ワタキューメディカル
ニュース
短信:クローン動物からクローンを作ることには限界が
2026年06月15日
クローン動物からクローンを作ることには限界が
-哺乳類がクローン生殖できない理由が明らかに-
これまで人類は効率よい食糧生産のために、偶然生まれてくる優秀な個体を選抜し、数百年かけて品種改良を行ってきた。一方、クローン技術を用いると、優秀な個体とまったく同じ形質を持つ個体を短期間で、しかも大量に作り出すことができるようになると考えられている。現在、厚生労働省はクローン技術を利用して生産された食品の安全性を確認するために家畜クローン技術の安全面の検証やバイオテクノロジー応用食品の確保に関する研究に取り組んでいる。さらに、クローン技術によって老齢や事故で不妊になった動物から子供を作ることや、絶滅危惧種を救済することも可能になる。しかしドナー(元の個体)の細胞を使い切ってしまったら、もうその個体のクローンは作れない。
山梨大学と放射線影響研究所は、1匹のマウスの体細胞からクローンマウスを作り、そのクローンマウスの体細胞からクローンマウスを作る「連続核移植(再クローニング)」を20年間続けた。当初、再クローニングは無限に続けられると考えていたが、突然変異の蓄積により出産成績は徐々に低下し、58世代目で再クローニングの限界がきてしまった。
研究チームは、2005 年に1匹のメスマウスをドナーとして選び、体細胞を採取し、この細胞から核移植技術によりクローンマウスを作り出してこれを第1世代とした。約3か月後、大人に成長したクローンマウスから卵丘細胞を取り出して再クローニングを行い、第2世代の再クローンマウスを作出した。以降同様に3-4カ月ごとに再クローニングを繰り返し、再クローンマウスの成功率や出生時の体重の推移などを明らかにした。
その結果、再クローンマウスの成功率は、世代ごとにばらつきが大きいものの、第1世代の7.4%から徐々に高くなり、26世代目には15.5%に達したが、この世代以降、クローンの出産成績は徐々に低下しはじめ、58世代目の成功率は0.6%まで低下した。そして、生まれた 58 世代目の再クローンマウスは生後数日以内に死亡したことで、クローン生殖の限界が科学的に示された。この原因を明らかにするため再クローンマウスの全ゲノム配列を調べたところ、クローンマウスは普通の交配で生まれるマウスに比べ、突然変異の発生頻度が3倍高いことが判明した。さらに、世代を重ねるにつれて、生命に深刻な影響を与える「重い突然変異」が増えていくことも明らかとなった。
これまでクローン動物のDNAはドナーと完全に同じであり、再クローニングは無限に続けられると考えられていたが、本研究により、少なくとも現在の核移植技術では自然交配よりも高頻度にDNA変異が生じるため、再クローニングには限界があることが示された。今後人類がクローン技術を利用するためには、クローンに関してより深い理解が必要であり、有害な変異を引き起こさない安全な核移植技術の開発が必要である。
本成果は2026年3月25日午前1時(日本時間)に『Nature Communications』に掲載された。
【プレスリリース】クローン動物からクローンを作ることには限界が! -哺乳類がクローン生殖できない理由が明らかに- – 山梨大学生命環境学部
ワタキューメディカルニュースの最新情報をメールで受け取れます。
下記の個人情報の取り扱いについて同意のうえ、登録フォームへお進みください。
■お客様の個人情報の取り扱いについて
1.事業者の名称
ワタキューセイモア株式会社
2.個人情報保護管理者
総務人事本部 本部長
3.個人情報の利用目的
ご入力いただいた個人情報は、WMNメール送信のために利用いたします。
4.個人情報の第三者提供について
法令に基づく場合及び本人ならびに公衆の生命・健康・財産を脅かす可能性がある場合を除き、ご本人の同意を得ることなく他に提供することはありません。
5.個人情報の取り扱いの委託について
取得した個人情報の取り扱いの全部又は一部を委託することがあります。
6.保有個人データの開示等および問い合わせ窓口について
ご本人からの求めにより、当社が保有する保有個人データの開示・利用目的の通知・訂正等・利用停止等・第三者提供の停止又は第三者提供記録の開示等(「開示等」といいます。)に応じます。
開示等に関する窓口は、以下の「個人情報 苦情・相談窓口」をご覧下さい。
7.個人情報を入力するにあたっての注意事項
個人情報の提供は任意ですが、正確な情報をご提供いただけない場合、WMNの送信及び最新情報などのご案内が出来ない場合がありますので、予めご了承下さい。
8.本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得
クッキーやウェブビーコン等を用いるなどして、本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得は行っておりません。
9.個人情報の安全管理措置について
取得した個人情報の漏洩、滅失または毀損の防止及び是正、その他個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じます。
このサイトは、(Secure Socket Layer)による暗号化措置を講じています。
ワタキューセイモア株式会社
個人情報 苦情・相談窓口(個人情報保護管理者)
〒600-8416 京都市下京区烏丸通高辻下ル薬師前町707 烏丸シティ・コアビル
TEL 075-361-4130 (受付時間 9:00~17:00 但し、土日・祝祭日・年末年始休業日を除く)
FAX 075-361-9060

