案できていないのではないか」

 そう思いたくなるお気持ちはよく理解できる。このガイドラインの真意は、果たしてどこにあるのだろうか。

 

 自治体のコメントだ。

〇広域化や区域再編の議論を円滑に進めるための“実務的な手順”の明確化

 ガイドラインが示す協議項目が多岐にわたるため、関係性・連携のあり方・議論の視点・ステップを地域類型ごとに整理してほしい。特に、人口規模が小さい圏域では、入院完結が困難であり、広域化や区域再編の議論を円滑に進めるための“実務的な手順”の明確化が求められている。

 

〇地域住民への説明責任

 地域医療構想の改革を進めるにあたり、地域住民に分かりやすく伝え、理解を得た上で建設的に意見交換できる仕組みが必要。病床再編や機能転換は住民の不安を招きやすく、自治体として説明責任を果たす体制整備が不可欠である。

 

〇会議体の整理と負担軽減

 地域医療構想調整会議とその他の会議体が乱立することに対し、過重な負担を課さないよう、会議体を上手に連携・整理する必要がある。


 広域化、区域再編、説明責任、会議体の上手な連携・整備。

 枠組みが変わっても、患者の移動距離が減る方向にはならない。むしろ地方に行けば行くほど、移動距離は増えることになるだろう。

 「一つの病院で、ある程度の回復までは面倒を見てもらいたい」

 こういった患者(もしくは家族)の要望は、「急性期病床」という非常に貴重な資源(しかもそのベッドの上で療養していると一番高くつく)を有効に活用するためにも、その時の容体に見合ったベッドの上で療養してください(かなりの移動距離を伴ったものだとしても)、貴重な(高くつく)ベッドからは速やかに出て行ってください、平たく言えばこういうことなのだろう。

 「患者の視点」が謳われて久しいが、現在の医療制度改革の、ベッドに対する考え方はおそらくこうだ。

 

 次のコメントを。

○病院経営層:高齢者救急・地域急性期は、地域完結型医療の基盤としての機能を一層高める必要 

 高齢者救急・地域急性期は、誤嚥性肺炎や心不全など高齢者特有の救急需要が急増する中で、地域医療の中核となる領域である。今回のガイドラインは、急性期拠点との併存を禁止することで、地域急性期の役割をより明確化した。私たちのような地域急性期病院は、早期リハビリ・退院支援・在宅連携を強化し、地域完結型医療の基盤としての機能を一層高める必要がある。


 地域急性期病院の存在感は、確かに今後非常に重要な立ち位置だ。

 

 いわゆる「急性期」と言われる病院は、一昔前は先の、地域急性期病院でも、新たな考え方としてできた急性期拠点機能も、「急性期病院」と呼称されていた。

 医療提供側(院長?・医師?)としては当然、急性期を目指すべきであり、「当院は急性期病院です」と地域に向けたメッセージを発信し、医療提供を継続されてこられたのだろう。(WMN2025年9月号参照)

区域の人口規模を踏まえた医療機関機能の考え方(案)

 

 現在厚労省が示す急性期拠点機能は

  ・大都市型では「複数」

  ・地方都市型では「1~複数」

  ・人口の少ない地域では「1」

 を、それぞれ確保することが示され、

  ・20万人以下の地域では、「確保が可能かどうか特に検討」して、ゼロになる可能性も

  ・「極めて人口の多い地域」では、大都市型とも別の整理をする方針

 と、大きく整理された。

 では新地域医療構想で想定されている急性期拠点機能とは、一体どれくらいの数になるのか。

 

○「急性期拠点機能は医師数100人以上、500施設」と推計

 7月2日に開催された第76回日本病院学会のシンポジウム「Re:mind地域医療の未来を見つめ直す~大都市から人口少数地域まで地域の実情を踏まえた未来への病院経営戦略~」で、国際医療福祉大学大学院の石川ベンジャミン光一教授は、「2040年を見据えた新たな地域医療構想において、急性期拠点機能は主に医師数が100人以上の病院が担うことになるのではないか」との推計を提示した。推計の根拠として、①2022年の病院機能報告を分類すると、医師数が100人以上の病院は全国に509施設(大学病院を含む)。②厚労省は、地域医療構想で急性期拠点機能を担う病院の目安を「人口20万~30万人に1カ所」と想定しており、日本の総人口約1億2000万人を約500施設で割ると24万人に1カ所となる。石川氏の推計は厚労省が想定する拠点数とほぼ一致する。③高齢者救急・地域急性期機能を担うと想定される「50~100人」が441施設、「20~49人」が980施設-をあげた。


 「急性期医療」と「急性期拠点機能」は、似たような表現だが「(急性期医療を提供する)急性期拠点病院」、「(急性期医療を提供する)専門病院」のような考え方になるのだろうか。

 約500の、いずれは「急性期病院」と呼称される急性期拠点機能の病院以外の医療機関においても、我々は急性期医療を提供している」と考えておられる医師は決して少なくない筈だ。

 

 こんなコメントを。

〇急性期拠点機能だけが医療ではない。地域医療は中小病院なしでは回らない

 7月3日に開かれた日本病院学会でシンポジウム「中小病院が拓く新しい地域医療のかたち」で座長を務めた津留英智・日病常任理事は、「これから各地域で新たな地域医療構想の議論がスタートする。まずは急性期拠点機能が議論されると思うが、急性期拠点機能だけが医療ではない。実際に多くの高齢者を支えるのは中小病院だ。地域医療は中小病院なしでは回らない」などとコメントした。


 仰る通りで、急性期病院が全国に500程度となれば、現在の病院数も病床区分を考えなければ8,000病院あるのだ。急性期拠点機能病院の平均在院日数は当然短いだろうから、あとの受け皿となる病院は確実に必要だ。

 病院完結型医療を先発ピッチャー完投型の野球とするならば、先発、中継ぎ、中継ぎ、リリーフ、抑え のようなオールスターゲームのような構図になっていくことが地域完結型医療・地域包括ケアなのだろう。先発以外の多くの選手の活躍が必要だ。

 

 看護師のコメントだ。

○看護師

 急性期拠点として救急・手術・集中治療に特化する方針は、看護師の専門性をより発揮できる環境につながると感じている。一方で、重症度の高い患者が集中するため、専門看護師や特定行為研修修了者など、より高度な人材配置が求められる。ガイドラインの明確化によって、急性期看護の役割がより整理されることを期待している。


 急性期医療を目指そうとする看護師ならそう仰るか…。

 

 次はこんなコメントだ。

○医業系コンサルタント:構想区域の再編は不可避。急性期と地域急性期の役割分担が本格化

 「構想区域の再編は避けられない。急性期拠点は区域内で数カ所に絞られ、地域急性期は高齢者救急の受け皿として再配置される。これにより、急性期の過剰配置や“何でも病院”モデルが是正され、地域完結型医療の流れが整理される。病院間の役割分担が明確になることで、地域の医療提供体制はより持続可能な形に近づくと考えている」


 「構想区域の再編は避けられない」か。

 これまでの医療提供体制の変遷と、議論をされてきた内容を思い返してみると、なかなかに、深いコメントだ。

 

 最後にこんなコメントを紹介して締めくくりとしたい。

○患者(または)家族

【80代患者】

 「急に体調が悪くなることが多いので、地域で受け入れてくれる病院がはっきりするのはありがたい。転院が増えるのは不安だが、必要な治療を受けられるなら納得できる」

 

【40〜50代(介護する子世代)】

 「母が救急搬送されるたびに、どの病院が受け入れてくれるのか分からず不安だった。今回のガイドラインで、急性期と地域急性期の役割が整理されると、搬送先の判断が早くなることを期待している」

 

【20〜30代患者】

 「自分は大きな病気ではないが、地域の病院がどんな役割を持っているのか分かると、いざというときにどこへ行けばいいか判断しやすくなる。医療体制が整理されるのは良いことだと思う


 過度なまでの情報化社会。

 患者や家族の、意外にも物分かりのよい、優等生のコメントだ。全国民がこのように考えてくれているとすれば、厚労省がこれまで情報発信してきたことがこんなにも正しく伝わっているのだとすれば、そのご努力も報われることだろう。「過度なまでに進んでいる(と筆者は感じている)」情報化社会については、しかしながら人類にとってのメリットも当然あるということなのだろう。

 

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